オッドアイ

本城 智咲

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第14話 秋祭

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朝早くから学園の祭りは大いに盛り上がりを見せていた。沢山の人で学園の敷地内は、埋まり。混んでいる様子もあるほどだった。一際混んでいたのは、喫茶店を出している2-Aだった。客のほとんどが若い女性ばかりで、受付をしていた千聖を取り囲んだ。女性の黄色い声は中でドリンクを提供しているみんなまで届いていた。
「いやぁ、流石。城ヶ崎。客の足が止まらないぜ」
「人気のある店ってこんな感じなんだろうね」
「廊下は女性客ばっかだけど、中は男性ばっかなんだよな...そんなに女子高生のメイド服が最高なのか?」
「おい、江間!鑑賞に浸ってないで手伝ってくれ、間に合わねえ」
クラスの売れ行きは好調で慌ただしい1日が始まった。お昼近くになっても客足は止まらない。すると、案内していた千聖の前に真白が止まった。
「いらっしゃいませ、って真白!なんで」
「え、えっとぉ、」
「私が招いたのさ」
千聖の後ろから凪紗が答えた
「1日家で暇を持て余すのはどうかと思ってね、部下に頼んでここまで送ってもらったのさ」
「...そうか、振替休日か、なるほど...とりあえず、中で楽しんでいってくれ」
「あ、はい」
真白を中に入らせると、
「いらっしゃい真白ちゃん。こっちの席で座ってて、すぐ準備するから」
メイド服を来た栞が真白を席に座らせてしばらくして、品物をテーブルに置いた
「す、すごい!」
「うん、今はランチタイムだから、これ食べてゆっくりしていってね」
ランチセットのような形で提供する時間でこの時間以外はドリンクだけの提供になっている。
「江間ぁ、そろそろ準備頼むわ」
「え!もう、そんな時間かよ、城ヶ崎も準備頼む!」
「了解した」
千聖に群がった女性客達が
「え、これからなにかするんですか?」
「今から、ちょうど1時間後に体育館でライブするんです。都合がよろしければ来ていただけると幸いです」
千聖の言葉に女性たちは目をハートにしてその後散っていった。
「じゃ、江間達は先に行ってくれ、俺は恵那を迎えに行ってくる」
「おう、できる限り早めに頼むぜ」
江間達は体育館に千聖は恵那を迎えに1年生のフロアに赴くと、男性客の人だかりが出来上がっていた。その中心には恵那が居て
「あ!千聖さん助けてくださいぃ、ファンの人達に囲まれて動けません~」
「はぁー」
ため息をついて、能力を使って恵那を救出する
「おぉー、ありがとうございます千聖さん、けどこれちょっと恥ずかしいです」
救出した格好がお姫様抱っこだった
「おっとすまない」
直ぐに下ろして、
「じゃ、行くぞ。時間がない」
そのまま体育館に向かった
体育館控え室にて、
「よぉ~し、全員集まった。つーかやっぱ、活動休止中とはいえ、アイドルがいると強いな、もう体育館が人でぎゅうぎゅうだったぜ、」
「それに、千聖の人気も高いのか男性客ばかりじゃないく、女性客も多かったからね」
「そうなんですか、期待されてますね千聖さん」
「そう華やかしいものにはならないと思うのだが」
「だったら、華やかしいものにすればいいんです!ちょっと待っててくださいね」
そう言ってロッカーを漁る恵那
「これです!事務所にお願いしたら、あっさり了承したくれたので、これ着てください」
差し出されたのは男性が着るアイドル衣装だった。それを受け取った千聖の表情は少し引きつっていた。
一方体育館にて、
「なんかすごい人だね。」
「まぁ、休止中のアイドルが歌うんですからこうもなりますよ。それよりあれなんですか」
視線をやったところには、うちわやペンライトを持った女子生徒達が集っていた持っているうちわには千聖と書かれている。
「千聖のファンクラブが出来たそうだ。体育祭の1件と3週間前のテストの1件で知名度が上がったそうで、彼女達は千聖に見て欲しいと奮起しているらしい」
「千聖の周りは色んなことが起きるわね」
「面白くて良いと思いますよ」
「...それもそうね」
と話していると、客席側の照明が全て落ちて、ステージの幕が開きバスドラがドンドンとなったすぐに千聖と恵那が歌い始めると客席は静かに2人の後歌声を聞いた。イントロが終わり曲が盛り上がると客席の人達も大いに盛り上がりを見せ体育館は1種のライブ会場になった。アイドル衣装に身を包んだ二人は鮮やかに華やかに歌い続け1曲が終わると歓喜に湧いた。その後も時間がある限り歌い続けた。ライブが、終わりクラスの運営に再び周ると、バンド効果で午前中より人が増えた。その後は何もなく運営が進み
「やぁ~と、一日目が終わったぁーこれ明日もあるのキツすぎだろ」
「お疲れ、千聖もご苦労さま」
「あぁ」
「しっかし、みんなもバテバテだな、ずっと客足途絶えなかったから当然ちゃ当然なんだが、さすがにえぐい」
「お疲れ様です。千聖様どうです私の衣装は」
「・・・やはり舞夜はいつもの和服の方が似合う、西洋風の服は舞夜には合わないな」
「...あ~、素直に似合ってると言って欲しかったのですが、それも悪くはありませんね...えへへ」
「お、外に宣伝して言った組も戻ってきた。」
「みんなお疲れ様」
栞達がクラスに戻ってきると、千聖が驚いた表情をした。
「!...なんで、真白がその服きてるんだ!?」
真白が皆と同じメイド服を着ていた
「あぁ、これには色々あって、ここに来て、じっとするのも、1人で学園回るのも心細いだろうなってことで、クラスの手伝いして貰ってた」
「ま、まじか...特に危ない目に会ってはいないな。怪我とかもしてないか?」
「はい、大丈夫です」
「なら、良い...手伝ってくれて助かったありがとなお疲れ様」
膝をついて、真白の頭を手で擦る
「...はい」
それを見ていたクラスのみんなはほのぼのと癒されていた。
「城ヶ崎って、過保護だよな」
そうして、1日が終わりその日の夜だった。無線機に連絡が入る
「千聖さん、教官からの話があるそうなので繋げます」
「...まずは、警察署長に捕まっている。元学園の教師が脱走し、行方不明になった。そして、これを機に近い内に帝都でテロが起きると予測が出たこのテロの阻止を舞夜と一緒に食い止めろ。これがお前の最後の任務だ。それまでお前の残り人生しっかりと堪能するといいだろう今まで世話になった...デューク」
「...いえ、こちらも教官にはお世話になりました。最後まで尽くさせて頂きます。では」
そう言い残して、翌日。一日目より忙しくなった。千聖と恵那の写真が撮られネット上に拡散され、人が寄り集まってしまった。昨日と同様にお昼すぎにはライブをやったが、こちらも大盛り上がりで終わりを迎えた。何事もなく、1日が終わり、終祭のためにグラウンドで後夜祭も開かれた。グラウンドにて、
「千聖お疲れさぁーん」
「おう2人も悪いな手伝わせてしまって、」
「ううん大丈夫、これも仕事のうちだしこれで終わりだから」
「・・・それもそうだな」
グラウンドには複数の生徒が、キャンプファイヤーの周りを囲っている。
みんなも集まり、
「千聖?ずっとそのまま(・д・。」
「あぁ、着替える暇が無くてな、結局最後までこの服で過ごしてしまった」
千聖はライブの後沢山の人に囲まれ、着替えることが出来ず、夜の後夜祭までずっと着ていたそれは恵那も同様で
「私もですよぉ、あんなにファンに囲まれるだなんて、活動していた時疲れましたぁ」
「アハハ、やっぱりアイドルって大変だね、とりあえずお疲れ様恵那ちゃん」
そうして、みんなで団欒していると
「お、やっぱいたか城ヶ崎」
「?帰っていなかったのか?」
「いやぁ何真夏が最後まで残ってたいって言うから付き添ってるだけ、本当だったら直ぐに帰りてぇよ」
「君は、思っていた以上に妹思いなのだな、いわゆる隠れシスコンと言うやつか!」
「会長は、なに言ってんだ、別にそんなんじゃねぇよ、とりあえず言うこと言えよ」
「お、お兄はうるさい、こっちだって気持ちの問題があるの!!」
深く深呼吸して、そして、
「あの、千聖さん、その...私と一緒に踊ってくれませんか!!!」
真夏の渾身の告白に対して、千聖はしばし間を置いて、後ろめたそうに
「...すまない、俺にはもう手を取る相手がいるんだ。だからそのお願いには答えられない。」
「!...です...よね。すみません突然こんなこと言ってしまって、それじゃ私はこれで、お疲れ様でした!!」
そう悔しそうに後ろ向いて走って帰って行った。
「お、おい!真夏」
「すまない江間、任せていいか」
「まぁ、いいよ、あいつもわかってただろうし、突然なこと言ったのはあいつだ、どうにか機嫌直しておく。その代わりなにか奢って貰うがなぁ!」
「あぁ、いいぞ」
「じゃ、そういうことでまた明日な」
「あぁ、...ふぅ」
そう言って後を追うように江間を帰って行った。
「風を切るように帰って行っちゃいましたね」
「そうね、所で千聖の手をとる相手って誰?」
「...フラン、俺の手を取って、俺と踊ってくれませんか?」
後ろ向いてフランの前で膝を着き、手を差し伸べる、がフランの表情は険悪だった。
「ちさ、それやだ...敬語やめて」
「え、...すまない俺なりにムードというものを作ろうとしたんだが、不快にさせて申し訳ない」
「ううん平気、むしろ嬉しい、だからその言葉使いは嫌だけど、ちゃんとこの手は取る」
その表情は嬉しさでいっぱいだった。そうして、千聖とフランは手を取り合い一緒に踊った。残った一同は
「こうして見ると私は間違った行動を起こしていたのね」
「それはどういう意味だい?」
「よく見て見なさいよ、あのフランの表情、昔だったら絶対と言うほどありえないわフランが感情を表に出すなんて、それを私は引き剥がそうとしていた。今思うと、あの子がなにか行動を起こす事自体、フランの中で何かが変わっていたのね」
「出会った時はもの静かで、存在感が千聖君が居ないと分からないくらい薄かったけど、今だと自分自身で表現出来てるくらいになったと思う」
「これが、フランなりの成長ってやつね」
のんびり火を眺め、後夜祭も終わり
「さぁ、片付けも終わった事だ、もう帰ろう、ここまで、ほぼ休み無しで来ているんだ今日ゆっくり休んで欲しい」
「そうですね」
「睡~(。-ω-)。oO~魔」
「あぁ!眠華ちゃんここで寝ちゃダメ、もう帰るから頑張って!」
「あ~い(。-ω-)」
そうして、帰った一同は直ぐに自室に入り、就寝した。しかし、リビングでは千聖が休まず準備していた
「千聖様...」
暗闇の中に舞夜が声をかけた
「どうした?と、聞くのは野暮か...わかっている。次がお前と一緒にやれる最後の任務になる」
「私は嫌ですよ、千聖様がいなくなるのは...」
舞夜は涙ぐんだ声をあげる
「酷なのは承知の上だ、だから俺がいなくなった後は、みんなのことを舞夜が、先導してやってくれ、」
「そんなこと私には、難しいです」
「難しいのは当たり前だ、だからこそ壁にぶち当たったり、1人で解決できないことがあった時は、みんなに頼れ。そうやって、人生を歩め。舞夜なら、皆ならできるさ。」
「はい、千聖...様」
暗い真夜中に光さす月の光がリビングを照らす。舞夜も自室に戻り、日が上り出した頃、いつもどおりの日常が戻った。
朝食を食べ、登校する支度をする、学校につく。が直ぐに体育館で全校集会が開かれた。理事長がステージに講壇し、話をする
「生徒の皆さん2日間に置ける文化祭お疲れ様でした。例年以上の盛り上がりで皆さん楽しかったと思います。そして、今日から後期の授業に入るわけですが、みなさんも知っての通り、元学園数学科教師の方が犯罪を犯し警察署長に捕まりました、そのため今は教師が不足しています。代理の教師も用意することが出来ず、急遽職員会議でとある人物を教師として迎えることにしました。皆さんにも紹介します。ではどうぞ」
理事長の合図のもとステージ裏からメガネと白衣を来た千聖がステージにたった
「みなさんもご存知の通り、2‐A組の城ヶ崎千聖くんに数学科教師をしてもらうことが決まりました。...突然のことで混乱するでしょうが、彼は高校生ながら教師の資格を持っている優秀な生徒でもあります。なので、一切の問題はありません。これからは彼がみなさんの数学科教師になります。どうか、彼を受け入れて授業に望んでください。ではこれで全校集会を終わります。みなさん後期からの授業より良い成績を残せるよう努力を怠らないようにしてください」
理事長のお話が終わり全生徒が各教室に戻っていく。そして、教室にて
「めっちゃ落ち込んでるなみんな」
「みんなと言うより主に二名だけだけどね」
舞夜とフランが落ち込みのあまり机に突っ伏している
「まぁ、正直突然すぎるよね。私達はさっき伝えられたわけだから」
「今まで俺たちと一緒に学んできたやつに突然教わるんだから、受け入れられないやつは出てくるよな」
「そうだね」
「所で気になったんだけど、千聖、教師の資格を持ってるって言っていたけど、千聖って何歳な訳?」
「あ、それ、俺も思った」
「舞夜ならなにか知っているじゃないかしら」
「...私たちと一緒ですよ。ただ違うのは教育の違いです。聞いた話でしかないのですが、幼い時から、あらゆる資格を取るためにずっと教育されたと聞きました」
「まじか、あいつの人生すごいな。てか次の授業なんだっけか」
「数学だよ、多分千聖が来るんじゃないかな」
みんなで話しているとチャイムがなり教室の扉が開いて、千聖が教卓の前にたってチョウクをもった。
「...じぁ、授業始めるから号令頼む」
「え、あ、はい起立...お願いします」
栞の号令と共にみんながたってお辞儀する。みんなが席に座るタイミングで江間が
「えっとぉ、あのぉー城ヶ崎?」
「悪いが、先生をつけてくれ、でなんだ?」
「なんで先生をやることになったかの説明は無いわけ?」
「それなら、さっきの集会で理事長先生が話しただろ。それが全てだ。深堀したいのなら休み時間にお願いしたい、」
「お、おうわかった」
「それじゃ、教科書を開いて、」
そうして、千聖の学生生活は終わりを迎え新たに学園の教師として生活することになった。時間はたち、昼休み、1学年の恵那や愛美、別のクラスにいる、真希と美希、凪紗もクラスに来た。白衣を脱いだ千聖もクラスに来て、江間達に再度詳しく説明し始めた
「とりあえず城ヶ崎が教師になること自体は飲み込んだからいいんだが、今ってどういう立ち位置な訳?」
「ふ~ん、完全に学生という立場は消えたわけじゃない。だが、白衣を着ている時が教師、制服を着ている時が学生という話に落ち着いた。俺は代理の教師が見つかるまでの繋ぎにしかならないからな、中途半端な感じだ」
「じゃ、今は学生としているってことですよね」
「あぁ、授業の合間の休み時間は難しいが昼休みなら、白衣を脱いで置いても問題は無い、理事長からも事務の仕事はさせないと言われたからな」
「しかし、ほんの昨日まで同じ学生だったのに、突然の教師は驚くよ、それに聞いた話では、授業がわかりやすいと聞いたが?」
「うん!分かりやすかった。それにビュンって感じて、一瞬で黒板に書いて時間余るからゆっくり丁寧にやってくれて助かる」
「最後の10分間は自習の時間くれるから復習しやすい」
「ほんとあれ凄かったですよねぇ~」
「ほほぉ~、これは午後の授業が楽しみだな。よろしく頼むよ千聖先生」
「あぁよろしく頼む」
昼休みが終わり5限目、凪紗のクラスで授業を始める、順調に進んだかに見えた中、ハッキング問題で、事を犯した初谷が千聖の振り向きざまに刃物を投げつけてきたが、千聖はそれをチョークで弾く
そして、
「・・・なんでだ!!なんでお前がそこにたって授業を教えているんだ、そこで立つに相応しいのはお前じゃなく学年1位のこの僕だろ。資格を持ってるからっていい気になるな!教師に資格なんてないのもだ、さっさと辞退しろ!目障りだ!!」
初谷の怒りが頂点にます
クラスのみんなは気まづい空気感になり凪紗は
「(見るに耐えない愚行だな、さて千聖はどうするつもりかな?)」
千聖は、コンとチョークを置いて、
「そこまで言うのなら、お前が前に出て、みんなに教えてみろ。それでみんなが納得するようであれば、俺から理事長に懇願してやろう」
千聖の怖い目が初谷に恐怖を産む。
「い、言ったな。と、取り消しても知らないからな」
「ほら、さっさと前に出て、教えてやれ、俺はその間席を外す」
そう言って授業の時間に教室を出ていった千聖、一方初谷は、一向にオドオドして授業内容の説明をしなかった。
呆れた生徒達は好き勝手に過ごし始めた
それに焦りを見れる初谷
「なんなんだよ、君たちせっかくこの僕が説明してやるというのに、聞く気あるのか!」
「そういうことだったら、さっさとやってくれよ、あんだけ千聖先生に対して大口叩いといて、結局やってないじゃん自己満もほどほどにしろよ、それに学生1位つったって、前回の中間は1位じゃねぇじゃん。イキってんのはお前の方だろ」
「う、うるさい、僕よりも頭悪い癖に無駄口を叩くなぁ!!」
「はぁ、中間テストワーストの人にいわれたくないんですけどぉ、あーあ早く千聖先生来ないかなぁ、いつまでこんなブサイク顔を目の前にしないと行けないんだろ。ほんと最悪なんだけど」
「てか、授業中断しといて、大口叩いた割には、大したことないの草なんだが」
「アハハ...それな」
「このぉ、好き勝手に言いやがってぇ」
「それ、お前に刺さってるからな。てか、お前がいつも人を見下した言動が悪いだろ。その仕返しに言ってるだけだぜ俺たちは」
論争が続き、どうしようも無くなった時、千聖がプリントを持って帰ってきた
「どうやら、進んでは居ないようだな、もういい席に着け」
「!!!この僕に指図するなぁ!!!」
激怒した初谷は再び懐から刃物を取りだして、千聖に降りかかる、千聖は何食わぬ顔で微動だにせず、初谷は振り上げたまま動きが止まった。
「見苦しい、君がそこに立つ資格がないのはわかったはずだ、私からも大人しく···席に着け」
凪紗の目が輝きに満ち、動きを止めていた。初谷は大人しくなりその後は何事もなく授業は進んだ。そうして、千聖が教師になって1ヶ月たった頃、決戦の時が来た。学園が臨時の休校になり千聖と舞夜以外がリビングで休んでいると
「あのぉー、なんで学園が臨時休校に?」
「どうやら、他の教育機関も軒並み休校になっているそうだ。そんな中、千聖と舞夜が居ないのが気になる」
「用事があるって言ってたよ。」
「なにか、嫌な感じがするわね」
そう、シアが行った時家のインターホンがなった。皆は驚きつつ
「私が出よう、だが、シア万が一がある。力を貸してほしい」
「ええ、わかったわ」
玄関に出て、ドアを開けると、軍服を来た女性2人がたっていた。
「初めまして、と言うべきか。疑問に思うことがあるだろうが、今は一刻を争う、警戒しないで話を聞いて欲しい」
そうして、教官とオペレーターの2人を家にあげるてリビングで話をする
「まずは、身分を明かそう、私は無国下武装組織OIS総司令官の一之瀬小鳥だ」
「同じく、特殊一等部隊オペレーターの渡辺夏樹と申します。」
「え、一之瀬ってまさか」
「もしかして、父さんの妹?」
「え、父さん?」
「あぁ、学園の理事長は私の父親だよ」
「初耳なんですけど」
「驚き超えて信じられないฅ(º ロ º ฅ)」
「待って、それもだけどその前になぜそんな人達がここに来たかが問題ではないかしら」
「今ここに居ない2人は私の部下だ。そして、その2人は今帝都にいる」
「帝都?あのガレム王国海沿いにある巨大都市?ここからだと相当遠いけど」
「あの二人ならひとっ飛びの可能性ありませんか」
「あ!そっか。?でもなんで」
「それはこれをご覧下さい」
夏樹がノーパソから映像をみんなに見せる、その映像には都市に複数並ぶ巨大ビル達が突如に爆発し、崩壊した。
「え、なんですか!?これ...」
「先程、数分前に起きた爆発テロです。今でも、大規模なテロが起きています。」
「まさか、その中に2人がいると!?」
「その通りだ」
「でも、分からないわ、それでもなぜ私たちの前に出て、そんなことを教えるのかが」
「君たちは知っているはずだ。千聖の抱えている呪いをな」
「ちさの...寿命」
「この家に住む君たちには、千聖の現代に置ける英雄の末期を見届けて欲しくて、私たちはここに出向いた。だが無理に同行しなくていい、戦場経験のないオッドアイ能力者の君たちを危険地帯に置くのは、酷なことなんだ、君たちの意志をここですぐに決めて欲しい」
教官の言葉に戸惑いを見せる、しかし
「行こう、何もせずに何も見ないで、ちさが死ぬところは想像したくない。だったら、最後はちさを...ちゃんと...」
フランの目には涙が流れた
「フランちゃん」
「...はぁ、フランがこう言ったらもう引けないわね、良いわ危なかったら守ってあげる」
「私たちも一緒に行く!!」
「うん」
「私も行きます」
「私も行かせてください」
「千聖に会いたい\( 'ω')/」
「こうも行く人が多いと逆に残りに残れないな」
「何、怖いわけ?」
「いや、全く」
「どうやら、決心は出来たみたいだな、すぐに現地に赴く、君たちも準備をしてくれ」
2人が外に出ていき、みんなは慌てて準備する。
そして、一方、帝都にいる千聖と舞夜はテロで荒れ始めている。都市の中心に立ち
「いいですね?千聖様」
「言われなくとも」
「白咲流」
「黒咲流」
「剣術 双色陣 止水桜斬」
無数の弧線が都市全体に渡り、テロリストの武装を次々に解除していく、そして続いて
「黒咲流」
「白咲流」
「剣術 狼颯剣攻 秋雨」
舞夜を中心に無数の剣が出現に、それを千聖が拳でぶん殴ると、剣たちは不規則に都市全体に散らばりテロリストの殲滅に掛かる。
「ここまでは作戦通りだ。舞夜、いいな?」
「...はい、残党がりに移ります」
二手に分かれて、
「ソディアス」
「ツクヨミ」
2人はサイボーグを装着して、残党がりをする。再び場面はフラン達の方に移り
「まさか、こんな大きなヘリコプターに乗る時が来るとは...」
「さあ、乗ってくれ」
大人数が乗れるヘリコプターにみんなが乗ると離陸し帝都に向かう始めた、その途中、モニターを監視していた夏樹が不思議な表情を上げた
「?...??....???」
「どうした?」
「それが、この大規模のテロが起きている中、出航許可が出ていないクルーズ船が出航していて、」
「ちっ!このテロはブラフか、本命はそのクルーズ船だ!残党がりを一等部隊に回せ。そして、クルーズ船には千聖1人に行かせろ、舞夜がどう言おうと絶対だ!」
「了解です!」
耳につけてる無線機で2人に連絡する。そして、クルーズ船が出航した港では、千聖と舞夜が現場に踏み入れていた。
「千聖様」
「あぁ、今まで世話になったな」
「それはこちらのセリフです。...どうかお元気で、」
「・・・」
千聖は何も言わずに能力で一瞬でいなくなった。いなくなった途端。舞夜は膝から崩れ落ちて、両手で目を抑えた。
千聖が降りたのはクルーズ船内部。そこから、内部を移動し、出たのは船の甲板雲で隠され薄暗く激しい雨の降りしきる。そんな中、甲板に通じる扉から人が出てきた。
「やぁやぁ、来てくれると思ってよ」
千聖によく似た、男がたんたんと千聖に近づくと
「兄さん」
不敵な笑みを浮かべて男はそういった。
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