55 / 64
四通目 おまけの話
2、少女と子犬 ②
しおりを挟む
「ここか?」
次の土曜日、楓が僕をお店まで連れて行ってくれた。マロンに見せられた通りの場所だ。
一つだけ違うのはそのショーウィンドウ。女の子の人形のすぐ傍には、マロンそっくりな犬の人形が置かれ、その周りにたくさんの花やお菓子といった小物が並べられていた。
人形も首の角度が直され、微笑みを浮かべ子犬と見つめ合っている構図になっている。
「すいませーん」
取り敢えず入ってみようという楓を追いかけて店内に入ると、誰もいなかった。
店内の至る所に並べられた大小さまざまなリアルな人形が一斉にこちらを見ている。
大きな声で呼ぶと、微かに返事とパタパタ駆けてくる足音が聞こえる。
暫く待っていると、ワイシャツにエプロン姿のおじいさんが出てきた。
「いらっしゃいませ。今日はどのようなものをお探しですか?」
「え、あの、ごめんなさい、お客じゃないんです。ちょっとあのショーウィンドウの人形について聞きたくて」
僕が申し訳なさそうにそう言うと、品定めをするかのように眼鏡をくいっと直して僕の姿を見た。
「前、犬の人形なかったよね? それに、女の子も明るくなった気がするの」
「香月、こういうのは直球で言った方が良いぞ。ショーウィンドウの人形、あれが死んだ娘と飼っていた犬にそっくりだっていうご婦人がいてね。こんな偶然があるのかと。何かあるなら教えて欲しい」
楓には道中に事情を説明してある。おじいさんは楓の話しを聞いて、フム、と何か考えたような顔をした後、お店の外に出てすぐに入ってきた。
「立ち話もなんですから、中へどうぞ」
「え? お店は?」
入口の看板をcloseにしてきましたからお気になさらず、とおじいさんは奥に続く扉を開けて案内する。
その先は工房のようになっていて、顔の入っていない人形がたくさん置かれていた。
「凄いな……どれもこれも本物みたいだ……」
「いえ、私などまだまだですよ。ですが、お褒めいただいて嬉しく思います」
大きなテーブルの上をサッと片付け、そこにお茶を出してくれる。
「それで、あのショーウィンドウの人形について、でしたね」
おじいさんの話をまとめると、人形が杏莉ちゃんに似ているのは完全に偶然だそうだ。
おじいさんは近所の音楽ホールで定期的に行われているピアノのコンサートを毎回見に行くのだそうだ。曲に心を洗われて休息になるし、ドレスを着た演奏者の姿に刺激されて作品作りが進むことがあるんだって。
子供の人形を作る時、たまにコンサートに来ていた子をモデルにすることもあるそうできっとその内の一人が杏莉ちゃんだったのかもしれない、とおじいさんは苦笑した。
「あの犬の人形は、先週作り上げました」
ショーウィンドウの人形の前に毎日毎日花や草を運び、一日中傍を離れなかった子犬。
通行人が「犬が人形に恋をした」なんて言っては毎日マロンを構っていたみたい。わざわざカフェでパンを買ってきて与える光景もあったとか。
「そんなにあの人形が気に入ったのなら、いっそのことうちで飼おうかって家内と話してたんです」
既に店の看板犬のようになっていたマロン。でも、高齢で散歩などの世話が困難だからとなかなか決断できずにいたらしい。そして、とうとう……。
「店の前で倒れている所を見つけた時には、もう冷たくなっていました」
せめて、形だけでも傍にいさせてあげようと、マロンに似せた人形をぬいぐるみ専門の職人へ依頼して作ってもらったのだという。
僕は杏莉ちゃんのお母さんにこの店の事を伝えたいと話した。
「もしあの人形を譲ってほしいって人が現れたら売っていただけますか?」
「……私が勝手にモデルにしたことで娘さんが亡くなった、なんて言いませんかね?」
「あの人形は杏莉ちゃんを殺してなんかいないよ? だって凄く綺麗だもの」
人間そっくりの人形が魂を吸い取る、なんて迷信を言ってくる人が少なからずいるらしい。
でも、僕は人形と杏里ちゃんの死が何の関係もないとはっきり断言できる。
殺していない、と言い切った僕をおじいさんは不思議そうに見つめてきた。僕はもう一度言う。
「あの人形には、杏莉ちゃんは入っていない。杏莉ちゃんはここにはいない。僕にはわかる」
「うん、お前がそう言うならそうなんだろ」
「証明は……あ、そうだ。おじいさん、手を貸して」
「え? はい」
不思議そうに手を出すおじいさんの、ごつごつした、それでいて細い手を握り外へ出る。
ショーウィンドウの前、マロンが死んだその位置に、ついてきていた幽霊のマロンがいた。
生前と変わらずショーウィンドウを見上げ尻尾を振っている。
おじいさんが小さく息を飲む音がして、僕は手を離す。
「……っ?!」
そしてまた握る。
消えたり現れたりするマロンの姿に驚いたのか、僕とマロンを何度も見比べている。
でも、僕が見せたいのはそれだけじゃない。
「わかる? おじいさんの人形を欲しがっているのは、本当はマロンなんだ。そして、あそこ。あの人形に、杏莉ちゃんはいない。だから、あの人形は杏莉ちゃんの魂を吸い込んでなんかいない」
「……ありがとう、ございます……」
おじいさんは涙をこぼしながら、とても嬉しそうにそう言った。
おじいさんが今まで酷いことを言われてきた記憶が、おじいさんの手を通じて伝わってくる。
一生懸命作れば作るほど不気味だと、気持ち悪いと言われ。人形が人を殺すなんてあるはずのないことまで言い出す人もいて。
そんな中で、どんな想いで人形を作り続けたのかまではわからないけれど。けど、今おじいさんの中で何かが一つ解決したようだった。
「それで、もし杏莉ちゃんのお母さんがあの人形を売ってくれと言ってきたら、売ってくれる?」
おじいさんは、子犬のぬいぐるみと引き離さないでくれるなら、と言ってくれた。
確かに、対になるように作ってくれたのに置いて行っちゃうのは可哀想だもんね。
「さて、どんな風に伝えるかな……」
「そのまま伝えようぜ。ここで待ってるってさ」
楓はさり気なくお店のチラシを持ってきていたようだ。
僕と楓は色々案を出し合って、チラシにマロンの思念を乗せておばさんをお店まで誘導することにした。
次の日、僕はおばさんの所へ行く。おばさんは今日は河原でマロンを探していた。
爽やかな風が河原の草を揺らしている。ちょうどいい。
僕はそっと風上に回って、おばさんに向かってチラシを風に乗せる。
「あっ! 待って! 待ってぇ!」
少しわざとらしいけれど、追いかけるふり。すぐにおばさんが気付いてチラシを受け止めてくれた。
「あら、また会ったわね、坊や」
はい、とチラシを寄越しながら笑うおばさんはどこか寂しそうだ。
「ありがとう、おばさん」
「手紙、書いてみたけれど、届けてもらえなかったみたい」
届けた証が届くって話だったけれど何もなかったわ、と笑うおばさんは今にも泣きだしそうに見えた。
僕は受け取るふりをしておばさんの手に触れる。
マロンの記憶で聞いた杏莉ちゃんの声を思い浮かべながら。
(お母さん、マロンはここよ。迎えに来て――)
「えっ?」
うん、ちゃんと聞こえたみたい。驚いて、チラシをマジマジと見つめている。
「気になる? う~ん……じゃぁ、それあげる! 僕はもう行ってきたから!」
少し強引にチラシを押し付けると、僕は手を振ってその場を走り去った。
これで上手くいくと良いんだけど。
さらに、楓に付き合ってもらってもうひと仕事。何をしたのかはまだ内緒。
次の土曜日、楓が僕をお店まで連れて行ってくれた。マロンに見せられた通りの場所だ。
一つだけ違うのはそのショーウィンドウ。女の子の人形のすぐ傍には、マロンそっくりな犬の人形が置かれ、その周りにたくさんの花やお菓子といった小物が並べられていた。
人形も首の角度が直され、微笑みを浮かべ子犬と見つめ合っている構図になっている。
「すいませーん」
取り敢えず入ってみようという楓を追いかけて店内に入ると、誰もいなかった。
店内の至る所に並べられた大小さまざまなリアルな人形が一斉にこちらを見ている。
大きな声で呼ぶと、微かに返事とパタパタ駆けてくる足音が聞こえる。
暫く待っていると、ワイシャツにエプロン姿のおじいさんが出てきた。
「いらっしゃいませ。今日はどのようなものをお探しですか?」
「え、あの、ごめんなさい、お客じゃないんです。ちょっとあのショーウィンドウの人形について聞きたくて」
僕が申し訳なさそうにそう言うと、品定めをするかのように眼鏡をくいっと直して僕の姿を見た。
「前、犬の人形なかったよね? それに、女の子も明るくなった気がするの」
「香月、こういうのは直球で言った方が良いぞ。ショーウィンドウの人形、あれが死んだ娘と飼っていた犬にそっくりだっていうご婦人がいてね。こんな偶然があるのかと。何かあるなら教えて欲しい」
楓には道中に事情を説明してある。おじいさんは楓の話しを聞いて、フム、と何か考えたような顔をした後、お店の外に出てすぐに入ってきた。
「立ち話もなんですから、中へどうぞ」
「え? お店は?」
入口の看板をcloseにしてきましたからお気になさらず、とおじいさんは奥に続く扉を開けて案内する。
その先は工房のようになっていて、顔の入っていない人形がたくさん置かれていた。
「凄いな……どれもこれも本物みたいだ……」
「いえ、私などまだまだですよ。ですが、お褒めいただいて嬉しく思います」
大きなテーブルの上をサッと片付け、そこにお茶を出してくれる。
「それで、あのショーウィンドウの人形について、でしたね」
おじいさんの話をまとめると、人形が杏莉ちゃんに似ているのは完全に偶然だそうだ。
おじいさんは近所の音楽ホールで定期的に行われているピアノのコンサートを毎回見に行くのだそうだ。曲に心を洗われて休息になるし、ドレスを着た演奏者の姿に刺激されて作品作りが進むことがあるんだって。
子供の人形を作る時、たまにコンサートに来ていた子をモデルにすることもあるそうできっとその内の一人が杏莉ちゃんだったのかもしれない、とおじいさんは苦笑した。
「あの犬の人形は、先週作り上げました」
ショーウィンドウの人形の前に毎日毎日花や草を運び、一日中傍を離れなかった子犬。
通行人が「犬が人形に恋をした」なんて言っては毎日マロンを構っていたみたい。わざわざカフェでパンを買ってきて与える光景もあったとか。
「そんなにあの人形が気に入ったのなら、いっそのことうちで飼おうかって家内と話してたんです」
既に店の看板犬のようになっていたマロン。でも、高齢で散歩などの世話が困難だからとなかなか決断できずにいたらしい。そして、とうとう……。
「店の前で倒れている所を見つけた時には、もう冷たくなっていました」
せめて、形だけでも傍にいさせてあげようと、マロンに似せた人形をぬいぐるみ専門の職人へ依頼して作ってもらったのだという。
僕は杏莉ちゃんのお母さんにこの店の事を伝えたいと話した。
「もしあの人形を譲ってほしいって人が現れたら売っていただけますか?」
「……私が勝手にモデルにしたことで娘さんが亡くなった、なんて言いませんかね?」
「あの人形は杏莉ちゃんを殺してなんかいないよ? だって凄く綺麗だもの」
人間そっくりの人形が魂を吸い取る、なんて迷信を言ってくる人が少なからずいるらしい。
でも、僕は人形と杏里ちゃんの死が何の関係もないとはっきり断言できる。
殺していない、と言い切った僕をおじいさんは不思議そうに見つめてきた。僕はもう一度言う。
「あの人形には、杏莉ちゃんは入っていない。杏莉ちゃんはここにはいない。僕にはわかる」
「うん、お前がそう言うならそうなんだろ」
「証明は……あ、そうだ。おじいさん、手を貸して」
「え? はい」
不思議そうに手を出すおじいさんの、ごつごつした、それでいて細い手を握り外へ出る。
ショーウィンドウの前、マロンが死んだその位置に、ついてきていた幽霊のマロンがいた。
生前と変わらずショーウィンドウを見上げ尻尾を振っている。
おじいさんが小さく息を飲む音がして、僕は手を離す。
「……っ?!」
そしてまた握る。
消えたり現れたりするマロンの姿に驚いたのか、僕とマロンを何度も見比べている。
でも、僕が見せたいのはそれだけじゃない。
「わかる? おじいさんの人形を欲しがっているのは、本当はマロンなんだ。そして、あそこ。あの人形に、杏莉ちゃんはいない。だから、あの人形は杏莉ちゃんの魂を吸い込んでなんかいない」
「……ありがとう、ございます……」
おじいさんは涙をこぼしながら、とても嬉しそうにそう言った。
おじいさんが今まで酷いことを言われてきた記憶が、おじいさんの手を通じて伝わってくる。
一生懸命作れば作るほど不気味だと、気持ち悪いと言われ。人形が人を殺すなんてあるはずのないことまで言い出す人もいて。
そんな中で、どんな想いで人形を作り続けたのかまではわからないけれど。けど、今おじいさんの中で何かが一つ解決したようだった。
「それで、もし杏莉ちゃんのお母さんがあの人形を売ってくれと言ってきたら、売ってくれる?」
おじいさんは、子犬のぬいぐるみと引き離さないでくれるなら、と言ってくれた。
確かに、対になるように作ってくれたのに置いて行っちゃうのは可哀想だもんね。
「さて、どんな風に伝えるかな……」
「そのまま伝えようぜ。ここで待ってるってさ」
楓はさり気なくお店のチラシを持ってきていたようだ。
僕と楓は色々案を出し合って、チラシにマロンの思念を乗せておばさんをお店まで誘導することにした。
次の日、僕はおばさんの所へ行く。おばさんは今日は河原でマロンを探していた。
爽やかな風が河原の草を揺らしている。ちょうどいい。
僕はそっと風上に回って、おばさんに向かってチラシを風に乗せる。
「あっ! 待って! 待ってぇ!」
少しわざとらしいけれど、追いかけるふり。すぐにおばさんが気付いてチラシを受け止めてくれた。
「あら、また会ったわね、坊や」
はい、とチラシを寄越しながら笑うおばさんはどこか寂しそうだ。
「ありがとう、おばさん」
「手紙、書いてみたけれど、届けてもらえなかったみたい」
届けた証が届くって話だったけれど何もなかったわ、と笑うおばさんは今にも泣きだしそうに見えた。
僕は受け取るふりをしておばさんの手に触れる。
マロンの記憶で聞いた杏莉ちゃんの声を思い浮かべながら。
(お母さん、マロンはここよ。迎えに来て――)
「えっ?」
うん、ちゃんと聞こえたみたい。驚いて、チラシをマジマジと見つめている。
「気になる? う~ん……じゃぁ、それあげる! 僕はもう行ってきたから!」
少し強引にチラシを押し付けると、僕は手を振ってその場を走り去った。
これで上手くいくと良いんだけど。
さらに、楓に付き合ってもらってもうひと仕事。何をしたのかはまだ内緒。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる