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第一章 死神と呼ばれた男
聖女の願い⑭
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カレラとフェリカは、ルクスの叫び声に反応して走り出していた。すでに、カレラの治癒魔法で、二人が受けた矢の傷は治っているため、その足取りは軽い。
当然、その目的地は祠にある祭壇である。そこで封印の強化を終えれば、この場にはもう用はない。
ルクスが足止めしている間に封印さえ終わらせれば、もしかしたら逃げることも可能かもしれないのだ。カレラは必ず成し遂げるという強い意志をもって走りだした。
「あそこに行けばいいのね!?」
フェリカの問いかけに、小さく頷くカレラ。その視線は、もはや祭壇しか見ていない。
必死で走る二人だったが、突如として背中に寒気がはしった。それは、大量の魔力がはなつ威圧感。
振り向くと、空から大量の氷の礫が降ってきている。それこそ、岩のような大きさのものもあった。急所をさければ死にはしないだろうが、おそらくは、立ち上がることはできない。
カレラは即座に守護魔法で防壁を張ろうとしたが、手を出してそれを制したものがいた。フェリカだ。
「あんたはさっさと行って! ここは私が食い止めるから」
「なんで――」
「自分を守るくらいできるっていったでしょ!? いいから早く!」
フェリカの強い眼差しをうけて、カレラはすぐさま地面を蹴った。それほど付き合いの長くない、それこそ関わることさえあまりなかったフェリカだったが、今の彼女が発する剣幕は、信用に値すると思ったのだ。
フェリカも、カレラが走り出すのを確認しないままに、すぐさま空を見上げた。そこには、降り注ぐ氷が視界を埋め尽くしていたが、フェリカは焦ることなく両手を前に出した。
『火炎防壁(ファイヤーウォール)』
短く告げられた言葉。その次の瞬間には、氷の礫を受け止めるかのように、炎の壁が出現した。氷は、その炎に吸い込まれるように消えていく。フェリカはそれを見届けると、すぐさまカレラを追いかけた。
二人は祠へたどり着き、そのまま祭壇へと駆け寄る。
その時、何か膜のようなものを通り抜けた感覚があったが、それは彼らを害するものではなかった。些細な違和感を思考から捨て去り、二人はすぐさま極大魔石を取り出した。
無骨な外観の祠にある祭壇はやはり無骨であった。単に、四角い岩が置かれているだけであり、あまりにも飾り気のない見た目となっている。
カレラはそこにマンティコアからとった極大魔石をそっと乗せると、一歩下がり跪いた。
緊張しているのだおるか。表情が強張っているカレラだったが、ふと思いついたように後ろを振り返る。すると、その視線の先には、ルクスの背中が見えた。
騎士団を足止めしてくれているその少年の存在を確認すると、カレラを締め付けていた感情はそっと雲散した。
「私、生きるから。見ててね」
その宣言は決してルクスには届いていない。けれど、それで十分だった。カレラは、意識を集中させると、目をつぶり胸の前で手を組んだ。そして、言葉をゆっくりと紡いでいく。その言葉はとても優しく、誰かに捧げるかのような、そんな厳かさをも感じさせた。
「我は願う――」
その一言で、魔石は徐々に光を帯びる。その神秘的な光景に、フェリカは目を見張った。
「この身に宿りし封印が再び力を取り戻すことを――この贄の魔力を用いて、邪な力を戒める術をここに」
光は、その輝きをさらにたかめると、ゆっくりとカレラの胸元へと伸びていく。そして、だんだんと彼女をも光が包み込んでいた。
「この力が果てるまで汝を守り、この身が果てるまで汝を縛るであろう」
全ての光がカレラを包んだかと思うと、今度は、その光がカレラの身体へと吸い込まれていく。
「誓いの力を今ここに……」
両腕を抱きしめるように縮こまったカレラに光がすべて吸い込まれたかと思うと、あたりは何事もなかったように静まり返る。フェリカは、その神秘的な光景の余韻に、思わず酔いしれていた。
カレラも、慈しむように自分自身を抱きしめていたが、ゆっくりと立ち上がる。
「ルクス……」
小さな体は震えていた。その震えを押さえつけるように、少女は手に力を込めた。
「わ、たし。生きるよ」
震える声を必死で紡ぐ。本来なら、すぐさまルクスの元に駆け寄り騎士団から逃げなければならないが、足は動かなかった。そんなカレラの方に、フェリカはそっと手を乗せる。
びくりと身体をひくつかせ振りかえるカレラだったが、穏やかにほほ笑むフェリカを見て、カレラは小さく頷いた。
「いくよ」
「ん」
二人は顔を見合わせて頷くと、すぐさまルクスの元へとひた走る。
フェリカの後を追いかけるカレラの胸中は、さまざまな感情がないまぜになっていた。
ルクスが近づくにつれて、カレラの目からは自然と涙が零れ落ちた。
あふれ出るそれは頬をつたり、何滴も地面へと落ちていく。カレラはなんども涙を拭うが、それが追いつかないほどあふれ出ていた。
――突然出会った見ず知らずの自分を助けてくれた。
――命を救い、そばにいると言ってくれた。
――自分を守るために、魔物の大群に飛び込んでくれた。
――生きたいという自分のわがままを叶えるために、今も命を張っていてくれている。
そんなルクスの存在が、カレラの中でいつのまにか大きくなっていた。今、生きているのはルクスのおかげと言っても過言ではないと思っていた。
そんなルクスに、自分を助けてくれた目の前の少年にこの想いを告げたい。感謝を伝えたい。
カレラは、それだけを考えて走っていた。
少女の涙は、生への歓喜だった。
死への恐怖に苛まれ続けた少女の心は、今ここで救われた。
それを成し遂げたのは、少女の強い意志と、少年の憧れへの熱望。二人の想いが重なり、今の結果を生み出していた。
カレラは、ルクスに近づくにつれて、心が打ち震えるのを感じていた。ルクスの背中を見ながら、幸福感を感じ身体ごと跳ねているような気にさせれあれている。どこか浮足立ったその足取りは、カレラの喜びを表していた。
そして、ようやくルクスへとたどり着く。
自分を救ってくれた少年に、心からの感謝を伝えることができる。
カレラがそう思った瞬間、――どさり、という音が耳に届いた。その音の正体は、ほかならぬ自分が倒れた音。起き上がろうにも、自分の意志ではどうにもできない状況に困惑しか感じられなかった。
カレラ自身が倒れたのを自覚し上を向くと、そこには駆け寄ってくるルクスとフェリカの姿があった。
――封印を強化することができた。
そう伝えたくても言葉にならない。
――ルクスのおかげだよ。
そんな思いも言葉にならない。
――ありがとう。
たった五文字が紡げない。
「あ――」
カレラが口を開いたその時、意識が断絶されるのを感じた。
当然、その目的地は祠にある祭壇である。そこで封印の強化を終えれば、この場にはもう用はない。
ルクスが足止めしている間に封印さえ終わらせれば、もしかしたら逃げることも可能かもしれないのだ。カレラは必ず成し遂げるという強い意志をもって走りだした。
「あそこに行けばいいのね!?」
フェリカの問いかけに、小さく頷くカレラ。その視線は、もはや祭壇しか見ていない。
必死で走る二人だったが、突如として背中に寒気がはしった。それは、大量の魔力がはなつ威圧感。
振り向くと、空から大量の氷の礫が降ってきている。それこそ、岩のような大きさのものもあった。急所をさければ死にはしないだろうが、おそらくは、立ち上がることはできない。
カレラは即座に守護魔法で防壁を張ろうとしたが、手を出してそれを制したものがいた。フェリカだ。
「あんたはさっさと行って! ここは私が食い止めるから」
「なんで――」
「自分を守るくらいできるっていったでしょ!? いいから早く!」
フェリカの強い眼差しをうけて、カレラはすぐさま地面を蹴った。それほど付き合いの長くない、それこそ関わることさえあまりなかったフェリカだったが、今の彼女が発する剣幕は、信用に値すると思ったのだ。
フェリカも、カレラが走り出すのを確認しないままに、すぐさま空を見上げた。そこには、降り注ぐ氷が視界を埋め尽くしていたが、フェリカは焦ることなく両手を前に出した。
『火炎防壁(ファイヤーウォール)』
短く告げられた言葉。その次の瞬間には、氷の礫を受け止めるかのように、炎の壁が出現した。氷は、その炎に吸い込まれるように消えていく。フェリカはそれを見届けると、すぐさまカレラを追いかけた。
二人は祠へたどり着き、そのまま祭壇へと駆け寄る。
その時、何か膜のようなものを通り抜けた感覚があったが、それは彼らを害するものではなかった。些細な違和感を思考から捨て去り、二人はすぐさま極大魔石を取り出した。
無骨な外観の祠にある祭壇はやはり無骨であった。単に、四角い岩が置かれているだけであり、あまりにも飾り気のない見た目となっている。
カレラはそこにマンティコアからとった極大魔石をそっと乗せると、一歩下がり跪いた。
緊張しているのだおるか。表情が強張っているカレラだったが、ふと思いついたように後ろを振り返る。すると、その視線の先には、ルクスの背中が見えた。
騎士団を足止めしてくれているその少年の存在を確認すると、カレラを締め付けていた感情はそっと雲散した。
「私、生きるから。見ててね」
その宣言は決してルクスには届いていない。けれど、それで十分だった。カレラは、意識を集中させると、目をつぶり胸の前で手を組んだ。そして、言葉をゆっくりと紡いでいく。その言葉はとても優しく、誰かに捧げるかのような、そんな厳かさをも感じさせた。
「我は願う――」
その一言で、魔石は徐々に光を帯びる。その神秘的な光景に、フェリカは目を見張った。
「この身に宿りし封印が再び力を取り戻すことを――この贄の魔力を用いて、邪な力を戒める術をここに」
光は、その輝きをさらにたかめると、ゆっくりとカレラの胸元へと伸びていく。そして、だんだんと彼女をも光が包み込んでいた。
「この力が果てるまで汝を守り、この身が果てるまで汝を縛るであろう」
全ての光がカレラを包んだかと思うと、今度は、その光がカレラの身体へと吸い込まれていく。
「誓いの力を今ここに……」
両腕を抱きしめるように縮こまったカレラに光がすべて吸い込まれたかと思うと、あたりは何事もなかったように静まり返る。フェリカは、その神秘的な光景の余韻に、思わず酔いしれていた。
カレラも、慈しむように自分自身を抱きしめていたが、ゆっくりと立ち上がる。
「ルクス……」
小さな体は震えていた。その震えを押さえつけるように、少女は手に力を込めた。
「わ、たし。生きるよ」
震える声を必死で紡ぐ。本来なら、すぐさまルクスの元に駆け寄り騎士団から逃げなければならないが、足は動かなかった。そんなカレラの方に、フェリカはそっと手を乗せる。
びくりと身体をひくつかせ振りかえるカレラだったが、穏やかにほほ笑むフェリカを見て、カレラは小さく頷いた。
「いくよ」
「ん」
二人は顔を見合わせて頷くと、すぐさまルクスの元へとひた走る。
フェリカの後を追いかけるカレラの胸中は、さまざまな感情がないまぜになっていた。
ルクスが近づくにつれて、カレラの目からは自然と涙が零れ落ちた。
あふれ出るそれは頬をつたり、何滴も地面へと落ちていく。カレラはなんども涙を拭うが、それが追いつかないほどあふれ出ていた。
――突然出会った見ず知らずの自分を助けてくれた。
――命を救い、そばにいると言ってくれた。
――自分を守るために、魔物の大群に飛び込んでくれた。
――生きたいという自分のわがままを叶えるために、今も命を張っていてくれている。
そんなルクスの存在が、カレラの中でいつのまにか大きくなっていた。今、生きているのはルクスのおかげと言っても過言ではないと思っていた。
そんなルクスに、自分を助けてくれた目の前の少年にこの想いを告げたい。感謝を伝えたい。
カレラは、それだけを考えて走っていた。
少女の涙は、生への歓喜だった。
死への恐怖に苛まれ続けた少女の心は、今ここで救われた。
それを成し遂げたのは、少女の強い意志と、少年の憧れへの熱望。二人の想いが重なり、今の結果を生み出していた。
カレラは、ルクスに近づくにつれて、心が打ち震えるのを感じていた。ルクスの背中を見ながら、幸福感を感じ身体ごと跳ねているような気にさせれあれている。どこか浮足立ったその足取りは、カレラの喜びを表していた。
そして、ようやくルクスへとたどり着く。
自分を救ってくれた少年に、心からの感謝を伝えることができる。
カレラがそう思った瞬間、――どさり、という音が耳に届いた。その音の正体は、ほかならぬ自分が倒れた音。起き上がろうにも、自分の意志ではどうにもできない状況に困惑しか感じられなかった。
カレラ自身が倒れたのを自覚し上を向くと、そこには駆け寄ってくるルクスとフェリカの姿があった。
――封印を強化することができた。
そう伝えたくても言葉にならない。
――ルクスのおかげだよ。
そんな思いも言葉にならない。
――ありがとう。
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