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第一章
2.偏執狂 その②:ペット誘拐事件
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翌日、起床した私は全く気が進まなかったが、まずロクサーヌの方に会いに行くことにした。手早く朝食を取った後、すぐさまロクサーヌの部屋へ。
生徒が入寮する学生寮は組に対応している。私は三組だから第三学生寮。ロクサーヌは二組の所属なので第二学生寮だ。
朝の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、私は心を込めて怒声を上げた。
「オイ、コラ。ボケ、ロクサーヌ出てこい! ブッコロされてぇか!?」
「ケケケ。寝て起きても、まだハイになってやんの。おもろ」
入口のドアをカラギウスの剣の柄でガンガンぶっ叩きながら呼び出すと、慌てたように寝間着のロクサーヌが飛び出てきた。
「ちょ、ちょっと、いきなり何ですの? 困りますわ、ドアを壊すと寮長が――」
「ガタガタ抜かすな、たたっ殺すぞ!」
「と、とにかくお入りになって」
久しぶりに来るロクサーヌの部屋は、相も変わらず甘ったるい匂いがした。内装も同じまま。少し、物が増えているだろうか。無駄に友人の多いロクサーヌは贈り物を貰う機会も多いのだろう。
私は手近な椅子に腰掛け、朝食中だったらしいロクサーヌの飲みさしのコップを勝手に飲んだ。
「うげ……何これ、まっずいわね」
「西方の葉で入れた『茶』ですわ。変わった味ですが、慣れると結構――」
「って、そんなことはどうでもいいのよ。私は話を聞きにきたの! 貴重な休日の時間を割いてまでね!」
感謝してほしいものだ。これでロクサーヌに悪意があろうものなら、私はもう辛抱ならない。飢えて狂った獣のように見境なく暴れ散らかすこと請け合いである。まあ、ロクサーヌに限って悪意なんてものが介在する筈もないが。
「わ、わかりましたわ。順を追って説明いたします。ただ――」
「ただ?」
「朝食を頂いてからでも宜しいでしょうか」
「……まあ、良いでしょう」
ロクサーヌの申し出を受け入れた心優しい私は、横合いからちょいちょい摘んで朝食の完食を手伝ってやり、速やかに話の準備を整えた。
「……それでは事情を説明しますわ……」
話によると、ロクサーヌとニナは最近になって急接近した間柄で、時間が経てば友人(私に言わせれば取り巻き)になれる筈だったという。しかし、その仲を引き裂いたのが一枚の脅迫文だ。
『貴様の愛猫は預かった。返して欲しくば、例の指輪を寄越せ……(以下略)』
脅迫文はニナの自室のドアの隙間に差し込まれていた。これを読んだニナは急いで部屋に入り愛猫クミンの姿を探したが、既に誘拐された後で影も形もなかったという。そして、猫以外に盗られたものはなく、部屋の中も壊されたり荒らされたりはしていなかった。
で、問題はここからだ。
脅迫文中にあった『例の指輪』という言い回しが、ロクサーヌとの間に亀裂を生じさせた。というのも、その指輪とはほんの一週間前に誕生日を迎えたニナが豪商の父親からプレゼントしてもらったもので、二百万£相当のアンティークなのだという。
そして、そのことは家族を除けばロクサーヌたちにしか話していなかった。
「――そういう訳で、ニナさんはすっかりわたくしたちの中に犯人がいると疑ってしまっているのですわ」
「へぇ、そりゃ大変ねー」
事情を把握した私は、ニナが疑心を抱くのも無理はないと思った。順当に行けば最有力容疑者はロクサーヌとその取り巻きの誰かだ。
既に警察にも通報済みだそうだが、ニナの部屋からはこれといって痕跡などは見つからなかったという。
(まあ、猫一匹拐かすぐらい魔法を使わずとも簡単に出来ることだしね)
痕跡が残っていなくても仕方ないことだろう。
それにたぶん犯人は内部犯だ。学院には結界が張られているから、外部犯なら学生寮に辿り着く前に未然に防がれる。しかし、教員や生徒なら学生寮の中をうろついていても何も思われない。事件前後、檻などを誰かが持ち歩いていたという目撃情報でもなければ、完全にお手上げ状態だ。
「……で、私に何をさせたかった訳?」
「ほら、リンさんはわたくしの取り巻きではないのでしょう? であれば、ニナさんも少しは信頼して頂けるかと思いまして……」
それは、そう。私が普段ロクサーヌの友人たちを「取り巻き」と公然と誹っていたのをそっくりそのまま返された形だ。しかし、だからなんだというのだろう。私をムカつかせたところで協力は得られないぞ。
「あら、残念。私は親友のつもりでいたのだけれどね。――それじゃ!」
「まあまあまあまあ! お待ちになって!」
「何よ、取り巻きでもなければ親友でもない私にどんな頼み事が――」
「――昼餉!」
ロクサーヌは、私を力強く引き止めつつ唐突にそう叫んだ。昼餉……昼飯がどうかしたのか? と、私はもう一度椅子に座り直し、期待の籠もった視線でロクサーヌを見つめる。それを受け、ロクサーヌはにっこり笑って引き止める手を緩めた。
「昼餉、奢りますわ。出来るだけ上等な――」
「そういうことなら仕方ないわね。まあ、言うだけ言ってみなさい」
やけにあっさりと心変わりをしたように見えるだろうか。それは、ロクサーヌのしつこさを知らないからこそ出てくる感想だ。ロクサーヌは、こうと決めたら頑として動かぬ意志の強さを持っている。張り合ってもいいが、それには結構なエネルギーを使う。なので、こうして昼飯の一つでも対価を引き出せただけ御の字なのだ。伊達に長いこと付き合っていない。
私が笑うと、ロクサーヌも微笑んで頼み事の内容を詳しく説明する。
「わたくしたちではニナさんの近くで事件のことを探ることはできませんわ。どうか、ニナさんとわたしくとその友人たちのために力を貸していただけませんか」
「アンタは、友人たちを信じているんでしょう?」
「はい、もちろんです」
「知ってたわ。アンタはそういう奴よ」
私は再び席を立った。今度はロクサーヌも引き止めない。
「――まあ、任せなさい」
誘拐事件の解決までは保証はしない。だが、最悪は両者の橋渡しぐらいは出来るだろう。ニナは、私とロクサーヌの仲を険悪なものだと思っているようだし。実際、それは物事の一側面ではある。
しかし、安請け合いするのはそこまでだぞ、と私は無言のうちにアイコンタクトだけでロクサーヌと通じ合う。そして、私は彼女の部屋を後にした。
その足で、私は同じく第二学生寮にあるニナの部屋へ向かった。
「……ククク、ロクサーヌってのはおもしれーヤツだな。オレ様はアイツのこと気に入ったぜ。あの試合の時も、見るからに負けず嫌いだってのに『使い魔を使わない』って宣言を守り通したしな。自分の中に一本、芯のあるヤツは嫌いじゃねえ」
「私も好きよ。嫉妬しちゃうぐらいには。面倒くさいし煩いけど、人望があるのも分かる」
ロクサーヌには裏表がないから、接していて気持ちがいい好人物だ。頭の出来がちょっとアレなのが唯一の欠点と言えるが、そんなものはあの人柄を前にして些細なことだ。
「しっかし、どういう魂胆だ?」
「何が?」
「別に助ける必要はねえだろ。たかが昼飯のひとつで」
「わあー、冷たーい。人の心とかなさそう。やっぱ魔物かー」
「オレ様は魔族だっつってんだろ」
冗談はさておき、確かに放っておいても良いっちゃ良い。私とニナは友人でもなんでもない訳だし、解決や和解に協力してやる義理は皆無だ。だが、それを踏まえた上で私はニナを助けると決めていた。
「まぁ、これも良い機会だと思ってね。今まで私は他人を拒絶してきたから、少しぐらいツルんでみるのも良いかと歩み寄りの姿勢を見せてみた訳なのよ」
「ほーん」
「もちろん、打算もあるけどね」
その時、私はちょうど上階へ続く階段に足をかけたところだった。すると、偶然にも上階から二人組の生徒が降りてきて、階段を登る私とすれ違った。
「――あっ見て! あの子、リンじゃない?」
「え? 例の露出狂の?」
「そうそう、変態でハレンチさんの……クスクス……」
私に聞こえるか聞こえないか瀬戸際の声量で、二人組の生徒が陰口を囁き合いながら階下へ歩き去ってゆく。このように『露出狂』だの『変態』だの『破廉恥』だのといった聞き捨てならない私の風評が広まり始めている。将来『推薦』を得るために清廉潔白をアピールしたい私にとって、これは看過できない状況だ。
ゆえにこうして人助け善人エピソードを盛る。矮小なカスどものチンケな面罵が、妬み嫉みの類に落ちるまで。
「あの野郎ども……食らわしてやろうか!」
私への悪口はマネへの悪口、そんな理屈で憤る単細胞の馬鹿を諌めながら、私は聖人君子の仮面を被る。
「あんな小物に構っている暇はないのよ。さあ、先を急ぎましょう! 私の混じり気なしの善性がニナを救えと囁いているわ!」
「はぁ……まあ、やる気な理由はなんとなく分かったけどよ。具体的に解決の手立てはあんのか? 人助けエピつっても、『頑張りましたけど助けられませんでした』ではインパクト弱ぇだろ」
「その点は大丈夫」
私は自信を持って言い切った。
「犯人の目星はもう大体付いてるわ!」
「マジィ!?」
「マジマジ、確証はないけどね」
つまり、これからニナの部屋へ向かうのは、その確証を得るためでもあるのだ。
生徒が入寮する学生寮は組に対応している。私は三組だから第三学生寮。ロクサーヌは二組の所属なので第二学生寮だ。
朝の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、私は心を込めて怒声を上げた。
「オイ、コラ。ボケ、ロクサーヌ出てこい! ブッコロされてぇか!?」
「ケケケ。寝て起きても、まだハイになってやんの。おもろ」
入口のドアをカラギウスの剣の柄でガンガンぶっ叩きながら呼び出すと、慌てたように寝間着のロクサーヌが飛び出てきた。
「ちょ、ちょっと、いきなり何ですの? 困りますわ、ドアを壊すと寮長が――」
「ガタガタ抜かすな、たたっ殺すぞ!」
「と、とにかくお入りになって」
久しぶりに来るロクサーヌの部屋は、相も変わらず甘ったるい匂いがした。内装も同じまま。少し、物が増えているだろうか。無駄に友人の多いロクサーヌは贈り物を貰う機会も多いのだろう。
私は手近な椅子に腰掛け、朝食中だったらしいロクサーヌの飲みさしのコップを勝手に飲んだ。
「うげ……何これ、まっずいわね」
「西方の葉で入れた『茶』ですわ。変わった味ですが、慣れると結構――」
「って、そんなことはどうでもいいのよ。私は話を聞きにきたの! 貴重な休日の時間を割いてまでね!」
感謝してほしいものだ。これでロクサーヌに悪意があろうものなら、私はもう辛抱ならない。飢えて狂った獣のように見境なく暴れ散らかすこと請け合いである。まあ、ロクサーヌに限って悪意なんてものが介在する筈もないが。
「わ、わかりましたわ。順を追って説明いたします。ただ――」
「ただ?」
「朝食を頂いてからでも宜しいでしょうか」
「……まあ、良いでしょう」
ロクサーヌの申し出を受け入れた心優しい私は、横合いからちょいちょい摘んで朝食の完食を手伝ってやり、速やかに話の準備を整えた。
「……それでは事情を説明しますわ……」
話によると、ロクサーヌとニナは最近になって急接近した間柄で、時間が経てば友人(私に言わせれば取り巻き)になれる筈だったという。しかし、その仲を引き裂いたのが一枚の脅迫文だ。
『貴様の愛猫は預かった。返して欲しくば、例の指輪を寄越せ……(以下略)』
脅迫文はニナの自室のドアの隙間に差し込まれていた。これを読んだニナは急いで部屋に入り愛猫クミンの姿を探したが、既に誘拐された後で影も形もなかったという。そして、猫以外に盗られたものはなく、部屋の中も壊されたり荒らされたりはしていなかった。
で、問題はここからだ。
脅迫文中にあった『例の指輪』という言い回しが、ロクサーヌとの間に亀裂を生じさせた。というのも、その指輪とはほんの一週間前に誕生日を迎えたニナが豪商の父親からプレゼントしてもらったもので、二百万£相当のアンティークなのだという。
そして、そのことは家族を除けばロクサーヌたちにしか話していなかった。
「――そういう訳で、ニナさんはすっかりわたくしたちの中に犯人がいると疑ってしまっているのですわ」
「へぇ、そりゃ大変ねー」
事情を把握した私は、ニナが疑心を抱くのも無理はないと思った。順当に行けば最有力容疑者はロクサーヌとその取り巻きの誰かだ。
既に警察にも通報済みだそうだが、ニナの部屋からはこれといって痕跡などは見つからなかったという。
(まあ、猫一匹拐かすぐらい魔法を使わずとも簡単に出来ることだしね)
痕跡が残っていなくても仕方ないことだろう。
それにたぶん犯人は内部犯だ。学院には結界が張られているから、外部犯なら学生寮に辿り着く前に未然に防がれる。しかし、教員や生徒なら学生寮の中をうろついていても何も思われない。事件前後、檻などを誰かが持ち歩いていたという目撃情報でもなければ、完全にお手上げ状態だ。
「……で、私に何をさせたかった訳?」
「ほら、リンさんはわたくしの取り巻きではないのでしょう? であれば、ニナさんも少しは信頼して頂けるかと思いまして……」
それは、そう。私が普段ロクサーヌの友人たちを「取り巻き」と公然と誹っていたのをそっくりそのまま返された形だ。しかし、だからなんだというのだろう。私をムカつかせたところで協力は得られないぞ。
「あら、残念。私は親友のつもりでいたのだけれどね。――それじゃ!」
「まあまあまあまあ! お待ちになって!」
「何よ、取り巻きでもなければ親友でもない私にどんな頼み事が――」
「――昼餉!」
ロクサーヌは、私を力強く引き止めつつ唐突にそう叫んだ。昼餉……昼飯がどうかしたのか? と、私はもう一度椅子に座り直し、期待の籠もった視線でロクサーヌを見つめる。それを受け、ロクサーヌはにっこり笑って引き止める手を緩めた。
「昼餉、奢りますわ。出来るだけ上等な――」
「そういうことなら仕方ないわね。まあ、言うだけ言ってみなさい」
やけにあっさりと心変わりをしたように見えるだろうか。それは、ロクサーヌのしつこさを知らないからこそ出てくる感想だ。ロクサーヌは、こうと決めたら頑として動かぬ意志の強さを持っている。張り合ってもいいが、それには結構なエネルギーを使う。なので、こうして昼飯の一つでも対価を引き出せただけ御の字なのだ。伊達に長いこと付き合っていない。
私が笑うと、ロクサーヌも微笑んで頼み事の内容を詳しく説明する。
「わたくしたちではニナさんの近くで事件のことを探ることはできませんわ。どうか、ニナさんとわたしくとその友人たちのために力を貸していただけませんか」
「アンタは、友人たちを信じているんでしょう?」
「はい、もちろんです」
「知ってたわ。アンタはそういう奴よ」
私は再び席を立った。今度はロクサーヌも引き止めない。
「――まあ、任せなさい」
誘拐事件の解決までは保証はしない。だが、最悪は両者の橋渡しぐらいは出来るだろう。ニナは、私とロクサーヌの仲を険悪なものだと思っているようだし。実際、それは物事の一側面ではある。
しかし、安請け合いするのはそこまでだぞ、と私は無言のうちにアイコンタクトだけでロクサーヌと通じ合う。そして、私は彼女の部屋を後にした。
その足で、私は同じく第二学生寮にあるニナの部屋へ向かった。
「……ククク、ロクサーヌってのはおもしれーヤツだな。オレ様はアイツのこと気に入ったぜ。あの試合の時も、見るからに負けず嫌いだってのに『使い魔を使わない』って宣言を守り通したしな。自分の中に一本、芯のあるヤツは嫌いじゃねえ」
「私も好きよ。嫉妬しちゃうぐらいには。面倒くさいし煩いけど、人望があるのも分かる」
ロクサーヌには裏表がないから、接していて気持ちがいい好人物だ。頭の出来がちょっとアレなのが唯一の欠点と言えるが、そんなものはあの人柄を前にして些細なことだ。
「しっかし、どういう魂胆だ?」
「何が?」
「別に助ける必要はねえだろ。たかが昼飯のひとつで」
「わあー、冷たーい。人の心とかなさそう。やっぱ魔物かー」
「オレ様は魔族だっつってんだろ」
冗談はさておき、確かに放っておいても良いっちゃ良い。私とニナは友人でもなんでもない訳だし、解決や和解に協力してやる義理は皆無だ。だが、それを踏まえた上で私はニナを助けると決めていた。
「まぁ、これも良い機会だと思ってね。今まで私は他人を拒絶してきたから、少しぐらいツルんでみるのも良いかと歩み寄りの姿勢を見せてみた訳なのよ」
「ほーん」
「もちろん、打算もあるけどね」
その時、私はちょうど上階へ続く階段に足をかけたところだった。すると、偶然にも上階から二人組の生徒が降りてきて、階段を登る私とすれ違った。
「――あっ見て! あの子、リンじゃない?」
「え? 例の露出狂の?」
「そうそう、変態でハレンチさんの……クスクス……」
私に聞こえるか聞こえないか瀬戸際の声量で、二人組の生徒が陰口を囁き合いながら階下へ歩き去ってゆく。このように『露出狂』だの『変態』だの『破廉恥』だのといった聞き捨てならない私の風評が広まり始めている。将来『推薦』を得るために清廉潔白をアピールしたい私にとって、これは看過できない状況だ。
ゆえにこうして人助け善人エピソードを盛る。矮小なカスどものチンケな面罵が、妬み嫉みの類に落ちるまで。
「あの野郎ども……食らわしてやろうか!」
私への悪口はマネへの悪口、そんな理屈で憤る単細胞の馬鹿を諌めながら、私は聖人君子の仮面を被る。
「あんな小物に構っている暇はないのよ。さあ、先を急ぎましょう! 私の混じり気なしの善性がニナを救えと囁いているわ!」
「はぁ……まあ、やる気な理由はなんとなく分かったけどよ。具体的に解決の手立てはあんのか? 人助けエピつっても、『頑張りましたけど助けられませんでした』ではインパクト弱ぇだろ」
「その点は大丈夫」
私は自信を持って言い切った。
「犯人の目星はもう大体付いてるわ!」
「マジィ!?」
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つまり、これからニナの部屋へ向かうのは、その確証を得るためでもあるのだ。
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