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王都
ナリスの伝説「オンリーワン」
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★王都★
もうすぐ九歳になります。
王立学園に通うことになる前に王都を、というより王立学園を見ておこうと考えました。
なので、みんなで王都(王立学園)見学ツアーを開催します。
費用はこれまで稼いできた銀貨で、いけるはず
王都には馬車で南に六日間の旅程になります。
王都に行くには街道を整備されてはいるのですが、森を抜ける必要があります。
少し危険ですが、まぁ、大丈夫でしょう
森を半分ぐらい抜けてきたあたりで索敵に反応が出ました。
近くで誰かが戦っている。街道の前方、街道を右に外れたあたり
戦闘現場に到着した。
オーガ?とウルフの群れが馬車を囲んでいて、それを守っている十名の騎士の姿が見えた。
ハイエルフの五人が弓と魔法で外から攻撃、イリスとエリス、クリスが飛び込んでいく、私も続いて騎士に襲い掛かっているウルフに一撃を入れた。
キン!
「魔法防御!」
普通に剣をふるうのではなく、集中して魔力を込めて切りつけた。
魔法防御もろともウルフを切り裂いた。
索敵と鑑定でウルフの群れを探ると、一つ強い力を感じた。
指示を出している者がいることが判明
「どこだ?さらに右の木に隠れている」
クリスにそのことを知らせてそいつのところに行ってもらった。
「イリス!今クリスに親玉みたいなやつのところに行ってもらった」
「西の方向だ」
「睦! クリスを援護して」
手を挙げて睦が走っていくのが見えた。
馬車の周りにいたウルフは片付いた。
オーガの相手はイリスが・・・・あとはお察しください。
イリスが即、クリスと睦の方に走って行った。
「澪、雫!回復、よろしく」
澪と雫の回復で、騎士団の方たちもなんとか動けそうなので、
「みんな、応援に行こう」と全員でクリスたちのいった方に向かった。
ちょうどイリスとクリス、睦が親玉を倒したところだった。
片付いたな、よし 急いで撤収!
馬車に戻って旅路に戻るつもりだった。
「さっきのやつどうだった?」
イリスが
「おっしゃる通り、あのものが、ウルフどもに指示をだしていたようです。」
何か腑に落ちない表情のイリスが続けて
「魔物に襲われたというより、これは暗殺未遂になるかと思われます。」
護衛の騎士
「お待ちください!」
あ、逃げ遅れたか
騎士の一人が追いかけてきた。
騎士が言うには自分たちの馬車は壊れて使用できないから馬車を使わせてほしいと言ってきた。
街道から森の中に引きずり込まれたらしい。
なるほど、あのオーガがやったのか
「助けてくれてありがとう、だが、君たちのような子供があんな、危険な戦いにかかわってはだめだろう!」と隊長らしい人が言ってきた。
「そうですね、次からは見て見ぬふりをして通り過ぎます。」
私は頭を掻きながら言ってみた。
荷物とかを乗せ変えて
「こちらをどうぞお使いください」
イリスがそう言って馬車を一台渡した
「うちの騎士団隊長が失礼をいたしました。助けていただきありがとうございます。」
身なりのいい同世代の女の子が近づいて来てそう言った。
?? そういわれました?
そうおっしゃいました?
舌かみそう 笑
「わたくしはこの国の第三王女、シルビア・オルレアン」
「シルビアとお呼びください」
あ、自己紹介されてしまった。王女ってわかったら跪く必要があるよね?
後ろのおっさんが怒るだろうし、ここは
片膝ついて? 「私は辺境から出てきました、ナリスと申します」
イリスたちも跪いている。
シルビア
「護衛の騎士が皆さんにお聞きしたいことがあるそうなのですが、よろしいでしょうか?」
え・・・それは、あの・・・ダメとは言えないよね?
「なんでしょうか?」イリスが答えた。
シルビア
「騎士団の攻撃は先ほどの魔物に全然通じませんでした。が、皆さんは一太刀、一太刀ダメージを与えて、倒しておられました。」
「何が違うのでしょうか?」
イリスがむっとした様子で
「ナリス様、よろしいでしょうか?」
イリスに向かって頷いた。
「あるじに代わり私の方から申し上げます。はっきり言って、まったくダメダメのダメです! 豪華な鎧に身を包み、高価な剣を振り回しているだけの騎士団では何もできないのが当たり前、人間同士での戦闘ならいざしらず、先ほどのような魔物を相手にそのような攻撃が通用するはずがありません」
騎士団隊長
「なにを、ぶ、無礼な!我々はこれまで、数多くの魔物を屠ってきた」
ふっ っとイリスが笑って言った。
「それは、人間の住む場所のそばまで、降りてきて、単独で暴れるだけの下級な魔物を倒しただけでしょう。それを自慢されましてもこまります」
イリスが続けて
「現に先ほどの隊列を組んで指揮を行う魔物が一匹いるだけで歯が立たなかったではないですか、指揮を行っていた魔物は強化魔法及び防御魔法を使用しておりました。襲ってきた魔物の群れに指揮を行っている魔物がいると理解した方はいましたか? 私たちは我があるじの指示に従い、魔物に対して指揮をさせないよう、魔法も使わせないよう先に攻撃を仕掛けました。」
イリスは一息ついて
「質問の回答ですが、剣をただ振るだけではなく、魔力を込めて攻撃を行うことが必要になります。」
「そしてこれは、単なる魔物の襲撃とは思えない、誰かが魔物に人間との戦い方を・・・・・」
最後の方は小声になっていった。
「とにかく、次から貴方がたが襲われているのを見つけても通りすぎますからお気を付けください。」
うわぁ イリスさん、さっきの隊長さんの台詞に真剣に怒っているようです。
「イリス様、あの魔物たちは第三王女様をどうするつもりだったのでしょう」
エリスが聞いてきた。
「王女様は誰かに恨まれているような覚えはありますか?」
「無礼なことを言うな」騎士隊長が激怒している。
イリス
「お人柄も良く、お優しそうな方に見えますから、ないのでしょうねぇ、では、王女様が死亡した場合、誰かに利益がでるのでしょうか?王位継承者の中でも王女様のほうが、人気があるとか?」
イリスが騎士隊長を無視して聞いてきた。
騎士隊長が「今や国民の人気は姫様一人に集まっております。」
身内の問題か・・・・・誰も口を開かなくなった。
騎士隊長が前に出てきて
「先ほどの剣技の話でありますが、私と手合わせをお願いできないでしょうか?」
穏やかな口調で言っているけど‥‥かなり怒っておられるような?
じゃあ、イリスお願いと思っていると
「ナリス様がお相手いたします」 先に言われたぁ
「やだよぉ」と言ってみたけど?
イリス
「何をおっしゃいますか、あの隊長さんの勘違いを綺麗に払ってきてください」
めんど、くさい・・・・
「では、殺すつもりで行きます、よろしくお願いします」
隊長さんは本気でやる気になっております。
私
「殺すつもりで、ってそんなのこと言うと真剣にこっちも殺しに行きますよ?」
イリスが「長引くようでしたら、おいていきますから」
はい?
「では、開始してください」イリスが開始を告げた。
と、隊長さんやる気満々で突っ込んできて、上段から剣を振り下ろしてきた。
左にサイドステップして剣をかわす、隊長さんも織り込み済みなのか、剣を横に払ってきた。
下から振り上げ気味に横に払ってきた剣をこっちも短剣の刃に魔力を込めて下から振り上げ、剣を切った。
部下の皆さんからどよめきが起こる。
剣を切られて一瞬動揺した隊長さんだけど、すぐ剣を捨て組みかかってきた。
それって・・・体格さ・・・・・考えろよ!!
というか子供だと思ってなめすぎ?
腕を取って足をかけて、そのまま払いながら倒して、肘を首に落とし・・た・・・死んでないよね?
と、残りの騎士団メンバーが私を取り囲む
おおお 囲まれたと思ったら即、攻撃してきたー
けど、残念 隊長さんが十人いても一緒、イリスに置いていかれないように瞬殺
すみません! うそです
本当は攻撃を受け流しながら避けただけです。
そしてそこをイリスたちがトドメを
嘘です 動けなくしただけです。
「隊長様の蘇生、回復、終わりました」澪が連絡をくれた。
王女様が安堵しているのが見えた。
戦闘終了です。
騎士団の十名は貸し出した馬車に放り込み、姫様にはこっちの馬車に乗ってもらい出発した。
「ところで、あなた方は王都に向かっておられるのですか、それも子供だけで?」
それって普通に聞くよね、と思いながら
とりあえず、来年から王立学園に通うから、寮ではなく、一軒家でもないか探しに来たと伝えた。
「え、皆さんで住むのですか?」
「この十名で」イリスが返答した。
「うらやましいですね、楽しそうです」
「私も来年から通いますので、同級生ですね」
それって・・・・
「さすがに学園の中では護衛とか入れないよね?」
「じゃあ、皆さんが私の護衛をしてくれるというのはどうでしょう」
姫様が、即答した。
なるほど・・・
護衛って稼ぎになるのかな?とちょっと頭をよぎった
姫様の護衛というより、取り巻き・・・・と思われそうね。
王都の門が見えてきた。
帰り道に襲われることはなかった、というか失敗するとは思っていないってことかな?
ということは?
もう姫様が死んだ前提で何か行動を起こしているかもしれない。
ああ・・・・普通に姫様がお戻りになられるとびっくりするだろうなあ
私
「あ、姫様が戻ってきて一番驚いたやつが首謀者とか?」
「それあるあるだな」とシルフィーが笑って言った
シルフィーが楽しそうに続けた
「私が遠くから眺めてくるよ、そんな奴がいるかどうかさ」
私
「お願いします、じゃあおっさんたち起こして姫様の護衛で王都に入ってもらわないと、俺たち誘拐犯にされてしまうかも?」
「恩人にそんなことしませんわよ」あわててそういう王女様に
私
「でもさ、後ろのおっさんたちは、どうだろうね?」
「何かあったら、私たちも最初から応戦しますね」
イリスが言うとみんなもウンウンと頷いていた。
聖騎士団の護衛で王女様一行が先に行き、ちょっと離れて後ろからついて王都に入った。
王都の中は大騒ぎだった。
王女様一行が魔物に襲われていると知らせがあったから急いで援軍を出せと準備をしているところだった。
指揮をとっているのは第二王子 マティス・オルレアン王子様だった。
なるほど、急いで駆け付けたけど、すでに遅かった、残念というシナリオか
まあここからは私達には関係ないし、宿でも探そうか
護衛の騎士隊長
「お待ちください、ここで君たちの姿を見失ってしまうと我が王に罰を与えられてしまいます」
騎士隊長様は一息ついて
「我ら一同、また王女様を助けていただいたのは紛れもない事実、ここはおとなしく王に謁見していただかないと・・・」
私
「いやいやいやいや、田舎者ゆえ、礼儀作法もままなりません。ご容赦ください」
まあ、聞き入れてくれるはずもなく
王城に連行? されました。
★謁見★
すでに王城の待機の間におります。
お城の外観、入場シーンは カットです。
現在、ここまでの出来事を王様や偉い人たちに報告中なのだと思います。
イリスたちは楽しそうにくつろいでいる
「ナリス様、このお茶もお菓子も美味しいですよ」
お茶もお菓子もなくなる前におかわりが出てくる。
みんなふとるぞぉ?
騎士団長様がやってきた。
「お待たせいたしました、王様との謁見の準備が整いました。」
そして
「王様の前では片膝ついてかしこまっていていただければ、返答は私の方で致します。」
それでよろしいですか?と、・・・もうお任せします
騎士団長様の後ろについていき、王様との謁見の間、途中で止まったので、そこで片膝をついて下を向いていた。
「王女シルビア様の危急を助けてくださいました。ナリス様一行」と紹介された。
当然、ざわつきますよね。・・・・
子供だけ 十名だし
大臣らしき人が片手をあげて制した。
オーガ数匹、ウルフ数匹に馬車ごと森の中に引きずりこまれ、襲われ応戦、王女様の乗られていた馬車を守っているところに、参戦していただき魔物退治を手伝ってくれた。と報告が上がった。
「オルレアン王国の国王、ウィリアム・オルレアンである。」
「我が娘そして信なる騎士団の者たちを助けてくれたこと、感謝いたす。」
「褒美をとらせる。何か欲しいものはないか?」
大臣が「爵位でも領地でも」と付け足した。
騎士団隊長がなにか希望はありませんか?と聞いてきた。
小さな声で王都に来た目的、来年から王立学園に通うために住む場所を探しに来たことをつげた。
騎士団長様が「恐れながら申し上げます。」
王都に住むための屋敷を探していることを代わりに言ってくれた。
王様と大臣数人がひそひそと話をしていたが、なにかが、決定したようで、
「男爵の爵位、及び王立学園北にある屋敷を与える。以後学園内において王女シルビアの護衛を任せたい。」
ざわめきが起こる
えっと・・・・考える間もなく
騎士団長様が「かしこまりました。謹んでお受けいたします」と返答した。
爵位とか欲しいわけではないのですが、この国に逆らわないように首輪かな?
そうか、王女様の護衛を一般人にはさせられないってことか・・・なるほど
でも、あってこまる?ことはないだろうし、いいか
謁見の間をでてすぐ、すみませんが、もうしばらくお付き合いください。と
応接室?に案内された。
少し待っていると王様と大臣、王女様が入ってきた。
王様がすぐに手を上げ、「そのままでよい」と声をかけてきた。
「此度は娘シルビアの危機を救ってくれたこと心より感謝いたす。君たちがいなかったら間違いなく死んでいただろう、もしくは囚われていただろうと報告を受けておる。」
大臣様が頷いています。
「して、今回の件についてこれは、仕組まれていたことではないかと推察していると聞いた。」
王様は私たちを見直してから
「これは娘シルビアのたっての希望でもあるので、学園内での護衛を引き受けてもらいたい。」
王様は大臣様をちらっと見てから
「爵位に対しての給金、護衛の任務への謝礼等はしっかりと支払わせてもらう」
大臣様が続けた
「引き受けていただけますかな?」
私はイリス、みんなを見た。
皆笑っている。
「喜んで引き受けさせていただきます。ですがこのような子供に爵位に屋敷は不平不満がでませんか?」
「まったくもって子供らしくない台詞だな」
王様は大臣様を見てから
「そのようなことは気にしなくてよい」
王様がさらに続けた
「それから与えておいてなんなのだが、屋敷には娘シルビアにも部屋をあけてやってほしい」
当然・・・・メイドに付き添い等数名・・数十名?がいるよね
いやそうじゃなくて・・・・え・・?・・あ・・・・
それって断ったら・・・・・
「食事も同じものを準備させよう、どうだ?」
それはありがたい!
騎士団長様との闘いも報告されていたらしく少し話題になったあと部屋を出て、解放されました。
騎士団長様は サンドウィッチ伯爵家の三男でギルフォード・サンドウィッチ様 「ギル」と呼ばれていました。
お城を出て屋敷まで案内され、屋敷を確認。
屋敷・・・・・・あはは
これって貴族の屋敷・・・・あ! 王様の別荘的な?
いろいろ考えてもしょうがない
当初の目的は果たした! ということで ラッキー
★朝食★
この屋敷 三階建てで
一階は広間、食堂、お風呂、トイレ、 二階、三階は住居
王族より上の階に住むわけにはいかないだろうから?
二階が私たちの住居で三階には王女様、及び関係者でいいのかな?
ということで今夜は皆一緒に二階で寝ることにしました。
次の朝
早速お客様が・・・・いっぱい来ました。
誰って
普通こないでしょ・・・
「おはようございます。えっと国王様? 何の御用でしょうか?」
手を挙げて制しながら
「今日は国王としてではなく一人の親としてお邪魔させていただきます」
「朝食を準備させましょう」
堅苦しいことは抜きで、無礼講でいいと言われても、ねぇ
国王様が、王妃様と王女様を紹介してくれた。
こちらも一人一人自己紹介を行いました。
入学までどうするのか聞かれたので、住む場所も決まったしこのままこの屋敷に滞在したいと申し出たら、王女様専属の使用人を今日からこの屋敷に置いていくと言ってくれた。・・・・ら?
王女様が自分も今日からここに住むとか言い出した。
王妃様が「では私もしばらくここに滞在してみましょう」って
はい?
王様が「なに? 私は滞在どころか、朝食が済んだら戻らなくては・・・」
何か少し寂しそうに見えるのは気のせいかな
王女様の部屋は三階で使用人たちは二階、三階に護衛として一緒に部屋を取ってほしいと提案された。
ということで今夜からは三階で寝ることになりました。
冗談のつもりか?
「私たちも何かあった時はここに避難してくるのでよろしく」だって
王妃様の名前は フランソワーズ・オルレアン様
フランと呼んでください・・・だって
朝食が済んだら王様は寂しそうに帰って行った。
王妃、王女様に部屋を決めていただき、その場所を基準に各自部屋を決めた。
私は廊下を挟んで左側にしてみた。
別に個人の荷物がいっぱいあるわけではないので移動もすぐ終わった。
二階は使用人さんたちに自由に決めてもらった。
この屋敷を拠点に王都の散策、王都回りの散策、薬草採集ができる場所とか徐々に調べていくことにした。
★契約★
本日は王都、街の中 散策!
王妃様、王女様を置いていくわけにはいかないのでついて来てもらうことにした。
そのためにはお召し物?を変えていただかないと
お二人ともに冒険者風にコーディネイト?
フラン様、シルビア様共に僧侶系で、ハイエルフのみんなと澪が担当しました。
凄腕?の神官とかわいい神官の親子みたいになった。
まあ、親子だし・・・
被り物で(帽子)髪の毛も隠して変装は大成功!
旅費とか宿泊費とか食費がいらなくなったので、買い物もできそうだ。
なんか、孤児院の聖女様とその一行みたいになった気もしないでもないけど
まあいいか
人さらいにさらわれないように、さらわれたら情報を集めるように、みんなに言っていると、フラン様、シルビア様が不思議そうにこっちを見て聞いてきた。
「どういうことでしょう?」って
イリスをちょっと見てみんなを集めた。
二人の前で
「王族が味方かどうか不明だけど、別に敵になっても問題ないから、事情を話そうかと思うけど、どうかな?」
イリスが
「そうですね、敵になるようならこの国もろとも滅ぼせばいいですし」
と物騒なことを口にしたけど、みんなも私もそうそうって感じになった。
シルフィーが「暴れん坊だし・・」と笑っている。
ブン! イリスが腕を振り回した音です。
御二人が「はい?」ってなっているのを見て
イリス、エリス、クリスはドラゴン族で数千年生きていること、澪は聖女様として放置されてきたこと、他の五人はハイエルフで奴隷商人から逃げてきたこと、そして私と出会い、一年ぐらい一緒に暮らしてきたことを説明した。
イリス
「私たちは助けていただいたナリス様に御恩を返すために従者として共に居ります」
私
「で、先ほどの話の続きですが、ハイエルフはまだ奴隷商人につかまって売られているだろう仲間を探しています。」
睦
「探し出せたら、助けに行きます。」
「商人だろうが、貴族だろうが攻めます」ハイエルフのみんなが息巻いている。
私
「ゆえに情報収集が必要になります。今の話を王様に知らせても問題ありません。人間の敵として対応されるならそれはそれでかまいません。」
「当然ですが、応戦します。」イリスが付け加えた。
私は
「王立学園に通うのは、義務というのもありますが、この世界の歴史をもっと知りたいと思っているからです。」
入学したら講義を選択して空いた時間は歴史書を読みたいと思っていることを伝えた。
シルビア様が
「二千年以上昔、凶暴なドラゴンが一つの国を滅ぼしたと伝説にありますが、それがイリス様なのでしょうか?」
イリスが顔を背けたが、そこにシルフィーが
「おいおい、その時私もいたのだけど、私のことは伝説になって、いないのか?」
イリスが
「貴方は人間には見えないのではないのですか?」
フラン様が「まだ他にどなたかいらっしゃるのですか?」と聞いてきた。
「はい、風の精霊シルフィーが私の守護をしてくれています」
「かぜの・・・・」
フラン様、シルビア様が思考を凝らしている
イリスが突然
「ナリス様、私と契約していただけませんか?」と言ってきた。
イリスが続けて
「私は貴方様を生きている限り守護します。がナリス様が嫌がっているかもしれません。私がナリス様と一緒にいていいという証に契約を交わしてください。」
私としては皆が嫌になったら好きにしていいと思っている、けどって言ったら、みんなから一斉にブーイングが起こった。
ハイエルフの皆
「ナリス様から見放されると私達行くところなんて、ありません」
どんな内容で契約する?
「生きている限り従者として守護し、ナリス様を愛し助けます」
というのはどうでしょうか?
はい!はい!はい!はい!他のみんなが自分もその契約を受けると言い出した。
この国の王妃、王女が見守る中でこの二人を証人として契約を希望します。
正直に言いますとイリスが続けた。
「もしナリス様が誰かと婚姻を結び、妻を迎えられ、私は蚊帳の外なんてことを想像しますと・・・・・!もう世界を壊しまくりますよ、ほんとに」
おいおい
「三千年もの間 オスというか 男に興味がわかなかった私ですが、ナリス様に出会って、貴方を知るたびに貴方と共にいたいと思う気持ちが強くなりました。ナリス様にその気がなくても私はナリス様を愛しております。」
その気がないわけでもないです。
皆がそれを納得してくれるなら私からもぜひお願いしたいと思う。
ここで王女様が手を挙げた。
「私、シルビアもその契約を受けさせていただけませんでしょうか? 私は一目ぼれ、初めてお会いした時に感じるものがありました。私は貴方と共に生きていくのだ」と
イリスの目が点になっていた。
イリス
「私は正直ナリス様を王女シルビア様に取られそうな気がしてこのような発言をしております。王女シルビア様とナリス様が婚姻を結ばれても私も同様に扱っていただきますようお願いします。」
思わずイリスを抱きしめたくなった。
と・・・・他のみんなが抱きしめていた。
という事で契約の開始です
私
「汝、我ナリスの従者として我を守護し、我と共に歩み、我を助けよ、この契約を承認するなら汝の名をもってこれに答えよ」
イリス、エリス、クリス、澪、睦、弥生、雫、葉月、詩織
皆が順に名を告げた。
「シルビア・オルレアン」王女様が名乗りを上げた。
と「フランソワーズ・オルレアン」
え?
フランソワーズ・オルレアン
「私もあなた方の敵ではないという証明でその契約に従います。
あなたの助けとなるよう努めることにいたしましょう。あなた方は私たちの前で正式に契約を果たされました。この契約とあなた方の事情を知ってしまったからには、私も同列に扱っていただきましょう。」
同列って・・・・・
「風の精霊シルフィー」
え? シルフィー?
「なに?私はだめなのか?」
「いや、シルフィーが納得するなら全く問題ないけど」
「じゃあ、それで」っと、軽いシルフィーが続けた
「私もこれで独りぼっちがなくなったってことだ」シルフィーが喜んでいる。
「フッ、また突然、黙って封印されないでね」イリスが笑って言った。
「●×★#!」シルフィーが声にならない叫びをあげている
「皆さん、よろしくお願いします」
私は一気に十二名の従者?を手に入れました。
★王都散策★
街に出てみた。王妃様も王女様も街を歩いて回ることは無いようで、楽しそうに見える。
街は人であふれ、賑わっている。
冒険者ギルドに商業ギルドの場所を確認、年齢制限があるから今度お城から連絡を入れてもらえるか、お願いしてみよう。
「ナリス殿!」って声をかけられて振り向くと騎士団隊長ギル様が立っていた。
「こんにちわ」
ギル様がこっちを見渡して凍り付いた。
「何をなさっておいででしょうか? お二人とも・・・・」
ああ、即ばれ
フランソワーズ・オルレアン
「町で買い物を楽しんでおります。」と無邪気に返事をしている。
お二人に護衛もつけずに・・・・といいたそう
私
「ギル様は見回りでしょうか?」
ギル様は部下四人と一緒に街を見回っていたようです。
「じゃあ、ここから護衛ということで、ご一緒にどうですか?」
私がさらっと言ってみた。
子供たちが誘拐されないように、よろしくお願いします。
全く索敵に反応が無く、敵もいないが、ハイエルフをピンポイントで探すことも出来ない。それでもこの辺りからハイエルフと思われる気配を感じます。ハイエルフがいる事は間違いないです。
流石に外にいるわけではないので、探すのが大変
シルフィーにこのあたりの建物の地下を見てくるよう頼んで、今日のところはシルフィーからの連絡待ちということで屋敷に戻ることになりました。
★奪還★
屋敷についてすぐにシルフィーも戻ってきて
「見つけた。ハイエルフが三人いたのを確認しました」
ハイエルフの五人から歓喜の声があがる。
人選 ということで五人のハイエルフは当然、全員行くことになり、あとイリスとエリス、シルフィーが付いていくことになった。
シルフィーは案内が終わるとすぐに屋敷に戻る予定。
夜になり皆が寝静まる時間、深夜に営業している店も閉めるころ、八人が出発した。
しばらくしてシルフィーが帰ってきた。
と一緒に索敵に反応が出た。
イリスが出て行ったのがわかったのかな?
鬼の居ぬ間に?って、やつか・・・・ちょっと違うか?
王妃と王女を二階に案内して使用人と同じ部屋に待機していただき、澪と私が防御態勢を、屋敷の外にクリスが出ていき戦闘態勢に入った。
シルフィーも屋敷の屋根あたりで待機している。火矢とかが飛んで来たら対応してくれるだろう。
敵総勢十名 玄関前にクリスが敵三人と交戦に入った。
私は索敵、鑑定、隠密、強奪スキルを解放(解放することで一度に意図的に使用が可能になります。)
射程に入った敵から強奪スキルを発動します。
戦闘の音が部屋まで聞こえてきた。
シルビア王女が心配して声をかけてきた。「ナリス様?」
それを澪が制した。「お静かに、ナリス様は今集中して交戦されております。」
索敵で敵の位置把握、鑑定で敵の心臓を確認、隠密でこちらの存在を隠し、強奪を行う。強奪するのは敵の心臓です。
索敵を開始して、「解放」を使用しました。
「一人、二人」「鑑定」確認、「強奪」起動、成功
二人が胸を押さえて倒れる、他の二人が「どうした」と声をかけるが、返事はない
「三人目」「鑑定」確認、「強奪」起動、成功
また、胸を押さえて一人、倒れた
「なんだ、何が起きている」
「四人目」「鑑定」確認、「強奪」起動、成功
四人目は止まり状況を把握しようと試みるが、自分も胸を押さえる事になった。
強奪完了です。
シルフィーが外で三人の賊を確認、即時対応しに行く。
三人は周りを警戒しつつゆっくりと建物に近づいて来たが、シルフィー相手では意味をなさなかった。強烈な風の刃が三人を一気に切り裂いた。
クリスも玄関前で三人とあい対した。
クリスは受け流す訓練の先生であります。一人目の攻撃をステップ踏んで受け流す、そのまま攻撃してきた相手の短剣を違う敵に向ける、二人をこれでかわして三人目の攻撃も受け流し、三人が一列に並んだ状態に誘導した、そこに、すかさず気を放ち流れるように三人の首を突きさした。
澪が回復魔法をかけてくれ
「ナリス様大丈夫ですか?」と聞いて来た
うんうん と頷いた。
シルフィーとクリスが戻ってきて
シルフィーが
「ナリス様ってとんでもないな。無敵だ。」
クリスも
「流石です、ナリス様」
一息ついたところでイリスたちが帰還してくるのを探知した。
無事にハイエルフ三人を連れ、戻ってきている。
玄関から出て門の前で迎えた。
と、索敵に反応あり 五名が追跡してきている。
「あ、五名があとを追いかけてきているけどこれってたぶん、ハイエルフ」
いうなり、五人とふらふらしている三人が外の方を見た。
三人が口笛を吹く、外から返事らしい口笛が帰ってきた。
ゆっくりと警戒しながら五名が入ってきた。
ハイエルフ全員で再会を喜んでいる。
見た目が違う五人に新しく来た八名は戸惑っていたけど、話をしているうちに分かり合えたようだ。
澪と雫が回復魔法をかけている。
三階の部屋に入ってもらい、王妃様と王女様に状況を説明した。
刺客はイリスが不在時を狙ってきた、ということはこっちを調査して見張っていると思われます。
森で襲ってきたやつらの仲間なのは間違いないでしょう。
王妃様が
「本当にここにいたほうが安全のようですね」
私
「使用人の方にも怖い思いをさせてしまいました。すみません」
イリスが私を呼びに来た。
ハイエルフの八名が何とか落ち着いたから、奴隷用ロックの解除と奴隷紋の解放の話をしてきた。
王妃様も王女様も興味津々、ついてきた。
私は御二人を鑑定してみました。
フラン王妃 :回復魔法・体術・超回復・解錠・魅了・見切り
シルビア王女:光魔法・回復魔法・付与魔法・解呪・異常状態無効・掌握
なんと二人そろってすばらしい
王妃様と王女様の能力:解呪・解錠
※解呪:問答無用で呪いを解く
※解錠:問答無用で鍵を開ける
※(どちらもスキルランクで成功、失敗があります)
「解呪のスキル、解錠のスキルを解放・発動」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得、付与することが出来る
三人の奴隷用ロックが光に包まれる。
ハイエルフの三人の奴隷紋の解除(というかまだ売られていないから?奴隷紋の発動は感知されませんでした)、奴隷用ロックは外れました。
この奴隷用ロックって探査されたりするのかな?
とりあえずどこかの船にでも捨ててきて、クリスが承りました。と手に取って出て行った。
探査されてまた襲われてもなあと思っていたら、
「奴隷商人のところにいたものはすべて、とどめを刺してきました。」
睦が報告してきた。許せませんと言いたげです。
「それとかなりため込んでいたみたいだから、全部いただいてきた。」
とイリスが金貨を袋から出して見せた。
ちょっと・・・・袋いくつあるの?
これはもう戦争だし、戦利品があってもいいだろう、と私も思った。
一息ついたところで、私は聞いてみた。
「さて、ハイエルフの八名、これからどうしますか?」
ハイエルフの一人が
「私たちにはいく場所も生きていける土地もありません。」と返答した。
私
「じゃあ ここにいる五名と一緒にこの屋敷でメイドをやりますか?」
睦が口を開いた。
「ナリス様、まだここの使用人さんたちには見られておりません。この八名も私たち同様に肉体再生をお願いできないでしょうか?」
私は睦を見て言った。
「それを八名が望んでいるの?」
八名全員がこっちを見て、
「このままだと私たちは安心して生きていけません。私たちが生きていていいのなら、見た目が変わっても生きていたいです。」
はい、決まり!
「ハイエルフの美貌が失われるのは個人的にはもったいない気もしますが・・・」
八名全員に衣服を脱ぎ、装備品を外すように伝えた。
八名は裸で私の近くに来てもらい、イリスと澪がその外側に座る。
そして私は八人に対して持っている能力「解放」を使用した。
「不死のスキル解放、超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
八人が光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
澪の肉体再生を行ったときのイメージを思い出して精神集中
八人を包んだ光が小さくなって消えた。
ハイエルフの八人も同年代の子供の姿に再生が成功しました。
王妃様の目が輝いているのが見えた。
ハイエルフ八名が新しく仲間になった。
名前も一応変えてみます。
さくら・かえで・つばき・あずさ・すみれ・かおり・らん・あかね
王妃様、王女様もこれでこのメンバーの武力の強さ、絆の強さの秘密を理解したようです。
そして二人にも
近くにいたので王妃様、王女様のお二人も能力「不死、隠蔽」が付与されているだろうことを伝えました。
戦利品の金貨でハイエルフたちの装備品?服とかを整えてくれるようにイリスに頼みました。
空を見るとちょっと明るくなってきている。
もうすぐ朝が来る・・・・・
さて、そろそろ寝ましょう。
イリスが慌てて
「奴隷商人につかまっていた他の者たちもついでに解放しておきました。」
と報告をしてきたけど、明日にしよう
もうすぐ九歳になります。
王立学園に通うことになる前に王都を、というより王立学園を見ておこうと考えました。
なので、みんなで王都(王立学園)見学ツアーを開催します。
費用はこれまで稼いできた銀貨で、いけるはず
王都には馬車で南に六日間の旅程になります。
王都に行くには街道を整備されてはいるのですが、森を抜ける必要があります。
少し危険ですが、まぁ、大丈夫でしょう
森を半分ぐらい抜けてきたあたりで索敵に反応が出ました。
近くで誰かが戦っている。街道の前方、街道を右に外れたあたり
戦闘現場に到着した。
オーガ?とウルフの群れが馬車を囲んでいて、それを守っている十名の騎士の姿が見えた。
ハイエルフの五人が弓と魔法で外から攻撃、イリスとエリス、クリスが飛び込んでいく、私も続いて騎士に襲い掛かっているウルフに一撃を入れた。
キン!
「魔法防御!」
普通に剣をふるうのではなく、集中して魔力を込めて切りつけた。
魔法防御もろともウルフを切り裂いた。
索敵と鑑定でウルフの群れを探ると、一つ強い力を感じた。
指示を出している者がいることが判明
「どこだ?さらに右の木に隠れている」
クリスにそのことを知らせてそいつのところに行ってもらった。
「イリス!今クリスに親玉みたいなやつのところに行ってもらった」
「西の方向だ」
「睦! クリスを援護して」
手を挙げて睦が走っていくのが見えた。
馬車の周りにいたウルフは片付いた。
オーガの相手はイリスが・・・・あとはお察しください。
イリスが即、クリスと睦の方に走って行った。
「澪、雫!回復、よろしく」
澪と雫の回復で、騎士団の方たちもなんとか動けそうなので、
「みんな、応援に行こう」と全員でクリスたちのいった方に向かった。
ちょうどイリスとクリス、睦が親玉を倒したところだった。
片付いたな、よし 急いで撤収!
馬車に戻って旅路に戻るつもりだった。
「さっきのやつどうだった?」
イリスが
「おっしゃる通り、あのものが、ウルフどもに指示をだしていたようです。」
何か腑に落ちない表情のイリスが続けて
「魔物に襲われたというより、これは暗殺未遂になるかと思われます。」
護衛の騎士
「お待ちください!」
あ、逃げ遅れたか
騎士の一人が追いかけてきた。
騎士が言うには自分たちの馬車は壊れて使用できないから馬車を使わせてほしいと言ってきた。
街道から森の中に引きずり込まれたらしい。
なるほど、あのオーガがやったのか
「助けてくれてありがとう、だが、君たちのような子供があんな、危険な戦いにかかわってはだめだろう!」と隊長らしい人が言ってきた。
「そうですね、次からは見て見ぬふりをして通り過ぎます。」
私は頭を掻きながら言ってみた。
荷物とかを乗せ変えて
「こちらをどうぞお使いください」
イリスがそう言って馬車を一台渡した
「うちの騎士団隊長が失礼をいたしました。助けていただきありがとうございます。」
身なりのいい同世代の女の子が近づいて来てそう言った。
?? そういわれました?
そうおっしゃいました?
舌かみそう 笑
「わたくしはこの国の第三王女、シルビア・オルレアン」
「シルビアとお呼びください」
あ、自己紹介されてしまった。王女ってわかったら跪く必要があるよね?
後ろのおっさんが怒るだろうし、ここは
片膝ついて? 「私は辺境から出てきました、ナリスと申します」
イリスたちも跪いている。
シルビア
「護衛の騎士が皆さんにお聞きしたいことがあるそうなのですが、よろしいでしょうか?」
え・・・それは、あの・・・ダメとは言えないよね?
「なんでしょうか?」イリスが答えた。
シルビア
「騎士団の攻撃は先ほどの魔物に全然通じませんでした。が、皆さんは一太刀、一太刀ダメージを与えて、倒しておられました。」
「何が違うのでしょうか?」
イリスがむっとした様子で
「ナリス様、よろしいでしょうか?」
イリスに向かって頷いた。
「あるじに代わり私の方から申し上げます。はっきり言って、まったくダメダメのダメです! 豪華な鎧に身を包み、高価な剣を振り回しているだけの騎士団では何もできないのが当たり前、人間同士での戦闘ならいざしらず、先ほどのような魔物を相手にそのような攻撃が通用するはずがありません」
騎士団隊長
「なにを、ぶ、無礼な!我々はこれまで、数多くの魔物を屠ってきた」
ふっ っとイリスが笑って言った。
「それは、人間の住む場所のそばまで、降りてきて、単独で暴れるだけの下級な魔物を倒しただけでしょう。それを自慢されましてもこまります」
イリスが続けて
「現に先ほどの隊列を組んで指揮を行う魔物が一匹いるだけで歯が立たなかったではないですか、指揮を行っていた魔物は強化魔法及び防御魔法を使用しておりました。襲ってきた魔物の群れに指揮を行っている魔物がいると理解した方はいましたか? 私たちは我があるじの指示に従い、魔物に対して指揮をさせないよう、魔法も使わせないよう先に攻撃を仕掛けました。」
イリスは一息ついて
「質問の回答ですが、剣をただ振るだけではなく、魔力を込めて攻撃を行うことが必要になります。」
「そしてこれは、単なる魔物の襲撃とは思えない、誰かが魔物に人間との戦い方を・・・・・」
最後の方は小声になっていった。
「とにかく、次から貴方がたが襲われているのを見つけても通りすぎますからお気を付けください。」
うわぁ イリスさん、さっきの隊長さんの台詞に真剣に怒っているようです。
「イリス様、あの魔物たちは第三王女様をどうするつもりだったのでしょう」
エリスが聞いてきた。
「王女様は誰かに恨まれているような覚えはありますか?」
「無礼なことを言うな」騎士隊長が激怒している。
イリス
「お人柄も良く、お優しそうな方に見えますから、ないのでしょうねぇ、では、王女様が死亡した場合、誰かに利益がでるのでしょうか?王位継承者の中でも王女様のほうが、人気があるとか?」
イリスが騎士隊長を無視して聞いてきた。
騎士隊長が「今や国民の人気は姫様一人に集まっております。」
身内の問題か・・・・・誰も口を開かなくなった。
騎士隊長が前に出てきて
「先ほどの剣技の話でありますが、私と手合わせをお願いできないでしょうか?」
穏やかな口調で言っているけど‥‥かなり怒っておられるような?
じゃあ、イリスお願いと思っていると
「ナリス様がお相手いたします」 先に言われたぁ
「やだよぉ」と言ってみたけど?
イリス
「何をおっしゃいますか、あの隊長さんの勘違いを綺麗に払ってきてください」
めんど、くさい・・・・
「では、殺すつもりで行きます、よろしくお願いします」
隊長さんは本気でやる気になっております。
私
「殺すつもりで、ってそんなのこと言うと真剣にこっちも殺しに行きますよ?」
イリスが「長引くようでしたら、おいていきますから」
はい?
「では、開始してください」イリスが開始を告げた。
と、隊長さんやる気満々で突っ込んできて、上段から剣を振り下ろしてきた。
左にサイドステップして剣をかわす、隊長さんも織り込み済みなのか、剣を横に払ってきた。
下から振り上げ気味に横に払ってきた剣をこっちも短剣の刃に魔力を込めて下から振り上げ、剣を切った。
部下の皆さんからどよめきが起こる。
剣を切られて一瞬動揺した隊長さんだけど、すぐ剣を捨て組みかかってきた。
それって・・・体格さ・・・・・考えろよ!!
というか子供だと思ってなめすぎ?
腕を取って足をかけて、そのまま払いながら倒して、肘を首に落とし・・た・・・死んでないよね?
と、残りの騎士団メンバーが私を取り囲む
おおお 囲まれたと思ったら即、攻撃してきたー
けど、残念 隊長さんが十人いても一緒、イリスに置いていかれないように瞬殺
すみません! うそです
本当は攻撃を受け流しながら避けただけです。
そしてそこをイリスたちがトドメを
嘘です 動けなくしただけです。
「隊長様の蘇生、回復、終わりました」澪が連絡をくれた。
王女様が安堵しているのが見えた。
戦闘終了です。
騎士団の十名は貸し出した馬車に放り込み、姫様にはこっちの馬車に乗ってもらい出発した。
「ところで、あなた方は王都に向かっておられるのですか、それも子供だけで?」
それって普通に聞くよね、と思いながら
とりあえず、来年から王立学園に通うから、寮ではなく、一軒家でもないか探しに来たと伝えた。
「え、皆さんで住むのですか?」
「この十名で」イリスが返答した。
「うらやましいですね、楽しそうです」
「私も来年から通いますので、同級生ですね」
それって・・・・
「さすがに学園の中では護衛とか入れないよね?」
「じゃあ、皆さんが私の護衛をしてくれるというのはどうでしょう」
姫様が、即答した。
なるほど・・・
護衛って稼ぎになるのかな?とちょっと頭をよぎった
姫様の護衛というより、取り巻き・・・・と思われそうね。
王都の門が見えてきた。
帰り道に襲われることはなかった、というか失敗するとは思っていないってことかな?
ということは?
もう姫様が死んだ前提で何か行動を起こしているかもしれない。
ああ・・・・普通に姫様がお戻りになられるとびっくりするだろうなあ
私
「あ、姫様が戻ってきて一番驚いたやつが首謀者とか?」
「それあるあるだな」とシルフィーが笑って言った
シルフィーが楽しそうに続けた
「私が遠くから眺めてくるよ、そんな奴がいるかどうかさ」
私
「お願いします、じゃあおっさんたち起こして姫様の護衛で王都に入ってもらわないと、俺たち誘拐犯にされてしまうかも?」
「恩人にそんなことしませんわよ」あわててそういう王女様に
私
「でもさ、後ろのおっさんたちは、どうだろうね?」
「何かあったら、私たちも最初から応戦しますね」
イリスが言うとみんなもウンウンと頷いていた。
聖騎士団の護衛で王女様一行が先に行き、ちょっと離れて後ろからついて王都に入った。
王都の中は大騒ぎだった。
王女様一行が魔物に襲われていると知らせがあったから急いで援軍を出せと準備をしているところだった。
指揮をとっているのは第二王子 マティス・オルレアン王子様だった。
なるほど、急いで駆け付けたけど、すでに遅かった、残念というシナリオか
まあここからは私達には関係ないし、宿でも探そうか
護衛の騎士隊長
「お待ちください、ここで君たちの姿を見失ってしまうと我が王に罰を与えられてしまいます」
騎士隊長様は一息ついて
「我ら一同、また王女様を助けていただいたのは紛れもない事実、ここはおとなしく王に謁見していただかないと・・・」
私
「いやいやいやいや、田舎者ゆえ、礼儀作法もままなりません。ご容赦ください」
まあ、聞き入れてくれるはずもなく
王城に連行? されました。
★謁見★
すでに王城の待機の間におります。
お城の外観、入場シーンは カットです。
現在、ここまでの出来事を王様や偉い人たちに報告中なのだと思います。
イリスたちは楽しそうにくつろいでいる
「ナリス様、このお茶もお菓子も美味しいですよ」
お茶もお菓子もなくなる前におかわりが出てくる。
みんなふとるぞぉ?
騎士団長様がやってきた。
「お待たせいたしました、王様との謁見の準備が整いました。」
そして
「王様の前では片膝ついてかしこまっていていただければ、返答は私の方で致します。」
それでよろしいですか?と、・・・もうお任せします
騎士団長様の後ろについていき、王様との謁見の間、途中で止まったので、そこで片膝をついて下を向いていた。
「王女シルビア様の危急を助けてくださいました。ナリス様一行」と紹介された。
当然、ざわつきますよね。・・・・
子供だけ 十名だし
大臣らしき人が片手をあげて制した。
オーガ数匹、ウルフ数匹に馬車ごと森の中に引きずりこまれ、襲われ応戦、王女様の乗られていた馬車を守っているところに、参戦していただき魔物退治を手伝ってくれた。と報告が上がった。
「オルレアン王国の国王、ウィリアム・オルレアンである。」
「我が娘そして信なる騎士団の者たちを助けてくれたこと、感謝いたす。」
「褒美をとらせる。何か欲しいものはないか?」
大臣が「爵位でも領地でも」と付け足した。
騎士団隊長がなにか希望はありませんか?と聞いてきた。
小さな声で王都に来た目的、来年から王立学園に通うために住む場所を探しに来たことをつげた。
騎士団長様が「恐れながら申し上げます。」
王都に住むための屋敷を探していることを代わりに言ってくれた。
王様と大臣数人がひそひそと話をしていたが、なにかが、決定したようで、
「男爵の爵位、及び王立学園北にある屋敷を与える。以後学園内において王女シルビアの護衛を任せたい。」
ざわめきが起こる
えっと・・・・考える間もなく
騎士団長様が「かしこまりました。謹んでお受けいたします」と返答した。
爵位とか欲しいわけではないのですが、この国に逆らわないように首輪かな?
そうか、王女様の護衛を一般人にはさせられないってことか・・・なるほど
でも、あってこまる?ことはないだろうし、いいか
謁見の間をでてすぐ、すみませんが、もうしばらくお付き合いください。と
応接室?に案内された。
少し待っていると王様と大臣、王女様が入ってきた。
王様がすぐに手を上げ、「そのままでよい」と声をかけてきた。
「此度は娘シルビアの危機を救ってくれたこと心より感謝いたす。君たちがいなかったら間違いなく死んでいただろう、もしくは囚われていただろうと報告を受けておる。」
大臣様が頷いています。
「して、今回の件についてこれは、仕組まれていたことではないかと推察していると聞いた。」
王様は私たちを見直してから
「これは娘シルビアのたっての希望でもあるので、学園内での護衛を引き受けてもらいたい。」
王様は大臣様をちらっと見てから
「爵位に対しての給金、護衛の任務への謝礼等はしっかりと支払わせてもらう」
大臣様が続けた
「引き受けていただけますかな?」
私はイリス、みんなを見た。
皆笑っている。
「喜んで引き受けさせていただきます。ですがこのような子供に爵位に屋敷は不平不満がでませんか?」
「まったくもって子供らしくない台詞だな」
王様は大臣様を見てから
「そのようなことは気にしなくてよい」
王様がさらに続けた
「それから与えておいてなんなのだが、屋敷には娘シルビアにも部屋をあけてやってほしい」
当然・・・・メイドに付き添い等数名・・数十名?がいるよね
いやそうじゃなくて・・・・え・・?・・あ・・・・
それって断ったら・・・・・
「食事も同じものを準備させよう、どうだ?」
それはありがたい!
騎士団長様との闘いも報告されていたらしく少し話題になったあと部屋を出て、解放されました。
騎士団長様は サンドウィッチ伯爵家の三男でギルフォード・サンドウィッチ様 「ギル」と呼ばれていました。
お城を出て屋敷まで案内され、屋敷を確認。
屋敷・・・・・・あはは
これって貴族の屋敷・・・・あ! 王様の別荘的な?
いろいろ考えてもしょうがない
当初の目的は果たした! ということで ラッキー
★朝食★
この屋敷 三階建てで
一階は広間、食堂、お風呂、トイレ、 二階、三階は住居
王族より上の階に住むわけにはいかないだろうから?
二階が私たちの住居で三階には王女様、及び関係者でいいのかな?
ということで今夜は皆一緒に二階で寝ることにしました。
次の朝
早速お客様が・・・・いっぱい来ました。
誰って
普通こないでしょ・・・
「おはようございます。えっと国王様? 何の御用でしょうか?」
手を挙げて制しながら
「今日は国王としてではなく一人の親としてお邪魔させていただきます」
「朝食を準備させましょう」
堅苦しいことは抜きで、無礼講でいいと言われても、ねぇ
国王様が、王妃様と王女様を紹介してくれた。
こちらも一人一人自己紹介を行いました。
入学までどうするのか聞かれたので、住む場所も決まったしこのままこの屋敷に滞在したいと申し出たら、王女様専属の使用人を今日からこの屋敷に置いていくと言ってくれた。・・・・ら?
王女様が自分も今日からここに住むとか言い出した。
王妃様が「では私もしばらくここに滞在してみましょう」って
はい?
王様が「なに? 私は滞在どころか、朝食が済んだら戻らなくては・・・」
何か少し寂しそうに見えるのは気のせいかな
王女様の部屋は三階で使用人たちは二階、三階に護衛として一緒に部屋を取ってほしいと提案された。
ということで今夜からは三階で寝ることになりました。
冗談のつもりか?
「私たちも何かあった時はここに避難してくるのでよろしく」だって
王妃様の名前は フランソワーズ・オルレアン様
フランと呼んでください・・・だって
朝食が済んだら王様は寂しそうに帰って行った。
王妃、王女様に部屋を決めていただき、その場所を基準に各自部屋を決めた。
私は廊下を挟んで左側にしてみた。
別に個人の荷物がいっぱいあるわけではないので移動もすぐ終わった。
二階は使用人さんたちに自由に決めてもらった。
この屋敷を拠点に王都の散策、王都回りの散策、薬草採集ができる場所とか徐々に調べていくことにした。
★契約★
本日は王都、街の中 散策!
王妃様、王女様を置いていくわけにはいかないのでついて来てもらうことにした。
そのためにはお召し物?を変えていただかないと
お二人ともに冒険者風にコーディネイト?
フラン様、シルビア様共に僧侶系で、ハイエルフのみんなと澪が担当しました。
凄腕?の神官とかわいい神官の親子みたいになった。
まあ、親子だし・・・
被り物で(帽子)髪の毛も隠して変装は大成功!
旅費とか宿泊費とか食費がいらなくなったので、買い物もできそうだ。
なんか、孤児院の聖女様とその一行みたいになった気もしないでもないけど
まあいいか
人さらいにさらわれないように、さらわれたら情報を集めるように、みんなに言っていると、フラン様、シルビア様が不思議そうにこっちを見て聞いてきた。
「どういうことでしょう?」って
イリスをちょっと見てみんなを集めた。
二人の前で
「王族が味方かどうか不明だけど、別に敵になっても問題ないから、事情を話そうかと思うけど、どうかな?」
イリスが
「そうですね、敵になるようならこの国もろとも滅ぼせばいいですし」
と物騒なことを口にしたけど、みんなも私もそうそうって感じになった。
シルフィーが「暴れん坊だし・・」と笑っている。
ブン! イリスが腕を振り回した音です。
御二人が「はい?」ってなっているのを見て
イリス、エリス、クリスはドラゴン族で数千年生きていること、澪は聖女様として放置されてきたこと、他の五人はハイエルフで奴隷商人から逃げてきたこと、そして私と出会い、一年ぐらい一緒に暮らしてきたことを説明した。
イリス
「私たちは助けていただいたナリス様に御恩を返すために従者として共に居ります」
私
「で、先ほどの話の続きですが、ハイエルフはまだ奴隷商人につかまって売られているだろう仲間を探しています。」
睦
「探し出せたら、助けに行きます。」
「商人だろうが、貴族だろうが攻めます」ハイエルフのみんなが息巻いている。
私
「ゆえに情報収集が必要になります。今の話を王様に知らせても問題ありません。人間の敵として対応されるならそれはそれでかまいません。」
「当然ですが、応戦します。」イリスが付け加えた。
私は
「王立学園に通うのは、義務というのもありますが、この世界の歴史をもっと知りたいと思っているからです。」
入学したら講義を選択して空いた時間は歴史書を読みたいと思っていることを伝えた。
シルビア様が
「二千年以上昔、凶暴なドラゴンが一つの国を滅ぼしたと伝説にありますが、それがイリス様なのでしょうか?」
イリスが顔を背けたが、そこにシルフィーが
「おいおい、その時私もいたのだけど、私のことは伝説になって、いないのか?」
イリスが
「貴方は人間には見えないのではないのですか?」
フラン様が「まだ他にどなたかいらっしゃるのですか?」と聞いてきた。
「はい、風の精霊シルフィーが私の守護をしてくれています」
「かぜの・・・・」
フラン様、シルビア様が思考を凝らしている
イリスが突然
「ナリス様、私と契約していただけませんか?」と言ってきた。
イリスが続けて
「私は貴方様を生きている限り守護します。がナリス様が嫌がっているかもしれません。私がナリス様と一緒にいていいという証に契約を交わしてください。」
私としては皆が嫌になったら好きにしていいと思っている、けどって言ったら、みんなから一斉にブーイングが起こった。
ハイエルフの皆
「ナリス様から見放されると私達行くところなんて、ありません」
どんな内容で契約する?
「生きている限り従者として守護し、ナリス様を愛し助けます」
というのはどうでしょうか?
はい!はい!はい!はい!他のみんなが自分もその契約を受けると言い出した。
この国の王妃、王女が見守る中でこの二人を証人として契約を希望します。
正直に言いますとイリスが続けた。
「もしナリス様が誰かと婚姻を結び、妻を迎えられ、私は蚊帳の外なんてことを想像しますと・・・・・!もう世界を壊しまくりますよ、ほんとに」
おいおい
「三千年もの間 オスというか 男に興味がわかなかった私ですが、ナリス様に出会って、貴方を知るたびに貴方と共にいたいと思う気持ちが強くなりました。ナリス様にその気がなくても私はナリス様を愛しております。」
その気がないわけでもないです。
皆がそれを納得してくれるなら私からもぜひお願いしたいと思う。
ここで王女様が手を挙げた。
「私、シルビアもその契約を受けさせていただけませんでしょうか? 私は一目ぼれ、初めてお会いした時に感じるものがありました。私は貴方と共に生きていくのだ」と
イリスの目が点になっていた。
イリス
「私は正直ナリス様を王女シルビア様に取られそうな気がしてこのような発言をしております。王女シルビア様とナリス様が婚姻を結ばれても私も同様に扱っていただきますようお願いします。」
思わずイリスを抱きしめたくなった。
と・・・・他のみんなが抱きしめていた。
という事で契約の開始です
私
「汝、我ナリスの従者として我を守護し、我と共に歩み、我を助けよ、この契約を承認するなら汝の名をもってこれに答えよ」
イリス、エリス、クリス、澪、睦、弥生、雫、葉月、詩織
皆が順に名を告げた。
「シルビア・オルレアン」王女様が名乗りを上げた。
と「フランソワーズ・オルレアン」
え?
フランソワーズ・オルレアン
「私もあなた方の敵ではないという証明でその契約に従います。
あなたの助けとなるよう努めることにいたしましょう。あなた方は私たちの前で正式に契約を果たされました。この契約とあなた方の事情を知ってしまったからには、私も同列に扱っていただきましょう。」
同列って・・・・・
「風の精霊シルフィー」
え? シルフィー?
「なに?私はだめなのか?」
「いや、シルフィーが納得するなら全く問題ないけど」
「じゃあ、それで」っと、軽いシルフィーが続けた
「私もこれで独りぼっちがなくなったってことだ」シルフィーが喜んでいる。
「フッ、また突然、黙って封印されないでね」イリスが笑って言った。
「●×★#!」シルフィーが声にならない叫びをあげている
「皆さん、よろしくお願いします」
私は一気に十二名の従者?を手に入れました。
★王都散策★
街に出てみた。王妃様も王女様も街を歩いて回ることは無いようで、楽しそうに見える。
街は人であふれ、賑わっている。
冒険者ギルドに商業ギルドの場所を確認、年齢制限があるから今度お城から連絡を入れてもらえるか、お願いしてみよう。
「ナリス殿!」って声をかけられて振り向くと騎士団隊長ギル様が立っていた。
「こんにちわ」
ギル様がこっちを見渡して凍り付いた。
「何をなさっておいででしょうか? お二人とも・・・・」
ああ、即ばれ
フランソワーズ・オルレアン
「町で買い物を楽しんでおります。」と無邪気に返事をしている。
お二人に護衛もつけずに・・・・といいたそう
私
「ギル様は見回りでしょうか?」
ギル様は部下四人と一緒に街を見回っていたようです。
「じゃあ、ここから護衛ということで、ご一緒にどうですか?」
私がさらっと言ってみた。
子供たちが誘拐されないように、よろしくお願いします。
全く索敵に反応が無く、敵もいないが、ハイエルフをピンポイントで探すことも出来ない。それでもこの辺りからハイエルフと思われる気配を感じます。ハイエルフがいる事は間違いないです。
流石に外にいるわけではないので、探すのが大変
シルフィーにこのあたりの建物の地下を見てくるよう頼んで、今日のところはシルフィーからの連絡待ちということで屋敷に戻ることになりました。
★奪還★
屋敷についてすぐにシルフィーも戻ってきて
「見つけた。ハイエルフが三人いたのを確認しました」
ハイエルフの五人から歓喜の声があがる。
人選 ということで五人のハイエルフは当然、全員行くことになり、あとイリスとエリス、シルフィーが付いていくことになった。
シルフィーは案内が終わるとすぐに屋敷に戻る予定。
夜になり皆が寝静まる時間、深夜に営業している店も閉めるころ、八人が出発した。
しばらくしてシルフィーが帰ってきた。
と一緒に索敵に反応が出た。
イリスが出て行ったのがわかったのかな?
鬼の居ぬ間に?って、やつか・・・・ちょっと違うか?
王妃と王女を二階に案内して使用人と同じ部屋に待機していただき、澪と私が防御態勢を、屋敷の外にクリスが出ていき戦闘態勢に入った。
シルフィーも屋敷の屋根あたりで待機している。火矢とかが飛んで来たら対応してくれるだろう。
敵総勢十名 玄関前にクリスが敵三人と交戦に入った。
私は索敵、鑑定、隠密、強奪スキルを解放(解放することで一度に意図的に使用が可能になります。)
射程に入った敵から強奪スキルを発動します。
戦闘の音が部屋まで聞こえてきた。
シルビア王女が心配して声をかけてきた。「ナリス様?」
それを澪が制した。「お静かに、ナリス様は今集中して交戦されております。」
索敵で敵の位置把握、鑑定で敵の心臓を確認、隠密でこちらの存在を隠し、強奪を行う。強奪するのは敵の心臓です。
索敵を開始して、「解放」を使用しました。
「一人、二人」「鑑定」確認、「強奪」起動、成功
二人が胸を押さえて倒れる、他の二人が「どうした」と声をかけるが、返事はない
「三人目」「鑑定」確認、「強奪」起動、成功
また、胸を押さえて一人、倒れた
「なんだ、何が起きている」
「四人目」「鑑定」確認、「強奪」起動、成功
四人目は止まり状況を把握しようと試みるが、自分も胸を押さえる事になった。
強奪完了です。
シルフィーが外で三人の賊を確認、即時対応しに行く。
三人は周りを警戒しつつゆっくりと建物に近づいて来たが、シルフィー相手では意味をなさなかった。強烈な風の刃が三人を一気に切り裂いた。
クリスも玄関前で三人とあい対した。
クリスは受け流す訓練の先生であります。一人目の攻撃をステップ踏んで受け流す、そのまま攻撃してきた相手の短剣を違う敵に向ける、二人をこれでかわして三人目の攻撃も受け流し、三人が一列に並んだ状態に誘導した、そこに、すかさず気を放ち流れるように三人の首を突きさした。
澪が回復魔法をかけてくれ
「ナリス様大丈夫ですか?」と聞いて来た
うんうん と頷いた。
シルフィーとクリスが戻ってきて
シルフィーが
「ナリス様ってとんでもないな。無敵だ。」
クリスも
「流石です、ナリス様」
一息ついたところでイリスたちが帰還してくるのを探知した。
無事にハイエルフ三人を連れ、戻ってきている。
玄関から出て門の前で迎えた。
と、索敵に反応あり 五名が追跡してきている。
「あ、五名があとを追いかけてきているけどこれってたぶん、ハイエルフ」
いうなり、五人とふらふらしている三人が外の方を見た。
三人が口笛を吹く、外から返事らしい口笛が帰ってきた。
ゆっくりと警戒しながら五名が入ってきた。
ハイエルフ全員で再会を喜んでいる。
見た目が違う五人に新しく来た八名は戸惑っていたけど、話をしているうちに分かり合えたようだ。
澪と雫が回復魔法をかけている。
三階の部屋に入ってもらい、王妃様と王女様に状況を説明した。
刺客はイリスが不在時を狙ってきた、ということはこっちを調査して見張っていると思われます。
森で襲ってきたやつらの仲間なのは間違いないでしょう。
王妃様が
「本当にここにいたほうが安全のようですね」
私
「使用人の方にも怖い思いをさせてしまいました。すみません」
イリスが私を呼びに来た。
ハイエルフの八名が何とか落ち着いたから、奴隷用ロックの解除と奴隷紋の解放の話をしてきた。
王妃様も王女様も興味津々、ついてきた。
私は御二人を鑑定してみました。
フラン王妃 :回復魔法・体術・超回復・解錠・魅了・見切り
シルビア王女:光魔法・回復魔法・付与魔法・解呪・異常状態無効・掌握
なんと二人そろってすばらしい
王妃様と王女様の能力:解呪・解錠
※解呪:問答無用で呪いを解く
※解錠:問答無用で鍵を開ける
※(どちらもスキルランクで成功、失敗があります)
「解呪のスキル、解錠のスキルを解放・発動」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得、付与することが出来る
三人の奴隷用ロックが光に包まれる。
ハイエルフの三人の奴隷紋の解除(というかまだ売られていないから?奴隷紋の発動は感知されませんでした)、奴隷用ロックは外れました。
この奴隷用ロックって探査されたりするのかな?
とりあえずどこかの船にでも捨ててきて、クリスが承りました。と手に取って出て行った。
探査されてまた襲われてもなあと思っていたら、
「奴隷商人のところにいたものはすべて、とどめを刺してきました。」
睦が報告してきた。許せませんと言いたげです。
「それとかなりため込んでいたみたいだから、全部いただいてきた。」
とイリスが金貨を袋から出して見せた。
ちょっと・・・・袋いくつあるの?
これはもう戦争だし、戦利品があってもいいだろう、と私も思った。
一息ついたところで、私は聞いてみた。
「さて、ハイエルフの八名、これからどうしますか?」
ハイエルフの一人が
「私たちにはいく場所も生きていける土地もありません。」と返答した。
私
「じゃあ ここにいる五名と一緒にこの屋敷でメイドをやりますか?」
睦が口を開いた。
「ナリス様、まだここの使用人さんたちには見られておりません。この八名も私たち同様に肉体再生をお願いできないでしょうか?」
私は睦を見て言った。
「それを八名が望んでいるの?」
八名全員がこっちを見て、
「このままだと私たちは安心して生きていけません。私たちが生きていていいのなら、見た目が変わっても生きていたいです。」
はい、決まり!
「ハイエルフの美貌が失われるのは個人的にはもったいない気もしますが・・・」
八名全員に衣服を脱ぎ、装備品を外すように伝えた。
八名は裸で私の近くに来てもらい、イリスと澪がその外側に座る。
そして私は八人に対して持っている能力「解放」を使用した。
「不死のスキル解放、超幸運のスキル解放、超回復のスキルを解放」
※注 解放スキル:私だけのオンリー・ワンスキル
他人のスキルを解放することで私の意思で使用、取得・付与することが出来る
八人が光に包まれた。
「肉体再生のスキルを解放・発動」
澪の肉体再生を行ったときのイメージを思い出して精神集中
八人を包んだ光が小さくなって消えた。
ハイエルフの八人も同年代の子供の姿に再生が成功しました。
王妃様の目が輝いているのが見えた。
ハイエルフ八名が新しく仲間になった。
名前も一応変えてみます。
さくら・かえで・つばき・あずさ・すみれ・かおり・らん・あかね
王妃様、王女様もこれでこのメンバーの武力の強さ、絆の強さの秘密を理解したようです。
そして二人にも
近くにいたので王妃様、王女様のお二人も能力「不死、隠蔽」が付与されているだろうことを伝えました。
戦利品の金貨でハイエルフたちの装備品?服とかを整えてくれるようにイリスに頼みました。
空を見るとちょっと明るくなってきている。
もうすぐ朝が来る・・・・・
さて、そろそろ寝ましょう。
イリスが慌てて
「奴隷商人につかまっていた他の者たちもついでに解放しておきました。」
と報告をしてきたけど、明日にしよう
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