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悪魔召還
ナリスの伝説「オンリーワン」
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★策士ジュ・オン★
ナリス様の屋敷から連絡です。
庭に出てティータイムを楽しんでおられるそうです。
ギル様
「どういうことだ、ジュ・オン」
ジュ・オン
「ナリス様の事ですから気が付かないはずはありません。」
「屋敷を見ている者からの話では索敵も結界も張っておられないそうです。」
本当ですか・・・それは気を緩めすぎです。
ジュ・オン
「ギル様、兵に食事と休息を与えましょう、そして昼過ぎには出撃準備をすませましょう。不意を突かれたとはいえ我々との戦の音で十分対応されると思います。」
ギル様
「今、城の兵力は三千余り、こちらに向かわれたりすると、太刀打ちできないな」
ジュ・オン
「それについては籠城して居れば、ナリス様が応援に駆けつけてくださいます」
ナリス様もこの国の窮状は理解してくださっております。
ジュ・オン
「ただ、あの軍勢討伐に時間をかけてはおられません。そうではないと他国が攻めてきます。」
二人のやり取りを見ていたシルフィーが
「何か用ですか、えっと、ノルンさんでしたっけ?」
「はい、ノルンでございます。精霊様、ここで何をなされておられるのでしょうか?」
風の上位精霊シルフィー
「ナリス様がね、お城から兵が出た場合、屋敷を襲うようなら無視、大勢で終結している軍に向かうようなら、貴方に殺されてしまうから止めてくれと、頼まれました。」
どうやって?
強風で行軍を緩めるとかでいいって言われて来ました。
ノルンが
「わかりました。精霊様が強風をおこされた場合、あの方たちには手を出さなければよろしいのですね」
シルフィーが
「あ、うん、それでお願いします」
ノルン
「お任せください」とほほ笑みながら言って移動していきました。
昼を過ぎて
「報告します。敵兵力一万を超えたようです。このままいくと一万四千ぐらいまで集まりそうです。」
ギル様
「ナリス様にお知らせしてはどうだろう?」
ジュ・オン
「今城から連絡を入れるわけにはまいりません」
ナリス様は何をされていましたか?
「何やら、音楽を奏でられ、美しい歌声が響いているとの事です。」
ジュ・オン
「襲ってくださいと言っているような・・・・なるほど」
ギル様
「どうしました。何かわかりましたか?」
ジュ・オン
「はい、ナリス様は誘っておられるのだと思います」
なにを?
「敵に襲わせようとしておられるのだと推測しました。」
あ、なるほど
ジュ・オン
「しかし、万が一に備えて出撃準備を整えましょう」
「報告いたします。敵軍が動き出しました。」
行きましょう
「我らは敵の背後をついてナリス様の援護を行います。出撃」
お城の門が開き、軍の先頭が門を出ようとすると、ものすごい強風が吹き、前に進めなくなった。
どうした?何事だ
風が強くて前に進めません。
★悪魔召還★
侯爵家修練場ここが敵軍の集合場所そしてここから、ナリス屋敷までは徒歩でも三十分ぐらいの距離しかない。
開戦、全軍突撃
全速で走り、虚を突き、一気に終わらせる手はずだった。
ランズ・フリート、彼はこの戦で力を示し、再起を図ろうと考えていた。
「こんなに後ろからでは着いた頃には終わってしまう。」
くそ
前方のほうが騒がしくなっている、何が起きている?
修練場を出て、走り始めた者たちが次々に倒れていくのが見えた。
そして当然行軍は止まる。後ろの者はなぜ止まるのかわからない、前にいる者は押すなと大声を出すが止まらない、将棋倒しになってしまった。
倒れた者は動かなくなり、だんだん後ろの者も異変に気が付くがすでに遅い、ランズ・フリートの目の前の者も倒れ動かなくなり自分も意識がなくなった、そして修練場の中にいた者全てが動かなくなった。
辺りは静まり返った。
攻撃開始の合図からわずか十分足らずの出来事でした。
修練場に立つ一人の女性
ノルンが
「我が主様、供物の準備は整いました、我が召還にこたえたまえ」
兵士たちの体が消えていく、武器、防具、衣服等だけを残して消えた。
そして現れた女性二人
ノルン
「お待たせいたしました。我が主様」
「ノルン、大義であった」
ノルン
「はっ」
ヘスティア・グリス
「ダニエルが言っていた面白い人間、だけど関わり合いにはなるなって忠告だったけど大丈夫?」
キュベレイ・ロンギヌス
「あいつが危ないとか言うほどの人間なのだ、見に行かない手はないでしょ」
ノルン、どこに行けば会えるのかしら?
風の精霊様が飛んで行かれております、あの方向に屋敷があります。
キュベレイ・ロンギヌス
「ほう、精霊を従えておるのか」
ノルン
「先ほどの話では、命を受けて動かれておられましたので、任務完了でお戻りなのでしょう」
任務?
ノルン
「はい、供物にはしたくない者たちの足止めをされていたようです」
ほう
ノルン
「では、ご案内いたします。」
★縁(ゆかり)ある者達★
エリスがサーシャ達を連れ帰ってくるのとほぼ同時にシルフィーが戻ってきました。
「お城の兵力には被害はありません。それよりもノルンさんが二人の人影と一緒でした。」
イリス
「上級悪魔のようですね」
サーシャ
「最初はおれな」
ノルン
「皆さん、お揃いのようですね、ご紹介いたします。我が主様、キュベレイ・ロンギヌス様とヘスティア・グリス様でございます。」
キュベレイ・ロンギヌス
「皆様、お初にお目にかかります、どうぞよろしくお願いします。」
私
「これはご丁寧に恐れ入ります。この屋敷の主、ナリスと申します。よろしくお願いします。」と言って前に出た。
ザッ
キュベレイ・ロンギヌスとヘスティア・グリスの両名がいきなり、跪いて頭を下げた。
?
私もはてなでしたが、当の本人達も?
キュベレイ・ロンギヌス
「ヘスティア知り合いか?」
ヘスティア・グリス
「いやいや、知らない、お前こそどうした?」
二人は立ち上がり、私を見て
「お前、何者だ?」と聞いてきた。
はて?何と答えたものでしょう・・・か
キュベレイ・ロンギヌス
「私たちの友人がとんでもない人間がいると教えてくれた、それも出来るなら関わるなと注意までしてきた。合わないわけにはいかないと会いに来てやった。」
ヘスティア・グリス
「見たところ人間の小僧と小娘ばかり、何をどう評価すればいいのか?」
サーシャが
「では、私と戦ってみますか。」
他の皆が、やめてぇと思っているのが伝わってくる
ヘスティア・グリス
「貴方、分かっていないのね、死んじゃいますよ?」
サーシャが
「なら、殺してみてくださいませ」と挑発した。
イリスが
「ではもう一人の方は私が相手をいたします。」
ノルン
「もう一人の方って私もおります」
神楽
「じゃあ、当然三人目は私だな」
はぁ、何そのやる気、しょうがないなあぁと戦闘に関わらない皆を魔法障壁で囲った。
そして庭全体を戦えるぐらいの広さで、魔法障壁で囲んだ。
どうぞ、お好きに戦ってください。
キュベレイ・ロンギヌス
「この懐かしい感じの魔力は・・・・」
サーシャが準備できたじゃねぇかと叫んで飛びかかって行った。
サーシャとヘスティアが、ノルンとイリスが、キュベレイと神楽が戦い始めた。
まずは小手調べ?お互いに物理攻撃、要するに殴り合っています。
悪魔が魔法を使わないとなるとかなりの手加減をしてくれているという事でしょうか?
メイが
「そうなのですか?」と聞いてきた。
うん、たぶん、そう
しばらく戦っていたが、キュベレイが突然
「ふむ、もうよい、お前たちがなかなかよく戦うことは分かった、して、お前、ナリスとか言ったな、お前はなぜ我が主様と同じ魔力を使っておる?」
同じ魔力?
「なんだ知らぬのか?」
魔力は使用する者全てで質が違う。「まあ、私とヘスティアはほぼ同じだが微妙に違う」
だが、お前は我が主様と寸分の違いもない、忘れもしないあのお方の魔力だ、心して答えよ
知らんし・・・
「ふざけるなぁ」ヘスティアが炎の魔法を放った。
ネイが
「これはまずい」と障壁を張る。
私は「絶対零度」を唱え、魔力を解放した。
放たれた炎は掻き消え、ヘスティアは凍った。
「なんだと!」
貴様その魔法は、キュベレイがよくわかりませんが激怒しております。
ノルンが凍り付いたヘスティアに駆け寄り、大丈夫ですかと声をかけていた。
ネイ
「なんと、これほどの威力とは・・・・」
サーシャが
「な、何をしやがる、俺の相手を凍らせんじゃねぇ」と怒っていた。
キュベレイもヘスティアの傍に行き、氷の塊を見ていた。
「これは、まさしく、あのお方の」
ふいに辺りが明るくなり、きらきら輝く光の玉が現れた。
む、きらきらジジィか?
メイが噴き出した。
きらきらジジィ
「ナリスよ、もう少しわしを敬うという事を覚えよ」
私
「うるさい、現世には関与できないとか言ってなかったか? 出てきては駄目でしょ」
きらきらジジィ
「先ほどの暴言を許してやるから、内緒にしておけ。」
続けて
「まずはその凍結を解除してあげなさい。」
解除?
「普通に魔力を解放して解除じゃ」
へぇ。「解除」と声を発して魔力を解放した。
ヘスティアの凍結が消えた。
キュベレイが
「大丈夫か、生きているか?」と抱き起して声をかけた。
死んでいるのか? 私は聞いてみた。
キュベレイが
「お前、何を知れっと、ほざいておるか」かなりお怒りになっておられます。
この魔法、すごい威力だな、と感心してしまいました。
もう一つの魔法も試してみようと
「死者蘇生」と唱えて魔力を解放してみました。
ヘスティアが光に包まれて、きらきらジジィの仲間になった、あ、いや、そうではなくて、生き返った。
ヘスティア
「ごほっ、ぶは、なんだ、何が起きた?」
キュベレイが
「なに、生き返っただと」
「初めて使ったけど、この魔法すごいね、使える魔法だ」
キュベレイ
「初めて・・・・・いや、その蘇生の魔法があれば我が主も生き返る」
きらきらジジィ
「さて、話を聞きなさい、特にそこの悪魔の三人、いいか」
続けて
「お前たちが守って来た主はもう成仏しておる、あれはただの亡骸じゃ、蘇生魔法でも生き返らない。」
キュベレイ
「なんだと、やっと蘇生出来るものが見つかったというのに・・・」
きらきらジジィ
「なぜ生き返らないかの説明も今からしよう」
ナリスよ、まずは質問をするから皆にこたえておくれ
きらきらジジィ
「ナリスはここに居る者たちと生きていくつもりでいるのだろう」
ああ
きらきらジジィ
「それでじゃ、お前が一番先に死んだらどうする? 答えを皆にいうてやれ」
イリスが
「なんと不吉な・・・」
もし、私が一番先に死んだら・・・か、そんなもん、決まっているでしょ
私は皆に向かって言った。
きらきらジジィ
「悪魔の三人、よく聞いておけよ」
私
「私はもう死んでいるわけだから、死んだ後のことは知らん、生きている者で何とかしろ」
二人にラファ・エルの生前の記憶が、台詞が思い出された。
死んだ後のことは知らん、生きている者で何とかしろ
キュベレイが
「あ、ああ、ラファ・エル様」
キュベレイが続けた
「申し訳ありません、私は貴方をお守りできませんでした。貴方を死なせてしまった。」
ヘスティアも
「私も同罪です、死んでもお守りしますとお約束しておりましたのに私が生き残ってしまいました。すみません」
きらきらジジィ
「ラファ・エルは死んで、生まれ変わる事を数回繰り返している。そしてナリスがラファ・エルの生まれ変わりなのだよ、ただし直前の記憶は残っておるが遠い昔の記憶はなくしておる。」
魔力の質が全く同じなのもこれで納得いったじゃろ、何度生まれ変わってもこやつの気心は全く変わってはおらん。
二人の懺悔を聞いていた皆が
「私はナリス様の盾となります。」
私達は絶対に後悔したくない。
イリスが
「ナリス様は私がお守りします。」
神楽が
「ああ、死んでしっかり借りは返す」
サーシャが
「ああ? 俺がいるのだから大丈夫だ 心配するな」
キュベレイとヘスティアの二人が跪いて
「お願いします。今度こそ貴方様をお守りします。私たちにもう一度、機会をお与えください」
ノルンが
「ナリス様、どうか我が主の願いをかなえてくださいませ、そして私もご一緒させてください。」
お前達ってかなり高位の存在なのだろ?いいのか
キュベレイ
「貴方様はそれ以上の存在でございます。」
私
「じゃあ、私たちが争う理由は無くなったのですね?」
キュベレイ
「これは、知らぬことだったとしても、大変失礼をいたしました。お許しください。」
私
「分かった、三人ともこれからよろしく、それから周りを見て、皆もよろしく。」
「はい、お任せください」
私
「ところできらきらジジィ、前世の私ってなんで死んだの?」
きらきらジジィ
「それについては、いずれわかるときも来るだろう、わしは忙しいのでこれで帰る、さらばじゃ」
あ、この
私
「キュベレイ、ヘスティアは、なぜ死んだのか知っていますか?」
キュベレイ
「申し訳ありません、私達が駆け付けた時にはもうすでに・・・・・」
そうか・・・・まあいいか
私
「なんか、いい流れに乗ってしまったみたいです、全てがうまく終わった」
エリスが
「あの、それでナリス様、さっきの きらきらジジィと呼んでいた方は知り合いですか?」
私
「きらきら輝いて顔も見せようとしない、上から目線の嫌味な爺さんだ、うん」
エリスが
「まさか、あの、か」私はエリスの口を押えた。
「エリス、その先は言わない方がジジィの為だと思うよ」
メイが
「そうなのですか?」
そうそう
サーシャが
「二人だけで納得するなぁ」
メイをちらっと見て
「世の中、秘密だらけさ、な、メイ」
「はい」
サーシャが
「ああああ、いらつく」
バニラが
「ナリス様、ギル様がこちらに向かっておられます。」
しばらくして、馬の蹄の音が聞こえてきた。
大勢が向かってきている。
入口で出迎えました。
「これはギル様、ジュ・オン様、いらっしゃいませ、どうかされましたか」
ジュ・オン様
「何を言っておられるのですが、一万四千人ほどの兵力はどうなりましたか?」
私
「一万・・・・?四千ですか?」
今日この屋敷に来られたお客様はギル様、ジュ・オン様と軍隊の皆さんだけですよ
ジュ・オン様が
「おや、初めて見る方が居られるようですが?」
私
「あ、今回の件で雇用を申請されて、採用した方達です、よろしくお願いします。宮廷魔術師には、この屋敷に軍隊が攻め込んだと報告があったのですか?」
宮廷魔術師
「ジュ・オン様、侯爵様修練場より連絡がありました。ものすごい数の武器、防具が放置されている」との事です。
ジュ・オン様
「ナリス様、急ぎ確認せねばならないことが出来ました。これにて失礼いたします。」
私
「はい、お気をつけて」
今回のジュ・オン様の計略はこれで完了ですね。
私は伯爵になり、領地もいただき、仲間も増えて、良しとしておきます。
私は皆に向かって
「多くの人が死んでしまいましたがこの一件が無ければ、ノルンもキュベレイもヘスティアにも、会えていませんし、この国が生まれ変わるためと割り切りましょう」
私は、異世界転生を数回、繰り返している・・・という事?
む、きらきらジジィのなじみ客か・・・・泣
お城では、無数の武器、防具等を一旦城の中に運び込み、遺族に遺品を引き取りに来るように通達を出した。その際、同じものに複数の者が名乗り上げた場合、調査を行い、嘘をついているほうは厳罰とし、そして誰も取りに来ない分については、城の方で処分をすると発表した。
お城から今回の件について質問が来たのですが、私達にもわかりませんと回答しておきました。
★王立学園再開★
王立学園は情勢不安から、休校となっていましたが、寮の食事は普段通り朝食、夕食が提供されていたそうです。
廃嫡、私財没収された貴族、及び貴族に仕えていた者の家族が学園の生徒として在籍している場合、生徒には罪はないものとする。
このまま、寮での生活を望み、学園を卒業するまで学問に励み、卒業後は国に忠誠を誓い、国のために尽力してくれる生徒に関しては費用を国が支払うものとする。
現在、十歳に満たない者で右に当たるものがあれば申請書を提出する事で同様に国が費用を支払うものとする。
今回の国の決定に不服のある者の退学については個人の自由とする。
生徒であっても反乱に加担した者及び賛同している者については厳罰に処する。
うーん・・・・
イリスが
「どうされました」
皆がイリスの声に反応してこっちを見ている。
私
「王立学園について、決定に不服は無いけど退学してもいいかな? 他の生徒は私をどう見るでしょうか? 万を超える兵力が行方を晦ました。私が争った形跡が無いとは言え、生徒の家族が行方不明?私を襲う予定だった方々・・・」
少し考えて続けた
「私、怪しいよね?学園内で不必要な争いごとは避けたほうが良くないでしょうか?」
イリスが
「なるほど、周りの生徒はほぼ、敵対した者たちの家族という事ですね」
私
「シータ、家が廃嫡になったとか言ってませんでしたか?」
シータ
「はい、私の家は男爵家で、伯爵様の言いなりでしたから、あの、私ここに居るのは駄目でしょうか?」
私
「シータが良ければここに居てもらって大丈夫、ただ、廃嫡になった原因が私にあるとか思っていないのですか?」
シータ
「私の父が、進む道を間違えたのだと思っております。母は農家の出なので、実家に戻っていると思います。」
続けて
「あの、正直に言いますと、私の父がナリス様にご迷惑をお掛けしなくて良かったと思います。」
私
「寮に戻ってもこれまで通り生活できそうだけど、それはどうしますか?」
シータ
「あ、あの、私友達もおりませんのでよろしければこのお屋敷に置いていただけませんでしょうか?」
サーシャが
「なんだ、お前友達いないのか、可哀そうな奴だな、まるで私みたいだ、どうだ、私と友達になるか?」
シータ
「え、私なんかでよろしいのですか?」
バニラとチョコが慌てて
「駄目です、シータさん、サーシャ様と友達になると大変な目にあいますよ。」
サーシャ
「おい、お前ら・・・」
「ひぃぃ」と悲鳴を上げて二人でシータを連れ去って行った。
私
「なるほど、そんな風に考えてくれる人もいるわけだ。」
澪が
「普通にそう考えるのではないでしょうか?」
私
「え? そうなの? すべての元凶が私だと私自身が自覚している分、どうしても残された家族の方には、心苦しくなるのですが・・・」
エリスが
「なるほど、生徒の中には、ナリス様を敵視して来る者、謝ってくる者、もしかして媚びてくる者もいるかもしれませんね。」
ネイが
「学園にいる間にしっかり情報を整理しておくと後々、役に立つかもしれませんね」
サーシャ
「情報?」
ネイ
「はい、謝ってくるような方は将来味方になるでしょう、敵視してくる者は分かりやすいですね、媚びてくる者は、もうすでにどうやって生き残るか算段をしている者」
続けて
「媚びてくる者、ナリス様に取り入ろうとしてくる者、この手の者は使いようでしょうか?」
私
「メイ、また忙しくなりそうね」
メイ
「大丈夫、お任せください」
とりあえず、学園に行ってみますか。
「はい」皆の返事です。
何時ものように皆で歩いて学園に向かいました。
門をくぐり校庭にさしかかると大勢の生徒、先輩たちが待っていました。
敵意は無いようだけど、待ち伏せ?
代表者風の男子生徒が
「おはようございます。お待ちしておりました。」と挨拶をして、そのまま平伏、
「この度は我が親、兄弟、それに連なる多くの者が、ご迷惑をお掛けしました事、心よりお詫び申し上げます」
続けて
「私もまだ若輩者でしかなく、意見など聞いてもらえないありさまで、唯一の救いは皆さまに被害が無かった事、ご無事でなによりでございます。」
女子生徒が
「爵位に関して苦情しか言わず、自ら手柄を立てようとはしない、自分たちの不服を力でねじ伏せようとはまったくもって情けない限りでございます。さらにはその軍勢で国に反乱を起こそうなどとは、こちらから縁を切りました。」
代表者風の男子生徒
「私たちは皆さまのご無事をお祈りするしかありませんでした。」
女子生徒
「この学園を卒業後は情けない親、兄弟になり替わりまして国のために尽力していくつもりです。これはここに居る全員の思いです」
全員が
「ご迷惑をお掛けしました。申し訳ありませんでした。」
メイが
「ここに居る皆様は心から謝罪をなされて泣いておられます。」
そうか、ありがとう
私も膝をつき、土下座で挨拶をしました。
どよめきが起こっていました。
「この度は若輩者の私が過分な褒章を受け、それが引き金となり内乱となってしまいました。死者、行方不明、多くの方の命が失われてしまいました。申し訳ありませんでした。」
続けて
「私はこの国を立て直すなど大言壮語をはける人間ではありません、がしかし、賜った領では、精一杯やってみようと考えております。」
さらに続けた
「しかし、まだ学生の身、なれど、皆様に負けないように精進していきます。」
「私たちのために祈っていただきありがとうございました。」
皆も私に合わせて土下座で一斉にお礼を言ってくれました。
一人が立ち上がり
「謝らなければいけないのは、私達の方です、本当にごめんなさい」
やば、涙出てきた。
メイが
「大丈夫ですよ、こういう時は泣いても良いと私は思います」
そうかな?
「そうですよ」
私
「皆さん、ありがとう」
代表者風の男子生徒
「私たちはイベントの学園内大会のおり、貴賓席をずっと見ていました。正直、年下のやつがうまくやりやがってと言う思いでした。でもすぐに思い知らされました。貴方は突然上空に目をやり、貴賓席で何かを訴えて、王妃様、王女様を連れ出そうとしている貴方を目で追っておりました。貴方は二人を、身を挺して守ろうとされた。直後に黒くて大きな物体が地に落ちた。貴方の行動にぞっとしました。私に同じ事が出来るだろうかとずっと考えておりました。そして我々が集まるたびにこの話題になるのです。」
女性生徒
「貴方は我々の英雄です、誰もが貴方のようになりたいと貴方を目標にすると言っております。」
・・・・・・・
私
「あの、そんなにたいした事ではないと思うのですが?」
代表者風の男子生徒
「何を言われるのですか、あの瞬間、あの判断といい、あの素早い動きと言い、さらにはあの覚悟、真似の出来るものではありません。」
サーシャが
「ちょっとまて、その時落ちてきたものに対して恐怖はなかったのか?」
代表者風の男子生徒
「あの時ナリス様に感銘を受けて、ナリス様しか見えておりませんでした。」
ちっ サーシャです。 笑
代表者風の男子生徒
「闘技場を出ていかれる姿を見て、実は後を追いかけようとしたのですが、恥ずかしながら腰が抜けていて動けないことにその時気がついたのです」
サーシャが
「じゃあ、あの時戦闘になっていたら全員、巻き添え食って死んでいたかもしれないってことか?」
はい
「サーシャ様」
何かをまだ言おうとしたサーシャにフラン様が一言、言って黙らせました。
何事もなかったように戻られて、大会の決勝とか、もうどうでもよかったです。
では、イリスはここに居る全員の命の恩人だねと言ったらサーシャが
「俺は?」
エリスが
「サーシャ様寝起きで実質なにもされていませんから」と即答
サーシャが
「エリス・・・・・・むぅ・・・・その通りだ」って、
生徒の一人が
「皆さん楽しそうで、仲がいいですね」と言うとサーシャが
「ああん? どっかのバカと同じことを言ってんじゃねぇ」
私
「へぇ、そんな奴いるんだ?」
メイとイリスが噴き出して
「そんな奴がいるのですね」と笑い出した。
サーシャがうなだれて泣いていた。
女子生徒
「あの、何か手伝えることがあったら是非手伝わせてください。お願いします」
全員が
「お願いします」・・・・だって
「イリス、どうする」
イリスが
「今のままでは手伝っていただくことなどありません。」
えええ、と悲鳴みたいな声がしています。
イリス
「せめて、王国騎士団ぐらい、・・・・いやあれ以上になってもらわない事には」
イリスが続けて
「せっかくですので、訓練に参加していただくというのはどうでしょうか?」
なるほど、・・・・・クリス任せた
クリス
「わ、・・・え、はい、お任せください」
サーシャが
「私も参加してあげよう」とニヤッと笑った。
「ネイとシータ、あ、回復系の方もいるかもですので雫も参加してみてください。」
「わかりました。」
「クリスとサーシャ、睦、弥生、かおり、あずさ、椿も加わってください。」
「はい」
日曜の朝でよろしいでしょうか?
そうですね
クリスが皆に
「では、日曜の朝、ナリス様の屋敷に集まってください」
「よろしくお願いします。」
学園再開一日目の登校は無事に済みました。
良かった、良かった。
石とか生卵とかが、飛んできても全部避けるつもりでいたのに残念
生徒全員と言うわけではないでしょうから、まだ飛んでくる可能性が残っています。油断は禁物です。
メイが
「ナリス様、相変わらず楽しそうですね」
また、変なことを考えているのか、こいつ・・・・・
なんか、空気が重たい・・・・
久しぶりの、行儀・作法&マナー・・・
フラン様
「ナリス様、しっかりなさらないと兵隊さんたちの前で恥をかきますよ?」
え、私もやるの?
フラン様
「あら?五百名もいる軍人さんたちを私一人に押し付けるおつもりでしたのかしら?」
はい
「あ、バニラとチョコがお手伝いします。ああ、サーシャも暇だそうです」
サーシャ
「なんだと、この・・・うぅ、何をおっしゃっておられるのかしらナリス様」
他の生徒が
「あの、私ではお役に立てませんでしょうか?」
フラン様
「あら、貴方なら大歓迎します」
最上級生の貴方がなぜこの講義を?
「ナリス様のもとでお役に立てることは無いかと講義に顔を出しました。」
フラン様
「残念ながら、ナリス様の御役には立たないかもしれません、が、私の役には立ちますがどうでしょうか?」
喜んでお供いたします。
フラン様
「ナリス様、私の助手が一名名乗りを上げてくれておりますがいかがいたしましょうか?」
フラン様がお認めになられる方なら、こちらから、お願いします。
「ルイス・マルタンと申します」
フラン様
「料理長をお願いしました。ピエール・マルタン様の娘さんになります」
ルイスの周りに団体様が押し寄せて?
ルイス
「あの、ご相談なのですが、私の親しい、お友達も一緒に手伝いたいと申しておりますが、駄目でしょうか?」
ああ、そういう集まりなのか
「フラン様、メイと相談して決めていただけませんでしょうか?」
フラン様
「はい、かしこまりました。」
お願いします。
講義が終わってからバニラとチョコの芸術にお付き合いしました。
ピアノのある部屋の前に行くと何やら人だまりが?どうしたのかチョコが聞いてみると、ここに居るとナリス様にお会いできるかも知れないと噂になっているらしい、確かに会えるけど、私と分かるのかな?
バニラとチョコ、フラン様とシルビア様、クラリス様がピアノのそばに行き、楽譜について説明を始めました。
私は適当に席について魔術の基本を開いて読み始めました。
しばらくして、ピアノの音が鳴り始め、チョコの歌声が響き渡る。
キュベレイとヘスティアがこれは素晴らしい、心に澄み渡る
って、何でここに居るの?
キュベレイが
「ナリス様の護衛ですと言ったらどうぞ、って通してくれましたよ」
それでいいのか?
「なぁ、イリス、エリス、クリス」
はい?三人の返事です。
「あの二人でコンサート開くと入場料が取れそうな気がするのですが?」
エリスが
「それは間違いなくとれますね、今すぐは無理でも近い将来では」
私
「私の活動資金と言うわけにはいかないな・・・」
エリス
「イリス様の私財を使い切ったら考えてはいかがですか?」と笑って言った。
キュベレイが
「ん?ナリス様は貧乏なのですか?」
え・・・あ、まあぁ
キュベレイが
「ラファ・エル様の私財の管理は私達で行ってきました。が、もともとは貴方様のものですのでご自由にお使いください」
ん?
イリスが
「ナリス様、まずは私の私財を使い切りましょう」
「ああ、お願いします。」
喜んでとイリスがにこにこしています。
「それって、オットーとエリスと私がいれば運べますか?アスナの間に持ってくるとか?」
イリスが
「当然私もついて行きますが、それはいい考えだと思います」
じゃあそういう予定でお願いします。
フラン様が近づいてきて
「ナリス様、本日はこのあたりで切り上げようかと思います。」
回りを見ると人がいっぱい
二人とも人が多すぎて怖がっております
ああ、それってコンサートとか無理かな
では帰りましょう
学園再開一日目は終了です。
ナリス様の屋敷から連絡です。
庭に出てティータイムを楽しんでおられるそうです。
ギル様
「どういうことだ、ジュ・オン」
ジュ・オン
「ナリス様の事ですから気が付かないはずはありません。」
「屋敷を見ている者からの話では索敵も結界も張っておられないそうです。」
本当ですか・・・それは気を緩めすぎです。
ジュ・オン
「ギル様、兵に食事と休息を与えましょう、そして昼過ぎには出撃準備をすませましょう。不意を突かれたとはいえ我々との戦の音で十分対応されると思います。」
ギル様
「今、城の兵力は三千余り、こちらに向かわれたりすると、太刀打ちできないな」
ジュ・オン
「それについては籠城して居れば、ナリス様が応援に駆けつけてくださいます」
ナリス様もこの国の窮状は理解してくださっております。
ジュ・オン
「ただ、あの軍勢討伐に時間をかけてはおられません。そうではないと他国が攻めてきます。」
二人のやり取りを見ていたシルフィーが
「何か用ですか、えっと、ノルンさんでしたっけ?」
「はい、ノルンでございます。精霊様、ここで何をなされておられるのでしょうか?」
風の上位精霊シルフィー
「ナリス様がね、お城から兵が出た場合、屋敷を襲うようなら無視、大勢で終結している軍に向かうようなら、貴方に殺されてしまうから止めてくれと、頼まれました。」
どうやって?
強風で行軍を緩めるとかでいいって言われて来ました。
ノルンが
「わかりました。精霊様が強風をおこされた場合、あの方たちには手を出さなければよろしいのですね」
シルフィーが
「あ、うん、それでお願いします」
ノルン
「お任せください」とほほ笑みながら言って移動していきました。
昼を過ぎて
「報告します。敵兵力一万を超えたようです。このままいくと一万四千ぐらいまで集まりそうです。」
ギル様
「ナリス様にお知らせしてはどうだろう?」
ジュ・オン
「今城から連絡を入れるわけにはまいりません」
ナリス様は何をされていましたか?
「何やら、音楽を奏でられ、美しい歌声が響いているとの事です。」
ジュ・オン
「襲ってくださいと言っているような・・・・なるほど」
ギル様
「どうしました。何かわかりましたか?」
ジュ・オン
「はい、ナリス様は誘っておられるのだと思います」
なにを?
「敵に襲わせようとしておられるのだと推測しました。」
あ、なるほど
ジュ・オン
「しかし、万が一に備えて出撃準備を整えましょう」
「報告いたします。敵軍が動き出しました。」
行きましょう
「我らは敵の背後をついてナリス様の援護を行います。出撃」
お城の門が開き、軍の先頭が門を出ようとすると、ものすごい強風が吹き、前に進めなくなった。
どうした?何事だ
風が強くて前に進めません。
★悪魔召還★
侯爵家修練場ここが敵軍の集合場所そしてここから、ナリス屋敷までは徒歩でも三十分ぐらいの距離しかない。
開戦、全軍突撃
全速で走り、虚を突き、一気に終わらせる手はずだった。
ランズ・フリート、彼はこの戦で力を示し、再起を図ろうと考えていた。
「こんなに後ろからでは着いた頃には終わってしまう。」
くそ
前方のほうが騒がしくなっている、何が起きている?
修練場を出て、走り始めた者たちが次々に倒れていくのが見えた。
そして当然行軍は止まる。後ろの者はなぜ止まるのかわからない、前にいる者は押すなと大声を出すが止まらない、将棋倒しになってしまった。
倒れた者は動かなくなり、だんだん後ろの者も異変に気が付くがすでに遅い、ランズ・フリートの目の前の者も倒れ動かなくなり自分も意識がなくなった、そして修練場の中にいた者全てが動かなくなった。
辺りは静まり返った。
攻撃開始の合図からわずか十分足らずの出来事でした。
修練場に立つ一人の女性
ノルンが
「我が主様、供物の準備は整いました、我が召還にこたえたまえ」
兵士たちの体が消えていく、武器、防具、衣服等だけを残して消えた。
そして現れた女性二人
ノルン
「お待たせいたしました。我が主様」
「ノルン、大義であった」
ノルン
「はっ」
ヘスティア・グリス
「ダニエルが言っていた面白い人間、だけど関わり合いにはなるなって忠告だったけど大丈夫?」
キュベレイ・ロンギヌス
「あいつが危ないとか言うほどの人間なのだ、見に行かない手はないでしょ」
ノルン、どこに行けば会えるのかしら?
風の精霊様が飛んで行かれております、あの方向に屋敷があります。
キュベレイ・ロンギヌス
「ほう、精霊を従えておるのか」
ノルン
「先ほどの話では、命を受けて動かれておられましたので、任務完了でお戻りなのでしょう」
任務?
ノルン
「はい、供物にはしたくない者たちの足止めをされていたようです」
ほう
ノルン
「では、ご案内いたします。」
★縁(ゆかり)ある者達★
エリスがサーシャ達を連れ帰ってくるのとほぼ同時にシルフィーが戻ってきました。
「お城の兵力には被害はありません。それよりもノルンさんが二人の人影と一緒でした。」
イリス
「上級悪魔のようですね」
サーシャ
「最初はおれな」
ノルン
「皆さん、お揃いのようですね、ご紹介いたします。我が主様、キュベレイ・ロンギヌス様とヘスティア・グリス様でございます。」
キュベレイ・ロンギヌス
「皆様、お初にお目にかかります、どうぞよろしくお願いします。」
私
「これはご丁寧に恐れ入ります。この屋敷の主、ナリスと申します。よろしくお願いします。」と言って前に出た。
ザッ
キュベレイ・ロンギヌスとヘスティア・グリスの両名がいきなり、跪いて頭を下げた。
?
私もはてなでしたが、当の本人達も?
キュベレイ・ロンギヌス
「ヘスティア知り合いか?」
ヘスティア・グリス
「いやいや、知らない、お前こそどうした?」
二人は立ち上がり、私を見て
「お前、何者だ?」と聞いてきた。
はて?何と答えたものでしょう・・・か
キュベレイ・ロンギヌス
「私たちの友人がとんでもない人間がいると教えてくれた、それも出来るなら関わるなと注意までしてきた。合わないわけにはいかないと会いに来てやった。」
ヘスティア・グリス
「見たところ人間の小僧と小娘ばかり、何をどう評価すればいいのか?」
サーシャが
「では、私と戦ってみますか。」
他の皆が、やめてぇと思っているのが伝わってくる
ヘスティア・グリス
「貴方、分かっていないのね、死んじゃいますよ?」
サーシャが
「なら、殺してみてくださいませ」と挑発した。
イリスが
「ではもう一人の方は私が相手をいたします。」
ノルン
「もう一人の方って私もおります」
神楽
「じゃあ、当然三人目は私だな」
はぁ、何そのやる気、しょうがないなあぁと戦闘に関わらない皆を魔法障壁で囲った。
そして庭全体を戦えるぐらいの広さで、魔法障壁で囲んだ。
どうぞ、お好きに戦ってください。
キュベレイ・ロンギヌス
「この懐かしい感じの魔力は・・・・」
サーシャが準備できたじゃねぇかと叫んで飛びかかって行った。
サーシャとヘスティアが、ノルンとイリスが、キュベレイと神楽が戦い始めた。
まずは小手調べ?お互いに物理攻撃、要するに殴り合っています。
悪魔が魔法を使わないとなるとかなりの手加減をしてくれているという事でしょうか?
メイが
「そうなのですか?」と聞いてきた。
うん、たぶん、そう
しばらく戦っていたが、キュベレイが突然
「ふむ、もうよい、お前たちがなかなかよく戦うことは分かった、して、お前、ナリスとか言ったな、お前はなぜ我が主様と同じ魔力を使っておる?」
同じ魔力?
「なんだ知らぬのか?」
魔力は使用する者全てで質が違う。「まあ、私とヘスティアはほぼ同じだが微妙に違う」
だが、お前は我が主様と寸分の違いもない、忘れもしないあのお方の魔力だ、心して答えよ
知らんし・・・
「ふざけるなぁ」ヘスティアが炎の魔法を放った。
ネイが
「これはまずい」と障壁を張る。
私は「絶対零度」を唱え、魔力を解放した。
放たれた炎は掻き消え、ヘスティアは凍った。
「なんだと!」
貴様その魔法は、キュベレイがよくわかりませんが激怒しております。
ノルンが凍り付いたヘスティアに駆け寄り、大丈夫ですかと声をかけていた。
ネイ
「なんと、これほどの威力とは・・・・」
サーシャが
「な、何をしやがる、俺の相手を凍らせんじゃねぇ」と怒っていた。
キュベレイもヘスティアの傍に行き、氷の塊を見ていた。
「これは、まさしく、あのお方の」
ふいに辺りが明るくなり、きらきら輝く光の玉が現れた。
む、きらきらジジィか?
メイが噴き出した。
きらきらジジィ
「ナリスよ、もう少しわしを敬うという事を覚えよ」
私
「うるさい、現世には関与できないとか言ってなかったか? 出てきては駄目でしょ」
きらきらジジィ
「先ほどの暴言を許してやるから、内緒にしておけ。」
続けて
「まずはその凍結を解除してあげなさい。」
解除?
「普通に魔力を解放して解除じゃ」
へぇ。「解除」と声を発して魔力を解放した。
ヘスティアの凍結が消えた。
キュベレイが
「大丈夫か、生きているか?」と抱き起して声をかけた。
死んでいるのか? 私は聞いてみた。
キュベレイが
「お前、何を知れっと、ほざいておるか」かなりお怒りになっておられます。
この魔法、すごい威力だな、と感心してしまいました。
もう一つの魔法も試してみようと
「死者蘇生」と唱えて魔力を解放してみました。
ヘスティアが光に包まれて、きらきらジジィの仲間になった、あ、いや、そうではなくて、生き返った。
ヘスティア
「ごほっ、ぶは、なんだ、何が起きた?」
キュベレイが
「なに、生き返っただと」
「初めて使ったけど、この魔法すごいね、使える魔法だ」
キュベレイ
「初めて・・・・・いや、その蘇生の魔法があれば我が主も生き返る」
きらきらジジィ
「さて、話を聞きなさい、特にそこの悪魔の三人、いいか」
続けて
「お前たちが守って来た主はもう成仏しておる、あれはただの亡骸じゃ、蘇生魔法でも生き返らない。」
キュベレイ
「なんだと、やっと蘇生出来るものが見つかったというのに・・・」
きらきらジジィ
「なぜ生き返らないかの説明も今からしよう」
ナリスよ、まずは質問をするから皆にこたえておくれ
きらきらジジィ
「ナリスはここに居る者たちと生きていくつもりでいるのだろう」
ああ
きらきらジジィ
「それでじゃ、お前が一番先に死んだらどうする? 答えを皆にいうてやれ」
イリスが
「なんと不吉な・・・」
もし、私が一番先に死んだら・・・か、そんなもん、決まっているでしょ
私は皆に向かって言った。
きらきらジジィ
「悪魔の三人、よく聞いておけよ」
私
「私はもう死んでいるわけだから、死んだ後のことは知らん、生きている者で何とかしろ」
二人にラファ・エルの生前の記憶が、台詞が思い出された。
死んだ後のことは知らん、生きている者で何とかしろ
キュベレイが
「あ、ああ、ラファ・エル様」
キュベレイが続けた
「申し訳ありません、私は貴方をお守りできませんでした。貴方を死なせてしまった。」
ヘスティアも
「私も同罪です、死んでもお守りしますとお約束しておりましたのに私が生き残ってしまいました。すみません」
きらきらジジィ
「ラファ・エルは死んで、生まれ変わる事を数回繰り返している。そしてナリスがラファ・エルの生まれ変わりなのだよ、ただし直前の記憶は残っておるが遠い昔の記憶はなくしておる。」
魔力の質が全く同じなのもこれで納得いったじゃろ、何度生まれ変わってもこやつの気心は全く変わってはおらん。
二人の懺悔を聞いていた皆が
「私はナリス様の盾となります。」
私達は絶対に後悔したくない。
イリスが
「ナリス様は私がお守りします。」
神楽が
「ああ、死んでしっかり借りは返す」
サーシャが
「ああ? 俺がいるのだから大丈夫だ 心配するな」
キュベレイとヘスティアの二人が跪いて
「お願いします。今度こそ貴方様をお守りします。私たちにもう一度、機会をお与えください」
ノルンが
「ナリス様、どうか我が主の願いをかなえてくださいませ、そして私もご一緒させてください。」
お前達ってかなり高位の存在なのだろ?いいのか
キュベレイ
「貴方様はそれ以上の存在でございます。」
私
「じゃあ、私たちが争う理由は無くなったのですね?」
キュベレイ
「これは、知らぬことだったとしても、大変失礼をいたしました。お許しください。」
私
「分かった、三人ともこれからよろしく、それから周りを見て、皆もよろしく。」
「はい、お任せください」
私
「ところできらきらジジィ、前世の私ってなんで死んだの?」
きらきらジジィ
「それについては、いずれわかるときも来るだろう、わしは忙しいのでこれで帰る、さらばじゃ」
あ、この
私
「キュベレイ、ヘスティアは、なぜ死んだのか知っていますか?」
キュベレイ
「申し訳ありません、私達が駆け付けた時にはもうすでに・・・・・」
そうか・・・・まあいいか
私
「なんか、いい流れに乗ってしまったみたいです、全てがうまく終わった」
エリスが
「あの、それでナリス様、さっきの きらきらジジィと呼んでいた方は知り合いですか?」
私
「きらきら輝いて顔も見せようとしない、上から目線の嫌味な爺さんだ、うん」
エリスが
「まさか、あの、か」私はエリスの口を押えた。
「エリス、その先は言わない方がジジィの為だと思うよ」
メイが
「そうなのですか?」
そうそう
サーシャが
「二人だけで納得するなぁ」
メイをちらっと見て
「世の中、秘密だらけさ、な、メイ」
「はい」
サーシャが
「ああああ、いらつく」
バニラが
「ナリス様、ギル様がこちらに向かっておられます。」
しばらくして、馬の蹄の音が聞こえてきた。
大勢が向かってきている。
入口で出迎えました。
「これはギル様、ジュ・オン様、いらっしゃいませ、どうかされましたか」
ジュ・オン様
「何を言っておられるのですが、一万四千人ほどの兵力はどうなりましたか?」
私
「一万・・・・?四千ですか?」
今日この屋敷に来られたお客様はギル様、ジュ・オン様と軍隊の皆さんだけですよ
ジュ・オン様が
「おや、初めて見る方が居られるようですが?」
私
「あ、今回の件で雇用を申請されて、採用した方達です、よろしくお願いします。宮廷魔術師には、この屋敷に軍隊が攻め込んだと報告があったのですか?」
宮廷魔術師
「ジュ・オン様、侯爵様修練場より連絡がありました。ものすごい数の武器、防具が放置されている」との事です。
ジュ・オン様
「ナリス様、急ぎ確認せねばならないことが出来ました。これにて失礼いたします。」
私
「はい、お気をつけて」
今回のジュ・オン様の計略はこれで完了ですね。
私は伯爵になり、領地もいただき、仲間も増えて、良しとしておきます。
私は皆に向かって
「多くの人が死んでしまいましたがこの一件が無ければ、ノルンもキュベレイもヘスティアにも、会えていませんし、この国が生まれ変わるためと割り切りましょう」
私は、異世界転生を数回、繰り返している・・・という事?
む、きらきらジジィのなじみ客か・・・・泣
お城では、無数の武器、防具等を一旦城の中に運び込み、遺族に遺品を引き取りに来るように通達を出した。その際、同じものに複数の者が名乗り上げた場合、調査を行い、嘘をついているほうは厳罰とし、そして誰も取りに来ない分については、城の方で処分をすると発表した。
お城から今回の件について質問が来たのですが、私達にもわかりませんと回答しておきました。
★王立学園再開★
王立学園は情勢不安から、休校となっていましたが、寮の食事は普段通り朝食、夕食が提供されていたそうです。
廃嫡、私財没収された貴族、及び貴族に仕えていた者の家族が学園の生徒として在籍している場合、生徒には罪はないものとする。
このまま、寮での生活を望み、学園を卒業するまで学問に励み、卒業後は国に忠誠を誓い、国のために尽力してくれる生徒に関しては費用を国が支払うものとする。
現在、十歳に満たない者で右に当たるものがあれば申請書を提出する事で同様に国が費用を支払うものとする。
今回の国の決定に不服のある者の退学については個人の自由とする。
生徒であっても反乱に加担した者及び賛同している者については厳罰に処する。
うーん・・・・
イリスが
「どうされました」
皆がイリスの声に反応してこっちを見ている。
私
「王立学園について、決定に不服は無いけど退学してもいいかな? 他の生徒は私をどう見るでしょうか? 万を超える兵力が行方を晦ました。私が争った形跡が無いとは言え、生徒の家族が行方不明?私を襲う予定だった方々・・・」
少し考えて続けた
「私、怪しいよね?学園内で不必要な争いごとは避けたほうが良くないでしょうか?」
イリスが
「なるほど、周りの生徒はほぼ、敵対した者たちの家族という事ですね」
私
「シータ、家が廃嫡になったとか言ってませんでしたか?」
シータ
「はい、私の家は男爵家で、伯爵様の言いなりでしたから、あの、私ここに居るのは駄目でしょうか?」
私
「シータが良ければここに居てもらって大丈夫、ただ、廃嫡になった原因が私にあるとか思っていないのですか?」
シータ
「私の父が、進む道を間違えたのだと思っております。母は農家の出なので、実家に戻っていると思います。」
続けて
「あの、正直に言いますと、私の父がナリス様にご迷惑をお掛けしなくて良かったと思います。」
私
「寮に戻ってもこれまで通り生活できそうだけど、それはどうしますか?」
シータ
「あ、あの、私友達もおりませんのでよろしければこのお屋敷に置いていただけませんでしょうか?」
サーシャが
「なんだ、お前友達いないのか、可哀そうな奴だな、まるで私みたいだ、どうだ、私と友達になるか?」
シータ
「え、私なんかでよろしいのですか?」
バニラとチョコが慌てて
「駄目です、シータさん、サーシャ様と友達になると大変な目にあいますよ。」
サーシャ
「おい、お前ら・・・」
「ひぃぃ」と悲鳴を上げて二人でシータを連れ去って行った。
私
「なるほど、そんな風に考えてくれる人もいるわけだ。」
澪が
「普通にそう考えるのではないでしょうか?」
私
「え? そうなの? すべての元凶が私だと私自身が自覚している分、どうしても残された家族の方には、心苦しくなるのですが・・・」
エリスが
「なるほど、生徒の中には、ナリス様を敵視して来る者、謝ってくる者、もしかして媚びてくる者もいるかもしれませんね。」
ネイが
「学園にいる間にしっかり情報を整理しておくと後々、役に立つかもしれませんね」
サーシャ
「情報?」
ネイ
「はい、謝ってくるような方は将来味方になるでしょう、敵視してくる者は分かりやすいですね、媚びてくる者は、もうすでにどうやって生き残るか算段をしている者」
続けて
「媚びてくる者、ナリス様に取り入ろうとしてくる者、この手の者は使いようでしょうか?」
私
「メイ、また忙しくなりそうね」
メイ
「大丈夫、お任せください」
とりあえず、学園に行ってみますか。
「はい」皆の返事です。
何時ものように皆で歩いて学園に向かいました。
門をくぐり校庭にさしかかると大勢の生徒、先輩たちが待っていました。
敵意は無いようだけど、待ち伏せ?
代表者風の男子生徒が
「おはようございます。お待ちしておりました。」と挨拶をして、そのまま平伏、
「この度は我が親、兄弟、それに連なる多くの者が、ご迷惑をお掛けしました事、心よりお詫び申し上げます」
続けて
「私もまだ若輩者でしかなく、意見など聞いてもらえないありさまで、唯一の救いは皆さまに被害が無かった事、ご無事でなによりでございます。」
女子生徒が
「爵位に関して苦情しか言わず、自ら手柄を立てようとはしない、自分たちの不服を力でねじ伏せようとはまったくもって情けない限りでございます。さらにはその軍勢で国に反乱を起こそうなどとは、こちらから縁を切りました。」
代表者風の男子生徒
「私たちは皆さまのご無事をお祈りするしかありませんでした。」
女子生徒
「この学園を卒業後は情けない親、兄弟になり替わりまして国のために尽力していくつもりです。これはここに居る全員の思いです」
全員が
「ご迷惑をお掛けしました。申し訳ありませんでした。」
メイが
「ここに居る皆様は心から謝罪をなされて泣いておられます。」
そうか、ありがとう
私も膝をつき、土下座で挨拶をしました。
どよめきが起こっていました。
「この度は若輩者の私が過分な褒章を受け、それが引き金となり内乱となってしまいました。死者、行方不明、多くの方の命が失われてしまいました。申し訳ありませんでした。」
続けて
「私はこの国を立て直すなど大言壮語をはける人間ではありません、がしかし、賜った領では、精一杯やってみようと考えております。」
さらに続けた
「しかし、まだ学生の身、なれど、皆様に負けないように精進していきます。」
「私たちのために祈っていただきありがとうございました。」
皆も私に合わせて土下座で一斉にお礼を言ってくれました。
一人が立ち上がり
「謝らなければいけないのは、私達の方です、本当にごめんなさい」
やば、涙出てきた。
メイが
「大丈夫ですよ、こういう時は泣いても良いと私は思います」
そうかな?
「そうですよ」
私
「皆さん、ありがとう」
代表者風の男子生徒
「私たちはイベントの学園内大会のおり、貴賓席をずっと見ていました。正直、年下のやつがうまくやりやがってと言う思いでした。でもすぐに思い知らされました。貴方は突然上空に目をやり、貴賓席で何かを訴えて、王妃様、王女様を連れ出そうとしている貴方を目で追っておりました。貴方は二人を、身を挺して守ろうとされた。直後に黒くて大きな物体が地に落ちた。貴方の行動にぞっとしました。私に同じ事が出来るだろうかとずっと考えておりました。そして我々が集まるたびにこの話題になるのです。」
女性生徒
「貴方は我々の英雄です、誰もが貴方のようになりたいと貴方を目標にすると言っております。」
・・・・・・・
私
「あの、そんなにたいした事ではないと思うのですが?」
代表者風の男子生徒
「何を言われるのですか、あの瞬間、あの判断といい、あの素早い動きと言い、さらにはあの覚悟、真似の出来るものではありません。」
サーシャが
「ちょっとまて、その時落ちてきたものに対して恐怖はなかったのか?」
代表者風の男子生徒
「あの時ナリス様に感銘を受けて、ナリス様しか見えておりませんでした。」
ちっ サーシャです。 笑
代表者風の男子生徒
「闘技場を出ていかれる姿を見て、実は後を追いかけようとしたのですが、恥ずかしながら腰が抜けていて動けないことにその時気がついたのです」
サーシャが
「じゃあ、あの時戦闘になっていたら全員、巻き添え食って死んでいたかもしれないってことか?」
はい
「サーシャ様」
何かをまだ言おうとしたサーシャにフラン様が一言、言って黙らせました。
何事もなかったように戻られて、大会の決勝とか、もうどうでもよかったです。
では、イリスはここに居る全員の命の恩人だねと言ったらサーシャが
「俺は?」
エリスが
「サーシャ様寝起きで実質なにもされていませんから」と即答
サーシャが
「エリス・・・・・・むぅ・・・・その通りだ」って、
生徒の一人が
「皆さん楽しそうで、仲がいいですね」と言うとサーシャが
「ああん? どっかのバカと同じことを言ってんじゃねぇ」
私
「へぇ、そんな奴いるんだ?」
メイとイリスが噴き出して
「そんな奴がいるのですね」と笑い出した。
サーシャがうなだれて泣いていた。
女子生徒
「あの、何か手伝えることがあったら是非手伝わせてください。お願いします」
全員が
「お願いします」・・・・だって
「イリス、どうする」
イリスが
「今のままでは手伝っていただくことなどありません。」
えええ、と悲鳴みたいな声がしています。
イリス
「せめて、王国騎士団ぐらい、・・・・いやあれ以上になってもらわない事には」
イリスが続けて
「せっかくですので、訓練に参加していただくというのはどうでしょうか?」
なるほど、・・・・・クリス任せた
クリス
「わ、・・・え、はい、お任せください」
サーシャが
「私も参加してあげよう」とニヤッと笑った。
「ネイとシータ、あ、回復系の方もいるかもですので雫も参加してみてください。」
「わかりました。」
「クリスとサーシャ、睦、弥生、かおり、あずさ、椿も加わってください。」
「はい」
日曜の朝でよろしいでしょうか?
そうですね
クリスが皆に
「では、日曜の朝、ナリス様の屋敷に集まってください」
「よろしくお願いします。」
学園再開一日目の登校は無事に済みました。
良かった、良かった。
石とか生卵とかが、飛んできても全部避けるつもりでいたのに残念
生徒全員と言うわけではないでしょうから、まだ飛んでくる可能性が残っています。油断は禁物です。
メイが
「ナリス様、相変わらず楽しそうですね」
また、変なことを考えているのか、こいつ・・・・・
なんか、空気が重たい・・・・
久しぶりの、行儀・作法&マナー・・・
フラン様
「ナリス様、しっかりなさらないと兵隊さんたちの前で恥をかきますよ?」
え、私もやるの?
フラン様
「あら?五百名もいる軍人さんたちを私一人に押し付けるおつもりでしたのかしら?」
はい
「あ、バニラとチョコがお手伝いします。ああ、サーシャも暇だそうです」
サーシャ
「なんだと、この・・・うぅ、何をおっしゃっておられるのかしらナリス様」
他の生徒が
「あの、私ではお役に立てませんでしょうか?」
フラン様
「あら、貴方なら大歓迎します」
最上級生の貴方がなぜこの講義を?
「ナリス様のもとでお役に立てることは無いかと講義に顔を出しました。」
フラン様
「残念ながら、ナリス様の御役には立たないかもしれません、が、私の役には立ちますがどうでしょうか?」
喜んでお供いたします。
フラン様
「ナリス様、私の助手が一名名乗りを上げてくれておりますがいかがいたしましょうか?」
フラン様がお認めになられる方なら、こちらから、お願いします。
「ルイス・マルタンと申します」
フラン様
「料理長をお願いしました。ピエール・マルタン様の娘さんになります」
ルイスの周りに団体様が押し寄せて?
ルイス
「あの、ご相談なのですが、私の親しい、お友達も一緒に手伝いたいと申しておりますが、駄目でしょうか?」
ああ、そういう集まりなのか
「フラン様、メイと相談して決めていただけませんでしょうか?」
フラン様
「はい、かしこまりました。」
お願いします。
講義が終わってからバニラとチョコの芸術にお付き合いしました。
ピアノのある部屋の前に行くと何やら人だまりが?どうしたのかチョコが聞いてみると、ここに居るとナリス様にお会いできるかも知れないと噂になっているらしい、確かに会えるけど、私と分かるのかな?
バニラとチョコ、フラン様とシルビア様、クラリス様がピアノのそばに行き、楽譜について説明を始めました。
私は適当に席について魔術の基本を開いて読み始めました。
しばらくして、ピアノの音が鳴り始め、チョコの歌声が響き渡る。
キュベレイとヘスティアがこれは素晴らしい、心に澄み渡る
って、何でここに居るの?
キュベレイが
「ナリス様の護衛ですと言ったらどうぞ、って通してくれましたよ」
それでいいのか?
「なぁ、イリス、エリス、クリス」
はい?三人の返事です。
「あの二人でコンサート開くと入場料が取れそうな気がするのですが?」
エリスが
「それは間違いなくとれますね、今すぐは無理でも近い将来では」
私
「私の活動資金と言うわけにはいかないな・・・」
エリス
「イリス様の私財を使い切ったら考えてはいかがですか?」と笑って言った。
キュベレイが
「ん?ナリス様は貧乏なのですか?」
え・・・あ、まあぁ
キュベレイが
「ラファ・エル様の私財の管理は私達で行ってきました。が、もともとは貴方様のものですのでご自由にお使いください」
ん?
イリスが
「ナリス様、まずは私の私財を使い切りましょう」
「ああ、お願いします。」
喜んでとイリスがにこにこしています。
「それって、オットーとエリスと私がいれば運べますか?アスナの間に持ってくるとか?」
イリスが
「当然私もついて行きますが、それはいい考えだと思います」
じゃあそういう予定でお願いします。
フラン様が近づいてきて
「ナリス様、本日はこのあたりで切り上げようかと思います。」
回りを見ると人がいっぱい
二人とも人が多すぎて怖がっております
ああ、それってコンサートとか無理かな
では帰りましょう
学園再開一日目は終了です。
0
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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