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第一章 深淵の樹海

第28話 ステュムパリデス

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オークのオク1、ゴブリンのゴブ1を眷属にして色々話を聞き終わった時、コボミが俺に向かって駈けてきた。

「ヒロト様!魔物と会話が出来たのですか?」

「お、おう。喋れたみたい。」

「なんだ、念話じゃ無くても話せるのね。」
ハクも嬉しそうに話掛けて来た。

「そうだったみたいだよ。」

確認したところ、コボルトとゴブリン、オークの人形ひとがたの群れを形成する魔物とは会話が出来た。

またレベルが高く、元から知能があった次元白蛇のハク、雷獣のライゾウ、土蜘蛛のスパ、キラービークイーンのビーも会話が出来た。

マジックスライムのスラオ、アルラウネのレイ、ドレイクのリザ、イビルアイのアイは喋れなかった。

「ねえねえ、ヒロトは何で魔物と話が出来るの?」
吸血鬼のヒナが聞いてきた。

「多分、異世界言語のスキルじゃないかな?」

「いいなぁ。私も皆と話したい。」

「異世界言語のスキルを取ればいいじゃん。」

「どうやって?」

「あれ?転生の神様に聞いてないの?スキルを割り振るイメージを思い浮かべれば、取得出来るよ。ヒナはスキルポイントいっぱいあったはず。」

「え!そうなんだ。・・・う~ん。」
ヒナは難しい表情で色々試してるようだ。

「お!出来た!コボミ、聞きとれる?」

「分かりますよ。」

「やったー!」
ヒナは嬉しくて小躍りしてる。

ヒナはコボミに抱きついて会話し始めた。

「ヒナ、そろそろ狩りもしないとね。行くよ。」
「うん。分かった。」

ヒナと俺とビーはドレイクのリザに乗る。

前にコボミが歩く。
ゴブ1とオク1は後ろからついてくる。

「毎日、大猪エリュマントスの肉ばっかりで飽きちゃった。」
ヒナが話掛けて来た。

「そだね。牛肉とか、鶏肉とかも食べたいね。後は魚介類とか。」

「ご飯も食べたい。」

「うんうん。」
よだれが出てくる。お腹空いたぁ。

「コボミ、鳥を探そう。」
「承知しました。」

アイから念話が届く。
(いた。上。)

「ん!」

上を見る。
雉が飛んでる。

「私が行きます。」
ビーがぶんぶん飛んで雉に向かって行く。

ビーのニードルバレットが雉を撃つ。

落ちてきた雉をビーが空中でキャッチ。

コボミがくんくん、鼻を動かす。
「前方の草むらに鳥の匂い。」
匂い探知かな?


「俺も行くぞ。」
雷獣のライゾウが消える。

速すぎて見えないのね。

レベルアップして更に速くなった。

ライゾウの雷撃の光が一瞬見える。

ライゾウが鳥を口に加えてきた。

「見たこと無い鳥だな。」

朱鷺ときに似ているが、朱鷺ときよりちょっと大きいか。

体長1mで白い体色が綺麗だ。

顔と脚が朱色で、くちばしは真っ直ぐで青銅色。翼の先も青銅色。

ん?くちばしも翼の先端も明らかに鳥の身体では無い。

鉄っぽい固さ。

これで攻撃されたら痛いぞ。
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