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第23話 真実の箍
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冒険者ギルドのギルド長コヤマザ・キビナスの執務室に、受付嬢カマルカと『狂鬼』が訴えに来ていた。
「『草毟り』のソウタを捕まえる依頼をギルドで出してください。我々は奴の従魔に襲われました。従魔を殺処分にして、罰として薬草を採取させましょう。このままでは、回復薬が入荷出来ず。ギルドが衰退します」
「ふむ、儂が聞いた話とちがうのう。錬金術ギルドからは、『狂鬼』がソウタ殿を襲ったと聞いておる」
「な、何を言うのですか? 俺達が嘘をついているとでも言うのですか? それに、ソウタ殿とは?」
『狂鬼』のリーダーである、カイズが必死に弁明しようとする。
「何だ? しらないのか? ソウタ殿が多種多様の特上品質の薬草を、大量に納品してくれる様になったので、ここ数年の都市の景気が良く、低価格で各種薬を買える様になったのだ。商人や錬金術士を始め、彼の恩恵を受けてる者は多い。Dランク冒険者の彼だが街のみんなはソウタ殿って言っとるぞ。彼の恩恵を受けてるのに『草毟り』なんて揶揄してるのは、冒険者ぐらいだ。」
「はぁあああああ?」
驚く『狂鬼』のメンバー達。
「へぇー。そうなんだー」
と小声で呟くカマルカ。
「この問題が解決しない限り、錬金術ギルドから冒険者に回復薬を売らないと言ってきてるぐらいだぞ」
「はぁ? 何故錬金術ギルドが、そこまで……」
「当然だろう。ソウタが冒険者に襲われたと言って、仕事を休んでおる。錬金術ギルドは商売あがったりだ。何とかしたいと考えるのは必然。」
「ギルド長は、俺達無実の冒険者に罪を被せて、錬金術ギルドに売るつもりですかぁ!」
「無実じゃったら、身体を張ってでも守ってやる。しかし、商人ギルドも領主も街の人々もみんなソウタの味方だ。儂もこれ以上庇えぬのだ」
「ど、どうするって言うのですか?」
「何、簡単じゃよ。お主らも真実を明らかにしたいだろう。魔道具『真実の箍』を使用し、公開で真偽を問う事になった」
真実の箍とは、国宝の魔道具で孫悟空が頭につけた輪『緊箍児』と同じ形で、これを頭につけると嘘をつけないと言われている。
「はぁ? こ、国宝の魔道具『真実の箍』を使うって、そんな大袈裟なぁ」
真実が明らかになると困るカイズは焦り始める。
「錬金術ギルドが総力を持って用意する事が出来たらしい、錬金術ギルドからは強盗が明らかになった際は、『狂鬼』の処刑を求められておるが、お前等が正しいのだから問題はあるまい」
「えええええ! 報酬を寄こせって脅しただけで死刑ですかぁ?」
『狂鬼』のカカメが大声をあげるが、他の『狂鬼』のメンバーが慌ててカカメの口を押さえる。
「んご、んぐ……」
「え! どう言う事ぉ! まさか、あんた達、嘘をついてたの?」
カマルカが『狂鬼』を睨む。
「そ、そんな訳無いぜ。俺達が『草毟り』の従魔に襲われたのは本当だ」
冷や汗をかきながら言い繕うカイズ。
「じゃあ、問題無いな。明日公開裁判を行う事になった。朝一でギルドに
来いよ」
「……は、はい」
(逃げないと終わりだ……)
と思う『狂鬼』のメンバー達だった。
「『草毟り』のソウタを捕まえる依頼をギルドで出してください。我々は奴の従魔に襲われました。従魔を殺処分にして、罰として薬草を採取させましょう。このままでは、回復薬が入荷出来ず。ギルドが衰退します」
「ふむ、儂が聞いた話とちがうのう。錬金術ギルドからは、『狂鬼』がソウタ殿を襲ったと聞いておる」
「な、何を言うのですか? 俺達が嘘をついているとでも言うのですか? それに、ソウタ殿とは?」
『狂鬼』のリーダーである、カイズが必死に弁明しようとする。
「何だ? しらないのか? ソウタ殿が多種多様の特上品質の薬草を、大量に納品してくれる様になったので、ここ数年の都市の景気が良く、低価格で各種薬を買える様になったのだ。商人や錬金術士を始め、彼の恩恵を受けてる者は多い。Dランク冒険者の彼だが街のみんなはソウタ殿って言っとるぞ。彼の恩恵を受けてるのに『草毟り』なんて揶揄してるのは、冒険者ぐらいだ。」
「はぁあああああ?」
驚く『狂鬼』のメンバー達。
「へぇー。そうなんだー」
と小声で呟くカマルカ。
「この問題が解決しない限り、錬金術ギルドから冒険者に回復薬を売らないと言ってきてるぐらいだぞ」
「はぁ? 何故錬金術ギルドが、そこまで……」
「当然だろう。ソウタが冒険者に襲われたと言って、仕事を休んでおる。錬金術ギルドは商売あがったりだ。何とかしたいと考えるのは必然。」
「ギルド長は、俺達無実の冒険者に罪を被せて、錬金術ギルドに売るつもりですかぁ!」
「無実じゃったら、身体を張ってでも守ってやる。しかし、商人ギルドも領主も街の人々もみんなソウタの味方だ。儂もこれ以上庇えぬのだ」
「ど、どうするって言うのですか?」
「何、簡単じゃよ。お主らも真実を明らかにしたいだろう。魔道具『真実の箍』を使用し、公開で真偽を問う事になった」
真実の箍とは、国宝の魔道具で孫悟空が頭につけた輪『緊箍児』と同じ形で、これを頭につけると嘘をつけないと言われている。
「はぁ? こ、国宝の魔道具『真実の箍』を使うって、そんな大袈裟なぁ」
真実が明らかになると困るカイズは焦り始める。
「錬金術ギルドが総力を持って用意する事が出来たらしい、錬金術ギルドからは強盗が明らかになった際は、『狂鬼』の処刑を求められておるが、お前等が正しいのだから問題はあるまい」
「えええええ! 報酬を寄こせって脅しただけで死刑ですかぁ?」
『狂鬼』のカカメが大声をあげるが、他の『狂鬼』のメンバーが慌ててカカメの口を押さえる。
「んご、んぐ……」
「え! どう言う事ぉ! まさか、あんた達、嘘をついてたの?」
カマルカが『狂鬼』を睨む。
「そ、そんな訳無いぜ。俺達が『草毟り』の従魔に襲われたのは本当だ」
冷や汗をかきながら言い繕うカイズ。
「じゃあ、問題無いな。明日公開裁判を行う事になった。朝一でギルドに
来いよ」
「……は、はい」
(逃げないと終わりだ……)
と思う『狂鬼』のメンバー達だった。
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