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第46話 ヤコイケ村
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その後、ヤコイケ村は正式にソウタの領地になった。それと同時にソウタとナナミ、雷獣のリャンゾウ、ドリアードのクロリスがヤコイケ村に入った。
ナナミは両親とちょくちょく会ってた様で、感動の再会とまではいかなかったが、それなりに仲が良さそうにしているのを、ソウタは横目で見て、母のお墓参りをした。
村一つなら元々村長がいるので、特に管理の必要も無く好きに遣れるし、村人も顔馴染みなので、特に緊張せず暮らせる事から、ヤコイケ村を選択したソウタであった。
ソウタはヤコイケ村の村民の、現在の生活を変えるつもりは無かったので、村の外れに屋敷を構え、村の外に薬草の畑を作った。
この世界では、一般的に薬草の畑を作る事は出来ないと言われていた。
人間が種から育てると上手く育たないからだ。しかし、木の精霊であるドリアードのクロリスの力で、畑を作る事に成功した。
俺とナナミが根ごと採取した薬草を畑に植えた後、クロリスに魔法で増やして貰った。
「こんな感じで良いのでしょうか?」
クロリスは何の気負いも無く、淡々と魔法を発動し、薬草を畑に増やした。
「凄い! 薬草をこんなに簡単に増やせるなんて!!」
驚くナナミ。
「クロリスのお陰だね。普通は薬草は増やせないらしいよ。後はナナミが豊穣の杖を使って育てるんだ」
クロリスはにっこり微笑み、ナナミは頷く。
「分かった。頑張ってみる」
そして、刈り取った後の薬草に、ナナミが豊穣の杖の力であっと言う間に薬草が育つ。しかも、育てる種を特定出来る事から、雑草よりも良く育ち、近くに雑草が有っても雑草を押し退けて茂るのだ。
ソウタがナナミを薬草の畑の管理者にしたのには訳がある。ナナミには薬師のスキルがあるからだ。
薬師は薬を作る際補正が入り、作成する薬の品質等をあげるスキルだ。薬を作成すると言うと調合に考えが行きがちだが、広い意味で薬草を育てる事も、薬を作成する工程の一つでないかと考えたからだ。
この考えは正しかった。ナナミが育てると薬草は良く育つのだ。
ソウタが薬草を栽培している事を村人達には教えているが、村の外には厳重に秘匿する様に周知している。
従って、村の中では公然の秘密にしている薬草の畑は、村人達からも注目されていた。
初めはナナミの両親や、錬金術師のボンブルが手伝ってくれたが、畑が大きくなると人手が足りなくなって来た。
そこで、村民の長男以外の者を薬草の畑で雇う事にしたが、村の外は広大な荒れ地が広がっていたので、調子に乗って畑を広げ過ぎたみたいで、まだまだ人手が足りない。
「どうしよう? 募集して知らない人がいっぱい来るのもいやだしなぁ」
とソウタがナナミに相談すると。
「そうねぇ。ソウタは人見知りだから、知らないおじさんとかおばさんと話しが出来ないもんね」
(人見知りっつうか、コミュ症なんだよなぁ)
「人の募集か? そう言えば、村にも教会が出来ただろ。孤児院も併設しててな。『孤児達が村で何かお手伝い出来ませんか?』って言ってたぞ」
とソウタとナナミの会話を聞いていたナナミのお父さんが言う。
「教会かぁ。なんかそんな話も聴いた憶えがあるぞ。テンダイジモン教のライゴー大司教のところだな」
ナナミは両親とちょくちょく会ってた様で、感動の再会とまではいかなかったが、それなりに仲が良さそうにしているのを、ソウタは横目で見て、母のお墓参りをした。
村一つなら元々村長がいるので、特に管理の必要も無く好きに遣れるし、村人も顔馴染みなので、特に緊張せず暮らせる事から、ヤコイケ村を選択したソウタであった。
ソウタはヤコイケ村の村民の、現在の生活を変えるつもりは無かったので、村の外れに屋敷を構え、村の外に薬草の畑を作った。
この世界では、一般的に薬草の畑を作る事は出来ないと言われていた。
人間が種から育てると上手く育たないからだ。しかし、木の精霊であるドリアードのクロリスの力で、畑を作る事に成功した。
俺とナナミが根ごと採取した薬草を畑に植えた後、クロリスに魔法で増やして貰った。
「こんな感じで良いのでしょうか?」
クロリスは何の気負いも無く、淡々と魔法を発動し、薬草を畑に増やした。
「凄い! 薬草をこんなに簡単に増やせるなんて!!」
驚くナナミ。
「クロリスのお陰だね。普通は薬草は増やせないらしいよ。後はナナミが豊穣の杖を使って育てるんだ」
クロリスはにっこり微笑み、ナナミは頷く。
「分かった。頑張ってみる」
そして、刈り取った後の薬草に、ナナミが豊穣の杖の力であっと言う間に薬草が育つ。しかも、育てる種を特定出来る事から、雑草よりも良く育ち、近くに雑草が有っても雑草を押し退けて茂るのだ。
ソウタがナナミを薬草の畑の管理者にしたのには訳がある。ナナミには薬師のスキルがあるからだ。
薬師は薬を作る際補正が入り、作成する薬の品質等をあげるスキルだ。薬を作成すると言うと調合に考えが行きがちだが、広い意味で薬草を育てる事も、薬を作成する工程の一つでないかと考えたからだ。
この考えは正しかった。ナナミが育てると薬草は良く育つのだ。
ソウタが薬草を栽培している事を村人達には教えているが、村の外には厳重に秘匿する様に周知している。
従って、村の中では公然の秘密にしている薬草の畑は、村人達からも注目されていた。
初めはナナミの両親や、錬金術師のボンブルが手伝ってくれたが、畑が大きくなると人手が足りなくなって来た。
そこで、村民の長男以外の者を薬草の畑で雇う事にしたが、村の外は広大な荒れ地が広がっていたので、調子に乗って畑を広げ過ぎたみたいで、まだまだ人手が足りない。
「どうしよう? 募集して知らない人がいっぱい来るのもいやだしなぁ」
とソウタがナナミに相談すると。
「そうねぇ。ソウタは人見知りだから、知らないおじさんとかおばさんと話しが出来ないもんね」
(人見知りっつうか、コミュ症なんだよなぁ)
「人の募集か? そう言えば、村にも教会が出来ただろ。孤児院も併設しててな。『孤児達が村で何かお手伝い出来ませんか?』って言ってたぞ」
とソウタとナナミの会話を聞いていたナナミのお父さんが言う。
「教会かぁ。なんかそんな話も聴いた憶えがあるぞ。テンダイジモン教のライゴー大司教のところだな」
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