邪悪な勇者と神槍の英雄

ボルトコボルト

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第32話 ギルドマスタートロイ

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「何やってんだぁあああああああ!」
冒険者ギルドに響き渡る大声。

ハルトは声を無視して冒険者の足を折る。

バギッ!

「おい、お前何してる?」

バギッ!

倒れている冒険者達は泣いて謝っているが、ハルトは許さない。

バギッ!

「おいおい、俺は冒険者ギルドのギルドマスターのトロイだぁ!」

トロイのフルネームはトロイ・ヤルホスだ。

バギッ!

「ちょ、ちょっと止めろ!」

バギッ!

トロイはハルトの肩を押さえようとしたが、ハルトはスルリと躱して、次の冒険者の足を折る。

バギッ!

「邪魔はしないで貰えないかな? ギルド内でも、冒険者同士の争いをギルドは関知しないって、クスカさんに聞てますよ」

話ながら3人の冒険者の足を折っていたハルト

バギッ!

「いや、ギルド内での暴力は罰則がある」

バギッ!

全員の足を折り終わり、ハルトはトロイを見た。

「俺が襲われそうになった時は、関知しないって聞いたけど、俺が骨を折ると罰則? おかしく無いですか?」

「クスカぁ! どう言う事だ!」

「え! いえ、……そのぉ」

「確かにクスカはそう言ったし、そこの冒険者も同じ事を言って、ハルトに襲い掛かったわね」

スヴィがトロイに説明した。

「スヴィ! Aランクのお前がいて、この惨事を止められなかったのか?」

「止める暇も無く、一瞬でみんな倒されたわ。私でも適わないでしょうね」

「え? お前、何者だ!」

「今日冒険者登録したハルトです。クスカさんに一言確認して、ギルド内で冒険者同士が争っても、ギルドは関知しないと言質をとってますし、この男から襲われる際、勝った方が正しいと聞いていますから、何も言われる覚えが無いですけどね」

「いや、ギルド内で暴力を振るったら罰則だし、この壊れたギルド内の壁や家具の弁償はして貰う」

「罰則なら始めにそう言ってください。始めは違う事を言ったのですから、明らかにギルドの手落ちです。
弁償も断ります。勝った方が正義なので、負けた此奴らに請求してください。そもそも先に手を出して来たのも此奴らですからね」

「むむ、状況を確認したい、ちょっと俺の執務室に来てくれ」

「お断ります。状況は部下の職員に確認してください。依頼帰りで疲れているから帰ります」

「うぅ、明日で良いから説明しろぉ!朝いちで、ここに来い!」

「お断りします」

「ギルドマスターの命令に従わないのかぁ?」

「冒険者はギルドマスターの部下では無いですよね? 何で命令されるのですか? 今朝貰ったこの説明書にもそんな事一言も書いて無いですけど?」

「むむ……」

「今日登録したばっかりなので、教えて欲しいのですが、ギルドと冒険者は対等の関係で、依頼を受注した時に契約が成立するって書いてますよね? これって嘘ですか?」
(給料を貰ってる訳じゃ無いし、上司と部下なんてあり得ない)

ハルトは説明書をトロイに見せる。

「言う事聞かないと冒険者証を取り消すぞぉ!」

「あれ? 冒険者証の取り消しはここに書いている事があった場合のみって書いてますよ。ギルドマスターの言う事を聞かない時に、取り消す事があるなら、そう事前に言うべきでは無いですか? ギルドマスターがルールを守らないでどうするのですか? 本当に貴方はギルドマスターですか? ギルドマスターならその証拠を見せてください!」

「ええい! 煩い。ギルドマスターに証拠など無い!」

「え? 無い? 本当ですか? 辞令とかないのですか? そうじゃないと、『ギルドマスターだ!』って嘘をついた人の命令は聞かないとダメになりますよ」

「むむむむ……」

「俺は信じられないなぁ。このギルドが発行した説明書に載っていない嘘を、平気で言う人がマスターなんてあり得ない!」

「ぐぬぬぬぬ」

「俺は認めませんからね。自分の事をギルドマスターだって言うだけの人には、従う気は無いので帰ります」

「小僧! 馬鹿にするなぁ!」

トロイは振り返ったハルトの後頭部を殴ろうと、パンチを繰り出した。

ハルトは振り返りざまにゲイ・ボルグの穂先を、トロイの首に突き付けた。

「んごっ」
パンチを止めて、唾を飲み込むトロイ。背中に冷や汗が流れる。

「ギルド内の暴力は罰則じゃ無かったのですか? 自らをマスターと名乗る人はルールを守るべきではありませんか? 本当に貴方はマスターですか? もし本当にそうなら辞めた方が良いですね。貴方には務まりません」

「くっ……」

ハルトの左肩にキュウが降りてきて、ハルトは冒険者ギルドを出た。
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