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第3章 恋愛フラグの破壊と成立
目が離せない女
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綾小路と別れてから、俺は裏庭に向かった。
鬼塚を探して。
「鬼塚ぁー!」
「ウルセェ!」
人気のない裏庭で名前を叫ぶと、すぐに返事が返ってきた。
しかし、姿は現さない。
伝説の生き物か何かかよ。
「鬼塚! どこだ!」
「昼寝してんだ! 邪魔すんな!」
声は上から聞こえてくる。
また木登りして寝てるのだろうか。
木の上で寝るのって、危なくないか?
上を向きながら、しばらくキョロキョロする。
緑の葉っぱに、赤髪が映えている木があった。
「よし……!」
俺はその木に指をかけ、足をかけ、登っていく。
木登りなんて小学生以来だから、勘を取り戻すのに時間がかかった。
「おい、何してんだ!」
動揺する鬼塚の声が降ってくるが、こっちは木を登るのに精一杯だ。
慣れないスカートと久しぶりの木登りで息を切らしながらも、なんとか鬼塚の元へ辿り着く。
「鬼塚!」
「女がスカートで木登りすんな!」
「うるせぇなぁ」
誰にも見られてないんだから大丈夫だろ。
「細かいこと気にすんなって、禿げるぞ」
「細かくねぇよ……」
呆れ顔の鬼塚に、俺は本題を切り出した。
「……綾小路の家の事情、お前は知ってたのか? 好きでもないおっさんと結婚させられるってやつ」
「……お前も聞いたのか」
鬼塚は座っていた太い木の枝から少しだけズレて、俺が座れるスペースを開けてくれた。
ありがたく、そこに移動させてもらう。
「……知ってる。ガキの頃から、なんとなく聞かされてた。その頃、俺たちにはどういう意味かよく分かっていなかったし、分かった頃には、どうしようもできなかった」
「…………」
そりゃそうだ。
許嫁だとか、結婚だとか、小学生が聞いても理解できるはずもない。
年齢を重ね、中学生になって意味が理解できるようになったとき、伊集院のお母さんが亡くなって、三人はバラバラになった。
すべてにおいて、タイミングが悪すぎる。
黙っている俺を見て、鬼塚はどう思ったのか、眉をしかめた。
「そんな顔しても、仕方ねぇだろ」
「でも……!」
「……俺たちじゃ──高校生じゃ、何もできねぇ」
高校生になっても、所詮は子供。
俺じゃ何もできない。
それはそうだ。
きっとそれは、鬼塚のほうが正しいことを言っている。
でも、俺は、できるとかできないとかじゃなくて、正しいとか間違ってるとかじゃなくて。
綾小路のためにやれることをしたい。
「伊集院にも、聞いてみる!」
「あ、おい、待てって!」
鬼塚の制止を振り払って、俺は生徒会室を目指した。
「たのもぉー!」
「道場破りか」
生徒会室のドアを、勢いよく開ける。
相変わらずひとりぼっちで、伊集院が事務作業をこなしていた。
伊集院の冷たい視線を無視して、ズケズケと彼に近づく。
「伊集院! 綾小路の結婚を止めたい! どうしたらいい!」
ばん、と彼の机を叩く。
伊集院は目をパチクリさせてから、ため息をついた。
「……馬鹿なのか?」
「馬鹿じゃない! 俺は本気だ!」
「俺には無理、お前にもな」
スパッと。
切れ味のいい刃物みたいに、一刀両断された。
「……なんでだよ! やってみなきゃ……!」
「やってみなくても分かる。歴然とした『身分差』があるだろ」
身分差。
鬼塚が伊集院のお母さんの葬式に行けなかった、原因の一つ。
それを肌で感じている伊集院にとって、俺は何も知らない平和ボケした庶民に見えるんだろう。
言われてみればそうだ。
お金持ちの結婚を阻止する、なんて、ただの一般階級の女子高生に到底できっこない。
「……分かってる」
「なら……」
「できっこないって分かってるから、お前らに聞いて回ってるんだ!」
できないと決めつけるのは簡単だ。
でも、やれることがあるかもしれない、その方法を探すのはまた別の話だ。
伊集院も鬼塚も、綾小路の結婚に対して思うところはあるような素振りだった。
どうしようもない、何もできない事実に対して、多少の歯痒さは感じているはずだ。
脳裏に、冷たい春風に吹かれながらも楽しそうに弁当を頬張る綾小路の笑顔がよぎる。
あんなに可愛くて優しい女の子が、幸せになれないなんて、絶対におかしい。
子供、身分差。
綾小路を助けるための壁は高い。
でも──
「年齢も身分差も知ったこっちゃない! 俺は今から、綾小路のお見合いをぶっ壊しにいく!」
「おい、早乙女……!」
伊集院に啖呵を切って、俺は生徒会室を駆け出した。
目指すは都内の高級料亭。
なんの作戦も考えていないが、とにかく、行ってみなければ始まらない。
俺に何ができるのか、何をしてあげられるのか。
うだうだ頭を悩ませるより、まずは行動あるのみ!
好きな子が困ってんだ!
男見せろよ、早乙女乙女!
***
「今からって……」
生徒会室のドアを開けっ放しにして、飛び出した早乙女に、伊集院はしばらく呆気に取られていた。
「無茶苦茶だな、あいつは」
伊集院の口元に、思わず笑みが溢れる。
「そんなんだから、目が離せねぇんだよな」
「鬼塚……」
扉の影から現れた鬼塚に、伊集院は驚くでもなく、その意見に賛同した。
「あぁ、ほんとに……。放って置けないな」
「だな」
早乙女の後を追って、二人は肩を並べて駆け出した。
かつて仲が良かった頃のように。
***
「こんなところで、お見合いすんのかよ……」
デカすぎる。
中庭付き和風の高級料亭を前に、俺は少しビビっていた。
料亭というか、もはや旅館だ。
漆喰の塀と瓦屋根であしらわれた入り口に、暖簾がかかっている。
あそこを潜るには、年収がいくらいるんだろうか。
暖簾の向こう側をしゃがんで覗き込む。
すぐに店内、というわけではなく、飛び石を渡って庭園を少し歩いてから、料亭があるようだ。
暖簾の付いた入り口は、あくまで、アーチや仕切りの役割に過ぎないらしい。
時刻は綾小路が言っていたお見合いの時間、三時をとうに回っている。
すでにこの料亭のどこかに綾小路がいるはずだ。
店の人に見つからないように、俺は息を殺して暖簾をくぐった。
飛び石に従って真っ直ぐ進めば、すぐ料亭っぽい建物がある。
左側は庭園になっていて、鯉が泳ぐ池や低木、さまざまな種類の木々など、正に『和』の庭だった。
自然が多い分、身を隠しやすくて助かる。
加えて、低身長の俺は、しゃがんでしまえばどこの草陰にも隠れることができた。
早く、綾小路がいる部屋を探さなければ……!
急がなければ、綾小路のお見合いが終わってしまうかもしれない。
彼女の未来が、不幸が、決まってしまうかもしれない。
俺は焦っていた。
だから、気づかなかったんだ。
──隠密行動を徹底している俺の背後に、人影がいることに。
鬼塚を探して。
「鬼塚ぁー!」
「ウルセェ!」
人気のない裏庭で名前を叫ぶと、すぐに返事が返ってきた。
しかし、姿は現さない。
伝説の生き物か何かかよ。
「鬼塚! どこだ!」
「昼寝してんだ! 邪魔すんな!」
声は上から聞こえてくる。
また木登りして寝てるのだろうか。
木の上で寝るのって、危なくないか?
上を向きながら、しばらくキョロキョロする。
緑の葉っぱに、赤髪が映えている木があった。
「よし……!」
俺はその木に指をかけ、足をかけ、登っていく。
木登りなんて小学生以来だから、勘を取り戻すのに時間がかかった。
「おい、何してんだ!」
動揺する鬼塚の声が降ってくるが、こっちは木を登るのに精一杯だ。
慣れないスカートと久しぶりの木登りで息を切らしながらも、なんとか鬼塚の元へ辿り着く。
「鬼塚!」
「女がスカートで木登りすんな!」
「うるせぇなぁ」
誰にも見られてないんだから大丈夫だろ。
「細かいこと気にすんなって、禿げるぞ」
「細かくねぇよ……」
呆れ顔の鬼塚に、俺は本題を切り出した。
「……綾小路の家の事情、お前は知ってたのか? 好きでもないおっさんと結婚させられるってやつ」
「……お前も聞いたのか」
鬼塚は座っていた太い木の枝から少しだけズレて、俺が座れるスペースを開けてくれた。
ありがたく、そこに移動させてもらう。
「……知ってる。ガキの頃から、なんとなく聞かされてた。その頃、俺たちにはどういう意味かよく分かっていなかったし、分かった頃には、どうしようもできなかった」
「…………」
そりゃそうだ。
許嫁だとか、結婚だとか、小学生が聞いても理解できるはずもない。
年齢を重ね、中学生になって意味が理解できるようになったとき、伊集院のお母さんが亡くなって、三人はバラバラになった。
すべてにおいて、タイミングが悪すぎる。
黙っている俺を見て、鬼塚はどう思ったのか、眉をしかめた。
「そんな顔しても、仕方ねぇだろ」
「でも……!」
「……俺たちじゃ──高校生じゃ、何もできねぇ」
高校生になっても、所詮は子供。
俺じゃ何もできない。
それはそうだ。
きっとそれは、鬼塚のほうが正しいことを言っている。
でも、俺は、できるとかできないとかじゃなくて、正しいとか間違ってるとかじゃなくて。
綾小路のためにやれることをしたい。
「伊集院にも、聞いてみる!」
「あ、おい、待てって!」
鬼塚の制止を振り払って、俺は生徒会室を目指した。
「たのもぉー!」
「道場破りか」
生徒会室のドアを、勢いよく開ける。
相変わらずひとりぼっちで、伊集院が事務作業をこなしていた。
伊集院の冷たい視線を無視して、ズケズケと彼に近づく。
「伊集院! 綾小路の結婚を止めたい! どうしたらいい!」
ばん、と彼の机を叩く。
伊集院は目をパチクリさせてから、ため息をついた。
「……馬鹿なのか?」
「馬鹿じゃない! 俺は本気だ!」
「俺には無理、お前にもな」
スパッと。
切れ味のいい刃物みたいに、一刀両断された。
「……なんでだよ! やってみなきゃ……!」
「やってみなくても分かる。歴然とした『身分差』があるだろ」
身分差。
鬼塚が伊集院のお母さんの葬式に行けなかった、原因の一つ。
それを肌で感じている伊集院にとって、俺は何も知らない平和ボケした庶民に見えるんだろう。
言われてみればそうだ。
お金持ちの結婚を阻止する、なんて、ただの一般階級の女子高生に到底できっこない。
「……分かってる」
「なら……」
「できっこないって分かってるから、お前らに聞いて回ってるんだ!」
できないと決めつけるのは簡単だ。
でも、やれることがあるかもしれない、その方法を探すのはまた別の話だ。
伊集院も鬼塚も、綾小路の結婚に対して思うところはあるような素振りだった。
どうしようもない、何もできない事実に対して、多少の歯痒さは感じているはずだ。
脳裏に、冷たい春風に吹かれながらも楽しそうに弁当を頬張る綾小路の笑顔がよぎる。
あんなに可愛くて優しい女の子が、幸せになれないなんて、絶対におかしい。
子供、身分差。
綾小路を助けるための壁は高い。
でも──
「年齢も身分差も知ったこっちゃない! 俺は今から、綾小路のお見合いをぶっ壊しにいく!」
「おい、早乙女……!」
伊集院に啖呵を切って、俺は生徒会室を駆け出した。
目指すは都内の高級料亭。
なんの作戦も考えていないが、とにかく、行ってみなければ始まらない。
俺に何ができるのか、何をしてあげられるのか。
うだうだ頭を悩ませるより、まずは行動あるのみ!
好きな子が困ってんだ!
男見せろよ、早乙女乙女!
***
「今からって……」
生徒会室のドアを開けっ放しにして、飛び出した早乙女に、伊集院はしばらく呆気に取られていた。
「無茶苦茶だな、あいつは」
伊集院の口元に、思わず笑みが溢れる。
「そんなんだから、目が離せねぇんだよな」
「鬼塚……」
扉の影から現れた鬼塚に、伊集院は驚くでもなく、その意見に賛同した。
「あぁ、ほんとに……。放って置けないな」
「だな」
早乙女の後を追って、二人は肩を並べて駆け出した。
かつて仲が良かった頃のように。
***
「こんなところで、お見合いすんのかよ……」
デカすぎる。
中庭付き和風の高級料亭を前に、俺は少しビビっていた。
料亭というか、もはや旅館だ。
漆喰の塀と瓦屋根であしらわれた入り口に、暖簾がかかっている。
あそこを潜るには、年収がいくらいるんだろうか。
暖簾の向こう側をしゃがんで覗き込む。
すぐに店内、というわけではなく、飛び石を渡って庭園を少し歩いてから、料亭があるようだ。
暖簾の付いた入り口は、あくまで、アーチや仕切りの役割に過ぎないらしい。
時刻は綾小路が言っていたお見合いの時間、三時をとうに回っている。
すでにこの料亭のどこかに綾小路がいるはずだ。
店の人に見つからないように、俺は息を殺して暖簾をくぐった。
飛び石に従って真っ直ぐ進めば、すぐ料亭っぽい建物がある。
左側は庭園になっていて、鯉が泳ぐ池や低木、さまざまな種類の木々など、正に『和』の庭だった。
自然が多い分、身を隠しやすくて助かる。
加えて、低身長の俺は、しゃがんでしまえばどこの草陰にも隠れることができた。
早く、綾小路がいる部屋を探さなければ……!
急がなければ、綾小路のお見合いが終わってしまうかもしれない。
彼女の未来が、不幸が、決まってしまうかもしれない。
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