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5月の出来事。
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規則正しい生活をしたって、5月は眠たい。
本を読んでも、勉強をしても、スマホを触ってもやっぱり眠たい。
食、睡眠、性この3つには抗えない。
生徒会室で、私は机に突っ伏して5月の睡魔にずるずると引き込まれた。
アラームの音がする。冷えた床を踏み台所へ向かう。一人で食べる朝食、気怠い朝。
冷たい水で徐々に覚醒する身体。誰か私を揺すり起こしてくる、くすぐったくて知らない感触。
混沌とした意識の中で夢ではないリアルな感触を拾った。身体に小さな電流が流れて体全体を起こし始める。私は少し呻いて目を開けた。
「おはよう。佐伯。」
私の肩を揺すっていたらしい茅野君はゆるりと笑った。僅かにしか覚醒していない身体が温まり始める。圧縮された青春の空気がぐっと私に迫ってくる。それだけじゃない、寝起きにおはようなんて、何年ぶりに言われたんだろう。
「お茶飲んで、目覚まして。」
茅野君は寝起きの私にそう言って、お茶を淹れた。
「ありがと」
少し掠れた声が、まるで他人のもののように生徒会室に落ちた。自分は起きたばかりの時こんな声をしていたのか。起き抜けに誰かが淹れてくれたお茶はこんなに穏やかな味がするのか。纏まらない頭が、ずっと知らなかった、あるいは忘れていた感覚を感動として拾ってくる。目が徐々に開いてくるのを感じた。
「おはよ。佐伯。」
茅野君は起き抜けの私の目を見て言った。
「おはよう、茅野君」
2人で何となく間を持て余したように笑った。
本を読んでも、勉強をしても、スマホを触ってもやっぱり眠たい。
食、睡眠、性この3つには抗えない。
生徒会室で、私は机に突っ伏して5月の睡魔にずるずると引き込まれた。
アラームの音がする。冷えた床を踏み台所へ向かう。一人で食べる朝食、気怠い朝。
冷たい水で徐々に覚醒する身体。誰か私を揺すり起こしてくる、くすぐったくて知らない感触。
混沌とした意識の中で夢ではないリアルな感触を拾った。身体に小さな電流が流れて体全体を起こし始める。私は少し呻いて目を開けた。
「おはよう。佐伯。」
私の肩を揺すっていたらしい茅野君はゆるりと笑った。僅かにしか覚醒していない身体が温まり始める。圧縮された青春の空気がぐっと私に迫ってくる。それだけじゃない、寝起きにおはようなんて、何年ぶりに言われたんだろう。
「お茶飲んで、目覚まして。」
茅野君は寝起きの私にそう言って、お茶を淹れた。
「ありがと」
少し掠れた声が、まるで他人のもののように生徒会室に落ちた。自分は起きたばかりの時こんな声をしていたのか。起き抜けに誰かが淹れてくれたお茶はこんなに穏やかな味がするのか。纏まらない頭が、ずっと知らなかった、あるいは忘れていた感覚を感動として拾ってくる。目が徐々に開いてくるのを感じた。
「おはよ。佐伯。」
茅野君は起き抜けの私の目を見て言った。
「おはよう、茅野君」
2人で何となく間を持て余したように笑った。
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