ルビーの帰る場所［完結］

17

台所でアールが調理をしている。
コンロが３つもあるがアールは全部使って鍋やフライパンに材料を入れて行った。
零は持ってきた大きなリュックから薬草を次々に床にある紙の上に置いていく。
ルビーは零の薬草の分け方に違和感があった。

「どんな風に分てるの？」
「ん？先に乾燥させてるものと瓶に詰めて保存するものとに分けてるよ。」
ルビーは零に言った。
「乾燥させるのはこれとこれとこれ。瓶に保存するのはこれと…あとこれ。それ、毒が微量だけども入ってるから一回毒抜きしないと薬草の効果の効き目が遅くなるよ。」
零は目を大きく開いたが皺を濃くして笑った。
「やっぱり過去の記憶は思い出せなくとも身体で覚えた知識は忘れないもんだね。」
零にそう言われてルビーも驚いたが少し嬉しくなった。
自分が自分であること。自分のことを知れること。
ルビーは零と楽しそうにしているとアールが沢山の料理をテーブルの上に並べていった。
「ご飯ですよ！」