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1章 無知な子供と博識な子供
09.桐野先生の異世界講座
しおりを挟む衝撃的な異世界体験の第一歩。
測定から戻った澤田をクラスメイト達が囲み賞賛と尊敬と、一部の嫉妬で秤の間は満ちていた。
さて、と……。
赤、紫、緑、黄、橙の色の違いは理解してもらえたと思うが…
白や黒は一体?なぜ王女は説明しなかった?なぜ白の水晶が光ると王女は崩れ落ちた?
それをこの桐野先生がお教えしよう!
………黙るな、そこ。
まず、白の水晶は「聖なる気」を感知する。
そこに手をかざして少しでも光れば「勇者、英雄」の資格があるとみなされる。
反対に黒の水晶は「邪な気」を感知し、
「魔族側、その幹部」の疑いが持たれる。
ま、本当に幹部であればその光を見せない様にする方法もあるんだが……いや、何でもない。
説明をしてしまうと、この様に偽装されてしまう可能性があり、王国としては困るわけ。
だから王女は何も言わなかった。
だから澤田に歓喜した。
まぁイケメン生徒会長様が勇者なんてよくありがちな話だもんな、地球のらいとのべる?でも沢山読んだおぼえがある。
「炯君炯君、君で最後みたいだよ。」
「…ん、トモ。そうか、わりぃ。」
ちょっとぼーっとしてたらこれだ、さて俺も測定とやらをしてくるか!
……………………もうわかってんだけどな。
………ここでなら魔法も…
ん?あ、いや、な、なんでもない…ぞ。
俺は魔法使いだしな。
宣言通り紫の水晶を“光らせる”。
もちろん白黒の水晶は光らない。
「さて、勇者候補者の皆様の測定が終わりました。
明日からは練習用武器を支給し、訓練を開始します。
今日は皆様、ゆっくりとおくつろぎください。それではお部屋にご案内致しますね。」
そんな王女の一言で秤の間は閉じられた。
さて、明日から訓練か!皆の力がどんなものか気になるな…
でも、今は、とりあえず休む!!
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