新夢十夜

赤松帝

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第八夜

もののけ姫

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這々の態でようやく向こう岸に辿り着くと、寄り道する事なく、目的の家を訪ねた。
私は用事を済ませると、家の主人に先程の事の顛末を話して聞かせた。

「また出ましたか。」
主人はさほど驚きもせずに答えた。

「またとは?よく出るのですかあの女は?」
むしろ私の方が驚いて聞き返す。

「女の姿をしておりますが、あれは人間では無いのですよ。」

「なんですって!?」

「いつだったか悪い猟師がいましてね。駆除した鹿を橋の中腹辺りから谷へ投げ捨てておったのですよ。結局、男は捕まって、廃棄されていた鹿の死骸も葬られたのですが・・・おそらく発見されなかった雌鹿でもおったのでしょうな。貴方の様にかどわかされる人が後を立たんのです。いやいやご無事でなによりでした。」
主人は本当とも嘘とも分からぬ恐ろしい話を語って聴かせてくれた。


さてさて、今度は私が途方に暮れた。
誰か向こう岸まで一緒に吊り橋を渡ってはくれまいか?



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