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第四十六話 合格発表

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試験も終わって宿に帰る途中のこと……
1人の男が話しかけてきた。

「あの……ケインさんですよね。四天王を倒したっていう」
話しかけてきたのはなんとあの黒髪チビだった。

「あ、まぁ一応そうです」

なんだ?またからかうつもりか?
と思ったら次の瞬間意外な行動に出る。

「この前は、数々の無礼を働き誠に申し訳ありませんでした」

と言って頭を下げてきた。

「え、いやなんで!?」

「四天王を倒した英雄にあのような無礼な態度……処刑を受ける覚悟はあります」

「いや、する気も無いし出来ないし、大体何でここにいるの?」

「実は恥ずかしながら去年の試験で落ちてしまって……1年間浪人しておりました」

そういえばエネマがそんなこと言ってたな……

「今年こそと思って入試を頑張っていたのですが……ケインさんの素晴らしい剣技に心惹かれてしまいました」

「それに、ケインさんは私のような下級貴族等既にものともしないくらいの権力はあるかと……」

「え、なんで!?」

「四天王を倒せる人はこの国でも成長した勇者様か、雷神オルトメキナ様、そして、炎帝エルファトクレス様だけかと思われていました。しかし、そこでケイン様が四天王を倒されたとの報告がありました。現在この国は四天王に対抗できる者が4人。今は拮抗した戦力を保っていますが、国からしたら1人でも裏切られたら一気に形勢逆転してしまいます。ですので、多少のわがままは聞き入れてもらえるかと……」

人1人殺すのは多少のことではないと思うが……

「許し難いことではあるでしょうが……何卒家族だけは……」

重い重い

「だから、特に君をどうする気も無いよ」

「ほ、本当ですか!」

「うん」

「ありがとうございます!私は貴方様に大切な事を教えてもらいました。人はスキル適性値では無い……」

そうだね。改心したなら嫌味言うのはやめてあげようかな?

「人はオリジナルスキルって事ですね!」

なんか違う気がする。
と言うか全部違う気がする。

「もう勝手にすれば?そういえば君の名前は?」

「私は男爵家三男のガルド・コースターです。よろしければ部下にしていただけないでしょうか」

「それはダメ」

露骨に残念そうな顔をされたが絶対拒否だ。


………………………………………
…………………
………
3日後……
僕とガルドは試験結果発表の場に来ていた。

「えーと………あ、ありました!俺の名前ありましたよ!」

この2日で王都を案内してもらって、すっかり慣れたため、1人称も私から俺に変わった模様。
去年落ちたのもあってか、ガルドは随分はしゃいでいた。

「そう、良かったね………あっ!僕のもあった!良かった~………ん横になんか書いてあるな?あれは……」

「ちょ、ケインさん主席じゃないですか!おめでとうございます。たしか今年は勇者様も受けられてるんですよね?それなのに首席なんて凄すぎますよ!」

「ええええええ!!!マジか!」

「マジです」

嬉しいな……そっか僕が首席か……

「て事は……ケインさんが新入生代表の挨拶をするんですかね?」

あっ、最悪だ………





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