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#02 決闘⇒任命
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「はぁ――!!」
「っせい!!」
木剣がぶつかり合う音が中庭に響く。小柄ながら力強い剣筋に合わせるように私も木剣を振るう。エルフィオーレ殿下の得意とするのは槍、木剣でも同じように刺突で仕留めようと踏み込んでくる。直線的な攻撃は回避に専念し、湾曲する攻撃には自らの攻撃を合わせていく。ひらりと舞う銀髪に目を奪われそうになるが、それをぐっと抑え込んでいるうちに、殿下の剣筋が次第に見えてくる。
殿下が斜めに振り下ろす一撃を回避し胴を横薙ぎにするように木剣を振るう。殿下は片手側転で回避するが、それも織り込み済みで私はさらに踏み込んで木剣を突き出す。
「なるほど、やりおるな」
エルフィオーレ殿下との勝負は私が勝った。殿下はひとしきり武を修めているだろうが、槍での間合いを得意としていて、私の剣の間合いに合わせきれなかった。そこに私の勝機が合った。もちろん、殿下も全力を出していたわけではあるまい。……にしては悔しそうな表情をしているが。
「うぅむ、なにものだ貴様!!」
「えっと……エリスですけど」
「そんなことわかっているわ!!」
負けたことを悔しがり地団太を踏むエルフィオーレ殿下。王族なのにこんな口調で大丈夫なのか? とも思ったが、彼女は武闘派で知られているので今更かもしれない。
「お姉さま!!またやられたんですって!?」
「あぁ、もううるさいのが来たわい」
「誰がうるさいって!!」
中庭に入ってきた銀髪碧眼の少女は殿下よりさらに年下に見える。おそらく十二歳くらいだろうか。
銀髪、そしてエルフィオーレ殿下をお姉さまと呼んだということは……つまりそういうことだろう。
「第四王女アリュスメーア殿下……」
ラスティーシャ王家の末姫様。まだ社交界デビューをしていないので私自身お会いするのは初めてだ。
「こんにちは。貴女はエリスさんね! さっきのやり取り聞こえていたわ。あたしが姉の仇をとってあげましょう!」
か、仇って……王族に言われると無駄に重く聞こえるのだが。
「こいつとはいつもこうなのだ。すぐに勝負しろと五月雨式に押し掛けてくる。迷惑極まりない」
「だって~あたしだってラスティーシャの姫なんだから武を修めるのは当然じゃない!!」
流石にアリュスメーア殿下との模擬戦は丁重にお断りした。八つも年下の女の子相手に木剣を振るうのはなんか、怖いし。万が一にも怪我を負わそうものなら処刑ものだし。
「エリスさん、あなた本当に文官なの? 動きが騎士並みなんだけど」
「……あはは」
取り敢えず笑ってごまかす私だったが、エルフィオーレ殿下から思わぬ言葉をかけられてしまった。
「決めた、エリス・フェレジア。お主を新設する第九騎士団の団長補佐兼団員採用担当官とする!!」
驚く私をよそに、何故かアリュスメーア殿下が大笑いしていた。もう、これからどうなっちゃうの~!?
「っせい!!」
木剣がぶつかり合う音が中庭に響く。小柄ながら力強い剣筋に合わせるように私も木剣を振るう。エルフィオーレ殿下の得意とするのは槍、木剣でも同じように刺突で仕留めようと踏み込んでくる。直線的な攻撃は回避に専念し、湾曲する攻撃には自らの攻撃を合わせていく。ひらりと舞う銀髪に目を奪われそうになるが、それをぐっと抑え込んでいるうちに、殿下の剣筋が次第に見えてくる。
殿下が斜めに振り下ろす一撃を回避し胴を横薙ぎにするように木剣を振るう。殿下は片手側転で回避するが、それも織り込み済みで私はさらに踏み込んで木剣を突き出す。
「なるほど、やりおるな」
エルフィオーレ殿下との勝負は私が勝った。殿下はひとしきり武を修めているだろうが、槍での間合いを得意としていて、私の剣の間合いに合わせきれなかった。そこに私の勝機が合った。もちろん、殿下も全力を出していたわけではあるまい。……にしては悔しそうな表情をしているが。
「うぅむ、なにものだ貴様!!」
「えっと……エリスですけど」
「そんなことわかっているわ!!」
負けたことを悔しがり地団太を踏むエルフィオーレ殿下。王族なのにこんな口調で大丈夫なのか? とも思ったが、彼女は武闘派で知られているので今更かもしれない。
「お姉さま!!またやられたんですって!?」
「あぁ、もううるさいのが来たわい」
「誰がうるさいって!!」
中庭に入ってきた銀髪碧眼の少女は殿下よりさらに年下に見える。おそらく十二歳くらいだろうか。
銀髪、そしてエルフィオーレ殿下をお姉さまと呼んだということは……つまりそういうことだろう。
「第四王女アリュスメーア殿下……」
ラスティーシャ王家の末姫様。まだ社交界デビューをしていないので私自身お会いするのは初めてだ。
「こんにちは。貴女はエリスさんね! さっきのやり取り聞こえていたわ。あたしが姉の仇をとってあげましょう!」
か、仇って……王族に言われると無駄に重く聞こえるのだが。
「こいつとはいつもこうなのだ。すぐに勝負しろと五月雨式に押し掛けてくる。迷惑極まりない」
「だって~あたしだってラスティーシャの姫なんだから武を修めるのは当然じゃない!!」
流石にアリュスメーア殿下との模擬戦は丁重にお断りした。八つも年下の女の子相手に木剣を振るうのはなんか、怖いし。万が一にも怪我を負わそうものなら処刑ものだし。
「エリスさん、あなた本当に文官なの? 動きが騎士並みなんだけど」
「……あはは」
取り敢えず笑ってごまかす私だったが、エルフィオーレ殿下から思わぬ言葉をかけられてしまった。
「決めた、エリス・フェレジア。お主を新設する第九騎士団の団長補佐兼団員採用担当官とする!!」
驚く私をよそに、何故かアリュスメーア殿下が大笑いしていた。もう、これからどうなっちゃうの~!?
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