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エピローグ
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体感としてはだいたい五日ぶりくらいの我が家。
「おぉ、帰ってきた!!」
「無事でなにより、本当になによりだ」
母と祖母に出迎えられて、帰ってきたという安堵感がやってくる。カレンダーを見ると出発した日から二日しか経ってないらしい。地球と異世界で時間の流れは違うらしい。
「異世界でごはん食べたばっかりだけど、家のごはんも食べたいよね」
「……うん、一番はお味噌汁」
「分かるぅ。あと先にお風呂入りたい」
うちは食堂だから温泉旅行とかしたことないけど、いくらいい温泉に入ったとしても帰ったら取り敢えずお風呂に入りたがる……その気持ちが今めっちゃ分かる。
「お風呂沸かしてあげるけど、どっちから入る?」
「……二人で、入る」
「へぇ、雨月がそんなこと言うなんて珍しいわね」
お風呂が沸くまでの間、向こうの世界での様子を母と祖母に話し始めた。ドラゴンの姿、弱点、切った時の手ごたえ、それに姿を変えた包丁のこと。流石にキスしたことは言わないけれど。
「本当に、二人とも無事に帰ってこれて良かったよ……」
「お母さん、心配かけてごめんなさい」
「あらためて、ただいま」
「おかえり、二人とも」
「さて、お風呂が沸いたようだから行ってらっしゃい」
母たちに促されてお風呂場に向かう。向こうの世界での大きなお風呂に比べちゃえば本当に何分の一だよってくらいのサイズ感の我が家のお風呂。二人で入るとぎりぎりだろうか。脱衣所でちゃっちゃと服を脱いでお風呂場に入る。
シャワーをささっと浴びてお互いの髪を洗う。やっぱり地球のシャンプーが一番だ。洗いっこしてるうちに身体も温まって、湯船に浸かる頃にはすっかりリラックスしていた。
「あー、気持ちいい。なんかこの感じ久しぶりだね」
「うん。気持ちいい」
雨月の膝の間に私が座って後ろから抱かれるような体勢になる。耳元で雨月がささやく。
「晴日……好きだよ」
「私もだよ」
異世界じゃなくて自宅での告白、なんだか気恥ずかしい。
「晴日の背中、きれい」
「そう? あんまり意識しないんだけど」
「触り心地もいい。すべすべしてる」
「ふふっ、ありがと」
「…………」
「どうしたの、雨月?」
よりぎゅっと抱きしめるように熱を共有する。
「エレノアがね、教えてくれたの。あっちの世界には……女の子同士でも子供を産めるポーションがあるって」
私が驚いて背筋がピンと伸びる。そのせいで雨月までびっくりしてしまったのだけれど、それが別れ際にエレノアから教わっていたことなのか。
「いつか、晴日の赤ちゃん……産みたい」
私は身体をひねって、雨月に向き合う。肩に手を置いて見つめる。
「私もだよ。でも……それはもっと先かな」
まだ高校生活だってあるし、調理師になるための学校だって行かなきゃいけない。このお店を守っていくためにも。
私の答えに雨月は微笑んだ。
「……そっか、残念。でも、いつか必ず」
「うん、いつか絶対に」
そっと唇を重ねる。
「「んちゅ、れろ、ぴちゃ」」
異世界に行ったって私たちの関係は揺らがない。揺らがないどころか、もっと深く、強くなった。
互いの唾液を交換しながら、私たちは何度も求め合った―――。
「おぉ、帰ってきた!!」
「無事でなにより、本当になによりだ」
母と祖母に出迎えられて、帰ってきたという安堵感がやってくる。カレンダーを見ると出発した日から二日しか経ってないらしい。地球と異世界で時間の流れは違うらしい。
「異世界でごはん食べたばっかりだけど、家のごはんも食べたいよね」
「……うん、一番はお味噌汁」
「分かるぅ。あと先にお風呂入りたい」
うちは食堂だから温泉旅行とかしたことないけど、いくらいい温泉に入ったとしても帰ったら取り敢えずお風呂に入りたがる……その気持ちが今めっちゃ分かる。
「お風呂沸かしてあげるけど、どっちから入る?」
「……二人で、入る」
「へぇ、雨月がそんなこと言うなんて珍しいわね」
お風呂が沸くまでの間、向こうの世界での様子を母と祖母に話し始めた。ドラゴンの姿、弱点、切った時の手ごたえ、それに姿を変えた包丁のこと。流石にキスしたことは言わないけれど。
「本当に、二人とも無事に帰ってこれて良かったよ……」
「お母さん、心配かけてごめんなさい」
「あらためて、ただいま」
「おかえり、二人とも」
「さて、お風呂が沸いたようだから行ってらっしゃい」
母たちに促されてお風呂場に向かう。向こうの世界での大きなお風呂に比べちゃえば本当に何分の一だよってくらいのサイズ感の我が家のお風呂。二人で入るとぎりぎりだろうか。脱衣所でちゃっちゃと服を脱いでお風呂場に入る。
シャワーをささっと浴びてお互いの髪を洗う。やっぱり地球のシャンプーが一番だ。洗いっこしてるうちに身体も温まって、湯船に浸かる頃にはすっかりリラックスしていた。
「あー、気持ちいい。なんかこの感じ久しぶりだね」
「うん。気持ちいい」
雨月の膝の間に私が座って後ろから抱かれるような体勢になる。耳元で雨月がささやく。
「晴日……好きだよ」
「私もだよ」
異世界じゃなくて自宅での告白、なんだか気恥ずかしい。
「晴日の背中、きれい」
「そう? あんまり意識しないんだけど」
「触り心地もいい。すべすべしてる」
「ふふっ、ありがと」
「…………」
「どうしたの、雨月?」
よりぎゅっと抱きしめるように熱を共有する。
「エレノアがね、教えてくれたの。あっちの世界には……女の子同士でも子供を産めるポーションがあるって」
私が驚いて背筋がピンと伸びる。そのせいで雨月までびっくりしてしまったのだけれど、それが別れ際にエレノアから教わっていたことなのか。
「いつか、晴日の赤ちゃん……産みたい」
私は身体をひねって、雨月に向き合う。肩に手を置いて見つめる。
「私もだよ。でも……それはもっと先かな」
まだ高校生活だってあるし、調理師になるための学校だって行かなきゃいけない。このお店を守っていくためにも。
私の答えに雨月は微笑んだ。
「……そっか、残念。でも、いつか必ず」
「うん、いつか絶対に」
そっと唇を重ねる。
「「んちゅ、れろ、ぴちゃ」」
異世界に行ったって私たちの関係は揺らがない。揺らがないどころか、もっと深く、強くなった。
互いの唾液を交換しながら、私たちは何度も求め合った―――。
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