星空の花壇 ~星花女子アンソロジー~

楠富 つかさ

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アンソロジー

卒業(1) Side:恵玲奈×美海 立成18年3月

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 三月二日は土曜日、卒業式も終わり恵玲奈とのデートもしばらく出来なくなってしまう……。少しでも長く一緒にいたいからとわがままを言って学校の正門まで迎えに来てもらった。学校にはまだ入れるが寮については卒業生の扱いだから、もうあのベッドで愛し合うことは出来ない。少しだけ寂しさを感じながら、恵玲奈と思い出のデートコースを回る。大学は橋立にあるから暫くは空の宮をぶらぶらすることもないだろう。商店街を一周すると月見屋食堂さんで早めの昼食にする。


 午後はショッピングモールに来た。ここでは何度もデートをした。二人きりの時もあれば水藤先輩たちと一緒だった時もあった。本屋さんにアニメショップ、アイス屋さんを巡りモールを後にした。次の行き先は恵玲奈には内緒にしている。電車に乗って学園前駅も通り過ぎ空の宮中央駅で乗り換える。どこへ行くのか気になる恵玲奈を言いくるめて上り線の電車に乗って海ヶ谷方面に向かった。自宅方向に来てますます首をかしげる恵玲奈をよそに、恵玲奈の家から近い東海ヶ谷駅ではなく、海ヶ谷駅の南口方向へぐんぐん歩く。

「え……こっちって確か……」

 この辺りは県東部でも屈指のホテル街である。いかなる目的のホテルかはよもや言う必要もあるまい。まだ陽が高いこともあって人気のない道を恵玲奈の手を引いて歩き、目当ての一軒に入っていく。その名もホテル・エンプレス。女性専用を標榜するレジャーホテルだ。一体どんな資本によるものかは全く見当もつかないけど、最新技術がふんだんに使われているだけでなく備品や内装も豪華だ。フロントは無人で誰にも見られる心配はなくスマホで事前予約し二次元コードを読み込ませることでルームキーが受け取れる形になっている。しかもクレジットカードのみならず電子マネーでの決裁が出来るため私でも部屋を取れる。よい子は真似してはいけない。けど今日の私は悪い子だから。
 ルームキーを受け取ると、動揺しっぱなしの恵玲奈を連れて部屋に向かった。このホテルには様々なタイプの部屋がある。公式サイトには内装が詳細に紹介されているが、『まるでビジホ』ルームや『最大十六人まで可。超パーティ』ルームや『ロイヤルハネムーン』ルームといったそれっぽい部屋に加え『こだわりと畳と布団』ルームまである。正直、今回の部屋にするかその和室にするか非常に悩んだ。しかし今回選んだのは『サディスティッククィーン』ルームタイプAだ。
 私はルームキーを挿入してドアを開ける。部屋の造りは寮の部屋にも少し似ており、入ってすぐの手前には六畳あるかないかくらいの休憩スペースと水回り、それからまさにそれっぽいスケスケのバスルームが配置されている。部屋のサイズに比してテレビがやたら大きく感じるがお風呂から見れば丁度いいかもしれない。そしてその奥に、いわゆるプレイルームがあるのだ。

「えっと……美海? あの、状況があんまり呑めてないんだけど」
「しばらく……えっち出来ないから今から恵玲奈を独り占めするの。今夜は寝かさないから」
「ちょ、待ってまだ四時にもなってないのに……? 朝まで……?」
「お昼まで。24時間コースで部屋取ってるから」

 困り顔から一周して期待の篭った表情を浮かべる恵玲奈。我慢出来なくなっちゃうから、そんな熱い目で見ないでよ。……でもその前に。

「恵玲奈は痛いので悦んじゃうから、こういのもありよね?」
「語弊のある言い方を……って、それピアッサー?」
「卒業祝いに開けてあげる。……だって、恵玲奈の処女を奪ってもそれは外から見えないから、見えるところにマーキングしなきゃ」

 恵玲奈の返事を聞かないまま”左の”耳たぶを持ってきた綿棒と消毒液で消毒する。恵玲奈はネコだから右にしようかとも思ったけど、わかりやすさ重視で左にしようと思った。

「ピアスってけっこう手間だから、どうしても嫌なら言って」

 何も言わずとうとう目を瞑った最愛の人に最後の確認をする。

「いいよ。私は美海のものだから」

 その言葉を聞いてピアッサーの位置を確認して一気に押し込んだ。ファーストピアスが嵌まったのを確認すると再び消毒。

「来年は恵玲奈が私を開けてね」
「美海には痛すぎるんじゃないかな。処女喪失に比べれば耐えられるけどさ」
「……そっちも、あげる。だから、まずはシャワー浴びましょ」






































※このあと滅茶苦茶セックスした
でもそれはまた別の話
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