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アンソロジー
初めてと今 Side:紅葉×かおり 立成17年3月
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初めて彼女と会ったとき、まさかこんな風に肌を重ねる日が来るなんて全く思っていなかった。あどけなくて子供っぽくて、無邪気な笑みを浮かべて、でも時折……。
「紅葉ちゃん、どうしたの? 痛くしちゃった?」
幼さの奥に確かな女を持っている。彼女に身体を委ね、もたらされる快感にたゆたっている内に、彼女との出会いの日を思い出していた。
あれはそう、立成15年の3月だった。私が入学したその時のルームメイトは本当はもっと頭がよくて、菊花寮だって十分に狙えたのに本番に弱くてテストじゃ8割くらいの力しか出せなかったみたい。それもだんだんと学校生活に慣れて全力が出せるようになったらしい。中一の期末テストで学年三位の成績を出して菊花への切符を掴んだ。彼女とはあまり話すことが出来なかったけど、最後にはにかんで部屋をあとにした。その時の笑顔はどこか忘れられずにいた。そんなことがあって、たった三日ではあるが二人部屋が標準のこの桜花寮で一人暮らしをしていた。そんな私のもとにやってきた新しいルームメイト。
「北川かおりです。よろしくお願いします」
小学校を卒業してそう時間のたっていないであろう彼女は、一学年しか年下だなんて思えないほどに子供っぽくて私の未発達な母性をくすぐった。庇護欲こそかられるが、まさか性愛の対象にはなるまい、私がかおりに抱いた感想はそんな感じのものであった。そもそもその時の私には恋心がなんたるか分かってはいなかった。
中二の私と中一のかおりの生活はわりとすぐに確立されたように思う。最初の一週間こそ城咲先輩と呼んでくれたがすぐに紅葉先輩になり、結局紅葉ちゃんになった。甘えたがりなかおりが可愛くって、恋とは違う好意を抱くようになった。そして……お姉さまとの出会い、かおりの気持ち、まだ一年も経ってないのに私の中で二人との思い出は大部分を占めている。
「くれはちゃん……っちゅ」
「かおり、可愛いわよ」
もうじき私も高等部の寮に移らないといけない。かおりとこうして、毎日一緒に過ごすことは難しくなる。
「大丈夫、私たち恋人なんだから」
「紅葉ちゃん、どうしたの? 痛くしちゃった?」
幼さの奥に確かな女を持っている。彼女に身体を委ね、もたらされる快感にたゆたっている内に、彼女との出会いの日を思い出していた。
あれはそう、立成15年の3月だった。私が入学したその時のルームメイトは本当はもっと頭がよくて、菊花寮だって十分に狙えたのに本番に弱くてテストじゃ8割くらいの力しか出せなかったみたい。それもだんだんと学校生活に慣れて全力が出せるようになったらしい。中一の期末テストで学年三位の成績を出して菊花への切符を掴んだ。彼女とはあまり話すことが出来なかったけど、最後にはにかんで部屋をあとにした。その時の笑顔はどこか忘れられずにいた。そんなことがあって、たった三日ではあるが二人部屋が標準のこの桜花寮で一人暮らしをしていた。そんな私のもとにやってきた新しいルームメイト。
「北川かおりです。よろしくお願いします」
小学校を卒業してそう時間のたっていないであろう彼女は、一学年しか年下だなんて思えないほどに子供っぽくて私の未発達な母性をくすぐった。庇護欲こそかられるが、まさか性愛の対象にはなるまい、私がかおりに抱いた感想はそんな感じのものであった。そもそもその時の私には恋心がなんたるか分かってはいなかった。
中二の私と中一のかおりの生活はわりとすぐに確立されたように思う。最初の一週間こそ城咲先輩と呼んでくれたがすぐに紅葉先輩になり、結局紅葉ちゃんになった。甘えたがりなかおりが可愛くって、恋とは違う好意を抱くようになった。そして……お姉さまとの出会い、かおりの気持ち、まだ一年も経ってないのに私の中で二人との思い出は大部分を占めている。
「くれはちゃん……っちゅ」
「かおり、可愛いわよ」
もうじき私も高等部の寮に移らないといけない。かおりとこうして、毎日一緒に過ごすことは難しくなる。
「大丈夫、私たち恋人なんだから」
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