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第三章 冥界篇
サリアと模擬戦(全力)
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冥界に来て数日が経過し、俺の出場する予選が明後日にまで近付いていた。
「さて、とうとう明後日か。調子はどうだい、クライト?」
タルタシアでの生活にもなれ、冥界にある迷宮にもいくつか挑んだ。冥界の魔物は魔神域と比べて強力で、苦戦こそしないが戦い甲斐がある。
「今日もウチと戦いますか?」
別室で寝ていたサリアが部屋に顔を出してきた。
「そうするか。久々に剣技も使いたいし」
ということで、タルタシア郊外の丘へ向かい、間合いを取って対峙する。
「極光フォーム!」
「……憤怒之剣!」
剣を構えて対峙する。オーロラのように輝く剣と漆黒に染まった剣を合わせる。力では負けないが、サリアの剣は魔力を込めることで衝撃波を放つ。あまり接近すると危ない。
「せりゃあ!」
「それ!」
まだ技は放たない。純粋な剣の打ち合い。剣の技量は同じくらい。剣道の経験があるとはいえ、片手で剣を振り回すのに慣れるには時間がかかった。魔王戦で初めて使った極光の剣。女神アリシアの加護を持つという、この剣の使い方は魔神域で体得した。
「剣の鋭さが増してきましたね、クライトはん?」
「まぁ、サリアの剣に比べちゃうとな……」
魔王の娘であるサリアの技は、かなり強力で歴代の魔王に受け継がれているらしい。一撃に重さはないが、素早い軌道で振り抜かれた剣は鋭い。
「うおっと!」
「はぁぁぁ!!」
だが時折、緩急をつけるように重い一撃を繰り出すこともある。体勢を崩しているといなしきれない。
「久々に重い一撃だった」
「そろそろ全力出しますか?」
サリアの問いに俺は答えない。代わりに剣に込める魔力を増やす。極光の輝きが増す。
「はぁぁぁ、光牙斬!」
「崩魔之剣・壱式!」
光を纏った剣はサリアの技に弾かれる。大きく後ろに跳躍し、体勢を整える。だが、
「魔力掌握、ダークバースト!!」
魔王の血統が持つ力『魔力掌握』は俺の使う『詠唱破棄』の上位互換と言える能力で、魔術の質を落とさず且つ瞬時に発動することができる。ただ、詠唱破棄と異なり、前準備として専用の札を作る必要があるらしいが。と、今はそんなことより、
「詠唱破棄、ルナライトクロー!!」
迫り来る黒い魔力の塊に三日月のような衝撃波がぶつけて相殺する。
「せらあ! 炎閃翔斬!!」
その衝撃波を貫くように、炎を纏わせた剣で特攻する。突き出した剣を下から大きく振り上げようとするタイミングで、
「崩魔之剣・参式!」
剣ごと砕くように振り下ろされる魔剣。闇属性の力の前に炎は消え、俺自身も体制を崩す。だがしかし、
「来い、ブライトスター!!」
左手に召喚したブライトスターでサリアに攻撃する。サリアが後方へ回避したため、剣形態のクロディアンを押さえつける力がなくなり、俺の体勢も整う。
「最終兵器、双剣ですか。懐かしいですな、ユフィはんの剣やないですか?」
ヘルミナ戦で俺が引き抜き使ったユフィの愛剣、ブライトスター。これもまた女神アリシアの加護を受けた剣でもある。彼女からのささやかなプレゼントなのか、知らぬ間に俺の元にあった。今頃ユフィはどうしているのやら。テリルもだが。心配だな。
「クライトはんが二刀流を使うのやったら、強欲之斧!」
サリアが取り出したのは片手斧、七罪に因んだ武装、俺はまだ『憤怒之剣』と『暴食之槍』しか見たことがなかったが、強欲は斧に対応するのか。
「これでウチも擬似的に二刀流や。もう一ラウンドといきましょうか」
中二病患者として、二刀流の技は何度も妄想した。あとは、どれだけ再現できるか。ブライトスターは剣形態のクロディアン程、身幅がない。どうやって扱うかが難しいが、今は気にしない。やれること全部、試してみないとな!
「せ、はぁ、たや!!」
「えい、よっと、せりゃあ!」
流石に剣と比べてしまうと斧の一撃はどうしても重い。細身のブライトスターでは厳しいものがある。
「双連光波斬!」
二連続を二回、合計四つの光の衝撃波がサリアへ向かう。けれども、
「盗魔之斧《とうまのおの》・伍式! 崩魔之剣・肆式!!」
四つの衝撃波はサリアの斧に砕かれ、剣から放たれた一撃と共に闇に染まって返ってきた。
「詠唱破棄、リジェクトウォール!」
リジェクトウォールを発動させた上で、ブライトスターの障壁も展開する。ブライトスターは地面に刺したまま、詠唱を始める。
「流水よ穿て、スプラッシュ! 連鎖魔術、エレキオーバー!!」
突き出した右掌から迸る流水と雷撃。この二つを同時に受ければ……。
「魔力掌握、リフレクション!!」
「げっ!?」
雷を伴った水の弾丸はサリアが取り出した一枚の札により、攻撃対象を術者たる俺に向けた。
「アクセルフォース!」
向上させた身体能力を駆使して跳躍。空中で魔術を練る。
「灼熱の刻印を刻みつけよ、クリムゾンサークル!!」
サリアを中心とした炎属性の範囲魔術、だがサリアはそれを斧の一振りで打ち払った。
「盗魔之斧・漆式!」
あの斧には魔法や衝撃波といった非物理攻撃を無効化する力があるようだ。だが、あの魔術は牽制にすぎない。こっちが本命だ!
「双連光牙斬!!」
横回転を伴う大技。上段から放たれたこの技は、サリアの持つ二つの武器を弾き飛ばした。
「いや、参った。クライトはん、ほんまに強くなりましたなぁ。この調子で、大会も勝ち抜いてくださいな」
「おうよ!」
明日はきっちり休養をとって、明日に備える。ブライトスターは願えば姿を現し、同様に願えば姿を消す。クロディアンは本来の姿である杖の状態にし、俺とサリアは宿へと戻るのだった。
「さて、とうとう明後日か。調子はどうだい、クライト?」
タルタシアでの生活にもなれ、冥界にある迷宮にもいくつか挑んだ。冥界の魔物は魔神域と比べて強力で、苦戦こそしないが戦い甲斐がある。
「今日もウチと戦いますか?」
別室で寝ていたサリアが部屋に顔を出してきた。
「そうするか。久々に剣技も使いたいし」
ということで、タルタシア郊外の丘へ向かい、間合いを取って対峙する。
「極光フォーム!」
「……憤怒之剣!」
剣を構えて対峙する。オーロラのように輝く剣と漆黒に染まった剣を合わせる。力では負けないが、サリアの剣は魔力を込めることで衝撃波を放つ。あまり接近すると危ない。
「せりゃあ!」
「それ!」
まだ技は放たない。純粋な剣の打ち合い。剣の技量は同じくらい。剣道の経験があるとはいえ、片手で剣を振り回すのに慣れるには時間がかかった。魔王戦で初めて使った極光の剣。女神アリシアの加護を持つという、この剣の使い方は魔神域で体得した。
「剣の鋭さが増してきましたね、クライトはん?」
「まぁ、サリアの剣に比べちゃうとな……」
魔王の娘であるサリアの技は、かなり強力で歴代の魔王に受け継がれているらしい。一撃に重さはないが、素早い軌道で振り抜かれた剣は鋭い。
「うおっと!」
「はぁぁぁ!!」
だが時折、緩急をつけるように重い一撃を繰り出すこともある。体勢を崩しているといなしきれない。
「久々に重い一撃だった」
「そろそろ全力出しますか?」
サリアの問いに俺は答えない。代わりに剣に込める魔力を増やす。極光の輝きが増す。
「はぁぁぁ、光牙斬!」
「崩魔之剣・壱式!」
光を纏った剣はサリアの技に弾かれる。大きく後ろに跳躍し、体勢を整える。だが、
「魔力掌握、ダークバースト!!」
魔王の血統が持つ力『魔力掌握』は俺の使う『詠唱破棄』の上位互換と言える能力で、魔術の質を落とさず且つ瞬時に発動することができる。ただ、詠唱破棄と異なり、前準備として専用の札を作る必要があるらしいが。と、今はそんなことより、
「詠唱破棄、ルナライトクロー!!」
迫り来る黒い魔力の塊に三日月のような衝撃波がぶつけて相殺する。
「せらあ! 炎閃翔斬!!」
その衝撃波を貫くように、炎を纏わせた剣で特攻する。突き出した剣を下から大きく振り上げようとするタイミングで、
「崩魔之剣・参式!」
剣ごと砕くように振り下ろされる魔剣。闇属性の力の前に炎は消え、俺自身も体制を崩す。だがしかし、
「来い、ブライトスター!!」
左手に召喚したブライトスターでサリアに攻撃する。サリアが後方へ回避したため、剣形態のクロディアンを押さえつける力がなくなり、俺の体勢も整う。
「最終兵器、双剣ですか。懐かしいですな、ユフィはんの剣やないですか?」
ヘルミナ戦で俺が引き抜き使ったユフィの愛剣、ブライトスター。これもまた女神アリシアの加護を受けた剣でもある。彼女からのささやかなプレゼントなのか、知らぬ間に俺の元にあった。今頃ユフィはどうしているのやら。テリルもだが。心配だな。
「クライトはんが二刀流を使うのやったら、強欲之斧!」
サリアが取り出したのは片手斧、七罪に因んだ武装、俺はまだ『憤怒之剣』と『暴食之槍』しか見たことがなかったが、強欲は斧に対応するのか。
「これでウチも擬似的に二刀流や。もう一ラウンドといきましょうか」
中二病患者として、二刀流の技は何度も妄想した。あとは、どれだけ再現できるか。ブライトスターは剣形態のクロディアン程、身幅がない。どうやって扱うかが難しいが、今は気にしない。やれること全部、試してみないとな!
「せ、はぁ、たや!!」
「えい、よっと、せりゃあ!」
流石に剣と比べてしまうと斧の一撃はどうしても重い。細身のブライトスターでは厳しいものがある。
「双連光波斬!」
二連続を二回、合計四つの光の衝撃波がサリアへ向かう。けれども、
「盗魔之斧《とうまのおの》・伍式! 崩魔之剣・肆式!!」
四つの衝撃波はサリアの斧に砕かれ、剣から放たれた一撃と共に闇に染まって返ってきた。
「詠唱破棄、リジェクトウォール!」
リジェクトウォールを発動させた上で、ブライトスターの障壁も展開する。ブライトスターは地面に刺したまま、詠唱を始める。
「流水よ穿て、スプラッシュ! 連鎖魔術、エレキオーバー!!」
突き出した右掌から迸る流水と雷撃。この二つを同時に受ければ……。
「魔力掌握、リフレクション!!」
「げっ!?」
雷を伴った水の弾丸はサリアが取り出した一枚の札により、攻撃対象を術者たる俺に向けた。
「アクセルフォース!」
向上させた身体能力を駆使して跳躍。空中で魔術を練る。
「灼熱の刻印を刻みつけよ、クリムゾンサークル!!」
サリアを中心とした炎属性の範囲魔術、だがサリアはそれを斧の一振りで打ち払った。
「盗魔之斧・漆式!」
あの斧には魔法や衝撃波といった非物理攻撃を無効化する力があるようだ。だが、あの魔術は牽制にすぎない。こっちが本命だ!
「双連光牙斬!!」
横回転を伴う大技。上段から放たれたこの技は、サリアの持つ二つの武器を弾き飛ばした。
「いや、参った。クライトはん、ほんまに強くなりましたなぁ。この調子で、大会も勝ち抜いてくださいな」
「おうよ!」
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