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第7話/弁当/まんぷく
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取り敢えずその日、私は一つ目の計画を実行に移した。それは『あーん』である。喘ぎではない。私の手ずから、お弁当を小春ちゃんに食べてもらうのだ。そのために今朝、四時起きしてお弁当を作ったのだから。料理はそこまで得意ではないが、それでも私だって星花生。基礎的な部分は教わっている。小春ちゃんの小柄さから考えてそこまで多くは食べないだろうと、私のお弁当箱にいつもより詰め込んで持ってきた。
おにぎりが四つにポテトサラダ、玉子焼き、プチトマト、ミートボールにたこさんウインナーとまぁ、無難なラインナップのお弁当だが、小春ちゃんは喜んでくれるだろうか。彼女も彼女でお昼ご飯を用意するだろうと思って、先にお弁当を作ることを宣言しているのでサプライズにはならないけれど、玉子焼きが甘い派かしょっぱい派かの確認が出来たのでよしとする。甘い派だった。見た目通り可愛い。
「文緒ちゃーん」
とてとて。ぽよぽよ。ほわほわ。にこにこ。付き合い初めて二日目、今日も彼女が可愛い。睦月の寒気を微塵も感じさせない太陽のような笑みに、私の心も自然とぽかぽかしてしまう。
「おまたせー」
敷地内のあちこちにあるベンチに腰掛けて待っていた私に、正面から抱きつく小春ちゃん。あぁ可愛いんじゃぁああ。このまま持ち帰りたいが私の実家は遠い!
「お弁当作ったから食べてね」
そう言って包みを見せると、小春ちゃんはさも当たり前のように、私の膝に座った。再確認だが小春ちゃんの方が背も高いし、育ち盛りだから多分体重もある。何も見えないし、流石に軽いと反応できるほどの甲斐性はない。
「ん、んーとね。横に並んで座りたいなぁ」
あと、そうしないとあーんが出来ない。このまま食べさせては二人羽織だ。それはちょっと私の求めているのと違う。
「えへへへ」
あぁ可愛い。私がもう少し大きければがっつり抱きしめてあげられるのに。どうして私は150センチすらないのだろうか。とにかく今は目標の達成に専念しよう。お弁当を開け、まず玉子焼きをつまむ。
「食べさせてあげる。はい、あーん」
小春ちゃんが嬉しそうに口を開ける。唇が可愛い。歯すら可愛い。その歯を舐めたい。可愛いお口に玉子焼きが収まっていく。もぐもぐする様も可愛い。
「美味しい!」
はいありがとうございますぅ!!! 可愛いは正義。
「おにぎりもあるから食べてね」
一月の寒さも感じず、のんびりとした昼下がりを過ごす。二人一緒にごちそうさまを言うと、小春ちゃんが持ってきていた紙袋からチョココロネを取り出した。
「これ、横山ベーカリーのチョココロネ。大っきい方あげる」
可愛い……そして優しい。本当に天使なのかもしれない。とはいえ、ちょっとお腹がいっぱいな私は小さい方でいいよと言って、そっちをもらった。小春ちゃん、意外とよく食べる。これは覚えておこう。
おにぎりが四つにポテトサラダ、玉子焼き、プチトマト、ミートボールにたこさんウインナーとまぁ、無難なラインナップのお弁当だが、小春ちゃんは喜んでくれるだろうか。彼女も彼女でお昼ご飯を用意するだろうと思って、先にお弁当を作ることを宣言しているのでサプライズにはならないけれど、玉子焼きが甘い派かしょっぱい派かの確認が出来たのでよしとする。甘い派だった。見た目通り可愛い。
「文緒ちゃーん」
とてとて。ぽよぽよ。ほわほわ。にこにこ。付き合い初めて二日目、今日も彼女が可愛い。睦月の寒気を微塵も感じさせない太陽のような笑みに、私の心も自然とぽかぽかしてしまう。
「おまたせー」
敷地内のあちこちにあるベンチに腰掛けて待っていた私に、正面から抱きつく小春ちゃん。あぁ可愛いんじゃぁああ。このまま持ち帰りたいが私の実家は遠い!
「お弁当作ったから食べてね」
そう言って包みを見せると、小春ちゃんはさも当たり前のように、私の膝に座った。再確認だが小春ちゃんの方が背も高いし、育ち盛りだから多分体重もある。何も見えないし、流石に軽いと反応できるほどの甲斐性はない。
「ん、んーとね。横に並んで座りたいなぁ」
あと、そうしないとあーんが出来ない。このまま食べさせては二人羽織だ。それはちょっと私の求めているのと違う。
「えへへへ」
あぁ可愛い。私がもう少し大きければがっつり抱きしめてあげられるのに。どうして私は150センチすらないのだろうか。とにかく今は目標の達成に専念しよう。お弁当を開け、まず玉子焼きをつまむ。
「食べさせてあげる。はい、あーん」
小春ちゃんが嬉しそうに口を開ける。唇が可愛い。歯すら可愛い。その歯を舐めたい。可愛いお口に玉子焼きが収まっていく。もぐもぐする様も可愛い。
「美味しい!」
はいありがとうございますぅ!!! 可愛いは正義。
「おにぎりもあるから食べてね」
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