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星が繋げる想い
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月翔から剥がされた花音が、おぼろげな視界に捉えたのは、遠退いていく彼の背中だった。月翔の決意を花音は嬉しくも感じながら、寂しさに耐えられず涙を零していた。座り込んでしまった彼女に寄り添うのは若林麻奈美という少女。その豊満な胸で、花音を包み込む。
「花音、平気―――な筈はないよね……。とにかく、元気出して。月翔だって花音を想っているんだから」
優しく抱きしめる麻奈美に、花音もそっと腕を回す。麻奈美は月翔と花音の幼馴染みで、清楚そうな美貌に反して、たまに毒舌をかますようなブラックな一面をもつ。親しい間柄ではマナと呼ばれる彼女に花音が問う。
「ねぇマナ……私も強くなれるかな? ううん、強くなりたいの!! どうしたらいいかな?」
麻奈美は心配そうな顔を一瞬だけ覗かせた。だが、すぐに教室の後ろ側を指差した。あちらには武器を持つ女子がいる。主に理紗と千夏だ。
麻奈美自身はまだこの状況に順応できずにおり、武器を生み出してはいない。それでも、彼女なりに花音のために何ができるかを考え……辛い気持ちをぐっと堪えて、親友に戦いの道を示す。
「そっか……武器からだよね……。月翔と同じ剣で、彼に背中を預けてもらえるくらい強くなりたい」
花音の月翔への想いが、剣となって顕現する。その輝きが花音と麻奈美を照らす。
「これが…私の剣なんだ……。ここが、星の形をしていて……不思議な感じ……」
本来なら長方形や楕円形が多い刀剣の鍔。しかし、花音が握る片刃の剣の鍔は星の形をしているのだ。日本刀のように反りもある剣には違和感しかない代物だが、彼女が持つと、その違和感を一切覚えさせないのだった。そして、意を決して二人に声を掛けた。
「花音……本気なんだね」
剣を構えた親友に、現実味のなさを感じながらも、心から美しいと感じた麻奈美。
「ありがとうね、マナ。私……戦うよ。このわけのわからない状況と、そして……自分自身の弱さと」
ぎゅっと剣を握る花音に、理紗と千夏が歩み寄る。そんな二人に、花音は頭を下げた。さきほどの月翔が舞斗へそうしたように。
「理紗ちゃん、千夏ちゃん。私に剣を教えて欲しいの。私だって強くなれるって……私は月翔に知らせたいの」
一瞬だけ目を丸くした二人だったが、すぐに笑顔を浮かべて受け入れた。花音ははっきりと自分の決意を口にする。
「女の子だって、誰かのために強くなりたいと思うし、強くなろうとする。月翔、あなたが護ろうとする私は、もういない。どこにいようと、どんな状況下でも、私は月翔のパートナーであり続けたい!!」
少女の確固たる意志が刃となり、護られ続けてきた自分に決別の二文字を刻むのであった。
「花音、平気―――な筈はないよね……。とにかく、元気出して。月翔だって花音を想っているんだから」
優しく抱きしめる麻奈美に、花音もそっと腕を回す。麻奈美は月翔と花音の幼馴染みで、清楚そうな美貌に反して、たまに毒舌をかますようなブラックな一面をもつ。親しい間柄ではマナと呼ばれる彼女に花音が問う。
「ねぇマナ……私も強くなれるかな? ううん、強くなりたいの!! どうしたらいいかな?」
麻奈美は心配そうな顔を一瞬だけ覗かせた。だが、すぐに教室の後ろ側を指差した。あちらには武器を持つ女子がいる。主に理紗と千夏だ。
麻奈美自身はまだこの状況に順応できずにおり、武器を生み出してはいない。それでも、彼女なりに花音のために何ができるかを考え……辛い気持ちをぐっと堪えて、親友に戦いの道を示す。
「そっか……武器からだよね……。月翔と同じ剣で、彼に背中を預けてもらえるくらい強くなりたい」
花音の月翔への想いが、剣となって顕現する。その輝きが花音と麻奈美を照らす。
「これが…私の剣なんだ……。ここが、星の形をしていて……不思議な感じ……」
本来なら長方形や楕円形が多い刀剣の鍔。しかし、花音が握る片刃の剣の鍔は星の形をしているのだ。日本刀のように反りもある剣には違和感しかない代物だが、彼女が持つと、その違和感を一切覚えさせないのだった。そして、意を決して二人に声を掛けた。
「花音……本気なんだね」
剣を構えた親友に、現実味のなさを感じながらも、心から美しいと感じた麻奈美。
「ありがとうね、マナ。私……戦うよ。このわけのわからない状況と、そして……自分自身の弱さと」
ぎゅっと剣を握る花音に、理紗と千夏が歩み寄る。そんな二人に、花音は頭を下げた。さきほどの月翔が舞斗へそうしたように。
「理紗ちゃん、千夏ちゃん。私に剣を教えて欲しいの。私だって強くなれるって……私は月翔に知らせたいの」
一瞬だけ目を丸くした二人だったが、すぐに笑顔を浮かべて受け入れた。花音ははっきりと自分の決意を口にする。
「女の子だって、誰かのために強くなりたいと思うし、強くなろうとする。月翔、あなたが護ろうとする私は、もういない。どこにいようと、どんな状況下でも、私は月翔のパートナーであり続けたい!!」
少女の確固たる意志が刃となり、護られ続けてきた自分に決別の二文字を刻むのであった。
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