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【6】
いや、普通の人間の姿とは少し違う。
美しい男性の顔と肉体をしたアヴィの頭上には、成長する前と同じフカフカとした耳が生えている。
「うん。実は幻獣はオトナになると人間に近い姿が基本になるんだ。黙っててごめんね?」
待ってくれ。そんなの聞いてないし知らない。
淫紅にはそんな設定も描写もなかった。
(もしかして、ここ、淫紅とは少し違う世界なの――?!)
外見年齢はコルネリアより少し上だろうか。
人間の姿になったアヴィは気だるい色香を纏った美青年だった。
162cmのコルネリアが見上げる長身。
けれど顔だけ見ると女性にも見える繊細な美貌。
長いまつ毛に縁取られた金と水色の瞳。通った鼻梁に、弧を描く薄い唇。
緩く肩へ流れ落ちる白い髪は、ハーフアップのように一部がラフに纏められている。もしかしたら、胸下まであるコルネリアの髪と同じくらいの長さかもしれない。
長身痩躯が身に着けているのはアオザイに似た白い衣装で、またそれが彼の不思議な魅力を惹き立てている。
そしてその背後では、白くフサフサの尻尾が揺れていた。
(どうしよう。動悸が止まらない……っ!)
オトナになったアヴィの姿の衝撃に、心臓がうるさく音を立てる。頭の中で血液が沸騰してしまったかのように熱く、目眩がする。
だって、こんな。まさか。
(獣耳男子、めっちゃ好みなんですけどーーーーー!!!!!)
ただでさえ神々しい美男子に生えるモフモフの耳と尻尾。その奇跡の組み合わせに、コルネリアのツボは激しく突かれた。
ドキドキと止まらない鼓動。アヴィから離せない視線。
これはもう、一目惚れかもしれない。
「コーリー? 大丈夫? ……僕のこの姿、怖い……?」
そう首を傾げてコルネリアを覗き込んでくる仕草は出会った日と同じで。
それが更にアヴィへの愛しさを加速させる。
「――く」
「ん?」
「――――逆。むしろ、凄く好き。凄く、タイプ……っ」
オッドアイに吸い込まれるように。気がつけばストレートな本音を吐露していた。
美しい男性の顔と肉体をしたアヴィの頭上には、成長する前と同じフカフカとした耳が生えている。
「うん。実は幻獣はオトナになると人間に近い姿が基本になるんだ。黙っててごめんね?」
待ってくれ。そんなの聞いてないし知らない。
淫紅にはそんな設定も描写もなかった。
(もしかして、ここ、淫紅とは少し違う世界なの――?!)
外見年齢はコルネリアより少し上だろうか。
人間の姿になったアヴィは気だるい色香を纏った美青年だった。
162cmのコルネリアが見上げる長身。
けれど顔だけ見ると女性にも見える繊細な美貌。
長いまつ毛に縁取られた金と水色の瞳。通った鼻梁に、弧を描く薄い唇。
緩く肩へ流れ落ちる白い髪は、ハーフアップのように一部がラフに纏められている。もしかしたら、胸下まであるコルネリアの髪と同じくらいの長さかもしれない。
長身痩躯が身に着けているのはアオザイに似た白い衣装で、またそれが彼の不思議な魅力を惹き立てている。
そしてその背後では、白くフサフサの尻尾が揺れていた。
(どうしよう。動悸が止まらない……っ!)
オトナになったアヴィの姿の衝撃に、心臓がうるさく音を立てる。頭の中で血液が沸騰してしまったかのように熱く、目眩がする。
だって、こんな。まさか。
(獣耳男子、めっちゃ好みなんですけどーーーーー!!!!!)
ただでさえ神々しい美男子に生えるモフモフの耳と尻尾。その奇跡の組み合わせに、コルネリアのツボは激しく突かれた。
ドキドキと止まらない鼓動。アヴィから離せない視線。
これはもう、一目惚れかもしれない。
「コーリー? 大丈夫? ……僕のこの姿、怖い……?」
そう首を傾げてコルネリアを覗き込んでくる仕草は出会った日と同じで。
それが更にアヴィへの愛しさを加速させる。
「――く」
「ん?」
「――――逆。むしろ、凄く好き。凄く、タイプ……っ」
オッドアイに吸い込まれるように。気がつけばストレートな本音を吐露していた。
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