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序章
一話 まさかの坂
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人生には『まさかの坂』があるということをよく聞きますが、今回の娘の出産はまさにその言葉通りの経験でした。
先日、四人目の孫が誕生しました。
けれどその出産は、想像もしていなかった大変な展開になってしまったのです。
朝、ラクーがいつもの台所仕事をしていたら、娘のネムルーが二階から下りてきました。
「お母さん、陣痛がきたみたい。」
少し腰をかがめて、お腹が痛そうな様子です。それでも自然分娩ができるという喜びも、そこにはありました。
長姉のノンビリーの初出産が陣痛促進剤を使ったものだったのです。一気に陣痛を呼び起こされたために、嘔吐が酷かったという話を姉から聞いていたので、ネムルーもできることなら自然に陣痛がこないかなぁと言っていました。どうやら希望通りになりそうです。
実は、出産予定日をだいぶ過ぎていたので「今週中に生まれそうになかったら、来週の頭に入院して陣痛促進剤を使いましょうかね。」とお医者様に言われていたのです。
陣痛がきたのは、午後に病院の検診を予定していた日の明け方の事でした。
その日の検診で入院する日を決めることなっていたので、ムコーも一緒に付き添っていくつもりで、仕事を半休にしていたのです。
ラクーは陣痛がきたのがムコーがいてくれた時で良かったと、胸を撫でおろしていました。
ムコーは張り切って、持っていく荷物などの準備を整えています。速足で動き回るその姿に、お父さんになるんだという決意が見えました。
陣痛が5分おきになったので、病院へ電話をして、ネムルーとムコーは大荷物を持って出陣していきました。
二人とも赤ちゃんに会えることへの期待と、初めての出産への不安が、相半ばしているというような顔つきでした。
さぁ、いよいよです。
ラクーもドキドキしてきました。
洗濯を干して、家のことを片付けてしまうと、ラクーも応援のために病院へ駆けつけることにしました。ムコーの昼ご飯のお弁当も買い込んで、準備万端です。
出産用の個室になっているLDR室で、三人で賑やかに話をしながらお昼ご飯を食べました。
陣痛の波形を取る機械から常時、吐き出されている用紙の模様を見ていると、4、5分おきに山がくる落ち着いた波を描いています。本人も時々「痛っ、イテテテテ。」と言いながらも、ちゃんと食事ができています。
ラクーの経験からみて、これはまだまだかかりそうだと思いました。赤ちゃんが産まれるのは夕方か夜になりそうな予感がします。
それでこの場はムコーに任せて、ラクーは一旦家に帰ることにしたのです。
夕飯の買い物をした後で家に帰ると、ネムルーからメールが届いていました。
『子宮口がまだ少ししか開いてないから、夕方までに全部開かなかったら一旦家に帰るかなとお医者さんに言われた~』
あららら、残念です。みんな臨戦態勢でやる気満々だったので、肩透かしをくらったような感じがしました。
二人が家に帰って来ました。どこかしょんぼりしているように見えます。
お医者さんに「この週末に産まれなかったら、月曜日の朝に陣痛促進剤の点滴をしましょう」と言われたらしいです。
でも荷物を病院に置いてきていたので、ラクーとしては、お医者さんも土日に産まれると思ってるんじゃないのかな?と思いました。
産婦人科医は土日も予定が立たなくて大変ですね。申し訳ないと思いながらも、ラクーとしては今夜半ぐらいには出産になりそうな気がしていました。
夜の11時頃に、ムコーが私たちの部屋にやって来ました。
「お父さん、お母さん。ネムルーが昼間よりも陣痛が激しくなったみたいなので、これから病院へ連れて行こうと思います。」
ムコーがこう言うのを聞いた時には、予想通り~ V(^o^)V と思ったんです。
でもネムルーが二階から下りて来るのを見て、予想を再び修正しました。まだ一人で歩けていましたし、痛みの具合ももうひと頑張りといったところでした。この様子なら明け方ぐらいにできるかなぁ?と思ったんです。
心配ではありましたが、ムコーがついてるので大丈夫だろうと思っていましたし、長女のノンビリーとラインをしながらお互いに気持ちを落ち着けて、夜中を過ぎた1時頃には眠りにつきました。
明け方の5時になった時です。
ムコーからの突然の電話でラクーとダンナーは飛び起きました。
産まれた?!
でも電話越しに聞こえてくるムコーの声は、冷静になろうとしているような感情を押さえたものでした。
「お母さん、起こしてすみません。実は赤ちゃんが疲れてきているということで、緊急に帝王切開になったんです。それで出てきた赤ちゃんが息を上手くできないので、ここの病院では十分な処置ができないということで、救急車で大きい病院へ搬送されることになりました。僕は赤ちゃんについて行かなければならないので、すみませんがネムルーの方についてあげてくれませんか?」
まぁ、大事です!
寝ぼけ眼が、一気に覚めました。
先日、四人目の孫が誕生しました。
けれどその出産は、想像もしていなかった大変な展開になってしまったのです。
朝、ラクーがいつもの台所仕事をしていたら、娘のネムルーが二階から下りてきました。
「お母さん、陣痛がきたみたい。」
少し腰をかがめて、お腹が痛そうな様子です。それでも自然分娩ができるという喜びも、そこにはありました。
長姉のノンビリーの初出産が陣痛促進剤を使ったものだったのです。一気に陣痛を呼び起こされたために、嘔吐が酷かったという話を姉から聞いていたので、ネムルーもできることなら自然に陣痛がこないかなぁと言っていました。どうやら希望通りになりそうです。
実は、出産予定日をだいぶ過ぎていたので「今週中に生まれそうになかったら、来週の頭に入院して陣痛促進剤を使いましょうかね。」とお医者様に言われていたのです。
陣痛がきたのは、午後に病院の検診を予定していた日の明け方の事でした。
その日の検診で入院する日を決めることなっていたので、ムコーも一緒に付き添っていくつもりで、仕事を半休にしていたのです。
ラクーは陣痛がきたのがムコーがいてくれた時で良かったと、胸を撫でおろしていました。
ムコーは張り切って、持っていく荷物などの準備を整えています。速足で動き回るその姿に、お父さんになるんだという決意が見えました。
陣痛が5分おきになったので、病院へ電話をして、ネムルーとムコーは大荷物を持って出陣していきました。
二人とも赤ちゃんに会えることへの期待と、初めての出産への不安が、相半ばしているというような顔つきでした。
さぁ、いよいよです。
ラクーもドキドキしてきました。
洗濯を干して、家のことを片付けてしまうと、ラクーも応援のために病院へ駆けつけることにしました。ムコーの昼ご飯のお弁当も買い込んで、準備万端です。
出産用の個室になっているLDR室で、三人で賑やかに話をしながらお昼ご飯を食べました。
陣痛の波形を取る機械から常時、吐き出されている用紙の模様を見ていると、4、5分おきに山がくる落ち着いた波を描いています。本人も時々「痛っ、イテテテテ。」と言いながらも、ちゃんと食事ができています。
ラクーの経験からみて、これはまだまだかかりそうだと思いました。赤ちゃんが産まれるのは夕方か夜になりそうな予感がします。
それでこの場はムコーに任せて、ラクーは一旦家に帰ることにしたのです。
夕飯の買い物をした後で家に帰ると、ネムルーからメールが届いていました。
『子宮口がまだ少ししか開いてないから、夕方までに全部開かなかったら一旦家に帰るかなとお医者さんに言われた~』
あららら、残念です。みんな臨戦態勢でやる気満々だったので、肩透かしをくらったような感じがしました。
二人が家に帰って来ました。どこかしょんぼりしているように見えます。
お医者さんに「この週末に産まれなかったら、月曜日の朝に陣痛促進剤の点滴をしましょう」と言われたらしいです。
でも荷物を病院に置いてきていたので、ラクーとしては、お医者さんも土日に産まれると思ってるんじゃないのかな?と思いました。
産婦人科医は土日も予定が立たなくて大変ですね。申し訳ないと思いながらも、ラクーとしては今夜半ぐらいには出産になりそうな気がしていました。
夜の11時頃に、ムコーが私たちの部屋にやって来ました。
「お父さん、お母さん。ネムルーが昼間よりも陣痛が激しくなったみたいなので、これから病院へ連れて行こうと思います。」
ムコーがこう言うのを聞いた時には、予想通り~ V(^o^)V と思ったんです。
でもネムルーが二階から下りて来るのを見て、予想を再び修正しました。まだ一人で歩けていましたし、痛みの具合ももうひと頑張りといったところでした。この様子なら明け方ぐらいにできるかなぁ?と思ったんです。
心配ではありましたが、ムコーがついてるので大丈夫だろうと思っていましたし、長女のノンビリーとラインをしながらお互いに気持ちを落ち着けて、夜中を過ぎた1時頃には眠りにつきました。
明け方の5時になった時です。
ムコーからの突然の電話でラクーとダンナーは飛び起きました。
産まれた?!
でも電話越しに聞こえてくるムコーの声は、冷静になろうとしているような感情を押さえたものでした。
「お母さん、起こしてすみません。実は赤ちゃんが疲れてきているということで、緊急に帝王切開になったんです。それで出てきた赤ちゃんが息を上手くできないので、ここの病院では十分な処置ができないということで、救急車で大きい病院へ搬送されることになりました。僕は赤ちゃんについて行かなければならないので、すみませんがネムルーの方についてあげてくれませんか?」
まぁ、大事です!
寝ぼけ眼が、一気に覚めました。
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