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兄登場
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「みなみちゃんのパーティー?行くよー?だって理奈が心配だから、保護者代わり」
そう言ってカラカラと笑うお兄ちゃん。
「もう、私は大丈夫だって!」
私はお兄ちゃんが妹を可愛がりすぎてるなあと常日頃感じていた。
「そんなんで良いの?お兄ちゃんもうすぐ結婚するんでしょ?」
「ああ…別れた」
なんですって!?なにこの展開。
「婚約してたんじゃ…」
「でも俺には護ってやりたい女の子がいるから」
そして見つめてくる。
「お兄ちゃん…私達、血は繋がらないけど兄妹じゃないの?」
「そうだよ。だけど理奈が何かあったときには助けてあげたい」
「理奈が悲しかったら笑顔にしてあげたいと思うし、理奈が嬉しい事なら俺も嬉しい」
「私は、お兄ちゃん以上には見られないよ」
うつ向く私は、どう返事をしていいかもう分からなくなっていた。
お兄ちゃんが私を好きだなんて、知らなかったよ。そして私は無意識にお兄ちゃんを傷つけていたんだと思うと胸が苦しくなった。
「ごめんね、私好きな人いるんだ」
思い浮かべたのは賢太郎の姿。
私を肯定してくれた唯一の存在だと思っていたけれど、本当はお兄ちゃんも思ってくれていたんだね。
嬉しい。素直に嬉しい。私はパーティーが楽しみになった。
みなみには悪いけど、お兄ちゃんも賢太郎も、みなみには渡さない!
「…良いんだよ。俺は理奈が好きだけど、モノにしようとは思ってないから。賢ちゃんと幸せになりなさい」
肩をポンと叩かれた。
「がんばれ」と背中を押された気がした。
ダークサイドにいるのは、みなみだけじゃなかった。ねぇ、時でも神様でも何でもいいから味方して。
じゃないと私は切り札を発動させるから。
理奈の手にはみなみの整形前の写真が握られていた。
「いじらなくても美人じゃんね」
そう呟くとそっとスカートのポケットに仕舞った。
そして、パーティーの日がやってきた。
そう言ってカラカラと笑うお兄ちゃん。
「もう、私は大丈夫だって!」
私はお兄ちゃんが妹を可愛がりすぎてるなあと常日頃感じていた。
「そんなんで良いの?お兄ちゃんもうすぐ結婚するんでしょ?」
「ああ…別れた」
なんですって!?なにこの展開。
「婚約してたんじゃ…」
「でも俺には護ってやりたい女の子がいるから」
そして見つめてくる。
「お兄ちゃん…私達、血は繋がらないけど兄妹じゃないの?」
「そうだよ。だけど理奈が何かあったときには助けてあげたい」
「理奈が悲しかったら笑顔にしてあげたいと思うし、理奈が嬉しい事なら俺も嬉しい」
「私は、お兄ちゃん以上には見られないよ」
うつ向く私は、どう返事をしていいかもう分からなくなっていた。
お兄ちゃんが私を好きだなんて、知らなかったよ。そして私は無意識にお兄ちゃんを傷つけていたんだと思うと胸が苦しくなった。
「ごめんね、私好きな人いるんだ」
思い浮かべたのは賢太郎の姿。
私を肯定してくれた唯一の存在だと思っていたけれど、本当はお兄ちゃんも思ってくれていたんだね。
嬉しい。素直に嬉しい。私はパーティーが楽しみになった。
みなみには悪いけど、お兄ちゃんも賢太郎も、みなみには渡さない!
「…良いんだよ。俺は理奈が好きだけど、モノにしようとは思ってないから。賢ちゃんと幸せになりなさい」
肩をポンと叩かれた。
「がんばれ」と背中を押された気がした。
ダークサイドにいるのは、みなみだけじゃなかった。ねぇ、時でも神様でも何でもいいから味方して。
じゃないと私は切り札を発動させるから。
理奈の手にはみなみの整形前の写真が握られていた。
「いじらなくても美人じゃんね」
そう呟くとそっとスカートのポケットに仕舞った。
そして、パーティーの日がやってきた。
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