31 / 62
第三章 サークル構成員吊し上げ作戦
第三十話 吊し上げ会終結、そして新章へ
しおりを挟む
市村が完全に意気消沈モードに入ってしまったため、済はクロージングに入ることにした。
「ふぅ、いやいや熱くなっちゃってすみません。地雷を踏み抜いた相手には、やり返さないと気がすまないタチなもので。でも今日は吐き出せてすっきりしました。ありがとうございます!なかなかおもしろい体験をさせてもらったので、今日のお代は僕が払っておきますよ。せっかくなので、僕も知らないようなサークルの情報とか教えてもらえますか?そしたらオタク飲み会の知り合いに、『あそこはマルチもどきの飲み会だ』って言いふらすのはやめます。」
「あの会を潰されたら困ります……。僕たちは素直にオタクの話し場を作りたいと思って三年間頑張ってきたんです。これまでの話からすると、ワタルさんはサークルが元々ニューステージの販売チームだったことも、月十五万円の自己投資も知ってるんですよね。ということは幕張の全国会議のことも知っているんじゃないですか?」
「勿論です。一万人集会とかいうやつですよね。」
「それもご存知でしたか……。となると、多分僕の知ってることはワタルさんも知っていると思います。ワタルさんが言っていた通り、僕とターリー、サスケは皆こしじさんの弟子で、自己投資をしながら経営の勉強をしているんです。オタク飲み会も経営勉強の一環で、皆に満足してもらいつつ、僕らも収益を上げるっていう……。」
飲み会で収益を上げる、といえば聞こえが良いが、要は高めに会費を取ってピンハネをしているのだった。済はもちろん知っていたが、会を閉めるため黙っていた。
「自己投資のお金を補充するために、三人で集まって飲み会とかバーベキューをやってるんです。実は僕もサークルのことを全部知ってるわけじゃないんですよ。まだ三系列までしかいったことないですし。九系五十人達成して、上のほうに行った人にしか教えてもらえない、サークルの真髄となる教えがあるらしい、というのは噂で聞いたことがあるんですが、それくらいですね……。」
「サークルの真髄となる教え?それはどのくらいの人が知っているんですか?」
「僕もたまたま、酔った師匠から聞いただけなので、周りにはほとんど知ってる人はいないと思います。後で師匠に聞いたらとぼけられたので、もしかしたら寝言かもしれないですが……。」
「分かりました。一応覚えておきましょう。」
思いのたけをぶつけることができた上、市村を降参モードにすることができた。さらに新しい情報も手に入れられたため、済としては満足だった。
◇
会計を済ませた後、三人はすぐ近くの店で打ち上げを開くことにした。一軒目が居酒屋だったため、二軒目はスペインバルにした。間接照明が多様された店内はなかなかおしゃれで、壁にはワインが並んでいる。
メニューはなかなか気が利いており、味の個性を示したグラフがワインの一本一本に描かれていた。それぞれ思い思いのワインを注文し、乾杯する。
「皆さんのおかげで楽しい夜になりました、乾杯!」
「乾杯ー!!」
「それにしても青山さん、完全にキレちゃってましたねー笑」
「ちょっと酔っちゃったからですかね、あとやっぱり搾取してる人間は許せないですね!」
「青山さん、学生の頃も荒ぶると手がつけられなかったからね笑」
「えっ、そうだったっけ?至って温厚だったはずなんだけどなー汗」
枝豆やサラダをつまみながら、これまでの戦いを振り返る。市村の話以外にも、入里麻里奈をコメント攻撃で再起不能にした話やニューブリッジの話、現在潜入中の吉井の話などで、その場は大いに盛り上がった。
このまま打ち上げが終わるかに思われたが、済がMASKについて説明していた時、事態は急展開を迎えた。
「それで、サークルって自己啓発セミナーとも関係してるんですよ。まあ、自己啓発セミナーって、もともとマルチのセミナーだったから繋がってるのは当たり前といえば当たり前なんですけどね。自己啓発セミナーの業者はMASKグローバルっていうんですけど、そこの代表が梅田っていうおっさんなんです。見るからに怪しいでしょう?」
済はスマホを取り出し、光沢のあるスーツを着た男性が腕組みをしている写真を見せた。歳は五十代半ばだろうか。色黒の顔は脂ぎっており、見るからに胡散臭い。昔お昼のワイドショーで司会をしていた男性芸能人を思わせる。
ところがその時、陽子が思わぬ反応をした。
「あっ、私この人見たことある!」
「ふぅ、いやいや熱くなっちゃってすみません。地雷を踏み抜いた相手には、やり返さないと気がすまないタチなもので。でも今日は吐き出せてすっきりしました。ありがとうございます!なかなかおもしろい体験をさせてもらったので、今日のお代は僕が払っておきますよ。せっかくなので、僕も知らないようなサークルの情報とか教えてもらえますか?そしたらオタク飲み会の知り合いに、『あそこはマルチもどきの飲み会だ』って言いふらすのはやめます。」
「あの会を潰されたら困ります……。僕たちは素直にオタクの話し場を作りたいと思って三年間頑張ってきたんです。これまでの話からすると、ワタルさんはサークルが元々ニューステージの販売チームだったことも、月十五万円の自己投資も知ってるんですよね。ということは幕張の全国会議のことも知っているんじゃないですか?」
「勿論です。一万人集会とかいうやつですよね。」
「それもご存知でしたか……。となると、多分僕の知ってることはワタルさんも知っていると思います。ワタルさんが言っていた通り、僕とターリー、サスケは皆こしじさんの弟子で、自己投資をしながら経営の勉強をしているんです。オタク飲み会も経営勉強の一環で、皆に満足してもらいつつ、僕らも収益を上げるっていう……。」
飲み会で収益を上げる、といえば聞こえが良いが、要は高めに会費を取ってピンハネをしているのだった。済はもちろん知っていたが、会を閉めるため黙っていた。
「自己投資のお金を補充するために、三人で集まって飲み会とかバーベキューをやってるんです。実は僕もサークルのことを全部知ってるわけじゃないんですよ。まだ三系列までしかいったことないですし。九系五十人達成して、上のほうに行った人にしか教えてもらえない、サークルの真髄となる教えがあるらしい、というのは噂で聞いたことがあるんですが、それくらいですね……。」
「サークルの真髄となる教え?それはどのくらいの人が知っているんですか?」
「僕もたまたま、酔った師匠から聞いただけなので、周りにはほとんど知ってる人はいないと思います。後で師匠に聞いたらとぼけられたので、もしかしたら寝言かもしれないですが……。」
「分かりました。一応覚えておきましょう。」
思いのたけをぶつけることができた上、市村を降参モードにすることができた。さらに新しい情報も手に入れられたため、済としては満足だった。
◇
会計を済ませた後、三人はすぐ近くの店で打ち上げを開くことにした。一軒目が居酒屋だったため、二軒目はスペインバルにした。間接照明が多様された店内はなかなかおしゃれで、壁にはワインが並んでいる。
メニューはなかなか気が利いており、味の個性を示したグラフがワインの一本一本に描かれていた。それぞれ思い思いのワインを注文し、乾杯する。
「皆さんのおかげで楽しい夜になりました、乾杯!」
「乾杯ー!!」
「それにしても青山さん、完全にキレちゃってましたねー笑」
「ちょっと酔っちゃったからですかね、あとやっぱり搾取してる人間は許せないですね!」
「青山さん、学生の頃も荒ぶると手がつけられなかったからね笑」
「えっ、そうだったっけ?至って温厚だったはずなんだけどなー汗」
枝豆やサラダをつまみながら、これまでの戦いを振り返る。市村の話以外にも、入里麻里奈をコメント攻撃で再起不能にした話やニューブリッジの話、現在潜入中の吉井の話などで、その場は大いに盛り上がった。
このまま打ち上げが終わるかに思われたが、済がMASKについて説明していた時、事態は急展開を迎えた。
「それで、サークルって自己啓発セミナーとも関係してるんですよ。まあ、自己啓発セミナーって、もともとマルチのセミナーだったから繋がってるのは当たり前といえば当たり前なんですけどね。自己啓発セミナーの業者はMASKグローバルっていうんですけど、そこの代表が梅田っていうおっさんなんです。見るからに怪しいでしょう?」
済はスマホを取り出し、光沢のあるスーツを着た男性が腕組みをしている写真を見せた。歳は五十代半ばだろうか。色黒の顔は脂ぎっており、見るからに胡散臭い。昔お昼のワイドショーで司会をしていた男性芸能人を思わせる。
ところがその時、陽子が思わぬ反応をした。
「あっ、私この人見たことある!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる