3 / 53
3話 10月23日 久美と真花の会話
しおりを挟む
「ちょっと、真花」
「なに? ピアノの練習なら今からするって」
「違うわよ。昨日の手紙の件だけど」
「手紙?」
「あなたがお姉ちゃんの部屋から見つけたっていう手紙」
「あー……、あの気持ち悪いやつ? お姉ちゃん、いじめられてるの?」
「そうなの⁉」
「知らない。でもあんなのがあるってさ。誰かから嫌がらせでもらったんじゃないの?」
「あれ、佳花のゴミ箱に捨てられてたのよね?」
「そう。昨日も言ったじゃん。お姉ちゃん、ここんところずっと部屋でなんか喋っててさ。私、こっそりママにケータイ買ってもらったんだって。ずっる!って思ってさ」
「買ってないわよ」
「でもそう思ったの。だから探して証拠を突き付けてやろうって」
「それでごみ箱を見たら、この手紙があったのね?」
「うん」
「あんたのクラスでもこんなの回ってるの?」
「回ってないよ。ってかさ、これ、変な手紙だよね」
「そう……ね」
「お姉ちゃんの学年ならもっと漢字使えばいいのに。なんでひらがなばっかなの?」
「……小学校全体ではどうなの? こういう手紙を回しちゃいけません、みたいに全校集会とかなかった?」
「ないよ。てかさー」
「ん?」
「そんなに気になるならお姉ちゃんに直接きけばいいじゃん」
「……それは、別に」
「私が聞いたげようか? お姉ちゃんの部屋で変なごみみつけたんだけどさー、お姉ちゃん、いじめられてるの?って」
「余計なこと言わないで」
「なんで。気になるじゃん」
「いいのよ、もう。ママは知り合いの人に尋ねることにしたから」
「知り合い? こんなのに詳しい人いるの?」
「さあね。それより、佳花はいまでもなんかこう……部屋で話してるの?」
「話してるよ」
「誰と」
「私が知りたいよ! 夜にボソボソボソボソ……。気になって寝られないんだから!」
「夜って……何時ぐらい?」
「まちまちだよ。部屋に入ってすぐのときもあるし。私がトイレに起きて、さ、また寝よーって思った時に始まったりとか。あ!」
「な、なによ」
「お姉ちゃん、ユーチューバーとかしてんじゃない⁉ 夜中に配信とか!」
「バカなことを言って……。スマホもパソコンもないのにどうやるのよ」
「学校からもらったタブレットある!」
「あれは制限がかかっててそんなのできない」
「そうなの?」
「……そう、いまでもなんか話してるのね……」
「今度壁に耳当てて聞いてみようか?」
「結構よ」
「なんで? ママも気になるんでしょ?」
「それより、いまからピアノ練習するって本当? ママが聞いてあげる」
「うげー。いいよ! ひとりでやるほうがいい!」
「そうやってサボろうとして! あんたには才能があるんだから!」
「サボんないし、才能もない! ……あ! ほら、お姉ちゃんが公文から帰ってきたよ!」
「……まったく、この子は。ちゃんと練習しなさいよ」
「はいはーい」
「はい、は一回! ……あ、佳花、おかえり。今日の公文はどこまで進んだ?」
「なに? ピアノの練習なら今からするって」
「違うわよ。昨日の手紙の件だけど」
「手紙?」
「あなたがお姉ちゃんの部屋から見つけたっていう手紙」
「あー……、あの気持ち悪いやつ? お姉ちゃん、いじめられてるの?」
「そうなの⁉」
「知らない。でもあんなのがあるってさ。誰かから嫌がらせでもらったんじゃないの?」
「あれ、佳花のゴミ箱に捨てられてたのよね?」
「そう。昨日も言ったじゃん。お姉ちゃん、ここんところずっと部屋でなんか喋っててさ。私、こっそりママにケータイ買ってもらったんだって。ずっる!って思ってさ」
「買ってないわよ」
「でもそう思ったの。だから探して証拠を突き付けてやろうって」
「それでごみ箱を見たら、この手紙があったのね?」
「うん」
「あんたのクラスでもこんなの回ってるの?」
「回ってないよ。ってかさ、これ、変な手紙だよね」
「そう……ね」
「お姉ちゃんの学年ならもっと漢字使えばいいのに。なんでひらがなばっかなの?」
「……小学校全体ではどうなの? こういう手紙を回しちゃいけません、みたいに全校集会とかなかった?」
「ないよ。てかさー」
「ん?」
「そんなに気になるならお姉ちゃんに直接きけばいいじゃん」
「……それは、別に」
「私が聞いたげようか? お姉ちゃんの部屋で変なごみみつけたんだけどさー、お姉ちゃん、いじめられてるの?って」
「余計なこと言わないで」
「なんで。気になるじゃん」
「いいのよ、もう。ママは知り合いの人に尋ねることにしたから」
「知り合い? こんなのに詳しい人いるの?」
「さあね。それより、佳花はいまでもなんかこう……部屋で話してるの?」
「話してるよ」
「誰と」
「私が知りたいよ! 夜にボソボソボソボソ……。気になって寝られないんだから!」
「夜って……何時ぐらい?」
「まちまちだよ。部屋に入ってすぐのときもあるし。私がトイレに起きて、さ、また寝よーって思った時に始まったりとか。あ!」
「な、なによ」
「お姉ちゃん、ユーチューバーとかしてんじゃない⁉ 夜中に配信とか!」
「バカなことを言って……。スマホもパソコンもないのにどうやるのよ」
「学校からもらったタブレットある!」
「あれは制限がかかっててそんなのできない」
「そうなの?」
「……そう、いまでもなんか話してるのね……」
「今度壁に耳当てて聞いてみようか?」
「結構よ」
「なんで? ママも気になるんでしょ?」
「それより、いまからピアノ練習するって本当? ママが聞いてあげる」
「うげー。いいよ! ひとりでやるほうがいい!」
「そうやってサボろうとして! あんたには才能があるんだから!」
「サボんないし、才能もない! ……あ! ほら、お姉ちゃんが公文から帰ってきたよ!」
「……まったく、この子は。ちゃんと練習しなさいよ」
「はいはーい」
「はい、は一回! ……あ、佳花、おかえり。今日の公文はどこまで進んだ?」
0
あなたにおすすめの小説
怪蒐師
糸世朔
ホラー
第8回ホラー•ミステリー大賞で優秀賞を受賞しました。ありがとうございました!
●あらすじ
『階段をのぼるだけで一万円』
大学二年生の間宮は、同じ学部にも関わらず一度も話したことすらない三ツ橋に怪しげなアルバイトを紹介される。
三ツ橋に連れて行かれたテナントビルの事務所で出迎えたのは、イスルギと名乗る男だった。
男は言った。
ーー君の「階段をのぼるという体験」を買いたいんだ。
ーーもちろん、ただの階段じゃない。
イスルギは怪異の体験を売り買いする奇妙な男だった。
《目次》
第一話「十三階段」
第二話「忌み地」
第三話「凶宅」
第四話「呪詛箱」
第五話「肉人さん」
第六話「悪夢」
最終話「触穢」
※他サイトでも公開しています。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【電子書籍化】ホラー短編集・ある怖い話の記録~旧 2ch 洒落にならない怖い話風 現代ホラー~
榊シロ
ホラー
【1~4話で完結する、語り口調の短編ホラー集】
ジャパニーズホラー、じわ怖、身近にありそうな怖い話など。
八尺様 や リアルなど、2chの 傑作ホラー の雰囲気を目指しています。現在 150話 越え。
===
エブリスタ・小説家になろう・カクヨムに同時掲載中
【総文字数 800,000字 超え 文庫本 約8冊分 のボリュームです】
【怖さレベル】
★☆☆ 微ホラー・ほんのり程度
★★☆ ふつうに怖い話
★★★ 旧2ch 洒落怖くらいの話
※8/2 Kindleにて電子書籍化しました
『9/27 名称変更→旧:ある雑誌記者の記録』
霊和怪異譚 野花と野薔薇[改稿前]
野花マリオ
ホラー
その“語り”が始まったとき、世界に異変が芽吹く。
静かな町、ふとした日常、どこにでもあるはずの風景に咲きはじめる、奇妙な花々――。
『霊和怪異譚 野花と野薔薇』は、不思議な力を持つ語り部・八木楓と鐘技友紀以下彼女達が語る怪異を描く、短編連作形式の怪異譚シリーズ。
一話ごとに異なる舞台、異なる登場人物、異なる恐怖。それでも、語りが始まるたび、必ず“何か”が咲く――。
語られる怪談はただの物語ではない。
それを「聞いた者」に忍び寄る異変、染みわたる不安。
やがて読者自身の身にも、“あの花”が咲くかもしれない。
日常にひっそりと紛れ込む、静かで妖しいホラー。
あなたも一席、語りを聞いてみませんか?
完結いたしました。
タイトル変更しました。
旧 彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる
※この物語はフィクションです。実在する人物、企業、団体、名称などは一切関係ありません。
本作は改稿前/改稿後の複数バージョンが存在します
掲載媒体ごとに内容が異なる場合があります。
改稿後小説作品はカイタとネオページで見られます
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる