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第1章 序論
1.4 本研究の範囲と構成|規範的議論および倫理的評価を扱わない理由
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本研究は、地球外ハビタットにおける経済活動を、特定の価値観や規範に基づいて評価することを目的としない。すなわち、提示される枠組みは「望ましい経済制度」や「あるべき社会像」を導出するためのものではなく、現に行われている経済行為を、異なる参照軸によって記述し直すための分析的手法として位置づけられる。この立場から、本稿では規範的議論および倫理的評価を意図的に扱わない。
第一に、規範的判断は、参照軸の選択そのものを論点化しやすい。本研究が扱うのは、既存の経済活動をカロリー基準へ写像する操作であり、その操作が正当か否かを論じることは、再記述の可否を検討するという本来の目的から逸脱する。規範を導入した時点で、分析対象は経済活動そのものから、制度選択や価値判断へと移行してしまう。
第二に、地球外ハビタットという環境は、倫理的合意が未だ十分に定式化されていない領域である。生存条件が高度に工学化され、生活行為と資源循環が密接に結びついている状況において、倫理的評価はしばしば立場依存的となる。本研究は、こうした評価の差異を調停する役割を担わず、あくまで観測可能な操作と記録の体系に限定して議論を進める。
第三に、カロリー基準による再記述は、倫理的含意を伴い得るが、それ自体が倫理的主張ではない。ある行為がどの程度のカロリー移動や消費として表現されるかを示すことと、その行為が許容されるべきかを判断することは、論理的に独立した問題である。本稿では前者のみを扱い、後者については意図的に沈黙する。
以上の理由から、本研究は記述的・分析的範囲に限定される。構成としては、第2章において貨幣および価値尺度に関する理論的背景を整理し、第3章でカロリー基準による再記述を可能にする記録装置と操作体系を導入する。続く章では、複数の制度的実装形態を比較し、成立条件および破綻条件を例示する。最終章では、これらの分析から得られる示唆をまとめるが、いかなる段階においても、規範的結論や倫理的勧告を導出することは本研究の射程外とする。
このように、本稿は評価を留保したまま記述を進めることで、地球外ハビタットにおける経済活動が、どのような参照軸の下で表現可能であるかを、可能な限り中立的に示すことを目指す。
第一に、規範的判断は、参照軸の選択そのものを論点化しやすい。本研究が扱うのは、既存の経済活動をカロリー基準へ写像する操作であり、その操作が正当か否かを論じることは、再記述の可否を検討するという本来の目的から逸脱する。規範を導入した時点で、分析対象は経済活動そのものから、制度選択や価値判断へと移行してしまう。
第二に、地球外ハビタットという環境は、倫理的合意が未だ十分に定式化されていない領域である。生存条件が高度に工学化され、生活行為と資源循環が密接に結びついている状況において、倫理的評価はしばしば立場依存的となる。本研究は、こうした評価の差異を調停する役割を担わず、あくまで観測可能な操作と記録の体系に限定して議論を進める。
第三に、カロリー基準による再記述は、倫理的含意を伴い得るが、それ自体が倫理的主張ではない。ある行為がどの程度のカロリー移動や消費として表現されるかを示すことと、その行為が許容されるべきかを判断することは、論理的に独立した問題である。本稿では前者のみを扱い、後者については意図的に沈黙する。
以上の理由から、本研究は記述的・分析的範囲に限定される。構成としては、第2章において貨幣および価値尺度に関する理論的背景を整理し、第3章でカロリー基準による再記述を可能にする記録装置と操作体系を導入する。続く章では、複数の制度的実装形態を比較し、成立条件および破綻条件を例示する。最終章では、これらの分析から得られる示唆をまとめるが、いかなる段階においても、規範的結論や倫理的勧告を導出することは本研究の射程外とする。
このように、本稿は評価を留保したまま記述を進めることで、地球外ハビタットにおける経済活動が、どのような参照軸の下で表現可能であるかを、可能な限り中立的に示すことを目指す。
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