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「そんなことできるわけないわ!
言っちゃ悪いけど、エトワイアは血筋で次期国王が決まっているような物。優しくてイケメンだけれど器用貧乏の凡夫。それがあなたでしょ?」
中々の言われようだが、ゲームでの王子なんてそんなもの。
普通人であるがこそ親近感が沸くし、あまりにも有能だとヒロインに感情移入したとしても婚約破棄などするわけがない。
「国法を変えるためには国民の支持の8割を得ないといけません。
そのためには偉大な、いえ、英雄にも等しい名声が必要になると思います」
国法の変え方だとかなんとかは俺は知らなかったが、一つだけ分かることがある。
それは変えることが出来るということ。
変更不可能な絶対法規ではないのだ。
「今の俺はさっきまでとはまるで違う。お前ら二人を幸せにするために生まれ変わったスーパー王子。
稀代の賢王と呼ばれる絶対的な為政者を目指す。国のためじゃなくお前ら二人だけのためにな!」
「大きなことを言ってるけど、口から出まかせってわけじゃないのよね?
確かに今までとは雰囲気が違う気がする。口調も言葉遣いも違うとは思っていたけれど」
「や、やはりアリゼッタもそう感じていたのですね。なんだか雰囲気が変わられたように感じていたのです。
でも……それを成し遂げてくれそうな気配があります」
「そうだろう、そうだろう。二人も俺を目の前にして少し仲良くなっているような気がするぞ?」
二人は顔を見合わせ数瞬、そしてくすくすと笑い出した。
「なーんかずっといがみ合ってたのが馬鹿らしくなったわ。エトワイアが変なこと言いだすから」
「本当です。ずっといじめられてて悲しかったですけど、なんだか気が楽になりました」
「うむうむ。それでは俺はエリーゼと婚約することをここに誓う。アリゼッタとの婚約も引き続き継続するものとする。これでとりあえずいいか?」
「ま、それでいいことにするわ。でもまだ本気で仲良くなんかできないわよ。だってその計画が成功するってわけじゃないんだから。
その時は爵位が上で先に婚約していた私を娶りなさい。それが条件よ」
公爵令嬢であるアリゼッタからしたら、それが最大限の譲歩なんだろう。
エリーゼに対する非道の数々を断罪させ婚約破棄するという設定だが、もうここに至ればそれに関しては持ち出すことは出来ないだろう。
なにより男らしくないし、もし失敗するようであるならば俺は二人の前に顔を見せる資格はない。
エリーゼとしては一方的に損を被った形であるが、本来の平和的な性格であるならば納得してくれているはずだ。
「私はそれで構いません。それよりエトワイア様が何を成し遂げるのに興味が沸いている方が大きいです」
勿論、是非その計画を成功させていただきたいところですが」
「ああ、俺は死んでもそれを成功させる。お前らの幸せと共に民を幸せにして見せる!」
俺がそう声を上げた瞬間、鍵をかけていたはずのドアがバーンと開いた。
「話はすべて聞かせてもらったぞ! よくぞ言った! それでこそ儂の息子だ!」
言っちゃ悪いけど、エトワイアは血筋で次期国王が決まっているような物。優しくてイケメンだけれど器用貧乏の凡夫。それがあなたでしょ?」
中々の言われようだが、ゲームでの王子なんてそんなもの。
普通人であるがこそ親近感が沸くし、あまりにも有能だとヒロインに感情移入したとしても婚約破棄などするわけがない。
「国法を変えるためには国民の支持の8割を得ないといけません。
そのためには偉大な、いえ、英雄にも等しい名声が必要になると思います」
国法の変え方だとかなんとかは俺は知らなかったが、一つだけ分かることがある。
それは変えることが出来るということ。
変更不可能な絶対法規ではないのだ。
「今の俺はさっきまでとはまるで違う。お前ら二人を幸せにするために生まれ変わったスーパー王子。
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「大きなことを言ってるけど、口から出まかせってわけじゃないのよね?
確かに今までとは雰囲気が違う気がする。口調も言葉遣いも違うとは思っていたけれど」
「や、やはりアリゼッタもそう感じていたのですね。なんだか雰囲気が変わられたように感じていたのです。
でも……それを成し遂げてくれそうな気配があります」
「そうだろう、そうだろう。二人も俺を目の前にして少し仲良くなっているような気がするぞ?」
二人は顔を見合わせ数瞬、そしてくすくすと笑い出した。
「なーんかずっといがみ合ってたのが馬鹿らしくなったわ。エトワイアが変なこと言いだすから」
「本当です。ずっといじめられてて悲しかったですけど、なんだか気が楽になりました」
「うむうむ。それでは俺はエリーゼと婚約することをここに誓う。アリゼッタとの婚約も引き続き継続するものとする。これでとりあえずいいか?」
「ま、それでいいことにするわ。でもまだ本気で仲良くなんかできないわよ。だってその計画が成功するってわけじゃないんだから。
その時は爵位が上で先に婚約していた私を娶りなさい。それが条件よ」
公爵令嬢であるアリゼッタからしたら、それが最大限の譲歩なんだろう。
エリーゼに対する非道の数々を断罪させ婚約破棄するという設定だが、もうここに至ればそれに関しては持ち出すことは出来ないだろう。
なにより男らしくないし、もし失敗するようであるならば俺は二人の前に顔を見せる資格はない。
エリーゼとしては一方的に損を被った形であるが、本来の平和的な性格であるならば納得してくれているはずだ。
「私はそれで構いません。それよりエトワイア様が何を成し遂げるのに興味が沸いている方が大きいです」
勿論、是非その計画を成功させていただきたいところですが」
「ああ、俺は死んでもそれを成功させる。お前らの幸せと共に民を幸せにして見せる!」
俺がそう声を上げた瞬間、鍵をかけていたはずのドアがバーンと開いた。
「話はすべて聞かせてもらったぞ! よくぞ言った! それでこそ儂の息子だ!」
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