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ガラス瓶に溜まった水から溢れるような光が発生し、書庫全体を埋めていく。
圧倒的な光量が俺たちの網膜をくらまし、眼を開けることが困難なほどに輝いた。
これを見た瞬間、俺は頭で理解していた。
転生者ゆえのボーナス的な魔力。明らかに二人が持つモノとはけた違いの魔力量。
「こ、これはなんですの!? 眼を開けることが出来ませんわ」
「エトワイアの力がこれほどってことでしょうか? 私感激してます」
力を込めるのをやめると瞬時に消える輝き。
魔法を使える人間がいない世界で極大な魔力量を持つという二重のサービスに、俺は思わず笑ってしまった。
「ふっ。魔法が容易く使えたのもそう言うことだったのかもしれんな」
「エトワイアは魔法というものを使ってみたんですの?」
「ああ、本当に使えるのか試してみたんだ。いくぞ?」
指先に力を集中するとろうそくのようにゆらゆらと熱を放つ炎が現れる。指との距離は一ミリもないのに全く熱さは感じない。
けれど上昇気流は確実に温まり、俺の顔に熱を届ける。
「火、火が出てますわ……。指が燃えてますわ!!」
「た、大変です!! えと、あ! 水をかければ!」
魔力判別に使っていた水を、エリーゼにかけられた。
だがそれでも俺の指先の炎は消えていない。
魔力を込め続けている間はずっと燃えているという仕組みのようだ。
しかし、試しにと思い水の中に炎を入れてみるとそれは消えてしまった。
魔法であるが炎としての性質も持つということであろうか。
「くっくっく。二人の反応は面白いな。これが魔法だ。属性は勉強しただろ? 自然界に存在するエネルギーに力を貸してもらい、それを操作するんだ」
「指は熱くなかったんですの?」
「ああ。全くな。けど実際に燃えていたから熱は伝わってきただろ? 二人にもこれを使えるようになってもらう」
「私達にもそんな力が……。でも分かりました。覚えた内容を実践して魔法を使えるようになればいいんですね」
「エリーゼ! どちらが先に使えるようになるか勝負ですわ!」
「ふふ。そのほうが確かに燃えてきますね。分からないことがあればエトワイアに聞くとして頑張りましょう!」
こうして下準備の最終段階ともいえる魔法の習得と、実践的な剣技や武器術なんかを練習していく事となった。
二人と俺は着々と地盤を固めていく。
日が経つにつれ、魔法も順調に習得しその練度を高めていった。
「炎の魔法はエリーゼに負けてしまいましたが、雷の魔法は私の方が早かったようですわね!」
「水はほぼ同時でしたし今のところ引き分けです! あとは土と風ですね。負けないですよ」
魔法の属性には相性があるようで、使いやすさや威力魔力の消費量がそれによって変わるようである。
アリゼッタはどうやら雷と風が得意で水は普通。エリーゼは火と土が得意で水が普通という結果に終わり、火花を散らしていた。
ちなみに俺は全ての魔法に適性があるようだが、ラノベにあるような無茶苦茶な威力を出すことはできなかった。
おそらくは使用回数とその種類の多さという面で、優遇されているのだと俺は予想した。
圧倒的な光量が俺たちの網膜をくらまし、眼を開けることが困難なほどに輝いた。
これを見た瞬間、俺は頭で理解していた。
転生者ゆえのボーナス的な魔力。明らかに二人が持つモノとはけた違いの魔力量。
「こ、これはなんですの!? 眼を開けることが出来ませんわ」
「エトワイアの力がこれほどってことでしょうか? 私感激してます」
力を込めるのをやめると瞬時に消える輝き。
魔法を使える人間がいない世界で極大な魔力量を持つという二重のサービスに、俺は思わず笑ってしまった。
「ふっ。魔法が容易く使えたのもそう言うことだったのかもしれんな」
「エトワイアは魔法というものを使ってみたんですの?」
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指先に力を集中するとろうそくのようにゆらゆらと熱を放つ炎が現れる。指との距離は一ミリもないのに全く熱さは感じない。
けれど上昇気流は確実に温まり、俺の顔に熱を届ける。
「火、火が出てますわ……。指が燃えてますわ!!」
「た、大変です!! えと、あ! 水をかければ!」
魔力判別に使っていた水を、エリーゼにかけられた。
だがそれでも俺の指先の炎は消えていない。
魔力を込め続けている間はずっと燃えているという仕組みのようだ。
しかし、試しにと思い水の中に炎を入れてみるとそれは消えてしまった。
魔法であるが炎としての性質も持つということであろうか。
「くっくっく。二人の反応は面白いな。これが魔法だ。属性は勉強しただろ? 自然界に存在するエネルギーに力を貸してもらい、それを操作するんだ」
「指は熱くなかったんですの?」
「ああ。全くな。けど実際に燃えていたから熱は伝わってきただろ? 二人にもこれを使えるようになってもらう」
「私達にもそんな力が……。でも分かりました。覚えた内容を実践して魔法を使えるようになればいいんですね」
「エリーゼ! どちらが先に使えるようになるか勝負ですわ!」
「ふふ。そのほうが確かに燃えてきますね。分からないことがあればエトワイアに聞くとして頑張りましょう!」
こうして下準備の最終段階ともいえる魔法の習得と、実践的な剣技や武器術なんかを練習していく事となった。
二人と俺は着々と地盤を固めていく。
日が経つにつれ、魔法も順調に習得しその練度を高めていった。
「炎の魔法はエリーゼに負けてしまいましたが、雷の魔法は私の方が早かったようですわね!」
「水はほぼ同時でしたし今のところ引き分けです! あとは土と風ですね。負けないですよ」
魔法の属性には相性があるようで、使いやすさや威力魔力の消費量がそれによって変わるようである。
アリゼッタはどうやら雷と風が得意で水は普通。エリーゼは火と土が得意で水が普通という結果に終わり、火花を散らしていた。
ちなみに俺は全ての魔法に適性があるようだが、ラノベにあるような無茶苦茶な威力を出すことはできなかった。
おそらくは使用回数とその種類の多さという面で、優遇されているのだと俺は予想した。
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※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。
※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。
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