19 / 21
第19話 対峙
しおりを挟む
アリシアの言葉を聞いて俺の心臓が跳ねる。
偶然ではあるが俺たちは出てきた通路と逆側の柱に隠れていた。
なのでこのままやり過ごせる可能性は高いと思っていたのだが、そうはいかないらしい。
「隊長、私が索敵魔法を使用しますので」
「ああ、すまない。助かるぞ、メーティ」
索敵魔法云々と言ったのは女性の声だったのでメーティと言う女性なのだろう。
しかし、まずい。
俺はギュッとディアの肩を抱き寄せる。
勿論不安や恐怖から行った行動ではない。
俺とディアの距離を近付けることこそが狙いだ。
「た、隊長! その柱の陰に一つ反応があります! 人間の反応です!」
「何だと!?」
途端、ガチャガチャと鎧の音が軋み散開するように音が鳴り響く。
シャリリと剣を抜き取るような音も耳に届く。
このまま隠れていると何をされるか分からない。
ただ賭けというよりは試みのような物だったが、ディアを引き寄せることで狙い通り索敵魔法の反応を一つと誤認させることができた。
「プリシラ! お前のたくらみは潰えた! 大人しく出て来い! そうすれば命だけは助けてやる!」
正直な話、ここがどういう場所かもわからないし、上半身裸の状態は非常にまずいとは思う。
といっても座して待つわけにはいかない。
ディアにここから動くなとジェスチャーで示し、アイテムボックスからこっそりと石ころをだし腕に大きく傷をつけた。
ポタリポタリと地が滴る。ディアの顔が困惑で歪む。
ディアに微笑みかけて俺は腕を抑えながらゆくりと彼女らの前へ姿を現した。
「なっ!? プリシラじゃない!? 男!?」
「お、俺はプリシラって名前じゃない。レンジュ。レンジュって言うんだ」
やはり五人というのはあっている。女性二人に男性三人。
中央に立つ赤髪ロングの女が声を発したので隊長のアリシアというわけなのだろう。
口調からも感じられるように強気そうな顔立ち。
目つきが鋭く、凛としたオーラも携えている。
「こんなとこで何を――なんだ? 怪我をしているのか?」
「あ、ああ……そうなんだ……。モンスターにやられてしまって命からがらここに逃げ込んで……。外にモンスターはいなかったか?」
「そうか。それは大変だったな……。外のモンスターは軒並み我々が駆除しておいたから大丈夫だ。だが、なんで裸なんだ?」
「服をモンスターに掴まれてしまって、脱ぎ捨てて必死で逃げてきたんだ」
外にモンスターがいるかは分からなかったが、どうやら俺の賭けは成功に傾いたようだ。
少し心拍数が上昇しているが問題はない。
このまま切り抜けられたら俺の勝ちだ。
ジッと俺の事を見つめてきている五人。
しかし、最初程緊迫した感じは伝わってこない。
傷を作ったのが有効に作用したということだな。
そう思ったのも束の間。
アリシアは腰に剣を収めると、油断なく俺の事を見つめながら歩み寄ってくる。
それを見て再度俺の心臓が跳ねる。
何かミスをしたか……?
僅かに体が硬直し、ジトリと汗が浮く。
アリシアは俺の横までやってくると口元を僅かに緩め、俺の傷のできた腕に手を伸ばす。
手が水色に光輝き、俺の腕の傷が見る見るうちに治っていく。
回復魔法。
初めて目にするものだがそれを俺にかけてくれたという訳なんだろう。
どういう原理かは分からないが素晴らしい効果だと思う。
傷がすっかり治ったのを確認した後、俺から離れ若干の距離をとる。
「これで大丈夫だろう。一人で帰ることができるか? 何なら一人見送りを――」
「隊長! これから封殿に向かうというのに戦力を割くわけにはいきません! 彼もここまで来た男。一人で帰ることくらいできるでしょう!」
アリシアに言葉を被せたのはアレス副隊長という男。
金髪ショートを短く切りそろえていて、口調の割には目尻が僅かに下がり優男といった顔つきに思える。
もとより見送りなどつけられてはかなわない。
「大丈夫です。帰るくらいだけなら慎重に進めば何とか。いや、本当に助かりました」
「そうか。しかし、なぜ隠れていたんだ? 普通に姿を見せてくれればよかったものを」
「いやはは。突然、ガチャガチャと鎧の軋む音が聞こえたら反射的に隠れてしまって……。ほんとお騒がせしました」
「確かに……言われてみれば分からん話でもないか」
その時、メーティと呼ばれた少女がアリシアへと歩み寄っていき耳打ちを行った。
急速に俺の中で不安が高まる。
もしかしてこの直感力は罠師としての能力なのか?
耳打ちするメーティに視線が集まる中、俺は保険として罠を待機させる。
罠を仕掛ける人間の能力なのか、そういう性質なのかは分からないが気配も音も全く発生しない。
当然、誰かが気付いたりといったことはない。
耳打ちをしていたメーティが離れ、アリシアが俺に顔を向けた。
「レンジュ……と言ったな。一つ尋ねるが……なぜ入口からここまでに血が滴っていなかったんだ……?」
当然気付かれるのは想定の範囲内のこと。
気付かれなかったら良し、気付かれても相手の雰囲気を緩められれば良しの二段構え。
ま、想定より気付かれるのが遅かったけれど、そのおかげで俺たちは楽々と逃げることができる。
傷を負っていた手の中に隠し持っていた石ころをディアに向かって投げる。
これが合図だ。
同時に煙爆弾を二個生成。一個はその場で、二個目はアリシアに向かって投げ渡すように。
当然両方とも既に作動させ煙を噴出している。
充満するモスグリーンで内部は埋め尽くされていき、視界は急速に閉ざされていく。
突如煙玉を投げ渡されたアリシアは、一瞬だけ手で触れ驚いた後すぐに下へと落とす。
「なんだ、これは!?」
「やはり怪しい奴でしたか!」
アリシアとメーティの言葉が響く。
が、既に俺たちは作戦を始動しているのだ。
ディアは俺が耳打ちしていた通り、予め柱の横で待機させていた移動の罠に乗ったはず。
そのまま入口の方向へと計算し配置しておいた移動の罠にかかり、直角に折れ曲がる様に移動したのが気流と気配から分かる。
それを見て俺も即座に移動の罠にかかるために動く。
視界は塞がれていても不変的な罠の力は変わることはない。
急速な体重移動で足がもつれそうになるが、俺はさらに罠を待機させる。
移動の罠を祭壇の方向へ向けて仕掛けたのだ。
これでもし万が一向こうの移動の罠に触れる奴がいたとしても、高速で移動を繰り返し船酔いのような状態になるだけ。
「レンジュ、かっこいい……」
「しっ! ディアはいないことになってるんだから。それより早く逃げるぞ」
命令系統の混乱。怒号と悲鳴が奥から飛び交う中、俺たちは祭壇に背を向け駆け抜けた。
偶然ではあるが俺たちは出てきた通路と逆側の柱に隠れていた。
なのでこのままやり過ごせる可能性は高いと思っていたのだが、そうはいかないらしい。
「隊長、私が索敵魔法を使用しますので」
「ああ、すまない。助かるぞ、メーティ」
索敵魔法云々と言ったのは女性の声だったのでメーティと言う女性なのだろう。
しかし、まずい。
俺はギュッとディアの肩を抱き寄せる。
勿論不安や恐怖から行った行動ではない。
俺とディアの距離を近付けることこそが狙いだ。
「た、隊長! その柱の陰に一つ反応があります! 人間の反応です!」
「何だと!?」
途端、ガチャガチャと鎧の音が軋み散開するように音が鳴り響く。
シャリリと剣を抜き取るような音も耳に届く。
このまま隠れていると何をされるか分からない。
ただ賭けというよりは試みのような物だったが、ディアを引き寄せることで狙い通り索敵魔法の反応を一つと誤認させることができた。
「プリシラ! お前のたくらみは潰えた! 大人しく出て来い! そうすれば命だけは助けてやる!」
正直な話、ここがどういう場所かもわからないし、上半身裸の状態は非常にまずいとは思う。
といっても座して待つわけにはいかない。
ディアにここから動くなとジェスチャーで示し、アイテムボックスからこっそりと石ころをだし腕に大きく傷をつけた。
ポタリポタリと地が滴る。ディアの顔が困惑で歪む。
ディアに微笑みかけて俺は腕を抑えながらゆくりと彼女らの前へ姿を現した。
「なっ!? プリシラじゃない!? 男!?」
「お、俺はプリシラって名前じゃない。レンジュ。レンジュって言うんだ」
やはり五人というのはあっている。女性二人に男性三人。
中央に立つ赤髪ロングの女が声を発したので隊長のアリシアというわけなのだろう。
口調からも感じられるように強気そうな顔立ち。
目つきが鋭く、凛としたオーラも携えている。
「こんなとこで何を――なんだ? 怪我をしているのか?」
「あ、ああ……そうなんだ……。モンスターにやられてしまって命からがらここに逃げ込んで……。外にモンスターはいなかったか?」
「そうか。それは大変だったな……。外のモンスターは軒並み我々が駆除しておいたから大丈夫だ。だが、なんで裸なんだ?」
「服をモンスターに掴まれてしまって、脱ぎ捨てて必死で逃げてきたんだ」
外にモンスターがいるかは分からなかったが、どうやら俺の賭けは成功に傾いたようだ。
少し心拍数が上昇しているが問題はない。
このまま切り抜けられたら俺の勝ちだ。
ジッと俺の事を見つめてきている五人。
しかし、最初程緊迫した感じは伝わってこない。
傷を作ったのが有効に作用したということだな。
そう思ったのも束の間。
アリシアは腰に剣を収めると、油断なく俺の事を見つめながら歩み寄ってくる。
それを見て再度俺の心臓が跳ねる。
何かミスをしたか……?
僅かに体が硬直し、ジトリと汗が浮く。
アリシアは俺の横までやってくると口元を僅かに緩め、俺の傷のできた腕に手を伸ばす。
手が水色に光輝き、俺の腕の傷が見る見るうちに治っていく。
回復魔法。
初めて目にするものだがそれを俺にかけてくれたという訳なんだろう。
どういう原理かは分からないが素晴らしい効果だと思う。
傷がすっかり治ったのを確認した後、俺から離れ若干の距離をとる。
「これで大丈夫だろう。一人で帰ることができるか? 何なら一人見送りを――」
「隊長! これから封殿に向かうというのに戦力を割くわけにはいきません! 彼もここまで来た男。一人で帰ることくらいできるでしょう!」
アリシアに言葉を被せたのはアレス副隊長という男。
金髪ショートを短く切りそろえていて、口調の割には目尻が僅かに下がり優男といった顔つきに思える。
もとより見送りなどつけられてはかなわない。
「大丈夫です。帰るくらいだけなら慎重に進めば何とか。いや、本当に助かりました」
「そうか。しかし、なぜ隠れていたんだ? 普通に姿を見せてくれればよかったものを」
「いやはは。突然、ガチャガチャと鎧の軋む音が聞こえたら反射的に隠れてしまって……。ほんとお騒がせしました」
「確かに……言われてみれば分からん話でもないか」
その時、メーティと呼ばれた少女がアリシアへと歩み寄っていき耳打ちを行った。
急速に俺の中で不安が高まる。
もしかしてこの直感力は罠師としての能力なのか?
耳打ちするメーティに視線が集まる中、俺は保険として罠を待機させる。
罠を仕掛ける人間の能力なのか、そういう性質なのかは分からないが気配も音も全く発生しない。
当然、誰かが気付いたりといったことはない。
耳打ちをしていたメーティが離れ、アリシアが俺に顔を向けた。
「レンジュ……と言ったな。一つ尋ねるが……なぜ入口からここまでに血が滴っていなかったんだ……?」
当然気付かれるのは想定の範囲内のこと。
気付かれなかったら良し、気付かれても相手の雰囲気を緩められれば良しの二段構え。
ま、想定より気付かれるのが遅かったけれど、そのおかげで俺たちは楽々と逃げることができる。
傷を負っていた手の中に隠し持っていた石ころをディアに向かって投げる。
これが合図だ。
同時に煙爆弾を二個生成。一個はその場で、二個目はアリシアに向かって投げ渡すように。
当然両方とも既に作動させ煙を噴出している。
充満するモスグリーンで内部は埋め尽くされていき、視界は急速に閉ざされていく。
突如煙玉を投げ渡されたアリシアは、一瞬だけ手で触れ驚いた後すぐに下へと落とす。
「なんだ、これは!?」
「やはり怪しい奴でしたか!」
アリシアとメーティの言葉が響く。
が、既に俺たちは作戦を始動しているのだ。
ディアは俺が耳打ちしていた通り、予め柱の横で待機させていた移動の罠に乗ったはず。
そのまま入口の方向へと計算し配置しておいた移動の罠にかかり、直角に折れ曲がる様に移動したのが気流と気配から分かる。
それを見て俺も即座に移動の罠にかかるために動く。
視界は塞がれていても不変的な罠の力は変わることはない。
急速な体重移動で足がもつれそうになるが、俺はさらに罠を待機させる。
移動の罠を祭壇の方向へ向けて仕掛けたのだ。
これでもし万が一向こうの移動の罠に触れる奴がいたとしても、高速で移動を繰り返し船酔いのような状態になるだけ。
「レンジュ、かっこいい……」
「しっ! ディアはいないことになってるんだから。それより早く逃げるぞ」
命令系統の混乱。怒号と悲鳴が奥から飛び交う中、俺たちは祭壇に背を向け駆け抜けた。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる