アビス・ドミネーター~深淵魔法で力を奪って世界最強~

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第1章 深淵に答えよ

第16話 Bクラス現る

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 木曜日。今日は元気に登校すると、途中で相棒と出会った。

「やぁ。昨日は大丈夫だったかい?」

「ああ。今は完治してるよ」

 歩きながら話していると、登校している他の生徒からの視線を感じる。そんなに俺がこいつといるのが違和感か?

「そういえば君、昨日休んでよかったかもね。抜き打ちの朝テストがあったよ」

 おおう、それは休んでよかったかもな。落ちるような気はしないがわざわざ受けたいものでもない。

「僕はギリギリで受かったけど半数ぐらいは補習になってたかな」

 結構難しかったらしい。本格的によかったかもな。めんどくさい先生にも絡まれずにすむ。

「数学か?」

「そうだよ。微分積分だね」

 微分積分か。まぁ定期考査もまだ先だ。わざわざ勉強の話などしたくはないし、話題を変えようか。

「相棒、尊敬する探索者はいるか?」

「愚問だね。我らが紅さんを尊敬しているよ。あれだけ有名でありながら素顔を見たものは誰もいない。まるで漫画のキャラクターのようじゃないか!」

 そうだ。俺たちの国が抱える最強の探索者、紅 司は常に仮面をしていて、素顔が分からない。4年前に台頭し、最強になってから、一切顔を見せていない。

「それはそうか。じゃあほかにいるか?」

「難しい質問だね。しいて言えば、同じ氷系の魔法使いとして、加賀美かがみ 紀里谷きりやさんは尊敬しているよ」

 なるほど、加賀美さんは氷系の高名な魔法使いだ。主に範囲系の魔法が多くて、少し相棒の路線とは違うが、それでも同じ氷系として尊敬しているものなんだな。

「なるほどな……。俺も同じ系統の魔法使いについて調べてみようか……」

 そんなことを考えていると学校についた。相棒と別れて下駄箱に靴をしまいに行くと下駄箱の中に何か入っていた。……これは、手紙? 宛名を見ると確かに俺宛になっている。ふむ。とりあえず後で読もう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 教室に入って席に着き、手紙を読む。

『11月9日の木曜日、放課後の校舎裏に来てください』

 え、これだけ? 果たし状か……? とりあえず今日の放課後に校舎裏に行ってみよう。Bクラスに数えられるようになった探索者くらいしか今の俺に手は出せないしな。まぁBクラスは一人だけこの学校にいるが……彼女が出てくることはまぁないだろう。出てきたら逃げよう。

 とりあえずその後適当に授業を受けた後の昼休み。

「相棒、今日は弁当なんだな」

「そうだよ。姉が作ってくれたんだ」

 前回は総菜パンだったからてっきり料理ができない姉なんだと思っていたが。全然料理上手な姉じゃないか。普通にうまそうな弁当だぞ。

「いい姉だな」

「そうかもね。こういう時は素直にありがたく感じるよ」

 この間は大変だと言っていたが、本当は仲が良かったんだな。いいことじゃないか。

 相棒は幸せそうに弁当を食べ終え、そして早めに自分のクラスに戻って行った。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 さて、待ちに待ってない放課後だ。とりあえず校舎裏を見に行こう。

「まだかしらね……」

 三島みしま 幸奈ゆきなか……まさか朝のはフラグだったか……? うん、逃げよう。

「あなたばれてるわよ」

 なっ……さすがの探知範囲。探索者がクラス分けされるのはBランクからで、そこに入ってるか入ってないかでは相当な差があると聞いているが……。実際はどうなんだろうな?

 ばれては仕方ない。今のところ戦闘の意思は感じないし、取り合えずでてみるか。

「今日はなんのようだ?」

「隠れてたことはスルーするのね。まぁいいわ、今日はお礼を言いに来たの」

 お礼? 特にお礼を言われることをした覚えはないが。

「お礼?」

「ええ、あなたは知らなかったかもしれないけど、あなたは私の妹を助けてくれたわ。ゴブリンから救われた女の子のお礼状は読んだかしら? あの子が私の妹よ」

 お礼状……?そういえばそんなものをもらっていたな。いろいろあって読み忘れていた。

「すまない、忙しくてまだ読めてないんだ」

「あらそう? 中学生の妹が書いたものだから軽い気持ちで読んでほしいわ」

「ああ、なるべく早めに読んでおくよ」

 せっかく書いてもらったんだ。読まなきゃ勿体ないしな。そういえば、三島さん、普段のしゃべりかたと違うような気がするが。普段は美佳見たいなしっかりした敬語だった気がするのだが。

「ありがとう、私からもお礼を言わせてもらうわ。妹を助けてくれてありがとう。あの子はいま私のたった一人の家族なの」

 なるほど、うちよりも過酷な状況なんだろう。だから彼女は探索者になったのか。

「ああ、助けられてよかったよ。そういえば三島さん、そんな話し方だったか?」

「普段は敬語を使って人と距離を取っているのだけれど……あなたとは仲良くなりたいの。だから、その……連絡先、くれないかしら。」

 連絡先? 最近多いな、こういうの。うれしいんだけどな。

「ああ、もちろん。LUINで、いいんだよな?」

 俺はLUINの連絡先のQRコードを差し出す。

「……ええ! それでいいわ! ありがとう!」

 三島さんは喜んでコードを読み込んでくれる。これで家族以外は3人目か。いつか2桁まで行くのだろうか。

「ところであなた、三島さんなんて他人行儀な呼び方じゃなくて幸奈って名前で呼んでくれていいのよ?」

「お、おう。そうさせてもらうよ、幸奈」

 なんかデジャブだな。気のせいか。

「それでいいわ、ありがとう。あの、明日から私も一緒にご飯を食べていいかしら?」

 あの三島幸奈が一緒にご飯とは……彼女の事を慕っている者たちから殺されかねないぞ?

「いつも一緒に食べに来てる人達とかはいいのか?」

「ええ、彼女たちと話はつけてあるわ」

「そうなのか?」

「ええ。だから明日からよろしくね?」

「お、おう」

 なんか押しが強い相手が一人増えたようなそんな気がするが、まぁいいだろう。

 とりあえず今日のダンジョン行くか。
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