66 / 312
第2章
第66話
しおりを挟む
『派生スキル……師事効果増大・教導の心得・心身成長補正・読得の骨子・観察会得の心得・記憶力補正・種族限界突破・文章理解力補正……各種初期階梯を開放しました』
『スキルレベル上昇に伴い、解析者スキル追加能力……啓蒙促成を取得しました』
……え?…………は?
何だ?
何なんだ!?
……このスキル性能は、まさに壊れ性能だ。
少し聞き慣れてきてしまった、硬質かつ機械的な脳内アナウンスが聞こえると同時に、これら派生スキルやら追加能力やらの、具体的な効果が理解出来てしまう。
派生スキルの大半は、既に得ていた自習自得の心得という派生スキルに、その概要は近い。
師事……つまり、人から技を習う際の効果が劇的に向上するのが、師事効果増大。
反対に人に教える際の効果を高めるのが、教導の心得。
心身成長補正は、精神的、肉体的な成長率を爆発的に上げる。
読得の骨子は、スクロール系アイテムや、一般的に流通している書物の効能を十全に吸収するためのスキル。
観察会得の心得は、見るだけでも徐々に技を盗むことさえ可能にする。
記憶力補正は、字面を見たまんまかもしれないが、記憶力自体を高め、同時に記憶容量を明確に拡張するスキル。
種族限界突破は、人間の限界を超えての成長すらも可能とする、潜在能力を大幅に高めるもの。
文章理解力補正は、まさに見たまんま。
1つ1つの派生スキルで、充分に立派な独立スキルとして通用する性能だ。
しかも、該当する行動……つまり、読書をするとか、妻から薙刀を習うなどすれば、新しくそれらに関するスキルを得たり、派生スキル自体の階梯を上げたりすることが、可能であるというのだから、規格外にも程がある。
さすがにここまで図抜けた効果を持つスキルは、他に思い当たらない。
逆に言えば、ただ持っているだけでは何の効果も発揮しないスキルでもあるが、日常的にダンジョンに潜り、留守居している時には鍛練をするようになった今のオレには、非常に有益なスキルだと思う。
そして……【啓蒙促成】はヤバい。
ヤバ過ぎる。
何せ、スキル熟練度が一定以上の水準にある場合にこそ限られるが、該当するスキルの取得や、スキルレベル上昇を意図的に促すことが出来てしまうのだ。
つまり……今すぐにでも、父の卓越した杖術の技を、正式に【杖術】スキルとして与えることが出来るということになる。
もちろん、その武器を触ったことも無い人に、いきなり【剣術】スキルだったり【弓術】スキルなんかを与えたりすることは出来ないし、ちょうど今の妻の様に【薙刀】スキルを得たばかりで、それから1匹もモンスターを討伐していないような場合に、スキルレベルを上げてあげたりは出来ない。
斯様におよそ万能とは言えないかもしれないが、スキルブックに頼らないスキル取得の手段として、今後は大いに役に立ってくれるだろう。
スキルレベルが上がるとかは、未だに未確認情報なのだし、その一事だけでも大事になるのは想像に難くない。
これは【鑑定】とは違い、ダン協などには秘匿しておくに限るのだろうが……実は、どうしても試したいことがある。
それでバレたら、バレたで良いぐらいだ。
リスクよりもメリットが明らかに勝るのが分かっている場合にまで、自分の精神的安寧を優先するつもりは全くない。
早速、息子の寝顔を見守っているだろう妻の元へ。
【啓蒙促成】の副産物で、人のスキル熟練度を見ることが出来るようなのだ。
妻はオレに気付くと、不思議そうな顔をして小首を傾げる。
そうした仕草は、化粧を落とすと途端に幼く見える容姿と相まって、非常に可愛らしい。
……相変わらず、良い意味で年齢不詳だ。
【スキル熟練度解析】
『取得済みスキル』
薙刀術:レベル1(熟練度0)
長柄武器の心得:レベル1(熟練度23)
『未取得スキル筆頭』
敏捷強化:熟練度76
お……あと少しで【敏捷強化】をスキル化することが出来そうだ。
「良く寝てるね……もう少ししたら寝るから」
「分かった……壮ちゃん、可愛いでしょ~?」
「うん」
お互い小声ではあるが、思わずほっこりしてしまう。
軽く手を振り、今度は兄の元へ。
兄は自室で正座のまま、刀の手入れをしていた。
【スキル熟練度解析】
『取得済みスキル』
短転移:レベルーー
『未取得スキル筆頭』
刀術:熟練度100
さすが……兄には刀術をスキル化することが可能なようだ。
兄に事情を話す。
これには、僅かばかり訝し気な表情を浮かべていたが……実際にスキル化してあげると、物は試しとばかりに鞘に納めていた刀を抜き払い、いくつか型のようなモノを見せてくれた…………って、いきなり危ないなぁ、もう!
他にはスキル化出来るものは、どうやら無いらしかったので、もう既に寝ている父は明日に回すことにして、オレも今日は早めに休ませて貰おうかな。
部屋に戻ると、どうやらオレが兄と話している間に寝てしまっていたらしい妻は、息子と同じような寝顔で、静かな寝息を立てていた。
2人を起こさないように、オレも静かに横になり、目を閉じ眠りの世界へと旅立つ……寸前だった。
【危機察知】に感あり。
……とは言うものの、反応はそこまで強いものでもない。
余計な騒ぎにはしたくない。
そっと起き上がり、予備武器の槍を持って部屋を出る。
居間に到達すると、酷く眠たそうな顔をしている父と、まだ起きていたらしい兄とが、簡単にだが防具を身に付け、窓から外の様子を窺っていた。
「お……ヒデも起きて来たか。何だと思う?」
いくらか目が醒めてきたのか、思いの外ハッキリとした口調で、父が問いかけてきた。
「さぁね……オークよりは弱そうだなぁ、ぐらいしか分からない」
「カズ、ヒデ、これ、ウチに入ってくると思うか?」
「アンデッドなら家屋への侵入も有り得るっていう話だよね。とりあえず順番に周辺警戒しよっか。オレ、まず行こうか?」
「いや、ヒデは武器のこともあるが、もしアンデッドなら親父かオレだろ。親父は、まだ眠そうだし、オレが行く」
兄が榊で作った簡易的な祓い串と、愛用する白鞘の御神刀を持って身を翻した。
……しばらく後。
「最悪だ……エマ(飼い猫)の喧嘩相手だった野良猫のブチ。もちろんゾンビな。アイツ、腹を何かに喰われてたみたいな傷が有ったぞ。昼間のハクビシンといい、これ何か危ないヤツが居るんじゃないか?」
兄が憔悴した様子で帰って来た。
顔に似合わず、極度の猫好きな兄にとって、ゾンビ化していたとはいえ、見知った猫の介錯は精神的にキツいものがあったようだ。
簡易装備のため、無慈悲のチェーンアンクレットまでは所持していなかったのも、悪い方に転んでしまった。
何とも言えない空気が漂ってしまったが、既に【危機察知】に掛かるような存在は、近くに居ないようだ。
解散した後も、すぐに眠りにつけるような精神状態では既にないが、明日に備えて身体を休める必要は有る。
横になって、我慢強く眠くなるのを待つが、今夜は中々、寝付けそうにない。
あ……父のスキルのこと、すっかり忘れてたなぁ。
もう少しで寝られそうな時に限って、余計なことを思い出すクセは、なかなか直らないようだった。
『スキルレベル上昇に伴い、解析者スキル追加能力……啓蒙促成を取得しました』
……え?…………は?
何だ?
何なんだ!?
……このスキル性能は、まさに壊れ性能だ。
少し聞き慣れてきてしまった、硬質かつ機械的な脳内アナウンスが聞こえると同時に、これら派生スキルやら追加能力やらの、具体的な効果が理解出来てしまう。
派生スキルの大半は、既に得ていた自習自得の心得という派生スキルに、その概要は近い。
師事……つまり、人から技を習う際の効果が劇的に向上するのが、師事効果増大。
反対に人に教える際の効果を高めるのが、教導の心得。
心身成長補正は、精神的、肉体的な成長率を爆発的に上げる。
読得の骨子は、スクロール系アイテムや、一般的に流通している書物の効能を十全に吸収するためのスキル。
観察会得の心得は、見るだけでも徐々に技を盗むことさえ可能にする。
記憶力補正は、字面を見たまんまかもしれないが、記憶力自体を高め、同時に記憶容量を明確に拡張するスキル。
種族限界突破は、人間の限界を超えての成長すらも可能とする、潜在能力を大幅に高めるもの。
文章理解力補正は、まさに見たまんま。
1つ1つの派生スキルで、充分に立派な独立スキルとして通用する性能だ。
しかも、該当する行動……つまり、読書をするとか、妻から薙刀を習うなどすれば、新しくそれらに関するスキルを得たり、派生スキル自体の階梯を上げたりすることが、可能であるというのだから、規格外にも程がある。
さすがにここまで図抜けた効果を持つスキルは、他に思い当たらない。
逆に言えば、ただ持っているだけでは何の効果も発揮しないスキルでもあるが、日常的にダンジョンに潜り、留守居している時には鍛練をするようになった今のオレには、非常に有益なスキルだと思う。
そして……【啓蒙促成】はヤバい。
ヤバ過ぎる。
何せ、スキル熟練度が一定以上の水準にある場合にこそ限られるが、該当するスキルの取得や、スキルレベル上昇を意図的に促すことが出来てしまうのだ。
つまり……今すぐにでも、父の卓越した杖術の技を、正式に【杖術】スキルとして与えることが出来るということになる。
もちろん、その武器を触ったことも無い人に、いきなり【剣術】スキルだったり【弓術】スキルなんかを与えたりすることは出来ないし、ちょうど今の妻の様に【薙刀】スキルを得たばかりで、それから1匹もモンスターを討伐していないような場合に、スキルレベルを上げてあげたりは出来ない。
斯様におよそ万能とは言えないかもしれないが、スキルブックに頼らないスキル取得の手段として、今後は大いに役に立ってくれるだろう。
スキルレベルが上がるとかは、未だに未確認情報なのだし、その一事だけでも大事になるのは想像に難くない。
これは【鑑定】とは違い、ダン協などには秘匿しておくに限るのだろうが……実は、どうしても試したいことがある。
それでバレたら、バレたで良いぐらいだ。
リスクよりもメリットが明らかに勝るのが分かっている場合にまで、自分の精神的安寧を優先するつもりは全くない。
早速、息子の寝顔を見守っているだろう妻の元へ。
【啓蒙促成】の副産物で、人のスキル熟練度を見ることが出来るようなのだ。
妻はオレに気付くと、不思議そうな顔をして小首を傾げる。
そうした仕草は、化粧を落とすと途端に幼く見える容姿と相まって、非常に可愛らしい。
……相変わらず、良い意味で年齢不詳だ。
【スキル熟練度解析】
『取得済みスキル』
薙刀術:レベル1(熟練度0)
長柄武器の心得:レベル1(熟練度23)
『未取得スキル筆頭』
敏捷強化:熟練度76
お……あと少しで【敏捷強化】をスキル化することが出来そうだ。
「良く寝てるね……もう少ししたら寝るから」
「分かった……壮ちゃん、可愛いでしょ~?」
「うん」
お互い小声ではあるが、思わずほっこりしてしまう。
軽く手を振り、今度は兄の元へ。
兄は自室で正座のまま、刀の手入れをしていた。
【スキル熟練度解析】
『取得済みスキル』
短転移:レベルーー
『未取得スキル筆頭』
刀術:熟練度100
さすが……兄には刀術をスキル化することが可能なようだ。
兄に事情を話す。
これには、僅かばかり訝し気な表情を浮かべていたが……実際にスキル化してあげると、物は試しとばかりに鞘に納めていた刀を抜き払い、いくつか型のようなモノを見せてくれた…………って、いきなり危ないなぁ、もう!
他にはスキル化出来るものは、どうやら無いらしかったので、もう既に寝ている父は明日に回すことにして、オレも今日は早めに休ませて貰おうかな。
部屋に戻ると、どうやらオレが兄と話している間に寝てしまっていたらしい妻は、息子と同じような寝顔で、静かな寝息を立てていた。
2人を起こさないように、オレも静かに横になり、目を閉じ眠りの世界へと旅立つ……寸前だった。
【危機察知】に感あり。
……とは言うものの、反応はそこまで強いものでもない。
余計な騒ぎにはしたくない。
そっと起き上がり、予備武器の槍を持って部屋を出る。
居間に到達すると、酷く眠たそうな顔をしている父と、まだ起きていたらしい兄とが、簡単にだが防具を身に付け、窓から外の様子を窺っていた。
「お……ヒデも起きて来たか。何だと思う?」
いくらか目が醒めてきたのか、思いの外ハッキリとした口調で、父が問いかけてきた。
「さぁね……オークよりは弱そうだなぁ、ぐらいしか分からない」
「カズ、ヒデ、これ、ウチに入ってくると思うか?」
「アンデッドなら家屋への侵入も有り得るっていう話だよね。とりあえず順番に周辺警戒しよっか。オレ、まず行こうか?」
「いや、ヒデは武器のこともあるが、もしアンデッドなら親父かオレだろ。親父は、まだ眠そうだし、オレが行く」
兄が榊で作った簡易的な祓い串と、愛用する白鞘の御神刀を持って身を翻した。
……しばらく後。
「最悪だ……エマ(飼い猫)の喧嘩相手だった野良猫のブチ。もちろんゾンビな。アイツ、腹を何かに喰われてたみたいな傷が有ったぞ。昼間のハクビシンといい、これ何か危ないヤツが居るんじゃないか?」
兄が憔悴した様子で帰って来た。
顔に似合わず、極度の猫好きな兄にとって、ゾンビ化していたとはいえ、見知った猫の介錯は精神的にキツいものがあったようだ。
簡易装備のため、無慈悲のチェーンアンクレットまでは所持していなかったのも、悪い方に転んでしまった。
何とも言えない空気が漂ってしまったが、既に【危機察知】に掛かるような存在は、近くに居ないようだ。
解散した後も、すぐに眠りにつけるような精神状態では既にないが、明日に備えて身体を休める必要は有る。
横になって、我慢強く眠くなるのを待つが、今夜は中々、寝付けそうにない。
あ……父のスキルのこと、すっかり忘れてたなぁ。
もう少しで寝られそうな時に限って、余計なことを思い出すクセは、なかなか直らないようだった。
3
あなたにおすすめの小説
(更新終了) 採集家少女は採集家の地位を向上させたい ~公開予定のない無双動画でバズりましたが、好都合なのでこのまま配信を続けます~
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
突然世界中にダンジョンが現れた。
人々はその存在に恐怖を覚えながらも、その未知なる存在に夢を馳せた。
それからおよそ20年。
ダンジョンという存在は完全にとは言わないものの、早い速度で世界に馴染んでいった。
ダンジョンに関する法律が生まれ、企業が生まれ、ダンジョンを探索することを生業にする者も多く生まれた。
そんな中、ダンジョンの中で獲れる素材を集めることを生業として生活する少女の存在があった。
ダンジョンにかかわる職業の中で花形なのは探求者(シーカー)。ダンジョンの最奥を目指し、日々ダンジョンに住まうモンスターと戦いを繰り広げている存在だ。
次点は、技術者(メイカー)。ダンジョンから持ち出された素材を使い、新たな道具や生活に使える便利なものを作り出す存在。
そして一番目立たない存在である、採集者(コレクター)。
ダンジョンに存在する素材を拾い集め、時にはモンスターから採取する存在。正直、見た目が地味で功績としても目立たない存在のため、あまり日の目を見ない。しかし、ダンジョン探索には欠かせない縁の下の力持ち的存在。
採集者はなくてはならない存在ではある。しかし、探求者のように表立てって輝かしい功績が生まれるのは珍しく、技術者のように人々に影響のある仕事でもない。そんな採集者はあまりいいイメージを持たれることはなかった。
しかし、少女はそんな状況を不満に思いつつも、己の気の赴くままにダンジョンの素材を集め続ける。
そんな感じで活動していた少女だったが、ギルドからの依頼で不穏な動きをしている探求者とダンジョンに潜ることに。
そして何かあったときに証拠になるように事前に非公開設定でこっそりと動画を撮り始めて。
しかし、その配信をする際に設定を失敗していて、通常公開になっていた。
そんなこともつゆ知らず、悪質探求者たちにモンスターを擦り付けられてしまう。
本来であれば絶望的な状況なのだが、少女は動揺することもあせるようなこともなく迫りくるモンスターと対峙した。
そうして始まった少女による蹂躙劇。
明らかに見た目の年齢に見合わない解体技術に阿鼻叫喚のコメントと、ただの作り物だと断定しアンチ化したコメント、純粋に好意的なコメントであふれかえる配信画面。
こうして少女によって、世間の採取家の認識が塗り替えられていく、ような、ないような……
※カクヨムにて先行公開しています。
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
勤続5年。1日15時間勤務。業務内容:戦闘ログ解析の俺。気づけばダンジョン配信界のスターになってました
厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
ダンジョン出現から六年。攻略をライブ配信し投げ銭を稼ぐストリーマーは、いまや新時代のヒーローだ。その舞台裏、ひたすらモンスターの戦闘映像を解析する男が一人。百万件を超える戦闘ログを叩き込んだ頭脳は、彼が偶然カメラを握った瞬間に覚醒する。
敵の挙動を完全に読み切る彼の視点は、まさに戦場の未来を映す神の映像。
配信は熱狂の渦に包まれ、世界のトップストリーマーから専属オファーが殺到する。
常人離れした読みを手にした無名の裏方は、再びダンジョンへ舞い戻る。
誰も死なせないために。
そして、封じた過去の記憶と向き合うために。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
無能はいらないと追放された俺、配信始めました。神の使徒に覚醒し最強になったのでダンジョン配信で超人気配信者に!王女様も信者になってるようです
やのもと しん
ファンタジー
「カイリ、今日からもう来なくていいから」
ある日突然パーティーから追放された俺――カイリは途方に暮れていた。日本から異世界に転移させられて一年。追放された回数はもう五回になる。
あてもなく歩いていると、追放してきたパーティーのメンバーだった女の子、アリシアが付いて行きたいと申し出てきた。
元々パーティーに不満を持っていたアリシアと共に宿に泊まるも、積極的に誘惑してきて……
更に宿から出ると姿を隠した少女と出会い、その子も一緒に行動することに。元王女様で今は国に追われる身になった、ナナを助けようとカイリ達は追手から逃げる。
追いつめられたところでカイリの中にある「神の使徒」の力が覚醒――無能力から世界最強に!
「――わたし、あなたに運命を感じました!」
ナナが再び王女の座に返り咲くため、カイリは冒険者として名を上げる。「厄災」と呼ばれる魔物も、王国の兵士も、カイリを追放したパーティーも全員相手になりません
※他サイトでも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる