神のマジシャン〜魔法はやはり便利です!〜

重曹ミックス

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第2章 学院生活の始まり

14.ここはどこですか?

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 その先にあった空間は、第二の世界。

 そういうに相応しいところだった。

 地下なのに地上のように太陽(?)の光で昼間のようで、街や森そして鳥なども飛んでいる。

 そして、どういうことか竜に訊こうと扉を開けようとするが消えてしまう。

 不親切な竜だ。

「カリス、知ってるか?」

 もしかしたらと思い訊いてみる。

「こんなところ聞いたことないよ。待ってダンジョンってこの世界と隔離するためにあったの?」

「そうらしいな。もしかしたら俺みたいに魔法を使える者を探すためのものかもしれないな。それにしてもあの竜、ここがなんなのか教えるくらいして欲しかったな」

 兎に角ここに居てもなにも変わらない。街に向かうとするか。

 魔法で行ってもいいが、歩いてみたからこそわかることがあるかもしれないしな。

 あの竜はここには魔法があるような言い方だが本当はなかったで、いきなり街に現れたって騒ぎになるのも困る。

「あの街に歩いて行ってみるか」

「ここにずっと居てもしょうがないから行こう」

 森の木々の間から垣間見ることができる街に向かって歩き始める。

 地上と同じような草が生え、昆虫などもいる。

 本当にどっちが地上で地下かわからないくらいだ。

 森の中に街道を見つけたのでそれに沿って向かうことにする。
 途中で商人のような人に会ったり、冒険者(?)みたいな人もいた。

 詳しくは町の人にでも訊くとしよう。


 そして、やっと街に着く。
 しかし、街を囲うような壁があり、そこの門の前に来ている。

 さっきいたところと言語は同じようだ。もし、違うとなると英語さえろくに覚えられない俺は、異世界語を覚えないといけないとなると人生終わるだろう。

 だが、ここで問題が発生する。
 通行する人はみんなカードのような身分証を持っていて、それを見せないと入れない可能性が高い。

 どうしようか。

「カリス。これって行けると思うか?」

「もしかしたら、詳しい調査とかされるけど入れるということもあるかもしれないから、行くだけの価値はあると思う。というより、行かないと逆に怪しい人がいるって通報されるかもしれない」

 というわけで行くことにする。

 重い足取りで向かう様子は周りから見れば後ろめたいことがあるように見えたが、子供だけということもあり何か特殊な事情でこうなっているのかもしれないという認識だっただろう。
 誰も声を掛けなかったのは面倒事に巻き込まれると思ったからだと思う。
 こちらとしては助けて欲しかったが見ず知らずの相手に対し無償でそこまで尽くしてくれる人はそうそういないかと最初から諦めていたも同然なので、門にそのまま向かった。


 門には窓の越しに人がいて前の人たちの様子を見るにあそこで身分証のようなものを見せるのだろう。しかし、そういったものがあるわけも無いので相談をすることにした。

「すいません、カードみたいなの持ってないんですが入ることって出来ますか?」

「まだ、子供ですし………。上の者と検討します。そちらの席に座って待って居てください」

 その人は他の人に通行の確認をするのを任せ、どこかへ行った。
 なんか期待できそうな雰囲気だ。



 5分ほど待つと戻ってきた。自然と神妙な面持ちになる。

「身分証を発行するなら通行できます」

 おお、身分証を発行してくれるのか。
 ありがたい。

 不安から解放されたことで重かったはずの足取りも元に戻っていた。

 その人に着いていき、町の中に入ってすぐにある役場のようなところに行く。

「私はここまでなので、受付の方に身分証の発行をお願いしてください。それと、お金持ってませんよね?特別ですよ」

 地上のお金とは見たことのない硬貨だ。
 やはり違うようだな。

 この人優しい人だな。お金もなくて身分証もなかったらなにもできない。

 どうやら、身分証発行に必要な分よりも余分にくれたようだ。


 受付へ俺とカリスは向かう。

「身分証の発行をお願いしたいのですが」

「はい、ではそちらの台に手を置いてください」

 まさか、これは異世界に行くとよくある『こんなにステータスが高い人初めてです!』とか『こ、こんな数値ありえません!』みたいになるやつか?

 来たな、異世界っぽいものが。

 俺はそんなことを思いながら、手を置く。

「はい完了です。どうぞ」

 確認は書いてあるかないかくらいしかしないのか。これではそのイベントが起こらないで終わってしまう。

 まあ、そのイベントよりも今後だから、そんなことより内容を見てみるか。



【身分証】

 __名前__#   セシリア・ジェネレーティ

 __年齢__#   10歳

 __性別__#   女性

 __出身__#   地上世界オンザワールド

 __職業__#   なし


 あれ、これだけなのか?
 身分証だし十分と言えば十分だな。

「このなにもないところは、どういう使い方をするんですか?」

 この要らん余白はなんだ?

「それは、後々冒険者情報や銀行で使う通帳としての情報などを載せれます」

 そういうことか。必要なことは後々載せていくと。

 内容を1つずつ確認していくか。

 名前は前世じゃなかったのは助かった。
 歳は10歳だったのか、そして性別は……女、か。今更男とか出なくてよかった。
 出身は地上世界オンザワールド?ここも古代地下世界アンダーワールドなのだから可笑しくはないか。
 職業はなしか。前世の俺と同じだな。

「すいません、ボクぐらいの年齢の人はなにをしているんですか?」

「魔法を使えますか?」

 あ、魔法があるのか。

「はい」

「なら魔法学院に通うのはどうでしょうか。今、ちょうど入学試験中なんですよ!魔法学院の入学について書いた紙を持ってきます」

 受付の後ろにあるところに入る。
 態々、持ってきてくれるなんて有り難い。

 ここの人は優しい人が多いな。

「こちらですね。試験、頑張って入学してくださいね」

 役場の様なところを出て、カリスと一緒にその紙を見る。

「魔法学院なんてあるのね。それで、入学の試験はいつなの?」

「今日はやってないみたいだ。明日の午前中にあるみたいだぞ。場所もここにかいてあるな」

 実に親切な紙だな。疑問を残さないようにしてくれるとは。

「今日はどうする?」

「泊まるところを探すか、最悪は野宿することになるが」

「野宿?!セシリアちゃん、正気なの?女の子なんだよ」

 女性なのに、野宿はさすがによくないか。

 優しい通行の許可をしてくれた人からのお金が結構あるので暫くは大丈夫そうだ。

 ここの通貨の単位は≪ゴールド≫で金貨5枚貰った。
 そして、さっきの受付で50ゴールドで身分証発行と書いてあり、金貨1枚渡したときにお釣りが銀貨9枚と銅貨5枚だった。

 つまり、金貨1枚=100ゴールド   銀貨1枚=10ゴールド     銅貨1枚=1ゴールド  ということだろう。

 地上世界オンザワールドだと50,000メタルくらいだろうか。知らない人にそこまでしてくれる人はあまり、いないだろう。なにか機会があれば御返しをしたいものだ。

 さっき貰った入学の紙にあった地図を思いだし再び取り出す。

 その地図にはやはり、お店の名前とかまでかかれているいいものだった。
 そこから宿っぽい名前を探し、見つけた俺達はそこに地図を頼りに向かう。
  
 街の雰囲気もダンジョン周辺と大差はなく、賑わっていた。


 目的の宿に着いた。

 中に入ってみる。

「いらっしゃいませ、何泊されますか?」

「その前に、値段を聞いてもいいですか」

 これを確認しないで、早々に無銭で泊まったとこで逮捕とかは嫌だから絶対だ。

「1泊70ゴールドです」

 別段高いわけでもないしいいか。

(何泊していくか?)

(3泊くらいは?)

(それでいいか)

「3泊でお願いします」

「先払いですが宜しいですか?」

「はい」

「3泊は210ゴールドです」

 金貨2枚と銀貨1枚を渡す。俺の通貨の単位の予想はあっているのだろうか。

「ちょうどですね、部屋は302号室をご利用ください」

 この宿には食事するところはないようだ。
 しかし、食事は3食分は残っている。

 気づけば外は暗くなってきていた。

「カリス、夕食にするか」

「うん、でもどこで?」

「食事をするところはこの宿にはないようだ。だから、3食分しかないが空間収納エア・ボックスにあるものを食べよう」

 夕食の分を取りだし、カリスに渡す。 


 食べ終わると次はお風呂だが、部屋に付いてない。

「お風呂ないね。大浴場みたいの確かあの地図にかいてあった。でも、着替えは?」

「あの宿に置きっぱなしだな、取りに行くか。………。ここ泊まる必要なかったんじゃないのか?」

「え?帰れるなら帰ろうよ」

 確かに前のところに戻るのもいいかもな。

 早速、魔法で転移しようとする。

 …………。  無理だな。

 古代地下世界アンダーワールド地上世界オンザワールドでは前に俺がいた地球と同じようにほぼ異次元に近いようだ。
   俺の転移魔法は、空間をねじ曲げて移動するのだがジャンルとしては目的の場所に身体を再構築する転移魔法と同じ効果を得られるため同じ部類とされている。しかし、人間の頭でそんな自身を再構築とか不可能なので、怖いしやりたくもない。
   つまり、空間をねじ曲げて移動するためにはある程度行き方が頭でイメージできないと行けないので現状では難しすぎる。

「無理だ。取り敢えず服でも買いに行くか」

「セシリアちゃんでも無理か。まあ、この世界で頑張ろ!」

 また、あの地図の出番だ。
 そこから、服を売っている店を探す。

 意外にここから、近いところにあるようだった。

 宿を出て地図を片手に店へ向かう。


 店の中には、いろいろな服がある。
 魔法があるので魔法使いが如何にも着そうなローブや今探していたような、寝るのにぴったりなものもある。

 お金がないので、パジャマを1着だけ買った。

「ここから、大浴場は近いね。こっち」

 そのまま、大浴場へと向かう。

 とても大きな室内プールでもありそうな建物に着く。

「中に入ろ」

 建物の中に入るとすぐに男女で別れるようだ。

 前世の大浴場と似ているので、女性の方に入るのはちょっと抵抗がある。

 脱衣所に入ると、もうだめだ。
 しかも、この古代地下世界アンダーワールドは猫耳とか天使のような純白の翼があったり、エルフだったりがいる。

 俺は自身に魔法をかける。すると、今までよりどこか不自然な動きと反応しか見せなくなる。

 なにをしたか?
 それは、操り人形マリオネットで自分にお風呂で体を洗う→お湯に浸かる→体を乾かす→服を着てから脱衣所を出る というものだ。
 更にカリスの言われたことに答える。そして、喋り方を人間のように、動作を滑らかにという指示もだ。

 既に俺の意識はない。

 クックックッ、俺の勝ちだ!!

「セシリアちゃん一緒に行こう!」

「ウン」

 カリスはセシリアの手を引きシャワーのところまで行く。

「前は私が先に、セシリアちゃんの背中流してあげたから今度はセシリアちゃんが私の背中を先に洗ってね」

 カリスは、バスチェアに腰を掛ける。

「カリス、背中洗ウネ」

 セシリアは単調な動きで背中を洗う。

「セシリアちゃんお風呂に来てからなんか変だね。もしかして恥ずかしいとか?」

 からかうようにカリスが言うがセシリアは

「恥カシクナイ」

 驚きもせず、平然と喋るセシリアの姿にカリスは違和感を覚える。

「今度は私が背中洗う番。ここに座ってね」

 セシリアとカリスはポジションを変える。
 カリスは座ったセシリアに対し後ろから抱きついてみる。

「イキナリドウシタノ。カリスハ背中ヲ洗ッテクレル話デハ」

 するとカリスは確信したように

「あなた、セシリアちゃんじゃないでしょ。もとのセシリアちゃんに戻ってよ!」

「ソレハ、脱衣所ヲ出レバ戻ル」

「なんで?」

 意味が分からずカリスは問う。

「セシリア様カラノ命令ハ、カリスト一緒ニ風呂ニ入ッテ脱衣所ヲ出ルマデダカラ」

「セシリアちゃん、後でゆっくり話さなくちゃね」

 意味ありげな表情を浮かべると、

「早く髪を洗って入りましょう」

 カリスはやっと意味が分かったという様子で早くお風呂に入り脱衣所を出ることを優先する。

「さあ、浸かろう………………上がって脱衣所に向かうよ」

 10秒も風呂に浸かってなかった。セシリアに言葉を返す暇さえ与えないくらい早い。

「早く体を乾かして、服を着よう」

 カリスは自身のことを終わらすのに30秒もかからず、セシリアの着替えを手伝う。

 着替えが終わると脱衣所から足早に出ていく。


 あ、終わったのか。
 俺の意識が戻り、さっぱりしている。
 うまくいったようだ。

「いいお湯だったなー、さっぱりしたぞ」

 するとカリスは笑顔で

「バレてるよ」

 な、なにがバレたって?

「嫌だな~、ボクはボクじゃないか」

「そのボクじゃなかったようだから言ったんだけどね」

 不味い、なにをしてそこまで確信できる。

「なんでそう思ったのかな?」

「だって、私と前お風呂入ったときあれだけ恥ずかしそうにして、今日は私に抱きつかれても動揺せずに終わるとは思えない」

「それは、前回と2回目でしょ?だから、免疫が付いたんだよ、免疫」

 2回目だからで通るか?
 内心、そんな嘘が通用しないことぐらい気付いていた。苦し紛れの言い訳と言うやつさ。

「しかも、その子セシリア様からの命令で、とか言ってたよ?」

 これは詰みましたな。

「だって、人前で裸になるなんて……は、初めてで怖かったから自分の意識を意図的に飛ばしてしまったんだ……」

 本当は見られるのより、見てしまうのが恥ずかしいからだが、これでいいだろう。

「も、もしかして恥ずかしがりやさん?なに、その普段とのギャップ!可愛すぎだよ~!!」

 カリスに抱きつかれ、恥ずかしい。
 照れて赤くなってしまった俺を見て――

「やっぱり照れてるんだ、可愛い!!」

「ちょっと恥ずかしいから、やめてくれよ」

 俺はカリスを引き剥がして宿へ向かう。このままでは何かに目覚めてしまいそうだ。

「待ってよー!」

 カリスが俺のあとを追いかける。
 隣に追いつくと――――

「セシリアちゃんてさぁ、いつもは強くて男っぽい感じなのにね。こんな風に照れるなんて可愛いね」

 所謂、ギャップ萌えというものなのか?俺は。 

「そんなこと言ってないでもう遅いし明日、入学試験もあるんだから尚更早く帰るぞ」

「いつものセシリアちゃんに戻っちゃた。でも、明日入学試験あるのすっかり忘れてた」

 そんな重要なこと忘れてたのかよ……。


 ◇

 宿に着くとすぐに部屋に戻る。

「さっき、着てた服を出してくれ。今洗うから」

 この世界の常識は知らないが、俺は洗いたてで1日をスタートさせないと気がすまない人間だ。
 それよりもサラッと服を脱いでくれ、なんて言えた自分が怖い。いや、特に何もするつもりは当然無いが。

「綺麗好きなんだね」

「まあな」

 俺も服を取りだし2つの水の球を作り、別々にカリスと俺のを入れる。
 水の球は中で回転し始めた。
 それに俺は浄化魔法をかける。

 そして、水の球は風の渦に変わり乾かしていく。


 10分ほどすると、服を洗い終わる。

「凄い、汚れもしっかり落ちて乾いてる。これで毎日洗濯の心配はなくなるね」

「いつかはこの魔法に頼らず洗濯をできる環境にしような」


 やはり魔法を使っていると何かが削られたような、そんなような違和感がする。
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