5 / 24
第5章
ご飯を食べ終えたあと、大和は無言でベッドルームへ向かった。
私は洗い物を終え、そっと彼の後を追う。
今夜こそ、大和を感じたい。
彼の温もりが欲しい。ただそれだけなのに。
愛されているのか分からないままでは、寂しさが募るばかりだった。
ベッドに横たわる大和の背中を見つめ、そっと後ろから抱きしめる。
そして、彼のモノに触れた瞬間、低く冷たい声が降ってきた。
「香、やめろよ」
「どうして?」
「疲れてるんだ」
「いつもそう言うじゃない……」
「本当に疲れてるんだよ」
「大丈夫、口でやってあげるから。」
「いいよ、今はしたくない。」
それでも香は諦められなくて、
無理やり大和のモノを擦る。
「香! 今日は勃たない。」
「嘘、硬いよ。」
「そろそろ、子供がほしいの。ダメかな?」
「まだオレはいらない。」
「今日は避妊していいから、しよう。」
「ホントに疲れてる。」
私は大和のモノを口に入れ上下させる。
「香、やめてっ うっうっうっ」
大和の声が出てきた。
更に激しくする。
「はっはっーーーー出るよ、イクっーーー」
口の中に白い液をたくさん放った大和は、急に顔が変わり、モノにゴムをつけて、
私を後ろから突いてきた。
「あんっあんっーーーーあんっっ、、、」
「これが好きか? ハッハッハッウッ······」
パンパンパンパン
「香、イクぞ。」
半年ぶりに体を重ねたけれど、そこに愛はなかった。
付き合っていた頃の優しさも、情熱もない。ただ淡々と終わり、大和は何事もなかったかのように自分のモノだけを拭き、背を向けて眠ってしまった。
私はベッドの隅で、虚ろな目のまま天井を見つめる。
心にぽっかりと穴が開いたような感覚。
こんなの、愛なんかじゃない。
ただ、身体を重ねただけ。
それだけの行為だった。
大和とのセックスの後、何かが違うと感じるようになった。
次の朝、大和は「ごめんな、疲れていた」と謝ってきたが、謝るべきほど悪いと思っている様子ではなかった。
結婚してから、時々早朝のミーティングがあり、早くに出かけていく。
特に不安は感じなかったが、今はなんとなく、彼が楽しそうに家を出て行く姿が気になる。
それが、女の直感というものだろうか。
結婚生活は順調だと思っていたのは、もしかしたら私だけだったのだろうか?
最近は忙しくてデートや旅行もできていないが、以前はよく出かけていた。
今は、旅行どころか、家のこともおろそかになっている大和。
私も仕事を任されるようになり、忙しくなってはいるけれど、それでも少しは計画を話したいと思っていた。
でも、最近ではほとんど会話もなく、家のことを気にする様子もない。
やはり、昨日の出来事から何かを感じ取ってしまった。
確信はまだないが、私も祖父の血を受け継いでいるせいか、危険を感じる直感は当たることが多い。
祖父の血が、今、私の中で静かに目を覚ましている気がする。
あなたにおすすめの小説
三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで
狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。
一度目は信じた。
二度目は耐えた。
三度目は――すべてを失った。
そして私は、屋上から身を投げた。
……はずだった。
目を覚ますと、そこは過去。
すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。
――四度目の人生。
これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、
同じように裏切られ、すべてを失ってきた。
だから今度は、もう決めている。
「もう、陸翔はいらない」
愛していた。
けれど、もう疲れた。
今度こそ――
自分を守るために、家族を守るために、
私は、自分から手を放す。
これは、三度裏切られた女が、
四度目の人生で「選び直す」物語。
愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
「仲睦まじい夫婦」であるはずのわたしの夫は、わたしの葬儀で本性をあらわした
ぽんた
恋愛
サヤ・ラドフォード侯爵夫人が死んだ。その葬儀で、マッケイン王国でも「仲睦まじい夫婦」であるはずの彼女の夫が、妻を冒涜した。その聞くに堪えない本音。そんな夫の横には、夫が従妹だというレディが寄り添っている。サヤ・ラドフォードの棺の前で、夫とその従妹はサヤを断罪する。サヤは、ほんとうに彼らがいうような悪女だったのか?
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・