Hold on me〜あなたがいれば

紅 華月

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落花ノ章

12 『怒り』という名の優しさと強さ

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圭介が属する『北斗聖龍会』は、長きに渡り『玄武組(げんぶぐみ)』という他組織と対立し何かと争ってきた。『京極覚(きょうごくあきら)』はその敵対する組織の若頭で、圭介と族の頃から何かとぶつかり互いに“気に入らない存在”なのだ。

「……っクソが!」

そうと分かれば話は早く、美優を拉致した理由と目的はそのものズバリ『圭介』だ。彼の弱点とも言える美優を手中にする事で、彼を抑える事が可能になるのだから。

…郁哉の弟『幹哉』が会長に会って、どんな話をしたいのかはわからない…だが…

「……。真次…会長に連絡して、郁哉の弟に会ってもらえ。」

「…清水さんっ…」

「……もしかしたら…オレにとって『良い話』かもしんねぇしな…」

「………。」

「早くしろっ。いつまでも美優を京極の野郎なんかの側に置いとけるかっ。」

「……。わかりました。」

こうして真次は会長へと直接連絡を入れ、幹哉を会わせる橋渡しをする。事務所への道のりを教え電話を切ってから数十分後…再度真次のスマホが鳴った。

「…はい、神楽です。」

『笛木です。椎名幹哉と会いましたよ。…まぁ色々あって、玄武(むこう)では『石井』を名乗っていたようですが。話は簡単に言えば今回の美優さんの件は組を挙げてのものではなく、あくまで若頭である京極の個人的なものだそうです。向こうの組長も相当お怒りのようで、そのとばっちり食らって相当な怪我をしています。』

「…京極個人で、ですか…」

『はい。なので私と玄武の組長とで電話でではありますが直接話をして許可を得ました。…今回ばかりは煮るなり焼くなり好きにしてくれて構わないとの事なので清水に伝えて下さい…早く美優さんを迎えに行くようにと。場所は霧山から説明させます。』

「……。」

『霧山です。若頭と代わってもらえますか?』

「…清水さん…霧山さんです。」

「……キリ、なんだ。」

『…相当イライラしているようですね若頭。』

「早く用件を言え。」

『美優さんの居場所がわかりました。』

「っ、何処だっ!」

『…石狩の華川7地区にある廃ビルです。階まではさすがにわかりません。でもこの時間ですから電気が多少は点いてるでしょう。…ラインで地図を送ります。』

霧山がそう言った側から圭介のスマホが鳴り、確認すると石狩市内の地図と廃ビルまでの所要時間などの詳細があった。

「……。わかった…会長に美優を迎えに行って来るって伝えてくれ。」

『わかりました。…では。』

電話を切り、真次に返すと圭介は再びラインに送られてきた地図をジッと見つめる。

「…司、将也…行くぞ。…悪りぃけどちょっと行って来るぜ。留守番、頼んでいいか?」

「えぇ。気にしないで行ってらっしゃい。」

圭介は脱ぎ捨てていたジャケットを引っ掴むと肩に担ぎ、2人の舎弟を連れてマンションを出ていく。

3人が出て行った後…真次とみずきは、ふと傍らに置きっぱなしになっている買い物袋が目に入った。

「……。美優さん…何を買ったのかしら?」

物によっては冷蔵庫に入れなければ痛んでしまう…そう思い、みずきは真次と共に袋を開け中身を確認する。出て来たのは…

「…これ…ハンバーグの材料、ですね。しかもこの量だと4、5人分はありますよ。…もしかして…」

「……。ホント…美優さんは優しい人ね。しーくんの身体をちゃんと考えて野菜をたくさん選んで…司や将也の分も用意してくれて…」

「……そうですね…」

美優の優しい心配りを知り、みずきと真次は留守を預かりながら無事に戻って来てくれる事をただ祈るのだった…。

そんな周囲の人間の思いに後押しされるかのように、圭介らは知らせられた場所へと向かうべく車へ乗り走らせる。

「……。司…1回事務所に寄れ。」

「…?…うす。」

車は既に隣市に向かいかけていたが方向を変え、すぐ側だった会の事務所が入るビル前に止まった。何も言わず硬い表情のまま中へと入っていく『兄貴』が気になり、司も将也も付いていく。

心のままを表すようにガン!とひと蹴りでドアを開けた圭介は、そのままズカズカと中に入る。

「若頭っ…おどかさないで下さい。向かったんじゃ…?」

「おいキリ。…開けろ、鍵出せ。」

「……は?」

「鍵を出せっつってんだよ。」

余りに短略的過ぎて、何の事を言っているのかわからなかった霧山だったが…圭介のその鬼気迫る形相から意味がわかるとハッと表情が変わる。

「…っ、今の貴方に渡すブツなんかありませんよ…」

「いいから鍵出せ。開けろ。」

「っ、てめぇの立場わかってんのか?!仮にも若頭だろがァ!」

「…その『若頭(かしら)』が開けろっつってんだよ!このスットコドッコイがァ!てめぇの始末くらいてめぇでつけてやらぁ!!」

「兄貴!ヤバいすよ!会長に知れたらっ!」

「リンチどころじゃ済まないっす!」

「てめぇらは黙ってろ!口出しすんじゃねぇ!!…オレはな、キリ…あの野郎に一発ブッ放してやらねぇと気が済まねぇんだよ…今回ばかりは“遊んでやる”気は更々ねぇぜ…」

「……っ…」

「…もし…美優にもしもの事があったそん時ゃ…、…アイツ連れて一緒に『死ぬ』だけだ。…“南雲”はそんなオレの姿なんか見たくもねぇだろうし、嫌がるだろうけどな。」

「っ?!」

不吉めいた言葉を口にした圭介が、手を伸ばしてデスクの引き出しを開けると手探りで鍵を探し、目的の鍵を掴むと霧山を一蹴するように睨み会長室へと向かう。

一見すると普通のロッカーのような扉を開け、二重になっている重厚感ある鉄製の扉に鍵を差し開けると…中には数え切れない量の拳銃(チャカ)が保管されていた。

その中から圭介は『トカレフ』を選び掴むと、弾倉の中身を確認してガシャン!と填(は)める。

「…若頭!」

「……。会長に何か言われたら、オレに『持って行かれた』って言えや。…実際そうだからな。」

「…っ、…何でっ…女なんかの為にそこまで…。今までのアンタはこんな事1度だって…」

「…キリ…てめぇにも『本気で惚れた女』が出来りゃ、わかる時が来んぜ…」

チャカをズボンとベルトの間に引っ掛けるように差し込み、圭介は事務所を出て行く。その背中をしばらく黙って見送った後…

「やれやれですねぇ…冷静に見えたのですが、あれは怒りを通り越してますね。」

「……。勘弁して下さい…会長。マジで若頭に殺られるかと思いましたよ。」

すぐ側にある似たようなロッカーから何事もなかったかのように『よっこらしょ。』と出て来たのは、驚く事に会長の笛木その人だ。

彼は事務所に留まり、玄武の動きを含め様子を伺うつもりでいたのだが、突然圭介が来た事で何かあると察して隠れて見ていたのだ。

「…しかし…良かったんでしょうか。結局若頭にチャカを持って行かれてしまいましたが。」

「仕方ないですね。そうしないと気が済まないと言うのだから。…皆に、清水に送った地図を一斉送信して至急向かうように言いなさい。」

「……承知しました。」

会長の新たな指示を受け、『北斗聖龍会』の頭脳(ブレーン)が動く。パソコンを操作し会の若衆らに向けて地図を一斉送信すると

『緊急。会の庇護対象である美優さんが玄武組の京極に拉致された。今若頭が救助に向かったが、チャカを持ち出している。若頭に絶対撃たせるな。もし撃って『しまった』なら、薬莢を必ず回収しろ。』

…そういった“指令メール”を加えて送った。

このメールを受け取った若衆らは一様に驚き、若頭である圭介が抱く美優への想いをも目の当たりにして知る者らは京極に対して怒りを募らせた。だが女がされた事に対して『報復』を行うのは男である圭介の権利。周りの人間に出来る事は、せめて“後に何も残さない事”だけである。

圭介が司と将也を連れ向かう一方、拉致られた美優は…

「………。」

廃ビルの事務所らしき部屋で椅子に座らされ、後ろ手に回された両手首をロープできつく縛りつけれていた。

彼女のこの日の身なりは、薄い水色のワイシャツの上に大きくV字カットされた薄手のカシミアセーター、下はデニム地でスリットが入ったロングタイトスカートに靴は適当に選んでしまったピンヒール…というものだ。建物内とはいえ季節はもう師走を迎えようという時期、いくらカシミアセーターを着ていようとも暖がなければさすがに寒く…美優は小さく身体を震わせる。

そんな彼女を同じ椅子に座って少し離れた真正面から見つめているのが、美優を標的(ターゲット)と定め拉致を計画した玄武組の若頭『京極覚』だ。

「しっかし…『北斗』の“バカ頭(がしら)”も変わった趣味してんなぁ。こんな無口なお子ちゃま女のドコが良いんだか…」

「やっぱバカだからか?それとも目が腐ってんのか?ひゃひゃひゃっ!」

「…フンッ。」

京極の舎弟達は此処へ来てからひと言も喋らず、ただ小さく身を縮めるばかりの美優を上部でしか見ずに卑下し罵る。その言葉に同意するかのように、京極も鼻先も笑った。

だが…京極はそんな反応を示しながらも、今この時になって彼女が『ただの女』には思えず…少し前から考えるように見ていたのだ。

自他ともに認める程反りの合わないあの男が、片時も離さぬ程に惚れ込む『何か』…それが知りたい、と。

「…なぁアンタ…清水圭介とはどこでどうやって知り合ったんだ?」

「………。」

「どこからどう見たって、水商売やってるようには見えねぇからな。てなると堅気の人間って事になるが…真っ当な人間が俺ら『日陰者』と知り合う機会なんか滅多にねぇ。珍しい事だぜ?」

「………。」

「っのアマッ…京極さんが聞いてんだろがァ!さっさと答えろや!」

「止めろ。…見かけ通り、なかなかに義理堅いみてぇだな。…けどな…アンタに言う気が無くったって、俺ら極道にゃあいくらだって吐かせる『手』ってモンがあるんだぜ?」

「……っ…」

「…察しがついたか?今のアンタは正に『そういう状況』だ。おかしな薬(ヤク)を使われたり、痛い思いしたくなかったら…こっちの言う事に従った方が利口ってモンだ。」

椅子に座る美優のすぐ目の前までやって来た京極は、腰を落とし屈むと彼女と目線を合わせるように向き合う。そして…既に『勝ち』を手にしたかのような、勝ち誇った笑みで告げた。

「…まずは清水圭介と別れて、俺の女(モノ)になれ。ヤツなんかよりイイ思いさせてやるぜ?」

その頃…ようやく廃ビルに辿り着いた圭介と司らは、車を降りて目的の階がどこかと目を凝らし見上げる。すると5階の窓が薄明かりが灯って漏れているのを将也が見つけた。

「っ行くぞ!」

圭介らが中へ入って行こうという、その時…キキキィーッ!とタイヤを鳴らしながら数台の黒塗りの車が急停止し、中から会の若衆ら数人が慌てたように降りてくる。

「…何しに来た…てめぇら。」

「き、キリさんから緊急召集がかかってっ…若頭がチャカ持ち出してるから『撃たせるな』って。」

「…ッ…キリの野郎ッ…」

「若頭ヤバいっす!チャカは俺らに預からせて下さい!」

「るせぇ!!てめぇらも巻き込まれてぇか!」

「若頭ならそんなモンなくったって、京極の野郎を伸(の)せますって!だから!」

「これまでと状況がまるっきり違うだろがァ!わかった口聞くんじゃねぇ!!」

「…司!将也!…てめぇらもてめぇらだ!何で若頭を止めねぇんだっ。」

「…。止めれねぇっす…こんな兄貴、初めてで…」

「……怖気付いてる場合か!てめぇら、若頭の盃受けた『舎弟』だろがっ。若頭は美優さんの状況によっては死ぬつもりなんだぞ!もっとてめぇらの身体張れや!」

「…っ!…」

圭介は別の若衆らと話しつつ、司と将也も若衆頭に叱責されながらも5階へと駆け上がっていく。若衆らは隙さえあればチャカを奪い取ってしまおうと考え話し合っていたのだが、今の圭介はすっかり頭に血が上って一種の『トランス状態』にも似た状況で全くその隙がない。

階段を上がりきった先に見えたドアに向かって一直線に大股で向かう圭介の行く手を、身体を張って阻んだのは…彼を誰よりも尊敬し慕う司と将也だった。

「…何の真似だ、てめぇら…退け。」

「…っ、…兄貴っ…姉貴に何かあったら…マジで、死ぬつもりなんすか…っ…」

「…姉貴だけは連れて…俺や司は…っ、置いてくんすかっ…兄貴っ…」

「……。てめぇらはまだまだ『ガキ』だ。人間の『死』も、男が女に本気で惚れる事がどういう事かも…わからねぇだろ。」

「…ッ…お願いす!チャカ預からせて下さい!!」

「兄貴も姉貴も失いたくないす!」

「るせぇ!!甘ったれんな青二才がァ!」

2人を左右に力の限り押し退け、圭介がドアを開けようとするそのほんの僅かな隙を見て、司が腰にあるチャカへと手を伸ばす。だがすぐさま察知して圭介はその手を払い退けるとガン!とドアを蹴破って開け、その勢いでワラワラと押し合いへし合いながら室内へと一歩踏み入った。だが…

「私は『北斗聖龍会』若頭清水圭介の女よ!気安く触んなァ!!」

…突如と響いたのは、小気味良い程の啖呵を切った『女』の声だった。
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