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復帰の章
カナリア、外の世界を知る2
しおりを挟む一応ラーメンを食べ終わった後、周囲の店を冷やかしていく。カナリアに「冷やかす」というと変に取られるかもと思い、「見て回ろうか」とだけジャッジは伝えた。
「わぁ……近くで見るの久しぶりです! 買いたくても買えなくて嫌になったから、目をつぶって走って素通りしてましたから」
「……そっか。だったら楽しめ」
「はいっ」
ふらふらと見て回るも、射的では「ジャッジさんお断り」と書かれており、苦笑する羽目になった。
「どうして『ジャッジさんお断り』なんですか?」
「場所によっては、レイド戦で城砦を一つ落とすとか、守るとかあるんだが、俺が参加すると大半が大砲の照準合わせとか、クロスボウで敵の飛行MOBを撃ち落すとか、ライフルを使うとかそんなんばっかりなんだ。そのせいだ」
「確かにジャッジさんって、銃を使っているイメージありますよね。しかも凄く上手に」
「まぁな。大半のやつもそういうイメージもってる。だから仕方ない」
ジャッジ自身、「そういうイメージ」を持たせ、魔法が苦手と見せる手段ではあるが。
「でも、ジャッジさんはやっぱり凄いのです! 私そんなに凄い人の恋人なのかと思うと、凄く嬉しいです!」
カナリアの発言に周囲が一瞬にして雰囲気が変わった。ある程度ここでけん制しておくつもりだったが、カナリアの発言の方が効き目はあった。……うん、帰ってからまとめを見るのが怖い、ジャッジは初めてそんなことを思った。
そんなこともお構い無しに、カナリアははしゃいでいる。
「ジャッジさん、あれなんですか?」
「リンゴ飴。……まぁ、ここではリンゴじゃなくアッピレという食材だ。セバスが時々パイにしたりしてるだろう?」
「……こんなに大きいんですね」
「あぁ」
人間の顔サイズのアッピレ。それを一つそのまま飴にするというのはどうなんだろうか。
「飴細工のお店とかないんですね」
「まぁ、PCの半数以上が男だからな。そういうのに興味がないっていうか」
どちらかと言えばネタものが多いのもこの世界の出店に多いのが特徴だ。
他にも、最近になって始めたばかりの女性PCがやっている露店のアクセサリーショップなども見て歩いた。
『深窓のサブマスがウサミミちゃんを捜してたぞ』
クルツからそんなメールが入った。このままでは会ってしまう。
「カナリア、また今度にしようか。一度帰ろう」
「え?」
シュウに会いそうだからとかは言えない。
「アッピレ飴の土産もトニーさんに買ったし、首を長くして待っていると悪い」
「そうですね」
まだ惹かれるものがあるのか、残念そうに見ていた。
「また今度、連れて来るから」
「はい」
カナリアが納得したところで二人は動く。
おそらく神殿も車のところも張っているだろう。だとしたら空を行くしかないが、ここから飛んでしまえば、シュウにばれてしまう。
裏道を通り、外に出る。鞄の中のものを減らしてバイクを無理矢理入れてきたかいがあったと思う。
久しぶりに後ろに乗せ、近くの町まで走らせる。
そこからグリフォンに乗って移動をした。
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