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第一部 風の魔物と天狗の子
第十話 真実への一歩
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滝夜叉姫は前傾姿勢で停止しているがしゃどくろまで歩み寄り、そっと手と額を当てる。まるで役目を果たした彼らを労っているようだ。
最澄は生唾を飲み込む。あれほど熱く身を焼いていた龍鱗が、いつ光を失ったのかも覚えていない。滝夜叉姫はひとつひとつの動作に隙が無いというのに、最澄は龍鱗を使った反動なのか、身体がひどく重たいように感じていた。
祈りにも似た行動を終えた滝夜叉姫は、矢をつがえていない弓の弦を三度弾く。これを三度繰り返した。
すると毒々しい霧に覆われていた髑髏ヶ淵は世界を反転させたように、小さな四阿があり、花が咲き乱れる庭になった。広さは一条戻り橋にある清明の庭と同じくらいか。
芝桜、梔子、ホタルブクロにエゾアジサイ、蒲公英によく似たブタナ。髑髏ヶ淵から異世界に飛ばされた気さえ起きる。
「ここは……?」
「私の庭園だ。閉塞された結界ゆえ風も、如何なる術も拒む。鸞心に話が漏れる心配がなく、また貴殿も風は操れぬ。密談には最適であろう」
最澄は「警戒心が強い方だ」と嫌味たっぷりに言えば、ふふっと女武者は口だけで笑って「そなたも同じではないか」と四阿の方へと向かいながら言い返してきた。
茅葺屋根の四阿は質素で、黒に近い焦げ茶色をしている。周囲が彩色に溢れているので、この佇まいが落ち着く印象を受ける。双葉も人間の姿を取って、最澄の隣に腰かけた。
「――そなたは『天狐』様をご存知か?」
「知識としてだけなら……妖狐の姿を借りた魔力甚大な神だと文献で拝見致しました」
「左様。お優しい方であった。その優しさが仇となって鸞心に謀られ、お亡くなりになったのは五百年前になろうか」
滝夜叉姫は四阿から一望できる芝と野花の絨毯に視線を向けて、悲哀に満ちた声で昔を語り始めた――。
◇
天狐は心清らかな神だった。神の気性であるの気まぐれさや天邪鬼な部分も持ち合わせていたが、性格はとても穏やかで彼を嫌う者は存在しないと言っても過言ではない。
人里へ遊びに行っては朗らかに笑い、自然を愛し、種族の垣根無く接する――それは風魔も例外ではなかった。
当時まだ京都の嵐山にあった風魔の里にも顔を出していた。古来より同族内で殺し合う魔物である風魔族の里への出入りには、他の神々は気が気でなく何度も諫言を申し立てたのだが、天狐は聞く耳を持たない。
やがて神々の不安は現実のものとなる。
風魔の女・鸞心と恋に落ちたのだ。しかし、当時の鸞心は一族の血で血を洗う骨肉の争いを憂いつつも、無邪気に風と戯れていた。
「君は風魔なのに、戦いは嫌いかい?」
そう尋ねた天狐に「大切な友人が殺戮の道具にされるのは、心地よくありません」と答えたという。
雪のように白い髪を風で四方八方に遊ばせながら、彼女は少しだけ影を落として微笑んだ。時間を操る異端の能力のせいで一族でも爪弾き者だった。何度も命を狙われようとも、鸞心はするりと交わして相手にしない。
天衣無縫――風魔の鸞心とはそういう人物なのだと、天狐は信じていた。
「しかし、裏切られた……?」
「ああ、鸞心はただ一族に向ける牙を研いでいただけ。交流を始めて二年も経とうかとした時、鸞心は天狐様を食った。神の強大な力を身体に取り込み、子を産んだ。その子がお前の義兄である『鞍馬山の狐』だ」
「お言葉ですが、神妖と風魔の合いの子でも、義兄は風魔としての能力はあまり強くありませんでした」
「殆どの神通力は鸞心が持っているゆえ。子に遺すより、自身の強化の為に鸞心は天狐様を食らったのだ」
緑の庭に視線をやった最澄に滝夜叉姫は「納得がいかぬと顔に書いてあるぞ」と笑った。
「失礼。なぜ、鸞心がそこまで力に固執するのか、義兄を産んだ理由も、すべての行動が僕には理解ができなくて……。ただ風魔を凌駕する絶大な力を欲していただけならば、子を産む必要は無かったはずです」
鸞心が天狐を食ったのは、最澄が龍鱗を手に入れたのと同義だ。しかし、義兄を産んだ理由も、産んだ子の家族を天狗一派に殺させた理由も解らない。
鸞心の行動はすべて理解も推測も追いつかないのだ。
最澄に反して、滝夜叉姫は歪んだ笑みを浮かべた。
「簡単だ。あの女も、所詮は純血の風魔であった――それだけのこと」
「果たしてそうなのか」という言葉を最澄は飲み込んだ。滝夜叉姫は風魔を憎んでいる。この世で風魔を好いている者は異質なのだから、最澄は反論しなかった。
「滝夜叉姫、鸞心が黄泉の永久牢に封じられていた経緯は分かりました。一つだけお尋ねしたい――鸞心の封じを解いたのは、何者ですか?」
滝夜叉姫は目に見えて表情が強ばった。口を開いては、また閉じる。簡単な問いなのに、その人物の名を口にしていいものかを判じかねているように見受けられた。
「……永久牢の封じが解けるのは、伊邪那美様しかあり得ぬ」
「でも、伊邪那美様は封じを解いてはいない。僕の邪推ならば謝罪致しますが、誰かが不敬にも伊邪那美様に化け、一時的に神通力を手に入れた――違いますか?」
とうとう滝夜叉姫は泣きそうな顔をして瞑目した。
最澄は嘆息してから、考えを巡らせる。
黄泉の主――国生み神話の女神に化けるほどの神通力か妖力を持ち合わせ、尚且つ、現世に相当強い怨恨を持つ存在を、頭を急回転させて探し出す。
呪詛神として有名な伝承を辿れば、まず滝夜叉姫に行きあたるだろうが、目の前にいる滝夜叉姫の本質は人間だ。しかも今は黄泉の門番でもある。
彼女が口を閉ざし、こんな表情をするのはいったい誰か――最澄は低く、小さな声で滝夜叉姫を問い詰めた。
「――僕の心当たりとして有力候補は天津甕星です。あの神ならば安倍晴明様が僕におっしゃったように星の配置を狂わせ、世を乱世に陥れることも可能でしょう。だが、一柱だけでは足りない。伊邪那美様には到底手が届かないでしょう。もう一柱かもう一匹の妖怪の名を教えて頂けませんか?」
この尋ね方は卑怯だと最澄は思った。滝夜叉姫は「その口ぶり、もう答えに行き当たっているのに私に吐けと申すか」と恨みがましく言った。
「当たらなければいいと願っていたのです――貴女の表情で確信が持てました。天狐様に並ぶ妖力を持つ妖怪・九尾の狐ですね?」
「そうだ。九尾が天津甕星様を誘惑して封を解いた。世に災いあれと願って――!!」
とうとう顔を両手で覆った滝夜叉姫を、最澄は慰めるでもなく、ただ傍観していた。
龍鱗だけで対抗できるだろうか。
ただそれだけが気がかりだったのだ。
「脱獄に関わった者達は、もう裁かれたのですか?」
滝夜叉姫は目尻の涙を拭ってこくりと頷いた。
「両名、永久牢に入れられた。もう現世にも、黄泉にも影響力はない。ただ狂ってしまった星辰の修正は叶わずにそのままだ。今、天津甕星様を除く神々が総出で修正を試みている」
陰陽師である最澄や清明にとって、星空の予言は絶対である。狂ったままでは今後の戦闘行動だけでなく、様々な予定調和が崩壊する。
ひとまず、星辰が正しくなることだけはありがたい報告だと最澄は、また四阿の外をぼんやりと眺める。去来する言い知れぬ焦燥感が最澄を襲う。
――おそらく滝夜叉姫が語ったのは、この復讐劇内でも氷山の一角なのだろう。
続...
最澄は生唾を飲み込む。あれほど熱く身を焼いていた龍鱗が、いつ光を失ったのかも覚えていない。滝夜叉姫はひとつひとつの動作に隙が無いというのに、最澄は龍鱗を使った反動なのか、身体がひどく重たいように感じていた。
祈りにも似た行動を終えた滝夜叉姫は、矢をつがえていない弓の弦を三度弾く。これを三度繰り返した。
すると毒々しい霧に覆われていた髑髏ヶ淵は世界を反転させたように、小さな四阿があり、花が咲き乱れる庭になった。広さは一条戻り橋にある清明の庭と同じくらいか。
芝桜、梔子、ホタルブクロにエゾアジサイ、蒲公英によく似たブタナ。髑髏ヶ淵から異世界に飛ばされた気さえ起きる。
「ここは……?」
「私の庭園だ。閉塞された結界ゆえ風も、如何なる術も拒む。鸞心に話が漏れる心配がなく、また貴殿も風は操れぬ。密談には最適であろう」
最澄は「警戒心が強い方だ」と嫌味たっぷりに言えば、ふふっと女武者は口だけで笑って「そなたも同じではないか」と四阿の方へと向かいながら言い返してきた。
茅葺屋根の四阿は質素で、黒に近い焦げ茶色をしている。周囲が彩色に溢れているので、この佇まいが落ち着く印象を受ける。双葉も人間の姿を取って、最澄の隣に腰かけた。
「――そなたは『天狐』様をご存知か?」
「知識としてだけなら……妖狐の姿を借りた魔力甚大な神だと文献で拝見致しました」
「左様。お優しい方であった。その優しさが仇となって鸞心に謀られ、お亡くなりになったのは五百年前になろうか」
滝夜叉姫は四阿から一望できる芝と野花の絨毯に視線を向けて、悲哀に満ちた声で昔を語り始めた――。
◇
天狐は心清らかな神だった。神の気性であるの気まぐれさや天邪鬼な部分も持ち合わせていたが、性格はとても穏やかで彼を嫌う者は存在しないと言っても過言ではない。
人里へ遊びに行っては朗らかに笑い、自然を愛し、種族の垣根無く接する――それは風魔も例外ではなかった。
当時まだ京都の嵐山にあった風魔の里にも顔を出していた。古来より同族内で殺し合う魔物である風魔族の里への出入りには、他の神々は気が気でなく何度も諫言を申し立てたのだが、天狐は聞く耳を持たない。
やがて神々の不安は現実のものとなる。
風魔の女・鸞心と恋に落ちたのだ。しかし、当時の鸞心は一族の血で血を洗う骨肉の争いを憂いつつも、無邪気に風と戯れていた。
「君は風魔なのに、戦いは嫌いかい?」
そう尋ねた天狐に「大切な友人が殺戮の道具にされるのは、心地よくありません」と答えたという。
雪のように白い髪を風で四方八方に遊ばせながら、彼女は少しだけ影を落として微笑んだ。時間を操る異端の能力のせいで一族でも爪弾き者だった。何度も命を狙われようとも、鸞心はするりと交わして相手にしない。
天衣無縫――風魔の鸞心とはそういう人物なのだと、天狐は信じていた。
「しかし、裏切られた……?」
「ああ、鸞心はただ一族に向ける牙を研いでいただけ。交流を始めて二年も経とうかとした時、鸞心は天狐様を食った。神の強大な力を身体に取り込み、子を産んだ。その子がお前の義兄である『鞍馬山の狐』だ」
「お言葉ですが、神妖と風魔の合いの子でも、義兄は風魔としての能力はあまり強くありませんでした」
「殆どの神通力は鸞心が持っているゆえ。子に遺すより、自身の強化の為に鸞心は天狐様を食らったのだ」
緑の庭に視線をやった最澄に滝夜叉姫は「納得がいかぬと顔に書いてあるぞ」と笑った。
「失礼。なぜ、鸞心がそこまで力に固執するのか、義兄を産んだ理由も、すべての行動が僕には理解ができなくて……。ただ風魔を凌駕する絶大な力を欲していただけならば、子を産む必要は無かったはずです」
鸞心が天狐を食ったのは、最澄が龍鱗を手に入れたのと同義だ。しかし、義兄を産んだ理由も、産んだ子の家族を天狗一派に殺させた理由も解らない。
鸞心の行動はすべて理解も推測も追いつかないのだ。
最澄に反して、滝夜叉姫は歪んだ笑みを浮かべた。
「簡単だ。あの女も、所詮は純血の風魔であった――それだけのこと」
「果たしてそうなのか」という言葉を最澄は飲み込んだ。滝夜叉姫は風魔を憎んでいる。この世で風魔を好いている者は異質なのだから、最澄は反論しなかった。
「滝夜叉姫、鸞心が黄泉の永久牢に封じられていた経緯は分かりました。一つだけお尋ねしたい――鸞心の封じを解いたのは、何者ですか?」
滝夜叉姫は目に見えて表情が強ばった。口を開いては、また閉じる。簡単な問いなのに、その人物の名を口にしていいものかを判じかねているように見受けられた。
「……永久牢の封じが解けるのは、伊邪那美様しかあり得ぬ」
「でも、伊邪那美様は封じを解いてはいない。僕の邪推ならば謝罪致しますが、誰かが不敬にも伊邪那美様に化け、一時的に神通力を手に入れた――違いますか?」
とうとう滝夜叉姫は泣きそうな顔をして瞑目した。
最澄は嘆息してから、考えを巡らせる。
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呪詛神として有名な伝承を辿れば、まず滝夜叉姫に行きあたるだろうが、目の前にいる滝夜叉姫の本質は人間だ。しかも今は黄泉の門番でもある。
彼女が口を閉ざし、こんな表情をするのはいったい誰か――最澄は低く、小さな声で滝夜叉姫を問い詰めた。
「――僕の心当たりとして有力候補は天津甕星です。あの神ならば安倍晴明様が僕におっしゃったように星の配置を狂わせ、世を乱世に陥れることも可能でしょう。だが、一柱だけでは足りない。伊邪那美様には到底手が届かないでしょう。もう一柱かもう一匹の妖怪の名を教えて頂けませんか?」
この尋ね方は卑怯だと最澄は思った。滝夜叉姫は「その口ぶり、もう答えに行き当たっているのに私に吐けと申すか」と恨みがましく言った。
「当たらなければいいと願っていたのです――貴女の表情で確信が持てました。天狐様に並ぶ妖力を持つ妖怪・九尾の狐ですね?」
「そうだ。九尾が天津甕星様を誘惑して封を解いた。世に災いあれと願って――!!」
とうとう顔を両手で覆った滝夜叉姫を、最澄は慰めるでもなく、ただ傍観していた。
龍鱗だけで対抗できるだろうか。
ただそれだけが気がかりだったのだ。
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滝夜叉姫は目尻の涙を拭ってこくりと頷いた。
「両名、永久牢に入れられた。もう現世にも、黄泉にも影響力はない。ただ狂ってしまった星辰の修正は叶わずにそのままだ。今、天津甕星様を除く神々が総出で修正を試みている」
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