人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

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――1日目

020.『施設探索(4)』

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 ――――リビングルーム

佐倉 小桃
「白百合さん……、間宮さん……」

間宮 果帆
「……………………?」

白百合 美海
「なあに? 小桃ちゃん……」

佐倉 小桃
「……白百合さん、大丈夫?」

白百合 美海
「…………ごめんね、心配かけて。
 みんなも…………」

間宮 果帆
「あ……いや……」

八木沼 由絵
「そんなの気にしちゃダメだよ~……、
 友達なんだから心配くらいかけさせてよ……」

白百合 美海
「ありがとう、由絵」

八木沼 由絵
「……勝平も、様子がおかしいし……」

間宮 果帆
「…………今一番辛いのは、たぶん、勝平だ」

白百合 美海
「……秋尾くん…………」

佐倉 小桃
「白百合さん、思い出したんだけど、
 ……あたし、昨日あなたを見掛けたの」

白百合 美海
「本当……?」

佐倉 小桃
「ええ。教室で、水鳥さんたちと話してるところよ」

間宮 果帆
「そのときは……あたしもいたよな?」

白百合 美海
「うん…………」

佐倉 小桃
「あ、そっか……ごめんなさい、白百合さんしか見えなくて」

白百合 美海
「…………紗枝子ちゃんたちと、なにを話したかしら?」

間宮 果帆
「まあ……こんな風に話せるようになると思わなかったよな、とか、そんな話。
 あいつ、中等部の頃はずっと一匹狼だったじゃん?
 …………まあそれは今も変わんないけど」

和歌野 岬
「水鳥紗枝子…………。
 わたし、一度も話したことないわ」

小日向 花菜
「うちも、業務連絡以外は全然……」

七瀬 和華
「…………一年間だけど、クラスメイトだったのにね」

八木沼 由絵
「美海は健気だったよね~、
 軽くあしらわれちゃうのに、声かけてさ~……」

白百合 美海
「う、う~ん……、仲良くなりたかったし」

佐倉 小桃
「……仲良くなれたの?」

白百合 美海
「うん、昔よりはね」

間宮 果帆
「美海やあたしは、距離感がちょうどいいんだと。
 つるむ気はないけど、邪険にはされなくなったよな」

白百合 美海
「そうね」

佐倉 小桃
「……すごいね、白百合さん。
 あのね……あたし、中等部の頃、その……色々あったんだけど」

白百合 美海
「…………うん」

佐倉 小桃
「……知ってる?」

白百合 美海
「…………うん、少しだけど」

佐倉 小桃
「そっか…………。
 それでね、その頃に……弥重と、仲違いじゃないけど、傷付けちゃったことがあって。
 それから全然……弥重が、秋尾くんと付き合うようになってからも、話せなかったんだけど……、
 また同じクラスになって、最近、少しずつ……話せるようになったんだ」

白百合 美海
「……そうだったの……」

間宮 果帆
「……………………。」

七瀬 和華
「………………。」

佐倉 小桃
「…………人の心配してる場合じゃないけど、
 あたし…………どうすればいいのかしら……?」

白百合 美海
「……………………。」

間宮 果帆
「今は……なんとも言えないよ……、悪いけど」

八木沼 由絵
「………………そうだよね。
 佐倉さん、由絵もね、弥重ちゃんと仲良かったんだ~……。
 たまに、勝平と秋尾くんと弥重ちゃんの4人で遊んだりしたしぃ……。
 …………あたしも、無事でいてほしいけど、どうすればいいのか」

千景 勝平
「…………今は……、ここを出ることだけを考えよう。
 それで、都丸のことも、なんとかしよう…………秋尾のためにも」



 ………………。





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