51 / 389
――2日目
049.『カラオケ大会(5)』
しおりを挟む間宮 果帆
「朔也…………」
本堂 空太
「寝不足だってさ。さっき、話聞いてた」
間宮 果帆
「本人から?」
本堂 空太
「うん。なんか、様子が変だなって思って。
…………気付いたのは俺じゃないんだけどさ。
佐倉が、なんか、変じゃないかって」
間宮 果帆
「…………へえ~、佐倉がねえ……。
…………話したんだ?」
本堂 空太
「ああ、うん。…………それだけだよ?」
(果帆には、昔佐倉のこと気になってたこと、話したことあるんだよな。
…………変に誤解されなきゃいいけど)
間宮 果帆
「…………そうか。
……佐倉、まだ朔也のこと好きなのかな」
本堂 空太
「それは俺も思った。
…………どうなんだろうね」
間宮 果帆
「律儀なことだな。
…………まあ、それは晶や朔也にも言えることだけど」
本堂 空太
「…………確かに」
(ってことは、やっぱり朔也はまだ白百合が好きなんだな。
…………好きな子の彼氏が、自分の親友。
……朔也にもきっと、誰にも言えない思いがあるんだろうな)
有栖川 直斗
「…………さて。気を取り直して。
次だれいく?」
目黒 結翔
「んじゃ俺いくー!」
筒井 惣子郎
「はいよー」
本堂 空太
(こうして、カラオケ大会は大盛り上がりだった。
……………………。
………………………………。
状況を忘れているわけじゃない。
たぶんみんな、こうして無理にでも盛り上がらないと、脳裏に蘇るんだ。
昨日死んだ秋尾のこと、人質になった都丸のこと。
…………忘れたわけじゃない。犯人を許したわけじゃない。
でも…………でも…………。助けがくるまでは、こうでもしないとやってられなかったんだ)
【残り:16人】
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
22
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる