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――2日目
059.『2日目、夜の時間(6)』
しおりを挟む本堂 空太
「復讐って…………」
(どういうこと?
朔也に異常に執着があるのはわかったけど、他のメンツにはどんな理由で復讐があるってんだ?
アキラは朔也と仲が良いから…………ってそれは直斗もじゃない? 直斗もその対象なのかな……白百合はたぶん、朔也の想い人だからだし…………佐倉は、朔也のことが好きだからか。
筒井は生徒会長の候補で競ってたからだとして…………七瀬は? 七瀬はどんな理由があるってんだ?)
道明寺 晶
「…………最近変わったしな、彼女」
乃木坂 朔也
「…………そうだな」
本堂 空太
「そうなの?」
道明寺 晶
「ああ。なんと言うか、覇気がなくなったんだよ。
あんなに快活だったのにな」
乃木坂 朔也
「…………聞いた話だが、父親と血の繋がりがないらしいんだ。
彼女にもあったんだろう…………そう言う、人には言えない様々な事情が」
本堂 空太
「…………だとしても、佐倉や都丸にしたことは許されることじゃないけどね」
乃木坂 朔也
「過去のことだ…………とも、言えないしな」
本堂 空太
「朔也は気付いてたの? 泉沢の…………そーゆー気持ち」
(好きって言う気持ち…………)
乃木坂 朔也
「…………おう」
道明寺 晶
「あれだけ露骨じゃさすがのお前も気付くよな」
乃木坂 朔也
「…………鈍感って言いたいのか?」
道明寺 晶
「ご名答」
本堂 空太
「ははっ」
乃木坂 朔也
「…………なんだよ?」
本堂 空太
「…………少しは元気出た?」
乃木坂 朔也
「…………悪いな、心配かけて」
本堂 空太
「全然平気」
乃木坂 朔也
「……………………」
乃木坂 朔也
「!! 空太!!」
本堂 空太
「(びく!)……な、なに、突然」
乃木坂 朔也
「お、お前…………菫谷と仲良かったよな?」
本堂 空太
「菫谷…………? 菫谷昴のこと?」
乃木坂 朔也
「そう、それだ!」
本堂 空太
(…………菫谷 昴(すみれたに すばる)。中等部時代、仲が良かったクラスメイトのひとりだ。
容姿端麗だったが自己中でマイペースなやつだった。いつもバカにしたように笑うから、クラスメイトの評判は最悪に低かった。
…………でも、俺は菫谷が子猫の世話してるの見かけたことがあって、それで、好感持ってたんだよな……。
その菫谷がどうしたってんだ?)
「う、うん、仲良かったけど…………それがどうかした?」
乃木坂 朔也
「…………ごめん、なんでもないんだ」
本堂 空太
(朔也…………?)
……………………。
道明寺 晶
「さて、俺はそろそろ上がるかな。
ゆっくりしてっていいぜ?」
乃木坂 朔也
「ああ。俺は…………もう少し」
本堂 空太
「じゃ、俺も」
道明寺 晶
「おうよ、じゃあな」
………………。
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