77 / 389
――10日目~14日目
075.『14日目』
しおりを挟む本堂 空太
(14日目。この日も襲撃はなかった。
果帆の部屋にいたら、白百合が顔を出した。
3人で他愛のない会話をしていたら、果帆がこんなことを言い出した)
間宮 果帆
「美海に聞きたいことがあるんだ。
…………空太の前だけど、いいか?」
本堂 空太
「…………?」
白百合 美海
「…………内容によりけりだけどね、いいよ」
間宮 果帆
「…………なんでさ、朔也じゃなくて、アキラだったんだ?」
白百合 美海
「…………どうして? 突然に」
間宮 果帆
「いや、…………いいんだ、話したくなければ。
ただ、朔也はさ…………その…………」
白百合 美海
「…………うん……そうだね……」
間宮 果帆
「……てゆーか、この間水鳥が言ってたことも気になってるんだ」
白百合 美海
「紗枝子ちゃん?」
本堂 空太
(水鳥 紗枝子(みどり さえこ)?
高潔な感じの大人びた美女で、彼女も元クラスメイトだった。
女子にしては珍しく群れるタイプじゃなかったけど、果帆と白百合はほどほどに仲が良いみたいだ。
…………俺はあの人、隙がなくてちょっと怖かったけどね……)
間宮 果帆
「ああ。なんで、朔也や如月じゃなくて、アキラなんだって」
本堂 空太
(…………今度は如月?
ああ、…………あの一匹狼で、俺がすこし苦手だった元クラスメイトだ。
如月 仁(きさらぎ じん)。
一匹狼で、無愛想で、なにを考えてるかよくわからないやつだった。
けど、白百合と朔也は仲が良かったみたいだ。
…………俺も人付き合いは上手い方だと思うけど、この二人には完全に負ける。人当たりも良いしメンタルも強すぎる)
間宮 果帆
「どうしてそこに如月が関わってくるんだ?」
白百合 美海
「…………話してなかったね。ごめんね。
…………あたしね、如月くんのこと、すこし好きだったことがあるの。
……中3の頃の話しだけどね」
本堂 空太
(マジか、それは驚いた)
間宮 果帆
「…………知らなかった」
白百合 美海
「そうよね、ごめんなさい。
…………あたしね、誰にも言ってないし全部は話せないんだけど、…………兄が、いるの。
…………いたの、昔」
本堂 空太
(…………昔?)
「…………ってことは、……今はいないの?」
白百合 美海
「うん。…………死んじゃったの。
…………色々、大変なことがあって……。
…………如月くんはね、……すこし、似てたの。
おにいちゃ――――兄に。
それで、すこし、気になってて」
間宮 果帆
「…………そうだったのか」
白百合 美海
「うん。…………でも今思うと、あれって恋だったのかな?
兄に似てたって、それだけの理由で…………。
……でもね、今は、アキラが好きよ?」
本堂 空太
「そりゃそうだよ。
……好きじゃなきゃ、付き合わないでしょ」
白百合 美海
「うーん、……そうじゃないパターンもあってもいいと思うけど。
でも、あたしはそうね」
間宮 果帆
「…………あたしも」
白百合 美海
「ふふ」
間宮 果帆
(白百合が笑った。
少しずつ、こんな場面も増えてきた。みんな。
…………元に戻れるまで、もう少しかな…………)
白百合 美海
「…………それじゃ、二人の時間邪魔しちゃ悪いし、
あたしは…………アキラと朔也のところに行ってくるわね」
間宮 果帆
「ああ。…………ゆっくりしてってもいいのに。
でも、わかったよ。また、夕飯の時間にな。
あたしも手伝うからさ」
白百合 美海
「ふふ、うん、またね」
本堂 空太
「うん、また」
間宮 果帆
「じゃあな」
本堂 空太
(この日の投票も処刑はなかった。
みんな、騒ぎはしないけど、顔を合わせて普通に会話ができるようにはなっていた。
助けが来るまで…………見つけてもらうまで、こうであればいい。
…………来るかどうかは、わからないけど。
………………。
……………………。
……………………けど。
…………けどこの日の夜、恐れていたことがついに現実となった……)
――――14日目、人狼の襲撃が成功しました。
【残り:15人】
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる