人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

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『腸』――1日目

018.『見せしめ(1)』

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秋尾 俶伸
《クッソっ、弥重……! 弥重っ……!》

都丸 弥重
《俶くん……っ、こわいよ…………っ!》

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八木沼 由絵
「うそ!? 秋尾くんと、弥重ちゃんだよっ、
 …………勝平っ」

千景 勝平
「ああ、ああっ!」



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秋尾 俶伸
《弥重……、大丈夫だっ、すぐに俺が!》

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本堂 空太
「………………っ」

(秋尾 俶伸(あきお よしのぶ)。それに、都丸 弥重(とまる やえ)。
 この二人も、元クラスメイトで、中3の頃からお似合いのカップルだ。

 秋尾は、勝平と同じような非行少年で、よくつるんでいたし、今もかなり仲が良いはずだ。
 背は高くないけど筋肉質な体型で、たぶん、ケンカも強い。
 けど本人は、あまり精力がないと言うか、無気力でぼーっとしてる印象が強い。
 少なくとも同じクラスだった時は、問題を起こすこともなかったし、はしゃいでるイメージとかはあまりない。
 けど、どこか存在感があるんだ。黙っていても目立つタイプで、その点は勝平と似ていたんだと思う。
 そんな秋尾だけど、彼女である都丸に関してだけは別だったみたいだ。
 熱心で、一途で、一生懸命で、全力で支えて、心の底から思いやっていた。
 だから、お似合いのカップルだったんだ――――。

 都丸は、少し不思議な話し方をする女の子だ。詩人のような。
 中等部時代、佐倉と仲が良かったけど、…………聞いた話によると、佐倉も都丸も、朔也のことが好きで。
 同じ人を好きになってしまったばかりになんとなく、気まずくなって、中2の後半くらいからそれぞれ別のグループになって、離れた。
 佐倉はその時、七瀬も所属してたクラスでも巨大な女子のグループに引き込まれたけど、都丸は保健室に入り浸ってる面々と、細々と交友してたみたいだ。
 休み勝ちだったりで教室にいないことが多い友人の中で、ひとり寂しそうにしてたのを白百合が見かねて、都丸に片想いしてた秋尾をけしかけたり、二人を遊びに誘ったりして、仲を取り持ったと言うのは有名な話だった。
 都丸は少しずつ明るくなったし、おかげでクラスは平和だった。卒業するまで、ずっと――――)

白百合 美海
「うそよ……弥重ちゃんと、秋尾くんまでなんて……っ」

佐倉 小桃
「…………弥重、なぜ……なぜ……あなたまで……」



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秋尾 俶伸
《くそっ、この縄……っ、
 ……、…………っっ!!

 ――――てめえか、
 俺らをこんな目に合わせたのは》

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筒井 惣子郎
「いかん!!」

間宮 果帆
「あ、秋尾! 刺激しちゃダメだ!」



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秋尾 俶伸
《てっめえ……、離せコラ!》

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菫谷 昴
「おっけいでーす、やっちゃって下さい、男の方をー」
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【残り:16人】
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