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『腸』――2日目
092.『夜の時間(9)』
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**
――――PM23:00、晶の部屋
道明寺 晶
「さて、っと…………」
(今晩は朔也を占う。
まあ、襲撃の役目も負ってるわけだし、人狼ってことはないだろうけど、一応な。
…………本当は勝平を占うつもりだったが…………あまりにも朔也の挙動が怪しすぎた。正直、親友を公言しておいて、あんな朔也は初めて見た。
俺と美海が付き合うことになったときも、あんな風にはならなかったのにな……)
道明寺 晶
「…………本日は誰を占いますか、か……」
(乃木坂朔也……………………。
……………………結果は、『村人』。
ほらな、やっぱり違う。
…………なら、どうしたってんだ、朔也。やっぱり原因は…………美海なのか?
もしかして…………あれを知ったのか?
まさか。どこから。どうやって)
道明寺 晶
「………………。」
(それにしても、処刑も襲撃もない状態で…………、永遠にゲームが成り立たない選択をできる構成をしておいて、占いはしっかりできるんだな。
俺が占い師に選ばれた理由…………なんとなく、わかった気がする。
おかしいと思ったんだ。16人も集めておいて、人狼がたったの3人。まあ、裏切り者が混じってることを考慮したとしても、明らかに人狼が不利な構成だ。
その上、俺が占い師。悪いけど俺は感も鋭いからね。
…………つまり、ゲームをしない選択をするのも、犯人の想定内だってことだ。
そして、美海に人狼を押し付けることで、俺を動揺させ、動きを封じ込める目的もあるんだろう。そうすれば、人狼と村人が公平になると思ったんだな、たぶん)
道明寺 晶
「……………………まずいな」
(美海のことになると、滅法弱いんだ、俺は。
それに…………これも犯人の想定内だとすると、必ずどこかで崩しにかかるだろう。
今はみんな気力を取り戻しているが、こんな薄暗い場所に何日も閉じ込められたら、気が触れるやつが出てきたっておかしくはない。
…………くそ。大人しく警察が見付けてくれるのを待つ提案をしたのは俺だが、もしも助けがこなかったら…………どうすりゃいいってんだ。
俺は美海を…………告発することなんてできやしない。そんなことをするぐらいなら、死んだ方がずっとマシだ)
道明寺 晶
「……………………」
(…………やっぱり、朔也のあの挙動も、犯人がなにかしら仕掛けた証拠なんだろうな。
誰だ。誰なんだ、犯人は。…………泉沢なのか? それとも…………)
道明寺 晶
「…………菫谷」
(…………俺は、唯一、美海と菫谷の過去を知っている者だ。
きっかけは、ネットサーフィンだった。過去の様々な惨殺事件を調べる内、10年前のある事件を知ることになった。なにか引っ掛かった。
ほとんどの記事や画像は削除されていたが、その中で、二人の顔写真を見付けた。…………物凄い衝撃だった。
すぐに美海を問い質した。美海は驚愕の表情を浮かべた後、ほろほろと涙を流して、ゆっくりと語り始めた。)
白百合 美海
アキラの言う通りよ。閖白えりかは、あたしよ。
なぜ白百合美海として生きているのか。
おにいちゃ…………兄が、事件を犯す前、あたしはあるところに預けられたの。それが今、あたしの面倒を見てくれてる『氷野組』…………所謂、反社会組織……暴力団よ。
後に、事件の被害者の、墨谷昂太も一緒に受け入れることになったわ。兄の差し金だったみたい。
あたしたちね、住民票もなにもないの。でもね、氷野組の当主が宍銀学園の園長ととても親しくて、事情を知った上で受け入れてくれたの。
過去を消して、名前を変えて…………。
ねえ、なぜあたしの名前が『美海(みみ)』なのかわかるかしら。被害者の…………兄の恋人だった女性は、『南海(みなみ)』と言う名だったの。その名を文字って与えられたのよ。
…………十字架を、背負わせるために。
あたしは、兄の落とし前と昂太のために、…………体を売って働くことになったわ。週末になるとね、あたしは…………あたしは…………。
…………ごめんなさい、アキラ。だから、あなたの気持ちに答えられない。…………軽蔑したよね? ごめんなさい、ごめんなさい…………。
道明寺 晶
「……………………」
(俺は…………美海を永遠に守っていくと誓った。
血を吐くように泣きじゃくる彼女を見て、そう決めたんだ。
美海のことだけは…………なにがあっても守ってみせるさ)
道明寺 晶
「……………………」
(場合によっては、…………ゲームをする選択をするしかないかもな。
美海が人狼なら…………二人で生き残ることはできないのか。頼みの朔也も村人だしな…………。
…………人狼側に、美海を託せる奴がいればいいんだが…………)
道明寺 晶
「……………………」
**
【残り:16人】
――――PM23:00、晶の部屋
道明寺 晶
「さて、っと…………」
(今晩は朔也を占う。
まあ、襲撃の役目も負ってるわけだし、人狼ってことはないだろうけど、一応な。
…………本当は勝平を占うつもりだったが…………あまりにも朔也の挙動が怪しすぎた。正直、親友を公言しておいて、あんな朔也は初めて見た。
俺と美海が付き合うことになったときも、あんな風にはならなかったのにな……)
道明寺 晶
「…………本日は誰を占いますか、か……」
(乃木坂朔也……………………。
……………………結果は、『村人』。
ほらな、やっぱり違う。
…………なら、どうしたってんだ、朔也。やっぱり原因は…………美海なのか?
もしかして…………あれを知ったのか?
まさか。どこから。どうやって)
道明寺 晶
「………………。」
(それにしても、処刑も襲撃もない状態で…………、永遠にゲームが成り立たない選択をできる構成をしておいて、占いはしっかりできるんだな。
俺が占い師に選ばれた理由…………なんとなく、わかった気がする。
おかしいと思ったんだ。16人も集めておいて、人狼がたったの3人。まあ、裏切り者が混じってることを考慮したとしても、明らかに人狼が不利な構成だ。
その上、俺が占い師。悪いけど俺は感も鋭いからね。
…………つまり、ゲームをしない選択をするのも、犯人の想定内だってことだ。
そして、美海に人狼を押し付けることで、俺を動揺させ、動きを封じ込める目的もあるんだろう。そうすれば、人狼と村人が公平になると思ったんだな、たぶん)
道明寺 晶
「……………………まずいな」
(美海のことになると、滅法弱いんだ、俺は。
それに…………これも犯人の想定内だとすると、必ずどこかで崩しにかかるだろう。
今はみんな気力を取り戻しているが、こんな薄暗い場所に何日も閉じ込められたら、気が触れるやつが出てきたっておかしくはない。
…………くそ。大人しく警察が見付けてくれるのを待つ提案をしたのは俺だが、もしも助けがこなかったら…………どうすりゃいいってんだ。
俺は美海を…………告発することなんてできやしない。そんなことをするぐらいなら、死んだ方がずっとマシだ)
道明寺 晶
「……………………」
(…………やっぱり、朔也のあの挙動も、犯人がなにかしら仕掛けた証拠なんだろうな。
誰だ。誰なんだ、犯人は。…………泉沢なのか? それとも…………)
道明寺 晶
「…………菫谷」
(…………俺は、唯一、美海と菫谷の過去を知っている者だ。
きっかけは、ネットサーフィンだった。過去の様々な惨殺事件を調べる内、10年前のある事件を知ることになった。なにか引っ掛かった。
ほとんどの記事や画像は削除されていたが、その中で、二人の顔写真を見付けた。…………物凄い衝撃だった。
すぐに美海を問い質した。美海は驚愕の表情を浮かべた後、ほろほろと涙を流して、ゆっくりと語り始めた。)
白百合 美海
アキラの言う通りよ。閖白えりかは、あたしよ。
なぜ白百合美海として生きているのか。
おにいちゃ…………兄が、事件を犯す前、あたしはあるところに預けられたの。それが今、あたしの面倒を見てくれてる『氷野組』…………所謂、反社会組織……暴力団よ。
後に、事件の被害者の、墨谷昂太も一緒に受け入れることになったわ。兄の差し金だったみたい。
あたしたちね、住民票もなにもないの。でもね、氷野組の当主が宍銀学園の園長ととても親しくて、事情を知った上で受け入れてくれたの。
過去を消して、名前を変えて…………。
ねえ、なぜあたしの名前が『美海(みみ)』なのかわかるかしら。被害者の…………兄の恋人だった女性は、『南海(みなみ)』と言う名だったの。その名を文字って与えられたのよ。
…………十字架を、背負わせるために。
あたしは、兄の落とし前と昂太のために、…………体を売って働くことになったわ。週末になるとね、あたしは…………あたしは…………。
…………ごめんなさい、アキラ。だから、あなたの気持ちに答えられない。…………軽蔑したよね? ごめんなさい、ごめんなさい…………。
道明寺 晶
「……………………」
(俺は…………美海を永遠に守っていくと誓った。
血を吐くように泣きじゃくる彼女を見て、そう決めたんだ。
美海のことだけは…………なにがあっても守ってみせるさ)
道明寺 晶
「……………………」
(場合によっては、…………ゲームをする選択をするしかないかもな。
美海が人狼なら…………二人で生き残ることはできないのか。頼みの朔也も村人だしな…………。
…………人狼側に、美海を託せる奴がいればいいんだが…………)
道明寺 晶
「……………………」
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【残り:16人】
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