人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

文字の大きさ
341 / 389
『腸』――15日目

151.『投票と夜の時間(13)』

しおりを挟む

**
白百合 美海
「…………アキラは、『占い師』を騙れって言ってたわ」
(ひとしきり泣いた後、きちんと、話し合いをすることになった)

小田切 冬司
「うん。本物がいなくなってしまった以上、みんなは偽者の占い師を信じる他ない。
 本物の占い師に嘘だとバレる心配もないから」

千景 勝平
「…………あいつはこうも言ってたよな。
 他に占い師を騙る奴がいたら、そいつが『裏切り者』だって」

小田切 冬司
「うん。
 …………村人だったら、占い師が名乗り出ている以上、自分が人狼だと疑われるリスクを負ってまでウソを付く理由がない。
 占い師を騙るのは、人狼か、裏切り者以外はあり得ないんだ」

白百合 美海
「…………裏切り者の勝利条件って、
 あたしたちが勝つことなのよね?」

小田切 冬司
「そう。
 でも裏切り者は、人狼が誰か知らない。
 …………俺たちに気付いてもらうために、占い師を騙る可能性は高いと思う。
 裏切り者は、村人を引っ掻き回して、混乱させることが必要になってくるんだ」

千景 勝平
「…………つまり、積極的に嘘をついてる奴がいたら、
 …………そいつが裏切り者ってことだな」

小田切 冬司
「うん。だから、明日の投票で占い師だと名乗り出よう。
 …………白百合さん、君にお願いしたいんだ」

白百合 美海
「…………あたし?」

千景 勝平
「いや、駄目だ。
 人狼だと疑われる可能性もあるんだろ?
 そんな危険な役割、白百合にはさせられねえよ」

小田切 冬司
「そうでもないと思うよ……。
 本物の占い師がいないんだから、確実に嘘をついてると断言できる人がいない。
 占い師として確定させてしまえば、それこそ白百合さんは投票される確率がずっと下がるんだ。
 …………それに、白百合さんなら、…………みんな信じると思うよ」

千景 勝平
「…………確かに、それはあるな」

白百合 美海
「………………わかったわ。
 こう見えて、嘘は……得意なの。
 ……あたしは最後まで、……占い師を演じきってみせる」

小田切 冬司
「……うん。ありがとう。
 …………君に任せるから、お願いね。
 …………ただ、今まで占わなかった点をつかれると、すごく弱いんだけどね」

千景 勝平
「…………道明寺は、占えなかったってことにして、押し通せって」

小田切 冬司
「でも、用心棒はちゃんと機能してるでしょ。
 占いだけはできないって、言い訳としては、弱いよ」

白百合 美海
「…………昨日までは襲撃はされなかったから、
 それを…………理由にはできないかしら」

小田切 冬司
「…………もっとちゃんとした理由がほしいところだけど
 …………それしか、ないよね」

白百合 美海
「うん…………いいの、任せて。
 なんとか信じさせてみせるから」

小田切 冬司
「…………頼もしいよ、白百合さん」
(今までで一番、綺麗だよ、白百合さん……)

白百合 美海
「……………………みんなを騙すのね」

千景 勝平
「…………騙し合いの、始まりだ……」
**





――――15日目、終了





【残り:14人】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...