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『腸』――17日目
180.『朝の時間(5)』
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――――PM15:00、美海の部屋
白百合 美海
「…………ねえ、朔也。
…………ひとつ、聞いてもいい?」
乃木坂 朔也
「ん…………どうした?」
白百合 美海
「……どうしてあたしのそばにいてくれるの」
乃木坂 朔也
「…………言わないと、わからないか?」
白百合 美海
「……………………」
乃木坂 朔也
「美海…………俺が守るよ。必ず」
白百合 美海
(……あたしはゆっくり首を振るった)
「……あたし、頼りないかもしれないけど、
こう見えても、辛抱強いのよ?
だから…………平気」
乃木坂 朔也
「また強がり?
…………強がっちゃうのは、いかにも美海らしいけど、な」
白百合 美海
「……………………」
乃木坂 朔也
「……………………」
白百合 美海
「……世の中に、必ずとか、絶対なんてない。
だからね、朔也。
…………あたしを信頼しすぎちゃダメ。
…………あなたはもっと、自由になるべきよ」
乃木坂 朔也
「…………それは俺が決めることだよ、美海。
…………美海にとっては、迷惑なのかもしれないけどな」
白百合 美海
「…………迷惑だなんて、そんな……」
乃木坂 朔也
「なら、…………俺の好きにする」
白百合 美海
「…………朔也」
乃木坂 朔也
「美海…………好きだよ、昔からずっと、ずっと。
俺じゃアキラの代わりはできないけど、それでも、そばにいるよ」
白百合 美海
「…………ダメ。あたしに囚われないで」
乃木坂 朔也
「…………なにをそんなに拒むんだ?」
白百合 美海
「朔也には…………あたし、幸せになってほしい」
乃木坂 朔也
「…………君を少しでも癒せたら、それが一番の幸せだ」
白百合 美海
「…………キザなこと言うのね。
…………アキラみたい」
乃木坂 朔也
「…………親友だからな」
白百合 美海
「…………あたしね。
朔也に…………みんなには言えないこと、たくさん抱えてるよ?
あなたが思ってるような、あたしじゃない。
それは、あたしが一番よくわかってるの」
乃木坂 朔也
「…………どんなことがあろうとも、美海は美海だろ?
それ以上でも、それ以下でもない。
…………抱えてるものも含めて、……美海だろ?
いいんだ。俺が好きなだけだから」
白百合 美海
「朔也…………でもあたし、あなたに答えられないよ」
乃木坂 朔也
「…………それでも、いいんだ」
白百合 美海
「……………………盲目ね」
乃木坂 朔也
「いいだろ、盲目だろうと、なんだろうと。
…………自分に素直に生きたいんだ」
白百合 美海
「…………アキラと同じこと言うのね」
乃木坂 朔也
「…………だから、親友だから」
白百合 美海
「……………………」
乃木坂 朔也
「……………………」
白百合 美海
「……………………」
(…………朔也はあたしを抱き締めた。
血の臭いが染み付いた、あたしの体を……)
**
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