地元の怪物はどうやらガチでヤバいらしい

ありす〜!

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15 次郎

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次郎はその日ズル休みをした。


親には熱だと嘘をついた。



今から夜まで親は仕事だ。



「よーし!潜入だ!!」




一人は心細かったが、結局、蜃気君達と行っても怖さが減るだけで危険性は変わらないと実感した。


「だから今日は一人での潜入となります!!」
おもちゃのトランシーバーを口に当てた。

くううう、ワクワクしてたまらない。



何しろ謎の男がいたなんて素晴らしい状況。

恐怖より好奇心が高い今のうちに行かなければ怖くて行けなくなりそうだ。膳は急げっていうしはやく行こう。



膳では無いけどねー。




マンションをこっそり出て、例の公園に行った。



「ほう、ここねえ。やっぱり事件現場は凄いな。雰囲気あるし最高」




テンションが高いまま例の建物へと入って行った。

迷いもなくドアを開け、階段へ向かった。
ここが事件現場だなんて凄いな。
警察に言って立入禁止になってないって事は蜃気君達は警察に信用されてないんだな。

まあアイツら特に蜃気の方はミスって人を骨折させたりしてたもんな。流石跳能力者!

「あ、暗いなー」

だが心配無用。
懐中電灯の電源を入れた。
これは安心だ。


いつもの冒険の友達だからな。





「うわーー。本当にあるんだ!」

本当に聞いたとおり通路が3つに別れていた。

小声で呟く。
それでも声は響いた。


「おーい。田中くーん!」

蜃気君の友達は田中っていってたよな。





階段からまっすぐ通路へと進んだ。
右と左は無視だ。




「おーい田中くーん」



名前を呼びながら進んで行った。





「え!?」
だいぶ近くから声が聞こえた。



右の方だな。



「あった」
手探りで通路の壁からドアノブを見つけた。






ドアを開けた。
どこかに光があるのか薄暗かった。


目の前には高校生くらいの男の子がいた。
怯えた顔が懐中電灯に照らされる。



「田中くん?」


「はい。そうです」
田中はうなずいた。




田中は天井を支える柱に縄で縛られていた。


「僕は次郎。蜃気君の友達だよ、宜しく。」

縄を解きはじめたとき、田中が痛いといった。



「ん?」


田中を照らすと、田中の右膝から下が抉れている。
右膝から下が無かった。



「あ、来る」



「え?」



タンタンタンタン……



誰かの足音が近付いて来た。


懐中電灯で足音の方を照らす。



男の足元が照らされる。
「フフ。飛んで火に入る夏の虫」



「あ、あなたは!田中君をここに拐った……」


男は遮るように言う。
「都合が良い。これで当分の食料は確保できた。次の計画に進むとしよう」





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