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21 平穏な日の初日にしてもう病んだかもしれない
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俺の中でそれは大きかったようだった。
一人ではとても抱えきれないような気もする。
俺は授業中チラチラと自分の隣にある、主の居ない席を見ていた。机の上には花束が置かれていた。あてつけかと思えるほどの派手な色で俺の視界を邪魔するので、少し不愉快だった。
俺が辛い気持ちになったのはそれもあるだろうが、蜃気が居ないのだ。あの、幼馴染の、蜃気が。
目覚めが悪くて朝が始まった気がしないときよりも辛くて、俺の一日だとはとても思えなかった。まるで誰かの人生を歩いているようだった。
昼休みになると、昼食も摂らずに教室へと向かった。
次郎のいる教室に行ったのだ。
いつもいる人が居ないだけで現実感がなくなった。
今は夢の中なのかもしれないとも思う。
次郎を教室のドアから呼んだ。
返事は無い。
次郎のクラスの奴に聞けば熱が出たらしい。
そうかと俺は言っていた。
そしてぼーっとしているうちに、あるマンションの三階へ来ていた。手には住所が書かれている。俺はほとんど無意識のうちに、クラスの奴に次郎の住所を聞いて次郎の家まで来てしまったという事か。
右手にはスーパーの袋をもっていた。
中に何かがあると見てみたらアイスだった。
なんで熱の奴にアイスやるんだよ。
ていうか俺今昼休みだよ。
でもなんか分かる。
俺は次郎に話すつもりだったんだ。
無意識に行動したのか意識が朦朧としたのか、記憶が曖昧なのかどうかはわからないが、俺は確信した。
俺、確実に病んでる。
玄関を鳴らしたが次郎もその家族も出てこなかった。
俺の中に一つの可能性が閃いた。
「あの次郎なら、やりかねないよな」
俺は昼休みだということも忘れ、思いついたまま、マンションから出て、一直線に走って行く。
次郎の玄関の前では、溶けたアイスにアリが叢がり始めていた。
一人ではとても抱えきれないような気もする。
俺は授業中チラチラと自分の隣にある、主の居ない席を見ていた。机の上には花束が置かれていた。あてつけかと思えるほどの派手な色で俺の視界を邪魔するので、少し不愉快だった。
俺が辛い気持ちになったのはそれもあるだろうが、蜃気が居ないのだ。あの、幼馴染の、蜃気が。
目覚めが悪くて朝が始まった気がしないときよりも辛くて、俺の一日だとはとても思えなかった。まるで誰かの人生を歩いているようだった。
昼休みになると、昼食も摂らずに教室へと向かった。
次郎のいる教室に行ったのだ。
いつもいる人が居ないだけで現実感がなくなった。
今は夢の中なのかもしれないとも思う。
次郎を教室のドアから呼んだ。
返事は無い。
次郎のクラスの奴に聞けば熱が出たらしい。
そうかと俺は言っていた。
そしてぼーっとしているうちに、あるマンションの三階へ来ていた。手には住所が書かれている。俺はほとんど無意識のうちに、クラスの奴に次郎の住所を聞いて次郎の家まで来てしまったという事か。
右手にはスーパーの袋をもっていた。
中に何かがあると見てみたらアイスだった。
なんで熱の奴にアイスやるんだよ。
ていうか俺今昼休みだよ。
でもなんか分かる。
俺は次郎に話すつもりだったんだ。
無意識に行動したのか意識が朦朧としたのか、記憶が曖昧なのかどうかはわからないが、俺は確信した。
俺、確実に病んでる。
玄関を鳴らしたが次郎もその家族も出てこなかった。
俺の中に一つの可能性が閃いた。
「あの次郎なら、やりかねないよな」
俺は昼休みだということも忘れ、思いついたまま、マンションから出て、一直線に走って行く。
次郎の玄関の前では、溶けたアイスにアリが叢がり始めていた。
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