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第1話 知り合いのお姉さんが凄い人なんだ
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授業が終わり、チャイムが教室内に鳴り響く──クラスメイトが動き始め、それぞれ自分の友達の所へと向かい、会話を始める。
俺はこれといって用事がないので、自分の席に座ったまま携帯を取り出し、暇つぶしにゲームを始めた。
すると俺の前の席で男子生徒が「なぁ、○○テレビの今日の占い観た?」と、会話を始める。
「たまたま観ちゃったけどさぁ、あんなの当たる訳ねぇよ!」
「だよなぁ~、占いって胡散臭い所あるじゃん。信用できねぇよ」
「うんうん。信用してるやつ居たら、ヤバいっしょ!」
確かに俺も当たるなんて思ってねぇけど……占いを信じてる人や好きな人だって、普通に居るだろ? 誰が大声で話しているんだ? と、気になった俺はチラッと視線を向ける。
あぁ……あの二人か、納得。それより俺は、視線を向けた先に居た斜め前に座る星恵《ほしえ》さんの方が気になってしまった。
星恵さんは読んでいた本のタイトルを隠しながら、黙って閉じる。スッと立ち上がると、廊下に向かって歩き出した。
黒いロングの髪に、黒縁眼鏡と垢抜けた所はなく、いつも休み時間は本を読んでいる大人しい性格をしている女の子だから、高校に入学してから半年近く経つけど、俺はあまり話したことが無い。
でも──何となく可哀想になって、俺は席を立って廊下に向かって歩き出していた。
俯き加減で歩く星恵さんの後ろから、「──星恵さん」と、声を掛けると、星恵さんは足を止め、こちらを振り向く。
「あ、光輝《こうき》君。なに?」
名前……憶えてくれているんだ。
「あのさ……占い……さっきあいつ等が言ってた占いの話。気にしなくて良いと思うよ」と、思い切って口にすると、星恵さんは「え……?」と、声を漏らし、眉を顰めた。
「あ、行き成りだったね、ごめん。さっき星恵さんが読んでいた本のタイトルが見えたからさ、それで──」
「あぁ……」
星恵さんは警戒を解いてくれた様で、穏やかな表情でニコッと微笑む。
「それでわざわざ、声を掛けに来てくれたの?」
「え……まぁ……そんなとこ」
「ふふ、ありがとう」
星恵さんが素直に御礼を言ってくるので、照れ臭くなった俺は、頬を掻きながら「どう致しまして」と返事をする。
星恵さんは両手を後ろで組むと「光輝君は、占いに興味あるの?」と、俺を見つめた。そんなキラキラした目で見つめられると困ってしまう。俺は──。
「うん、興味ある。困った時とか、参考にしてる」と、ちょっぴり嘘をついてしまった。でも人助けの嘘だ。これぐらい良いよな?
「本当!? じゃあ──」
「占ってくれるの?」
星恵さんは、そう言われると思っていなかったのか目を丸くして驚く。
「えっと──私はまだまだダメだよ……その代わり! 知り合いのお姉さんが凄い人なんだ。紹介してあげる!」
「へぇー、ありがとう」
「光輝君はSNSやってる?」
「うん」
「じゃあ後で探してみて」
「分かった」
※※※
昼休みに入り、御弁当の中身を食べ終わった俺は、さっそく星恵さんに教えて貰った占い師のアカウントを覗きに行ってみた。正直、占いは当たらないという気持ちは変わらないが、どんな感じなのかは気になる。
──アカウント名は星子。へぇ……フォロワー数はお世辞にも多いとは言えないが、フォロワーさんとのやり取りをみると、けっこう当たっているみたいだな。
何かに誘導するような胡散臭い所は見当たらないし、むしろ親切丁寧な回答をしている様に思う。
星恵さんが言うには、データ集めのために無料で占ってるって言うし、試しに占って貰おうかな?
俺は少し迷ったが──思い切って『すみません。占いをお願いしたいんですが、どうしたら良いですか?』と書き込んでみた。
すると直ぐに『ありがとうございます。まずはダイレクトメールを送信して貰っても良いですか?』と返事が返ってきた。
俺は『はい』と返事をすると、ダイレクトメールを送ってみた。
少ししてダイレクトメールが届き、そこには『氏名・年齢・血液型・何を占うかを記入して返信ください』と書かれていた。
「あ……」
星恵さんの知り合いだから、氏名とか年齢とか教えても大丈夫だろうけど、そっかぁ、何を占って貰うか決めてなかった。
金運とか? なんか、つまらないな……どうせだったら、もっとワクワクするものが良い──そうだ、恋愛……生まれてこの方、誰とも付き合った事ないし、これからどうなるか聞いてみたい。
俺は指定された内容を全て記入し──ダイレクトメールを送った。
直ぐに星子さんから返事は来て『確かにお受け取り致しました。私の占いは総合的に結果が出るものではなく、個々に見えてくるものなので、またその時になったらご連絡します』と書かれていた。
ふーん……直ぐに結果が出ないのか。残念だけど、それはそれで楽しみだな。気長に待つとしますか!
俺はこれといって用事がないので、自分の席に座ったまま携帯を取り出し、暇つぶしにゲームを始めた。
すると俺の前の席で男子生徒が「なぁ、○○テレビの今日の占い観た?」と、会話を始める。
「たまたま観ちゃったけどさぁ、あんなの当たる訳ねぇよ!」
「だよなぁ~、占いって胡散臭い所あるじゃん。信用できねぇよ」
「うんうん。信用してるやつ居たら、ヤバいっしょ!」
確かに俺も当たるなんて思ってねぇけど……占いを信じてる人や好きな人だって、普通に居るだろ? 誰が大声で話しているんだ? と、気になった俺はチラッと視線を向ける。
あぁ……あの二人か、納得。それより俺は、視線を向けた先に居た斜め前に座る星恵《ほしえ》さんの方が気になってしまった。
星恵さんは読んでいた本のタイトルを隠しながら、黙って閉じる。スッと立ち上がると、廊下に向かって歩き出した。
黒いロングの髪に、黒縁眼鏡と垢抜けた所はなく、いつも休み時間は本を読んでいる大人しい性格をしている女の子だから、高校に入学してから半年近く経つけど、俺はあまり話したことが無い。
でも──何となく可哀想になって、俺は席を立って廊下に向かって歩き出していた。
俯き加減で歩く星恵さんの後ろから、「──星恵さん」と、声を掛けると、星恵さんは足を止め、こちらを振り向く。
「あ、光輝《こうき》君。なに?」
名前……憶えてくれているんだ。
「あのさ……占い……さっきあいつ等が言ってた占いの話。気にしなくて良いと思うよ」と、思い切って口にすると、星恵さんは「え……?」と、声を漏らし、眉を顰めた。
「あ、行き成りだったね、ごめん。さっき星恵さんが読んでいた本のタイトルが見えたからさ、それで──」
「あぁ……」
星恵さんは警戒を解いてくれた様で、穏やかな表情でニコッと微笑む。
「それでわざわざ、声を掛けに来てくれたの?」
「え……まぁ……そんなとこ」
「ふふ、ありがとう」
星恵さんが素直に御礼を言ってくるので、照れ臭くなった俺は、頬を掻きながら「どう致しまして」と返事をする。
星恵さんは両手を後ろで組むと「光輝君は、占いに興味あるの?」と、俺を見つめた。そんなキラキラした目で見つめられると困ってしまう。俺は──。
「うん、興味ある。困った時とか、参考にしてる」と、ちょっぴり嘘をついてしまった。でも人助けの嘘だ。これぐらい良いよな?
「本当!? じゃあ──」
「占ってくれるの?」
星恵さんは、そう言われると思っていなかったのか目を丸くして驚く。
「えっと──私はまだまだダメだよ……その代わり! 知り合いのお姉さんが凄い人なんだ。紹介してあげる!」
「へぇー、ありがとう」
「光輝君はSNSやってる?」
「うん」
「じゃあ後で探してみて」
「分かった」
※※※
昼休みに入り、御弁当の中身を食べ終わった俺は、さっそく星恵さんに教えて貰った占い師のアカウントを覗きに行ってみた。正直、占いは当たらないという気持ちは変わらないが、どんな感じなのかは気になる。
──アカウント名は星子。へぇ……フォロワー数はお世辞にも多いとは言えないが、フォロワーさんとのやり取りをみると、けっこう当たっているみたいだな。
何かに誘導するような胡散臭い所は見当たらないし、むしろ親切丁寧な回答をしている様に思う。
星恵さんが言うには、データ集めのために無料で占ってるって言うし、試しに占って貰おうかな?
俺は少し迷ったが──思い切って『すみません。占いをお願いしたいんですが、どうしたら良いですか?』と書き込んでみた。
すると直ぐに『ありがとうございます。まずはダイレクトメールを送信して貰っても良いですか?』と返事が返ってきた。
俺は『はい』と返事をすると、ダイレクトメールを送ってみた。
少ししてダイレクトメールが届き、そこには『氏名・年齢・血液型・何を占うかを記入して返信ください』と書かれていた。
「あ……」
星恵さんの知り合いだから、氏名とか年齢とか教えても大丈夫だろうけど、そっかぁ、何を占って貰うか決めてなかった。
金運とか? なんか、つまらないな……どうせだったら、もっとワクワクするものが良い──そうだ、恋愛……生まれてこの方、誰とも付き合った事ないし、これからどうなるか聞いてみたい。
俺は指定された内容を全て記入し──ダイレクトメールを送った。
直ぐに星子さんから返事は来て『確かにお受け取り致しました。私の占いは総合的に結果が出るものではなく、個々に見えてくるものなので、またその時になったらご連絡します』と書かれていた。
ふーん……直ぐに結果が出ないのか。残念だけど、それはそれで楽しみだな。気長に待つとしますか!
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